平成15年度神奈川県放射線監視委員会会議記録
掲載日:2011年3月1日
様式 3
会 議 記 録
次の審議会(協議会)を下記のとおり開催した。
審議会等名称 | 平成15年度 神奈川県環境放射線監視委員会 | ||
開催日時 | 平成15年5月23日(金) 10時~12時 | ||
開催場所 | 県庁第二分庁舎6階災害対策本部室 | ||
出席者 ◎ 委員長等 | ◎ 岩島 清 国立保健医療科学院特別研究員 岡野 眞治 (財)放射線影響協会研究参与 阿部 史朗 独立行政法人放射線医学総合研究所 名誉研究員 | ||
次回開催予定日 | 未定 | ||
問い合わせ先 | 所属名、担当者名 防災局災害対策課 宮川、伊藤 電話番号 045-210-3521 メールアドレス saigaitaisaku.0311@pref.kanagawa.jp | ||
会議記録 | 発言記録 ・ | 要約した 理由 | |
会議の概要 | 議題 (1)平成14年度原子力施設稼働状況等について (1)(株)東芝原子力技術研究所から説明があった。 (2)(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(以下「GNF」。)から説明があった。 (3)立教大学原子力研究所から説明があった。 (岡野委員) ○ GNFの工場内に保管しているウランの量はどのくらいですか。 (GNF) ○ 15年3月末の時点で440トンです。 (岡野委員) ○ 割に多く残っているのは、東電の原子炉停止の影響があるのですか。 (GNF) ○ 本来1月から3月の間に出荷するものが、発電所が止まっていることによって出荷の時期が遅れています。 (岡野委員) ○ いつもよりは少し多いわけですよね。 (GNF) ○ 当然変動はございますが、通常は300トンから400トンは常にあります。それに比べれば少し多い程度です。 (岩島委員長) ○ GNFにお聞きしますが、日本分析センターとクロスチェックのためと言いますか、同じサンプルの測定をされて結果が出ていますね。かなり近い結果が出ています。このサンプルはどのような方法で分けられているのですか。あるいは別々に採ったのか、同じ日に採ったのかということです。その点についてお聞きしたい。 (GNF) ○ 日本分析センターと私どもで、両方で分析しているわけですけれども、サンプルは横須賀市さんに立会いいただきまして、その採取ポイントで同時期に採ったサンプルを分けています。 (岩島委員長) ○ その程度ですね。要するに底質なんかですと、同じように分けることは大変ですよね。そういう意味では、だいたい合っていれば良いという感じのものとして受け取っていいわけですよね。 (GNF) ○ 同じポイントで採ったものを二つに分けたということです。 (岩島委員長) ○ わかりました。もうひとつ、立教の原澤先生にお伺いしたいのですが、立教の場合には炉は止めているけれども、中で何か実験をしているということはございませんか。 (立教大学) ○ 今はありません。燃料の搬出の準備をしているということ以外は、中でRIを持ち込んでやるということもありませんし、持ち出すこともありませんので、何もしていないと言ってよいと思います。 (岡野委員) ○ 保管廃棄という言葉を使っているのですけれども、これは今、保管廃棄という言葉はあるのですか。所内の廃棄物貯蔵施設で保管廃棄をしているということなのですか。保管廃棄という言葉は、昔ありましたが、現在そういう用語があるのか定かではありません。あまりそういう紛らわしい言葉を使わないで、ただ保管していると、廃棄の準備のために保管しているとした方がよろしいのでは。 (立教大学) ○ 保管廃棄という言葉の定義を意識せずに使っていましたが、保管廃棄施設があるものですから、漠然と使っているところはあります。実際問題としては、保管しているだけです。廃棄していることはありません。 (岡野委員) ○ 正確に言えば、保管廃棄施設に保管しているということですね。 (立教大学) ○ そういうことです。 (阿部委員) ○ みなさんの話しを聞いていますと、平均線量率というのが出てきますが、報告では年間線量率ではないのですか。