更新日:2023年12月18日

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県民フォーラム意見等に対する回答(第14回)

第6回県民フォーラム実施結果を紹介します

 
第14回県民フォーラム

森林整備等関連項目

1.間伐事業地のとりまとめは、小規模林家が多く、施業に関心のない人が多い中、大変苦労があろうかと思いますが、具体的な苦労、課題点、それに対する工夫点、及び今後改善していきたい点について教えて下さい。

(主な対応所属:水源環境保全課)

神奈川県が進める水源の森林づくり事業では、森林の借り上げや森林の買取りなど、森林の所有者との契約により森林を確保し、間伐など森林整備を行うことで私有林の公的管理を進めていますが、確保を行うには、所有者の承諾を得るほかに、複数の隣接所有者の立会いによる契約区域の確定や、土地の権利関係の確認など、様々な作業が必要になります。
こうした作業は、所有者単位で行うため、ひとつの大きな筆をたくさんの小さな筆に分筆した「割山」や、複数の個人が所有権を持つ「共有林」など、小規模な所有者が多いほど、とりまとめに多くの労力を必要とします。
また、森林への関心の薄さなどから、相続の手続きがされないなど、権利関係の確認が困難なケースも多くみられます。
県としては、所有者ひとりひとりに対し、引き続き、きめ細やかな対応に努めるとともに、平成24年度からは、より多くの所有者から合意が得られるよう、森林の所有者にとってより身近な存在である森林組合等が、県に代わって水源林の管理、整備を行う「長期施業受委託」の制度を導入して、着実な確保を推進することとしています。

2.人工林の荒廃は60%→24%とあるが、どのような評価方法ですか?

(主な対応所属:森林再生課)

H15及びH21に県内水源保全地域の人工林における整備状況をランク分けして比較調査しており、H15に「長期間手入れされていない森林等」が66%であったのが、H21では24%に減少しています。これらは、主にこの間に実施された水源林整備による効果と考えられます。

3.間伐材の搬出について「補助金」はどのように出ているのですか?

(主な対応所属:森林再生課)

間伐材を搬出するには、森林内から道路まで架線等で引き出す費用や、トラックに積み込んで市場等へ運搬する費用がかかります。
森林所有者や林業事業体等が、県内水源保全地域から間伐材を搬出するのに要した費用の一部について補助金を出しており、申請受付や確認の事務は各地域県政総合センターで行っています。

4.昨今非常に危惧されている外国資本による上記買収について、神奈川県としてどのように認識しているか?どのようなスタンスを取るつもりかお聞きしたい。

(主な対応所属:森林再生課・水源環境保全課)

本県の外国人による森林の土地取引については、H22以降林野庁、国土交通省、神奈川県による把握を行っており、箱根の既存別荘地において3件の土地取引の実績が公表されています。これらはいずれも過去に分譲地造成が行われた既存別荘地であり、別荘・保養所等以外の開発は関連法令により許可されない箇所のため森林管理上の問題とはなりません。また、水源施策として水源林整備に際しての土地情報収集、立木伐採等の森林法による規制、水源林の取得・協定など森林の公的管理・支援を進めています。

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水源環境への負荷軽減

5.(コーディネーター淺枝氏への質問)
湖の深さがどの位のスピードで浅くなっているのかや、その原因となる要因を教えて下さい。

(主な対応者:コーディネーター淺枝氏)

湖が浅くなる速度は、毎年数mmから数mまで、湖によって大きく異なります。一般に、構造線などの流域の地盤がもろく、流入河川の土砂輸送量が多い河川では、早く浅くなり、流域が固い地盤絵構成されている河川が流入する場合には浅くなる速度は遅くなります。なお、ダムこのような場合には、土砂は流入部から埋まっていくので、全体が一様に浅くなるということはありません。詳しくは、図説 生態系の科学(朝倉書店)にわかりやすく書いてあります。

6.(コーディネーター淺枝氏への質問)
ダムは老朽化し水質も万全ではありません。ダム周囲は過疎化が進んでいます。私の考えを話させていただきます。「相模湖の中央部に大湿原をつくる計画」です。利点は多々あります。一度話を聞いていただきたいと思います。
相模湖町住民(これ以降、住所・氏名・電話番号が記載されている)

