海外女性時事情報 (ニュース)

掲載日:2015年4月1日
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エマ・ワトソン:ジェンダー平等はあなたの問題

  2014.9.20  UNウイメン親善大使エマ・ワトソンが、国連本部でのHeforSheスペシャルイベントで行ったスピーチです。

  本日、私たちは “HeforShe”キャンペーンをスタートいたします。私がここにいるのは皆様にご協力をお願いするためです。私たちはジェンダーの不平等をなくしたいのです。また、皆様に取組に加わっていただくために必要なことを行いたいと考えています。
  国連でこのようなキャンペーンを行うことは初めてです。できるだけ多くの男性や少年にジェンダー平等の支持者になってもらえるよう、行動を起こしたいのです。ですから、ただこの問題についてお話しするだけではなく、きちんと具体的なものにしたいと思っています。
  私が半年前に指名を受けてから、フェミニズムについて語れば語るほど、女性の権利を得るための戦いが、男性嫌いと同義語のようになっている場合が多いことに気がつきました。確かなことがひとつあるとすれば、このようなことはおしまいにすべきだということです。
 実際には、フェミニズムは、「男性と女性が同等の権利と機会を持つべきだという考えであり、政治、経済、社会における両性の平等の原理である。」と定義されています。

 私がジェンダーに基づく前提について、疑問を持ち始めたのは8歳のときでした。私は、親たちのために上演する劇の監督役を希望したところ、 “生意気”と言われ混乱しました。男子たちはそんなことは言われませんでしたから。
 14歳になり、一部のメディアが私に、女性という特色を付け始めました。
 15歳になると、女性の友人たちが筋肉質になりたくないと、入っていたスポーツチームを辞めました。
 18歳のときには、男性の友人たちが、自分の気持ちを表すことができなくなりました。

 私はフェミニストであろうとし、それは簡単なことのように思えたのですが、最近、調べてみたところ、フェミニズムは人気のない言葉になっていました。
 どうやら私の態度は、‘強く、積極的すぎる、孤立した、男性に相反する、魅力のない’とされる女性に分類されるようです。
 なぜこのフェミニズムという言葉がそんな不快なものになったのでしょうか?

 私は英国出身で、同等の男性の相手役と同じ支払いを受けることは、女性として正当だと思っています。自分の体について決めることができることも、私に代って女性が、自分の国の政策やその決定について参加することも、男性と同じ敬意を払われる権利を持つことも、正当だと思っています。しかし悲しいことに、すべての女性がこのような権利を得られる国は、ひとつとしてこの世界にありません。
 世界にはまだ、ジェンダー平等を達成したと言える国はないのです。
 私は、これらは人としての権利であると思いますが、私が人生に大きな恩恵を被っている幸運な人々のひとりであるからです。娘だからという理由で、両親からの愛が足りなかったということはなく、女子だということで学校から制限されたこともありません。良き先輩たちも、出産の可能性を理由に、私の成功に見切りを付けるようなこともありませんでした。今日の私を作ったのは、このような影響を与えてくれた、ジェンダー平等大使と言える人々なのです。これらの人たちは気づいていないかもしれませんが、無意識のうちに今日の世界を変えているフェミニストです。私たちには、より多くのこのような人々が必要です。

 まだあなたがこのフェミニズムという言葉が好きになれないとしても、重要なのは言葉でなく、その背後にある考えと熱意です。すべての女性が、私と同じような権利に恵まれてきたわけではなく、実際、統計によると、非常に少ないのです。
 1995年に、ヒラリー・クリントンが北京で行った女性の権利に関するスピーチは有名ですが、残念ながら、彼女が変えたいと思った多くの現実は、まだ変わらぬままです。
 しかし、一番私の目を引いたのは、男性が聴衆のたった30%だったことです。このような対話に世界の半数の人だけしか招かず、参加も歓迎せずに、世界を変化をもたらせるでしょうか?