この値を書くのでしたら、私は当然、平均線量率というのは、例えば日なら日、時なら時、そういうものの寄せ集めの平均ですから、環境では必ず変動しますから、その辺の細かいデータが付いていないと、これは意味がありません。だから、今までそういう習慣だったのでしょうか、平均線量率というのは。どういうことか具体的に言うと、資料3に管理区域内の管理、それのパラグラフ2番目の下に平均線量率いくら、年間線量率いくら、空間線量率の値が書いてあります。その辺をちょっと問題にしたいのですが。 (立教大学) ○ まず、管理室内での線量率については、連続測定をしていますので、これは連続値を厳密に全部、各時間というわけではないのですが、時間変化の平均です。あとはサンプルした測定値の平均と、そういうのを全部ひっくるめて平均としてしまっています。 (阿部委員) ○ 私が言いたいことは、平均線量率を出すのは、年間線量率、その年間の時間数かければ年間線量率になるのですか。同じことじゃないのですか。 だから平均線量率をここにあげるのであれば細かい1時間ごとのデータが付いてないと、これは意味がないのではないでしょうか。 (立教大学) ○ そうかも知れません。これには付けなかったのですが。 (阿部委員) ○ 今までこういうことが通っていたのでしょうかね。 (立教大学) ○ そういうことでずっと報告しておりました。これは研究所の管理報告の一部なので、文部科学省に出したものではありませんが、この報告でずっと、大体これと同じような報告をしてきていましたので、そんな習慣でおりました。 (岩島委員長) ○ それは立教大学だけでなくて、全体としてそれを了解していただきたいと思いますね。 (阿部委員) ○ もうひとつ、測定限界とか法令値、特に明確に出ているのがGNF-Jの資料2の2枚目の裏に排水廃棄実績、そういうところに法令値と測定限界値が出ています。私が言いたいのは、このような習慣だったなら、それはそれでいいのですが、物事に二重の基準値があるということは非常に困ることなのですね。使いようによっては、うまくそっちを使ったり、こっちを使ったりすることがあるので。私は日ごろ、指針などにそういう二重になる可能性のあるものは、猛烈に反対してきました。そういう意味から言って、この二つをそれこそ測定値としての報告だったら、私は測定限界以下というものが生きるし、法令に対する報告だったら、法令値というのが生きる。そう思ったのですが、今の場合は、我々は測定値の議論をするのではなかったかなと思っています。 (岩島委員長) ○ 具体的にこうした方がいいということをおっしゃっていただきたい。たとえば図の表し方として阿部委員としてはどうしたらいいか。 (阿部委員) ○ 私は法令値は要らないのではないかと思います。この委員会に出す場合は。報告など役所に出すときは、こういうように出すのがほんとなのでしょう。それは分かります。ところが我々は測定値が安全かどうか、そういう見方をする場所ですからね。 (岩島委員長) ○ 何か補足することはありますか。 (岡野委員) ○ 原澤先生にお聞きしたいのですが、四半期の気体状廃棄物の放出量が書いてありますけど、立教の方ですね、3枚目の資料に結構数字が出てきますが、これは核種とはどういう核種なんですか。ラドン関係ですか。3枚目の全希ガス量として放出量が第一四半期が2.1×10の8乗Bqという数字が出ていますけど、これはどういう意味合いを持っているのですか。 (立教大学) ○ 核種については、今まで実際にガス状の放射線を測定しているのではなく、これを測っているのは先程言いました煙突の出口のところです。しかも連続して出しているわけではなくて、現在はもう週に一度しか換気していません。換気を始めるとワーと大きな値となり、しばらく時間が経つと収まってくるということを繰り返しています。ですからこれが自然のラドン・トロン核種であると、今までの経験で理解しているわけです。だから、核種分析測定結果があるから、これがラドンだというのではなくて、そういう測定状況から今のように判断をしているということです。 (阿部委員) ○ 数字だけをみますと、いかにも人工的なものが出たという印象を受けます。恐らく毎回測ったものをそのまま積算してそうなるのでしょうが、内容をある程度はっきりさせて、これはどういう数値かということがわかるように表現しておいていただけると有り難いです。 (岩島委員長) ○ 先ほど、阿部委員からお話しくださったこと、ご理解いただけたかと思いますが、基準値と比べて云々ということもさることながら、ここではその数値がどういう信頼性のもとに表されている数値か、どういう意味を持つかということを議論する場ですから、その点に留意してほしいという主旨だったと思いますが、よろしいですね。 議題 (2)平成14年度県環境放射線モニタリングデータの評価について ○ 事務局から平成14度県環境モニタリングデータ結果とデータ変動事例について説明した。 (岩島委員長) ○ みなさんお聞きのように、二つのことが報告されました。一つは定常的なモニタリングデータの評価で、それは年間1mSvを十分下回るものであるということと、それからよく出てまいりますけれども、非破壊検査などによるデータの変動事例がいくつか起きているということでございます。この変動の事例、特に非破壊検査と考えられる、こういう変動というのは、日本全国いろいろなところでありますけれども、私の知るところでは、神奈川県特有の事象でかなり多くございます。一般的には、どちらかと言うともう少しレベルの低い、例えば100nGy/hぐらいの病院の患者が動いた、それによる影響というのがモニターに引っかかってくるというようなことがございます。そういう点でこういう問題が1mSv/h云々というよりは、そういうものの異常があった時に、どの程度のレベルの時にどう対応したらいいかというようなことも含めて考えておかなければならないということを、今のお話しで伺えるのではないかと思います。そういうことを含めて、まず委員のお二人からご意見なりをお話しください。 (阿部委員) ○ 私、事例に対する県側の説明、非常によろしいと思いますね、わかります。それで結構だと思います。まずそのことを言った上で、このスペクトロメトリーの場合のデータの蓄積時間は何分ですか。私の言いたいのは、線量率の変動と比べてみる時、スペクトロメトリーの方が時間的に細かい点が分からないでしょう。スペクトロメトリーは、時間分解能が落ちるけれどエネルギー分解能は上がってきます。 (事務局) ○ スペクトルの方は、10分値でとっています。 (阿部委員) ○ 測定値の時間的な移り変わりというのは、本来同じはずじゃないかと思われるでしょう。実は測定法ごとに違って来ます。スペクトロメトリーの方が時間的に細かい点が分からないので、少し変わったパターンに見えているのです。そこでここの本題に関係ありませんが、緊急事態の線量率の上昇値が決めてあって、10分間ある数字以上になったら発動しろというマニュアルがありますね。私自身はあまりそのような数字に賛成ではないのですが、その数字に近くなっているのではないかと思いますが。 (事務局) ○ 緊急事態の場合は、基本的には5μSvで動き出すということです。 (阿部委員) ○ ちょっと差はありますね。以前から私は施設事故がなくとも、あり得ることではないかと思っています。人為的にやるならできますけどね。戦争もなく、今回のような人為的でもない場合に、そういうことがあり得た場合どうするかということを、少し考えておいた方がいいのではないですか。今回の場合確かに放射線エネルギーが低いから、あまり距離は届かないですね。放射線のエネルギーが低いから、あまり届かないということが幸いして、こういうふうに限定された範囲内に留まったということなのです。場合によったらその辺がすっきり行かなくなってくるのではないだろうかと思います。これは言ってみれば、この原子力施設の問題を考えるこの委員会では範囲外ですね。ただし県民としての問題はあると思います。だからそこのところをどう扱うかを別にして、それだけ言います。 (岩島委員長) ○ 他の委員、何かございますか。今の問題に関連して、アクションレベルと言いますか、どういう対応なり、どういう計画を立てたらいいのか。 事務局が事務的にある程度、こういう場合にはすぐこういうふうに、こういうことがやれるよというような事に関してですね、助言があればと思います。 (岡野委員) ○ ひとつはですね、神奈川県はスペクトルデータも含めて、こういうことがきちんとできる県というのは、非常に少ないのですね。