(主な対応者:コーディネーター淺枝氏)

湿原は水質浄化能力が高く、こうした場所がダム湖内にあると水質浄化は進みます(機構は図説 生態系の科学(朝倉書店)でもみてください)。ただし、実際には、日本のダムはほとんど峡谷につくられるので、なかなかそうした場所を作ることができません。しかし、平地に作られたところではそうした試みが行われています。栃木県の渡良瀬貯水池では、近くにヨシ原をつくって水質浄化をしてます。

7.(パネリスト花里氏への質問)
アオコ対策として、下水処理場に入った水が、相模湖に入らないようにする対策について、諏訪湖での実績を踏まえ、(効果について)もう少し具体的にお話しして下さい。

(主な対応者:パネリスト淺枝氏)

処理場の処理排水を諏訪湖に入れた場合と、諏訪湖に入れずに下流の天竜川に放水した場合でシュミレーションモデルを利用して評価しました。まず、諏訪湖に排水を入れなければ当然、湖内の窒素やリンの濃度が低下するので、諏訪湖アオコは減ります。問題は、下流の河川(天竜川)への影響です。処理排水中のリン濃度が高いので、天竜川のリン濃度は高くなります。ところが、川ではリンがどんどん流れて行くので、CODとして捉えられる有機物(主に付着藻類)量は湖のアオコほど増えません。モデルでの評価結果は、処理排水を諏訪湖に入れると、天竜川のCODは5.9mg/Lとなり、直接天竜川に入れると、その値は5.0mg/Lになりました。つまり湖内に放流した場合よりもCOD濃度は15%も低くなったのです。このように系外放流は、湖の水質浄化に有効ですが、下流に湖があると、川を流れ下ったリン・窒素が、その湖でアオコを増やすことになります。相模湖の場合、系外放流をするなら、その放出先は、下流にある津久井湖より下流の川にするべきです。

8.(パネリスト花里氏への質問)
相模湖は深く、流れもあるのに、アオコが多く発生するのはなぜなのでしょうか?総合的、長期的調査、対応が必要なのでは。

(主な対応所属:パネリスト花里氏)

相模湖でアオコを発生する最も重要な要因は、流域から供給される栄養塩、特にリンの量が多いことにあると思います。そのため、それを減らすことが重要な課題です。上流にある家庭や事業所からの排水を処理した後、その水を相模湖に入れないようにできれば、ある程度水質浄化に効果がみられるようになるかもしれません。ただし、アオコが増殖する速度よりも早く湖の水が入れ替わるようにできればアオコの増殖を抑えられるでしょう。恐らく、2~3日ぐらいで湖の水が入れ替われば、アオコは増えられないでしょう。そのためには、(1)相模湖に流入する河川水量を今よりずっと増やす。または、(2)相模湖の水深を下げて小さな湖にする。(1)は現実的ではない話です。(2)は可能ですが、相模湖の水が様々に利用されているので、大きな問題を起こす可能性があります。

9.堆積物、何m積もっているのか。

(主な対応所属:河川課)

ダムの底に堆積している土砂の厚さは場所により違います。平成23年12月測量結果に基づく、ダムサイト付近の土砂の堆積厚は概ね以下のとおりです。
相模湖 約4m
津久井湖 約6m

10.(パネリスト花里氏への質問)
相模湖集水域の生活排水は下水処理した後も相模湖に流し込むことになりますが、アオコ減少の効果はどうでしょうか?

(主な対応者:パネリスト花里氏)

これについては、質問番号7と重なっていますので、まず、それを見てください。生活排水を処理していることは相模湖のアオコの発生の抑制にある程度貢献していますが、アオコを消すまでの効果は期待できないと思います。やはり、何とかして、処理排水を相模湖とその下流の津久井湖に入らないようにすることが有効な方法と考えます。講演で処理排水にはまだ高濃度のリンや窒素が含まれていると申しました。リン・窒素は農地では重要な肥料になります。そこで、ひとつのアイディアですが、処理排水の少なくとも一部を、川に放出せずに、農地に撒くことができればいいですね。そうすれば、化石燃料を使って作る化学肥料の消費量が減ります。温暖化の抑制にも役立つかもしれませんね。また、生ゴミなどは畑に埋めてやはり肥料にできそうですね。