 男性の皆様、この機会を私からの正式なご招待としたいと思います。ジェンダー平等はあなたの問題でもあります。

 子どもの私が、母を必要とするのと同じように、父の存在を必要としたにもかかわらず、今日まで、私の父の親としての役割が、社会で低く評価されてきたのを私は見てきました。
 また、 “男らしさ”に欠けると思われることを危惧して助けを求められず、心の病に苦しむ若い男性も見てきました。実際、英国では、交通事故、がん、冠動脈性心疾患を上回り、20-49歳の男性の最大の死亡原因は自殺です。男性の成功というものを形作っているゆがんだ感覚のために、元気をなくしたり、不安になったりする男性も見てきました。男性もまた平等の恩恵を被っていないのです。
 ジェンダーの固定観念にとらわれている男性について、私たちが取り上げることはあまりないのですが、私には彼らがそこから脱け出せずにいることがわかります。彼らが自由になったときに、当然、女性にとっての物事もまた変わっていくのです。
 もし男性が、男性として認めてもらうために積極的である必要がなかったら、女性も従順であるよう強いられることもなくなることでしょう。男性がリードしてゆく必要がなければ、女性も控え目である必要もなくなります。
 男性も女性も、自由に繊細で、自由に強くあるべきです。今こそ、ジェンダーを相反する一対の典型としてではなく、私たち皆で広い領域で受け止めるときです。
 互いを、自分の人格ではないものによって定義することをやめ、自分自身の人格で定義し始めたら、私たち皆が、より自由になれます。そしてこれこそがHeforSheの求めるものであり、これは自由に関する問題なのです。
 私は男性に、この責務を引き受けていただきたいのです。そうすれば、その男性の娘、姉妹、母たちも先入観から解放されます。また、その息子たちも弱点があってもよいこと、人間らしくあることが許され、彼らがあきらめていた自分たちのそういう部分を再び生かすことで、真の、彼ら本来の偽りのない姿になることができます。

 皆様は、このハリー・ポッターの少女は何者なのか、国連の舞台で何をしているのかと思われることでしょう。いい質問です。私もずっと同じことを自問しています。私が適任であるかどうかはわかりませんが、確かなのは、わたしがこの問題を気にかけており、状況を良くしたいと思っていることです。
 色々なことを目にし、チャンスを与えられた私は、発言することが義務だと感じています。英国の政治家エドマンド・バークは言っています。「悪の力が勝つためには、善良な男性女性が何もせずにいることだけで十分である。」

 このスピーチのために緊張したり疑念を抱いたりした際に、「私でなければだれが?」、「今でなければいつ?」と自分に言い聞かせました。もしあなたに何かの機会が与えられ、同じようなことを感じたときに、この言葉がお役に立つよう願っています。

 もし私たちが何も行動を起こさなければ、女性が、同じ仕事をした男性と同じ支払いを得るまでに75年、私が100歳近くになるまでかかるのが現実です。また、これからの16年で1550万人の少女が児童婚をすることになります。そして現在のペースで行くと、2086年までアフリカの農村の少女全ては中等教育が受けられません。
 もしあなたが、平等を信条とするならば、私が先ほどお話した無意識のうちにフェミニストである一人かもしれません。
 私はそのことに拍手を送ります。
 私たちは、団結するための言葉を探しあぐねていますが、喜ばしい事に団結した活動があります。それがHeforSheです。私は皆様に一歩前進し、発言するために立ち上がり、“She”のための“He”であるよう、この取組へのご参加をお願いいたします。そして自問してください。「自分でなければ誰が?」「今でなければいつ?」と。
 ご清聴ありがとうございました。

 
記事原題:Emma Watson: Gender equality is your issue too
記事出所:UN Women
翻訳および注釈:神奈川県立かながわ女性センター(現 神奈川県立かながわ男女共同参画センター)
  
神奈川県

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