そういう点では、僕は大変敬意をはらっているわけです。つまりスペクトルデータをとって問題を解決する、例えばRIを投与された患者さんではないかとか、非破壊検査ではないかとかいうことは、いろいろと数字が増えると噂は出てくるけど明確にスペクトルから判断できるというのは、大変神奈川県としては立派なやり方だと感心しています。それとは別に、今のアクションレベルですけど、ひとつは5と6の資料で電離箱の数字とNaIの数字がかなり違います。恐らくこのくらいの強さになりますと、NaIのスペクトルデータはスペクトルとしては保存されるけど、データとしては、アップアップしてるというか、強すぎて正確な数字が出てないと思います。そういう点では電離箱の数字の方が非常に広い範囲のデータがとれますので、そういう点ではこの数字が、言ってみればNaIでやると1μGyが、電離箱だと4とか7とかいう数字になってきます。実際には電離箱の数字の方がこういう場合には正確な数字を表していると思います。先ほどのアクションレベル5μSvということが言われてますけど、これで言うと明らかに7μSvというのはアクションレベルを超えているわけですね。この辺のところは、非常に大きな線源、何か事故とは別に今回のような時、線量が高い時にはNaIはある程度、正確な数字を示さないことがありますので、そのために電離箱を置いてあるわけですけれども、電離箱の数字をどう扱うかということを、これから考えていただけると有り難いと思います。 もうひとつは、電離箱がたとえばデータとしては大変よく出ているので、僕は電離箱というのは、なかなかこういう細かい時間変換、NaIと同じように出ないのが普通なのですが、そういう点では非常にいい道具を使われてるというように思っています。先ほどの阿部委員が言われたアクションレベルについてどうするかということは、今後のひとつの課題として心に留めておかれるといいかと思います。 (岩島委員長) ○ お二人の意見、同じなのですが、私としてはこの委員会の枠から出ると思いますけれども、やはり県民の健康保全という立場から言いますと、ひとつは緊急時のレベルとの係わり合い。もうひとつは県の事務局として、どう対応し、どういうふうに日ごろ行っていったらいいかというマニュアルを作るためにも、何か県としてグループを作って検討していただければ有り難いなと思います。そうしませんと、年中事務局としては、これは何だろう、どうしたらいいだろうということがございます。たとえば茨城県では通常のレベルの何倍くらいのところになったならば、たとえばそれも2分値ではなく1時間値をとって、どのくらいになったならば、県として評価をするような体制を整えるとか、そういう決まりがあります。そんなことも参考にしながら、特に非破壊の問題については、一方ではちゃんと許可されているわけですね。使用する場合に敷地境界で250μSv云々と、一方ではちゃんと許可されているわけです。けれどもこういうモニタリングに引っかかってきた場合はあまり慌てないでいいような、また非常に必要な場合にはどうすべきかということを、ご検討いただけると有り難いと思います。内容自体も両委員ともご理解いただけたということで、全体として1mSvの関係でもう一度見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。全体の評価をするという意味ですね。非常によく整えられていますが、お話しございませんか。 (岡野委員) ○ 一年のデータを見ると、非常に説得力があって、そういう点で県民に対しては、また、まわりの住民に対しては、そういうことが担保されているということは明確だということで大変結構だと思います。 (岩島委員長) ○ そうですか、それはありがとうございました。 (元多所長) ○ 東芝の方にお伺いします。αとガスモニタ検出限界とありますが、この数値が四半期ごと、前半と後半の数値が違う理由を教えていただけませんか。原子力技術研究所の数字とよく見合わせると、ちょっと違います。この違いの説明をしていただけませんか。αについては原子力技術研究所の数値が-9乗になっていますが、後の部分は-8乗になっている。それとガスモニタの最後のページが1.8×10の-2乗と後半が8.1×10の-1乗になっていますけど、この辺の数値がわからないのですが。 (東芝) ○ 最初の方の原子力技術研究所の数値と研究炉管理センターの数値が、一方は-9乗で一方は-8乗と、このあたりは設備を設置いたしました時の時期が違っておりまして、役所の使用前検査を受けました時のデータとして二つ違った数値になっております。最後のご質問の研究炉管理センターのガスモニタで上期は1.8の-2乗、下期は8.1の-1乗となっておりますのは、TTR解体を進めておりまして、保安規定を数値が変わった境目あたりで変えておりまして、前半の方は運転してます時の対象核種といいますか、こういう核種を注目して見ますというのと、運転が終わりまして解体工事になった場合の注目核種、それが保安規定の方で変わりましたので数値が変わりました。 (元多所長) ○ わかりました。できたら今のことについては、どこかに書いておいてほしいですね。要するに見た方では、同じ機器か、あるいは違う機器を使ったのか、よく分からないんですよね。ですから、変わった時点で何か注釈が欲しい気がします。見た人は分からないですよね。これを見ても機器が変わったのか、その時何が変わったのかが、今保安規定が変わったと言っていますが、我々から見ると機器を変えたのかとか、いろいろ考えますので、何か分かるような注釈が欲しいなという気がします。 (東芝) ○ はい、わかりました。 (岩島委員長) ○ よろしくお願いします。特にこういう分野では普通の人が分かるような記述の方法が欲しいなと思います。どうもありがとうございました。この辺で全体の評価のまとめをしたいと思います。事務局で何か今までの議論を踏まえたような原案が用意されていれば、お配りください。それでは案を読まさせていただきます。 「平成14年度神奈川県環境放射線モニタリングデータの評価結果について」このことについて、神奈川県環境放射線監視委員会において検討、評価した結果は次のとおりである。 1 県内原子力施設起因の放射線による施設周辺住民等の被ばく線量は、公衆の年線量限度(1mSv)を十分に下回っており、周辺住民等の健康ならびに安全上、問題となるものではない。 2 原子力施設からの放射線による環境への影響は認められない。 (岩島委員長) ○ 以上でございますが、ご意見がございましたらどうぞご発言ください。 (岩島委員長) ○ 余分なことを申し上げますと、1のところで「被ばく線量は」とありますが、これはいわゆるモニタリング指針なんかですと「住民等の線量は」とございますけれども、それよりもはっきり皆さんに分かるようにという意味で、こう書かれているんだろうと私は理解いたします。「住民の線量」とは何ということになりますので、「被ばく線量は」と書かれているというふうにご理解していただきたいと思います。 (岡野委員) ○ 住民等の「等」とは何を意味しているのですか。 (事務局) ○ 施設やその周辺で一時的に工事の作業をしていた人とか、その場に住んでいる人ではなくて、一時的に居るような場合の人も対象にするという意味で「等」が入っています。 (岡野委員) ○ 「このことについて」は役所的な条文であると思います。 (岩島委員長) ○ 事務局にお任せしましょう。特にここでは放射性物質の測定はしておりませんから「放射線による環境への影響は」というようになっているとご理解ください。そして、「影響は」これまで測定していた変動の範囲内で影響はない、ということです。よろしいでしょうか。よろしければ、ご承認いただいたこととさせていただきまして、この案をとらせていただきます。ありがとうございました。それでは議事はこれで終了ということで、進行は事務局にお返ししたいと思います。 議題 (3)その他 ○ インターネットの表示について、事務局から説明した。 今までの画面との改善点 (1)雨量と線量との相関関係 (2)トレンドグラフ過去横軸24時間のデータ→1ヶ月画面の追加。 (阿部委員) ○ こう見せるのはいいのですが、極端なことがあった時、どういう対応をされるか、そこのところはちゃんとしているのでしょうね。私が言いたいのは、ものすごく高いレベルで急に上がった、例えば先ほどのようなことでね。それを現時点で見た人が問い合わせしたりするような事態があり得ると思います。その時の対応はどうされるのでしょうね。