11.(パネリスト花里氏への質問)
すべてこれで済むという訳ではありませんが、EM菌を使うという効果はどうですか?EM菌活用について教えて下さい。

(主な対応者:パネリスト花里氏)

私はEM菌を見たことはありませんが、科学的に考えると、EM菌が水質浄化に役立つとは思えません。なぜなら、EM菌は生物(=有機物)です。したがって、その体内には窒素やリンを含んでいます。EM菌を湖に撒くと、そんなに時間がたたないうちに、ミジンコなどの微小生物に食べられてしまします。そして、食べた動物の糞として湖水中に放出されます。それは水を臭くさせ、むしろアオコの発生を促します。小さな池にEM菌を撒くとアオコが減ることがあるようですが、それはEM菌がアオコを食べたのではなく、この菌が酸性菌なので、それを撒くときに酸性の水も撒いたと思われます。アオコをはじめ、池や湖の生物は酸性環境に弱いのです。もちろん魚も。したがって、池でアオコが消えたなら、それはEM菌の効果ではなく、単なる酸性水の効果だと思います。これについては、私が次の本の中で考察していますので参考にしていただければ幸いです。花里孝幸著「ネッシーに学ぶ生態系」2008年 岩波書店(該当箇所はp.66~p.77)

12.(パネリスト花里氏・野元氏への質問)
「税による対策には限界がある」とのことですが、県民1人1人がアオコ対策のためにどのようなことを意識し、生活の何を変えるべきとお考えなのか、具体的に教えて下さい。

(主な対応者:パネリスト花里・野元氏)

そう遠くではない昔、多くの日本人は、川や湖の水を直接あるいはくみ上げて利用し、野菜や食器を洗ったり、洗濯したり、田んぼに引いたり畑に撒いたりして生活していました。また、里山では間伐材を薪や炭、しいたけの原木にしたり、木材で家を建てたりしていました。無意識のうちに水の循環や生態系を感じ、川などの水を汚さない工夫をしていたと思います。現代の私たちは、そのような暮らしに戻ることはできませんが、自分の暮らし方が水の循環や生態系に少なからず影響を与えていることを意識していくことが重要ではないでしょうか。
アオコの原因は富栄養価にあります。ダム湖の水質を改善し、アオコの発生を抑制するためには、川や湖の上流域で暮らす私たちが、汚れた生活排水などを出さない努力をしたり、畑に過剰な肥料をまかないようにしたりという工夫をするほか、県民のひとりひとりが森林の再生や川や湖の浄化のためにできること考えて、実践していくことが重要だと考えます。外材は利用せず流域材を利用するとか、森林整備のための寄付をするとか、大量消費をやめごみや不用品の処理のための税金を節約し、水源環境保全に回すことなど、いろいろな取り組みができると思います。

13.(パネリスト野元氏への質問)
リンの最もの理由は合成洗剤なのは明らかである。行政としての取組は?

(主な対応者:パネリスト野元氏)

市の職員に確認したところ、洗剤メーカーにより有リン洗剤に替わる合成洗剤の開発が進んだ結果、現在は国産の家庭用の合成洗剤(洗濯用、台所用など)については、有リンのものはなくなっているそうです。
相模原市では、昭和55年に「合成洗剤対策方針」を策定して有リンの合成洗剤の使用抑制に取り組み始め、昭和60年には「洗剤対策推進方針」へ全面改正し、環境にやさしい洗剤の使用への取り組みを進めています。
この方針は、市のホームページに掲載し、広く市民などへお知らせするとともに、夏季には各キャンプ場において、利用客のみなさんに協力をお願いしています。

14.(パネリスト野元氏・行政担当者への質問)
生活排水の処理方法に下水道・合併処理浄化槽があるが、下水道・終末処理場での脱リン・脱チッソは施設改修にて可能ですが、脱リン・脱チッソ合併処理浄化槽は大変高価であります。相模原市での高度処理浄化槽普及の取組を聞かせて下さい。

(主な対応者:パネリスト野元氏・水源環境保全課)

