かわさきFM 川崎県民センター情報 放送アーカイブス 平成29年2月15日放送

掲載日:2017年2月15日

川崎の伝統野菜「のらぼう菜」のご案内

出演者:農業技術センター 横浜川崎地区事務所 下薗 健志(しもぞの たけし)

 
スタジオには川崎県民センターの石川さんにお越しいただいています。
石川おはようございます。
今日は、どのような情報でしょうか。
石川今日は、川崎の伝統的な野菜「のらぼう菜」をご紹介します。
農業技術センター横浜川崎地区事務所の下薗 健志(しもぞの たけし)さんをスタジオにお連れしました。
下薗こんにちは。よろしくお願いします。
まずは、農業技術センター(横浜川崎地区事務所)では、どんな仕事をされているのでしょうか。また、特に下薗さんはどんな仕事をしているのでしょうか。
下薗神奈川県農業技術センターでは、県内の農家の技術指導をしています。私の所属する横浜川崎地区事務所では、横浜市と川崎市を管轄しており、私自身は川崎市の野菜の農家の技術指導を担当しています。
川崎市は日本有数の都市で、工場や住宅の数も多く、農業のイメージがわきにくいかもしれませんが、市内では今でも農業も盛んに行われています。なかでも、麻生区、宮前区、多摩区など、川崎市の中部から北部にかけては農業が比較的盛んに行われている地域です。住宅に囲まれた畑で梨や柿などの果樹や花のほか、様々な種類の野菜が栽培され、収穫したての野菜が直売所で販売されています。
私の仕事は、野菜を栽培する農家を個別に訪問したり、農業協同組合や川崎市の農業関係の職員と一緒に農家を回ったり、講習会を行ったりして、新しい技術情報を提供したり、農家の抱える様々な課題に答えたりして、農業技術の向上を図っています。
石川今日は、「のらぼう菜」という野菜のご紹介です。まずは「のらぼう菜」とはどんな野菜なのか、ご紹介をお願いします。
下薗のらぼう菜は川崎で栽培されている伝統野菜です。春先に伸びてくる蕾や茎などを食べる野菜で、見た目は菜の花に似ています。菜の花に比べて苦味やクセがないので食べやすく、甘みもあってとてもおいしい野菜です。また、栄養面で見るとビタミンCやβカロテンが豊富なほか、鉄やカルシウムといったミネラルも含んでいます。
「のらぼう菜」という名前も面白いですね。何か由来はあるのでしょうか。
下薗のらぼう菜の歴史は古く、少なくとも江戸の初期には多摩川流域を中心に栽培されていた野菜です。名前の由来は諸説ありますが、一説では「野良生え」からきているといわれています。のらぼう菜は栽培に手間がかからず、野良にも生えるので「野良ばえ」と呼ばれ、それが時間をかけて「のらぼう」に変化したと言われています。野良でも生える強さから、江戸時代の天明や天保の大飢饉の時には、幕府から種が配布され、多くの住民を飢えから救ったという記録も残っています。
川崎市では多摩川沿いで古くから栽培されていて、現在でも多摩区菅地区を中心に栽培が盛んに行われています。
石川今回ご紹介している「のらぼう菜」ですが、青果店やスーパーなどで一般的に売られている野菜ではないような印象を受けますが、なぜなのでしょうか。
下薗のらぼう菜は収穫後にしおれやすいので、大量生産して長距離輸送をすることにむかない野菜です。そのため、青果店やスーパーなどに出回ることはほとんどありません。
川崎市では、収穫してすぐに販売できる直売所が多くあるため、栽培が盛んに行われています。
「のらぼう菜」は、いつ頃、どのようなところで手に入れることができるのでしょうか。
下薗川崎市内では、JAセレサ川崎の大型直売所「セレサモス」や、市内各地の個人直売所で購入できます。例年ですと、川崎では2月の下旬ごろから収穫が始まりますが、今年は年末から晴天の日が多く、生育が例年よりも早めなので、もう販売が始まっている直売所があるかもしれません。
地域によっては、農協や役場などが「直売所MAP」を作っているところもありますので、直売所を探す際には参考にしていただければと思います。
「のらぼう菜」は、どんな調理方法が良いのでしょうか。おすすめの料理はありますか。
下薗春野菜特有の苦味やクセがないので、いろいろな料理に使っていただけるかと思います。例えば、おひたし、味噌汁、揚げ物のほか、炒め物やパスタに入れてもおいしくいただけます。神奈川県のホームページ内にのらぼう菜の利用法を紹介しているページがありますので、そちらも参考にしていただければと思います。
のらぼう菜は鮮度が落ちやすいので、なるべく早く召し上がるのがお勧めです。もし保存したい場合には、茹でてから冷凍すると、長く保存できるかと思います。
石川下薗さんは、農家が野菜を育てる際に指導する立ち場だということですが、「のらぼう菜」の生産を指導するに当たって、特に気をつけていることはありますか。
下薗比較的栽培に手間がかからない野菜なので、指導する上で注意点は少ないのですが、収穫の仕方はポイントになるかと思います。
のらぼう菜は葉のわきから蕾が次々に伸びてきて、春の間に何回か収穫できます。しかし、わき芽をたくさん残してしまうと細い蕾が出てきてしまうので、収穫時に深くに切り戻すことで、良い蕾が5月まで収穫できます。花が咲くと味が落ちるので、花が開く直前に収穫することもポイントです。この点は、のらぼう菜をお買い求めの際にも参考にしていただければと思います。
また、ほかの野菜に比べると病害虫の発生は少ないのですが、春先の暖かくなる時期にアブラムシが発生することがありますので、その際は防除をお願いしています。
栽培に手間がかからない野菜ということですが、ご家庭でも育てることはできるのですか。
下薗のらぼう菜は育てやすいので、家庭菜園や広めのプランターで簡単に栽培できるかと思います。プランターで栽培する際には広めのプランターを使うのがポイントです。初めての方は苗を買って定植するのがお勧めです。秋には「セレサモス」などのお店にのらぼう菜の苗が販売されています。上級者の方は種苗会社から種も販売されていますが、系統によって収穫時期が異なりますので、栽培の前に確認していただければと思います。
簡単に育てられて、しかもおいしい野菜ですので、興味のある方はぜひチャレンジしていただければと思います。
最後に、リスナーへのメッセージをお願いします。
下薗のらぼう菜は種苗会社からも種が販売されていますが、川崎市では、市内の生産者が独自に種を守り続けていて、川崎特有の系統が栽培されています。神奈川県農業技術センターは、川崎市や明治大学と連携し、川崎ののらぼう菜のブランド確立を目指しています。のらぼう菜を見かけた際には、数百年も前から春の訪れを告げてきた伝統野菜を、ぜひ味わっていただければと思います。
また、川崎市内ではのらぼう菜以外にも様々な野菜、果樹が栽培されおり、採れたて、新鮮なものが直売所等で販売されています。夏にはトマトやキュウリ、秋には梨や柿、冬にはハクサイやホウレンソウといった季節の農産物が販売されていますので、ぜひ市内の直売所をご利用いただければと思います。

川崎の伝統野菜「のらぼう菜」に関するお問い合わせ

神奈川県 農業技術センター 横浜川崎地区事務所

  [住所]  〒226-0015 横浜市緑区三保町2076

  [電話]  045-934-2374

神奈川県

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