そこが一番問題ですね。私は公開も大変よい、公開はやるべきだ、ただしちゃんと説明をつけた公開でないと、いわゆる役所風の法律を公布するみたいなやり方ではだめだと思いますが、それについては何か考えがありますか。 (災害対策課長) ○ 発災時は地域防災計画でやるのですが、今の非破壊検査等、あるいは降雨でレベルが上がった時、その辺は正直言いまして10分値で表示していますが、その都度、解説の入力はしていません。過去1年間問い合わせはないのですけれども、先程のお話しや、今の阿部先生のお話しを、私ども少し時間をかけて検討させていただければ有り難いのですが、今この場でこうしているというのは、なかなか言えないもので、お時間をいただければと思いますが、主旨は十分、先程のお三人の先生方のお話しでよく分かりましたので検討させてください。 (岡野委員) ○ 一ヶ月分というのは大変結構だと思います。非常にいろいろな事がよく分かるし、増えたところに対する説明を、雨以外の事象があったところは、どこかのお知らせなどで、そういう事があったけれど、これはこういう原因ですよということのホームページ的なものを、どこかに付け加えていただくと皆さんの疑問が解けるのではないかというように考えていますので、そのやり方などを考えていただきたいと思います。先程のアクションレベルと関係があるのですけれど、あのように増えた時は県の担当の方には、どういう連絡があって、どういう対応をするかというのが、なかなか見えてこないのですけれど、かなり大変だと思うのですが、特にX線は夜中に増えてますよね。その時にあるレベルを超えたら担当の人のポケットベルに警報が出るとか、そういうことがどうなっているかということが多少分かったら教えていただけると有り難いのですが。 (災害対策課長) ○ 前段のホームページについては、神奈川県のホームページがあります。その中で防災局ももちろん単独に持っております。このホームページはご意見、ご要望をいただきながら、アップしていきますので、今のお話しも踏まえて、必要な改訂はどんどんやっていこうと思っています。連絡体制については、異常値が出ますと職員が持っている携帯電話が鳴る仕組みになっていますが、詳しくは事務局から説明させます。 (事務局) ○ 私どもモニタリングを担当しております、衛生研究所の職員を含めまして、PHSを常に携帯しております。レベルとしては、今2分値で200nGy/hを検出した時に携帯が鳴るようにしています。なぜ200なのかという根拠が出てくるのですけれども、他の県ですと平均値の3倍を超えたら鳴るとか、いろいろあるようですが、今のところ2分値で200を超えた時点で、まず職員のPHSにメールで警報の情報が入る、そうしたあと、どうするかということですけど、勤務中であるとモニタリング端末を確認し、通常の10分値で見ているのですけれども、測定時間を短くした2分値でその動きを見ていく、つまり原災法ですと10分間、毎時5μSvを検出した場合に、これは通報事象と言って第10条通報ということになるのですけれども、そこのところをずっと2分値で見ていきます。10分間もし続いたら、これは大事に至っているわけですので、そういったまずデータの監視。それと自宅等にいる時には、同じようにこちらのサーバーにアクセスをして、データが見られるようにノート型のパソコンを持っております。そういった形でデータが上がった場合には、必ず確認作業をしております。 (阿部委員) ○ 私、ある県の顧問をやっています。そこでも問題になりました。時には施設に何も起こらなくても注目のレベルを越えることがあり得ると私は答えておきました。だから線量率はやめてくれと。参考にするならいいけれども、線量率で議論するのはやめてくれと。公衆への影響を見たり、予測したりするには積算値です。積算値でやらなければ、話しになりません。線量率を尺度にすると無駄な行動をしばしばやりかねません。でも指針が決まっている以上、やらざるを得ないのでしょうけれど、参考までに。 (司会) ○ 予定されていた議事がすべて終了いたしましたので、これを持ちまして本委員会を終了させていただきたいと思います。本日は皆様、どうもありがとうございました。 すべての議題が終了したことを確認し、閉会した。 |