【野元氏】
ダム集水域では、生活排水に含まれる窒素、リンなどがダム湖に流れ込み、アオコが大量に発生するなど、水質汚濁が進んでいることから、平成21年度より生活排水処理の方針として下水道整備区域の見直しを行い、下水道整備地区以外のダム集水域では、窒素、リンを取り除くことができる高度処理型の浄化槽を設置していくこととしました。
ご指摘のとおり、通常の合併浄化槽に比べ、高度処理合併浄化槽は高価ですが、市が住民の方のご理解を得て設置していく市設置型にすることで、1基あたりの購入額を抑制し、個人負担の軽減を図り、早期の設置完了を目指しています。平成22年、23年度には、浄化槽設置状況調査を行い、高度処理型合併浄化槽整備区域にお住まいの方を戸別訪問して、高度処理型合併浄化槽への転換をPRさせていただいたそうです。

【水源環境保全課】
富栄養化の状態にあるダム湖水質の改善を図るためには、高価であっても窒素・リンを除去する高度処理型合併処理浄化槽の導入を促進する必要があります。このため、県が他の地域で実施している合併処理浄化槽整備に対する市町村支援(整備費の40%を国・県・市町村が3分の1ずつ負担、残りの60%は個人負担)に、個人設置型の場合、市町村及び個人が負担する浄化槽整備費の50%、奨励金、単独処理浄化槽撤去費を含む付帯工事費の50%を上乗せして支援しております。相模原市は、平成21年7月から個人設置型から市町村設置型に移行しましたので、個人が負担する整備費は10%に軽減され、この個人負担金と国庫支出金を除く整備費、維持管理費、付帯工事費を支援することにより、高度処理型合併処理浄化槽の普及に取り組んでおります。

15.(1)諏訪湖の例のように、相模湖(津久井湖)でも水質の調査、対応を学問的、総合的に行い、アオコ等々の原因、対応を検討したらどうでしょう。
(2)水源環境税から、この調査、対策に資金を充てて、長期的、総合的に対応したらどうでしょうか?
(3)山梨県と一緒に対応チームを作って、沿岸の住民を巻き込んだ調査・研究を推進したら?

(主な対応所属:水源環境保全課)

(1)相模湖及び津久井湖においては、湖の形状や地理的な事情により、アオコの発生原因を究明することが困難な状況ですが、現在、エアレーション装置により水を循環させ、アオコの発生を抑制しております。
(2)第2期5か年計画では、相模湖の直接浄化対策を実施することとしており、相模湖の富栄養化の改善を図っていきます。
(3)調査・研究の推進については、現時点では実施することを想定していませんが、今後、事業を推進する上で必要が生じた場合には、山梨県又は地域住民と連携した実施を検討したいと考えております。

16.アオコの大量発生に関して、結局どのような実害があるのか。(お金、手間をかけてでも)水質浄化させようとする根拠・理由は何か。

(主な対応所属:水源環境保全課・企業庁浄水課・企業庁利水課・大気水質課・河川課)

アオコが大量に発生しますと、湖が緑色のペンキで覆われたような状態となり景観が悪く、またかび臭を発することから、近隣住民の生活に悪影響を及ぼしてしまいます。そして、津久井湖・相模湖の水は水道水として利用することから、臭いを除去する必要が出てきます。
相模湖及び津久井湖は、国による水域類型指定の見直しにより、全窒素及び全リンに係る環境基準が設定されました。そのため、段階的に水質の改善を図りつつ環境基準の可及的速やかな達成に努めることが求められています。将来にわたり安定的にアオコの発生を抑制するため、現在エアレーション装置による対応をとっておりますが、アオコの発生原因と言われている窒素・リンを削減するため、公共下水道や高度処理型合併処理浄化槽の整備を促進し、生活排水による環境負荷の低減を図ってまいります。

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情報提供・啓発

17.今日見たDVDを県のHPよりダウンロード可能にしてほしい。セミナー等で使い、普及啓発に使いたい。

(主な対応所属:水源環境保全課)

このDVDの貸出を希望される方は、ファックス(045-210-8855)、または水源環境保全課のホームページのフォームメールよりお申し込みください。(https://dshinsei.e-kanagawa.lg.jp/140007-u/offer/userLoginDispNon?tempSeq=6017&accessFrom=null

 

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市民活動支援

18.環境を保全するには市民の協力が不可欠と思いますが、できるだけ大勢の人に身近な環境に対する関心を持ってもらうためには、どのようなことが有効か、お考えをお聞かせ下さい。

(主な対応所属:水源環境保全課)

県民の皆様に、環境に対する関心を持っていただくため、県では、水源環境保全・再生の取組に携わっている方たちの活動等についてご紹介する県民フォーラムや、水源環境保全・再生施策の実施現場での現地見学会等を開催しております。こうしたイベントに積極的に参加していただくとともに、ご参加いただいた皆様ご自身が、そこで得た情報や意見を周りの方々に提供していただくことが非常に有効であると考えております。

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県外対策

19.(コーディネーター淺枝氏への質問)
桂川への放流も多く(20,000トン/日)、放出P・Nの総量も多いのではないのか?

(主な対応者:コーディネーター淺枝氏)

私も同感です。一般に下水処理施設から出た水はきれいな水と思われがちですが、通常は、有機物が取り除かれるだけであって、PやNは取り除かれません。自然の河川水と比べると、栄養塩濃度は圧倒的に高く、これが湛水域に行くとアオコの元になります。

20.(コーディネーター淺枝氏への質問)
富士吉田市で取水された上記の水は、何の処理もなく上野原市で桂川に放流されている。

(主な対応者:コーディネーター淺枝氏)

発電導水中では光合成が行われないので水質浄化は起こりません。しかし、一般に、管の中では浄化はし難くく、日光のあたっているところの方が効果的です。特に、河川内では河川を流れる間に有機物や栄養塩が取り除かれ浄化が進みます(詳しくは、図説 生態系の科学(朝倉書店)でもみてください)。

21.(パネリスト中田氏への質問
第1期ではできなかった上流域対策として桂川流域との協働として事業費が投入されますが、森林整備事業に関わっておられる中田様にとって、期待されていること、課題として考えることがありましたらお聞かせ下さい。

(主な対応者:パネリスト中田氏)

フォーラムでも発表のあった神奈川県で既に実施し実績の上がっている民有林の森林整備事業を山梨県でも同じく実施できることを期待しています。しかし、先日3月7日に山梨県で開催された神奈川県との協働による森林整備事業の説明では、山梨県側は国の造林補助金の上乗せ方式で実施する旨の説明がありました。これでは、森林経営計画や搬出立方メートル(10立方メートル~20立方メートル/ha以上)の縛りがあり、奥山で搬出が不可能であるが今すぐ手入が必要な森の手入に活かすことが出来ないと考えています。事業実施方法の見直しを希望します。

22.(パネリスト中田氏への質問)
簡単に家を建てられません。 例)割りばしとか具体的に木を消費する内容を示して欲しい。

(主な対応者:パネリスト中田氏)

家を建てることは大変ですので、まずはDIYなど身近なところでウッドデッキや物置、家の内装で腰板など、市民の方が地域材を使いたいと思ったときに手に入る仕組みが必要だと考えています。そのためには、ホームセンターなどで簡単に流域材が手に入るように出来ないかと考えています。可能であれば相模原市のような中流で木材製品市場が出来れば、誰でも気軽に板1枚から購入できるようなると思います。森林組合では丸太をお渡しすることは出来ますが、すぐに使える状態の製品でお渡しすることができません。また、安心して使用して頂くには産地証明をするトレーサビリティの確立も重要です。

23.(パネリスト中田氏への質問)
現状の森林状況や川の汚染状況に対して山梨県単独のこれまでの対策について、一県民としての感想をお聞かせ下さい。

(主な対応者:パネリスト中田氏)

松くい虫被害が発生した際に拡大を防止するために大規模な松くい虫被害対策事業が実施されました。拡大防止に被害木の伐採を進めましたが、材としての利用に結びつけることができませんでした。今後、間伐事業を実施する場合には、なるべく材を搬出していきたいと願っていますが、林道、作業道が少なく搬出実績が中々上がりません。林業にとって作業道は重要なインフラであり、所有者負担をなるべく少なくして頂き作業道開設への公的支援拡大を期待しています。

24.(パネリスト中田氏への質問)
今後、両県は共同で水源林に関わろうとしていますが、山梨県も水源保全税は徴収しているのでしょうか?

(主な対応者:パネリスト中田氏)

この4月より、森林環境税を導入します。使い道は国の造林補助金の上乗せを予定しています。

25.(パネリスト中田氏への感想)
中田無双さんの提案、林業の件、同感します。

(主な対応者:パネリスト中田氏)

ありがとうございます。もし、更にお聞きになりたいことがありましたらメールを下さい。kitaturu@aria.ocn.ne.jp

26.県境を越えた水質保全に取り組んでいるが、相模川水系は山梨県民の生活の仕方に大きな影響を受けることになっています。そこでこれまでの上流域での(山梨地域)水源保全に対する対策の効果は?今後の実行5か年計画での具体的な対策はどのような方法になりますか。

(主な対応所属:水源環境保全課)

19~21年度に山梨県と共同で実施した相模川水系流域環境共同調査によると、山梨県側上流域の私有林のうち59%が荒廃しており、生活排水においてはリン排出量に対し、61%が相模湖に流入している実態が判明しました。
そこで、第2期の実行5か年計画(平成24年度~28年度)では、山梨県と共同して、流域の私有林について森林整備を行うとともに、生活排水対策として、桂川清流センターにおいてリン削減効果のある凝集剤による排水処理を行ってまいります。

27.”水をきれいに”活動の根本(幹)の一つは、汚水(生活排水等)の川への流入を防止することである。…上流域(山梨県、神奈川県相模川上流域)で遅れている生活排水の浄化(下水道化、浄化槽etc.)への補助促進を図るべき。浄化率90%以上を目指すべき。→山梨県への補助も考慮すべき。アオコ(シンボリック)の問題は枝葉の話なり。

(主な対応所属:水源環境保全課)

相模川上流域である県内ダム集水域においては、市町村が行う公共下水道整備及び高度処理型合併処理浄化槽整備を支援し、平成38年度までに整備率概ね100%を目指しています。
また、県外上流域においては、対策を実施する場合の事業の内容、事業量及び費用負担について、(1)神奈川県の行政区域を越える区域であり、(2)税負担を担う神奈川県民にとって広範かつ明確な公益をもたらすべき事業であること、(3)山梨県の既定の計画を超えて上乗せして実施する事業であることとしております。このことを踏まえ、山梨県と実現可能な事業を調整し、生活排水対策については、桂川清流センターにおいて、リン削減効果のある凝集剤による排水処理を山梨県との共同事業として実施してまいります。

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その他の意見(回答希望ありの意見)

28.(パネリスト野元氏への質問)
相模原市は神奈川県の中では水源環境に関わる施策が多くとられると思います。県民会議のメンバーがモニタリングされていますが市町村行政の責任も大きいと考えますので、相模原市議会としてこれまでどのように対応されたか、今後はどのように取り組まれるか聞きたい。

(主な対応者:パネリスト野元氏)

相模原市議会では、津久井地域との合併を機に平成19年度から「水源地域対策特別委員会」を設置しています。この特別委員会では、県の水源環境税を活用した市内での地域水源林の整備や生態系に配慮した河川改修、公共下水道や合併処理浄化槽の整備について事業の進捗状況を確認するとともに、水源地域の現状を把握し、課題や対策を調査するため、市内外の現地視察や講師を招いての勉強会等を行い、市独自の施策や県の水源環境税が充当される事業について検証し、提言や対象の拡大の要望などを行っています。
また、水源地域の振興のために、観光事業や鳥獣害被害対策の推進などについても調査研究し、行政への働きかけを行っています。
今後は平成23年度に市で策定した「さがみはら森林ビジョン」を具体的に推進していくために、国や県への働きかけや市の実施計画策定への提言などを行っていくことになると思います。水源地域と都市部が共生する相模原市が、日本における水源環境の保全と活用の先進事例となるように、市議会としてもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

29.(パネリスト野元氏への質問)
湖の漁業について教えて下さい。

(主な対応所属:緑政課)

津久井湖や相模湖では漁業権がないため、漁業は行われていませんが、観光振興の面から遊船協会等がワカサギやヘラブナの放流事業を行っており、多くの釣り客でにぎわっています。

30.(パネリスト野元氏への質問)
大きなダムに相当する水田が休耕となっている。これへの対応は?

(主な対応者:パネリスト野元氏)

相模原市の水源地域(津久井地域)では、急峻な地形であるため、農地に占める水田の割合は約4%と低く、そのうちの約4分の1が休耕状態にあります。この状況は、農業従事者の高齢化・後継者不足等、農業の抱える問題に起因するもののほか、水田面積が小規模であるため、作業効率が悪いことも要因となっていると思われます。
今後の取り組みとしては、小規模な休耕田を対象とした市民参加型の再生事業を検討しています。食の安全への意識は高まっており、また、食べ物を自給し、仕事と両立させる暮らし方、「半農半X」を志す若者も増えていることから、都市部に近い環境を最大限に活かしていければと思います。
休耕田の湛水能力を回復することで、水源環境の保全・再生につなげていきたいものです。

31.(パネリスト有井氏への質問)
流域協議会の活動、長く続いていること、良く知ってます。やっとここまできましたね。その感想は。

(主な対応者:パネリスト有井氏)

背景として「アジェンダ21」「生物の多様性に関する条約」「気候変動に関する国際連合枠組条約」を打ち出したブラジルのリオデジャネイロにおける「環境と開発に関する国連会議」が1992年に開催されていたことがありますが、岡崎元知事が知事になる前に理事長を勤めておられた「地球・人間環境フォーラム」から丁度タイムリーにも「ローカルアジェンダ21策定ガイド」が発行され、さらに指導者として田中充さんを迎えることができて、私たちの最初の事業として「アジェンダ21桂川・相模川」の策定に多くの時間をかけて取り組んだことが、その後の大きな財産となってここまでこれていると考えています。

32.「水源保全・再生」事業…事業の事後並びに事前チェックを充実すべき。本事業の成果が形骸化し真の成果になっていないムダがあるのでは。税使用の目的に完全にフィットさせよ。

(主な対応所属:水源環境保全課)

水源環境保全・再生の取組については、事業実施と平行して、水環境全般にわたるモニタリング調査を実施し、事業の効果と影響を把握しながら評価の見直しを行うことで、柔軟な施策の推進を図ることとしています。

33.毎年約40億円の税金がどのように生かされているのでしょうか。経済が回るような仕組みを作らねば、持続的な環境保全・社会は維持はできないと思います。その仕組みを県は、如何しているか教えて下さい。

(主な対応所属:水源環境保全課)

水源環境保全税の使途については、毎年度県民会議から提出される点検結果報告書に具体的な内容が記載されています。また、水源林整備事業等の実施にあたっては、毎年度ゼロ県債(当該年度の支出がゼロの県費債務負担行為)を設定し、事業の前倒しを行うなど、景気対策にも配慮しています。

34.沼本ダム(相模ダムと津久井ダムの中間)から、川崎市に相当量の水が相模原市経由で送られています。その水の現在の処理状況を教えて下さい。

(主な対応所属:企業庁利水課)

沼本ダム等で取水し、津久井分水池から川崎市上下水道局へ分水している水量としましては、平成23年度の実績で上水105,998,000立方メートル、工水76,491,700立方メートルとなっております。

35.相模湖の”しゅんせつ”について
…しゅんせつの「土砂石類」の放射線濃度の調査(測定)についての見解は?
(水のいわゆる「都市濃縮」として相模湖・津久井湖etc.のベクレルは基準外になる可能性あり。丹沢山塊への放射能汚染はやや多い。)

(主な対応所属:企業庁利水課)

相模湖及び津久井湖へ集水される範囲の大半は山梨県内となっており、文部科学省が、福島原発事故前より、モニタリングしている空間放射線量の測定結果によると、山梨県内では、原発事故の前後において、空間放射線量の違いはなく、自然界に由来する線量レベルとなっています。 
また、同省が、事故後に航空機により、空間線放射線量と地表面への沈着量の調査をした結果においても、集水される範囲内は、極めて低いレベルとなっています。
これらから、現在、企業庁では、しゅんせつ土砂について、放射能濃度測定を行う予定はございません。
なお、相模貯水池のしゅんせつ土砂の処理に当たり、今後、土砂の受け入れ側から、放射性物質に関する受け入れ基準が設けられた場合については、速やかに対応してまいります。

36.職場の植木鉢、プランター等、水やりの下水道は使ってないですが、使用料金はどのようになっていますか。

(主な対応所属:下水道課)

下水道使用料金の決定は、各市町村になりますので、お住まいの市町村の下水道窓口にお尋ねください。

37.相模湖は河(河川法)です。諏訪湖は湖(湖沼法)です。なぜ、相模湖で諏訪湖の話が出るのでしょうか。

(主な対応所属:水源環境保全課)

諏訪湖は湖面積13.3㎢に対し集水域面積は532㎢と大きく、地理的に汚れやすくなる性質を持っており、相模湖も湖面積19.6㎢に対し集水域面積は1,128㎢と大きく、諏訪湖と相模湖は同様の環境にあると考えられることから、水質浄化に成功した事例として、花里孝幸教授にご講演いただきました。

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その他の意見(回答希望なしの意見)

38.温暖化による影響もあるとのことだが、温暖化や地質由来などの対応できない要因はやむを得ない現象であるため、生活排水対策や施肥抑制、森林の維持管理、下水道の高度処理化といった発生源対策を第一に進めるとともに、河川、湖沼の直接浄化技術の導入や新技術開発、インベントリー調査や詳細モニタリングに力を入れて下さい。

39.境川のすぐ近くに住んでいますが、昭和56年に越してきた頃は、生活排水が流れ込み、アワがわんさと交ざっていました。洗剤(特に洗濯用)、それも洗剤製造で改良されたせいか、アワがなくなり鯉が住んでいます。やればこのようにきれいになるのにと思いました。

40.水源環境保全税のPR、発信をもっとしたら。
(金額、負担額、使われ方、効果、問題…等々について

41.理解を深めるため、フォーラムを年3回くらい(本年は2回)開催してほしい。

42.流域の交流(県民会議、教育、市民)

43.水源環境保全税の使われ方が知られていない。

44.船上見学は寒くて大変でしたが、それなりに良かったです。
アオコ解消への道のりは遠い…と痛感しきり。

45.1.保全・再生には長期に渡る継続的な取組が必要なこと、2.神奈川県民だけでなく山梨県・静岡県の上流域にまたがる県境を越えた対策が必要なこと、が大事であると理解しました。

46.県内各地域ごとに里山を守るために行動を起こすことが必要だと思う。どうしたら自分の問題として捉えることができるか。この意識を高めることこそが大切だと思う。
この先、温暖化とか予想できないことにも対応できると思う。このフォーラムに参加し感じたことをどう県民が共有できるか?

47.4人のパネリストの視点がいろいろであり正解というものではないが興味深かった。特に、今後の人口減も含んだ社会システムの変化による施策の見直しも必要になってくるのではという指摘は共感を覚えた。

48.パネリストがそれぞれ自分のフィールドを持っていることが良い雰囲気をつくったと思います。水源に関わっている方は皆さんまじめですね。

49.これは花里先生のお話を聞いた感想です。アオコの発生と農地の野菜が育つことが同義であること、言われてみればその通りです。人間の価値観の矛盾もうなずける話でした。とどのつまりは責任ある知見を元にした「地域の合意形成」がキーとなるのでしょう。地域の暮らす住民の一人として、この合意形成に少しでも参画していきたいと思います。

50.パネリスト野元氏の話は体系的な整理が的確でわかりやすく好感を持てた。パネリスト有井氏のお話はテーマ設定が限定的で少し全体テーマとの関連では難ありの感想です。

51.有井さんの話で極めてしっかりしたフォーラムになった。

52. 県からの説明、DVD、パワーポイント共にわかりやすかったです。パワーポイントは、以前はグラフが詰め込まれていてわかりにくかったのですが、大きく改善されたと感じました。パネルディスカッションがとても面白かったです。

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このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。