企業とNPOのパートナーシップミーティングin相模原(2012) 開催結果概要

掲載日:2012年8月30日

 平成24年(2012年)7月19日(木曜日)  14時から17時30分
海老名市文化会館 351多目的室にて

参加人数

NPO等関係者20名 企業関係者12名 その他15名 コーディネーター等7名  計54名
(事務局等を除く)

プログラム概要

開会のあいさつ 
 神奈川県 県民局 NPO協働推進課 副課長

  •  本日は、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。
  • 本県では、「多様な主体が公共を担う協働型社会」をめざして、様々な事業を進めています。
  • そのような中、本県では、昨年度から、「多様な主体による交流促進事業」を行っています。この事業は、NPO・企業・行政等の多様な主体が交流する場を設けて、地域の課題を協働して解決するネットワークを形成することを目的としたものですが、県央及び県北地域におけるこの事業を、ふれあい自然塾さんに行っていただいております。
  • また、県では、今年度新たに、「企業とNPOのパートナーシップ支援事業」を始めました。この事業は、企業の方やNPOの方など、様々な強みやバックグラウンドを持った方々が協働して、ひとつのことに取り組み、世の中に新たなインパクトを与えようというものです。
  • 今回の「企業とNPOのパートナーシップミーティングin相模原」は、これら2つの事業の趣旨を兼ねたもので、県央・県北地域において、企業やNPOの方々の出会い・交流を促進しながら、企業やNPOのマッチングを進めようという趣旨で開催しています。
  • 6月14日の横浜から始まり、県内各地で開催しました、「企業とNPOのパートナーシップミーティングvol.1」のシリーズも、今日のこの相模原で最後となります。
  • 6月14日の横浜、29日の横須賀・三浦、7月10日の小田原、いずれもとても多くの方にお越しいただき、大変にぎやかな会となりました。ぜひ、これまでの会以上に、にぎやかに、楽しく、様々な方とお話しして、新しいパートナーシップの始まりとしていただければと思います。
  • 最後になりましたが、本日は、一般社団法人ソーシャルコーディネートかながわのみなさま、特定非営利活動法人ふれあい自然塾のみなさまをはじめ、多くの方々にご協力いただいております。この場を借りてお礼申し上げます。
  • 今日、この場からつながりが生まれ、協働事業に結びついていくこと、それぞれの方の活動の場が広がっていくことを期待しまして、ごあいさつといたします。

基調講演「企業の社会価値と社会貢献活動の変化 ~NPO設立の意義と目的~ 」
 (株)アルプス技研 創業者 最高顧問、(特非)ふれあい自然塾 理事長 松井 利夫 氏

松井様の講演の様子です。【企業の社会的責任】

・企業の社会価値、すなわち、企業が社会の中でどのように活動するのが良いのか、各企業が 「社会貢献活動」をどのようにしていくことが必要なのか、なぜ必要なのかということを、NPOの設立の意義、目的に絡めながら、お話しします。

・今日、世界中が環境問題、資源問題について、かなり真剣になっているのではないかと思います。さらに民族紛争、少子高齢化問題など、世界中で起こっている諸問題に対して、何をすべきかということについて、各企業においても真剣に考えなければならない時代に来ているのではないでしょうか。それについて考えた上で、さらに実践しなければなりません。企業活動においても、これまでの売上・利益一辺倒から、社会・地域の一員として、企業の社会貢献について考え、実施していかなければならない時代に来ていると思います。

  • コーポレートガバナンス(企業統治)や、企業倫理(コンプライアンス)、企業の社会的価値という言葉が言われるようになり、CSRの重要性を意識する企業が多くなってきました。これは大変好ましいことです。しかしながら、なぜそうなってきたのかということを改めて考えることも必要ではないでしょうか。
  • さらに、2020年代になったらどのように変化していくのかということについても、この機会に考えてみるといいかと思います。2、30年前に、企業の社会参加・社会貢献について、地域のお祭り、文化祭、メセナへの寄付などが流行し、中小企業やすでに倒産した企業も率先して これらの活動を支援していました。本当に「企業の社会的使命」として取り組んだのかと改めて考えてみてもいいでしょう。中には売名行為と思われるような企業もあったのではないかということです。つまり、ある種の流行の中で、それに乗じて、NPOや財団のような社会貢献活動を通じて、企業の宣伝をしようというのが前面に出ていたのならば、それはいかがなものかということです。このように日本では、寄付やエンジェル投資などを中心とする社会貢献が、本当の意味で定着しなかったという経緯があります。しかし、企業の「社会の公器」としてのあり方、社会的価値については、会社法等の改正とも相まって、大きく変化してきており、今後も変化が予想されます。
  • 企業の社会貢献活動は、これまでのように、金銭の寄付や一般的なボランティア活動に留まることなく、社会問題に対して、企業の持つ資源を活用したり、あるいは、取り組む際にNPO法人や財団法人などの公益事業を通じ、ワンクッション置いた形で、社会に様々な形で参画し支援するなど、多様に変化していると思います。と同時に、企業の社会貢献の分野も広がってきています。例えば、企業の前の道路を社員が掃除するということから、ユニセフなどに寄付するというもの、環境配慮型商品の開発、障がい者向けの車椅子の改良、地域再開発事業への支援、発展途上国への労働環境支援など、様々な角度・分野があります。
  • 社会貢献とは、「社会問題をどう解決していくかということ」ではないかと思います。それぞれの企業が、それぞれの経営理念に照らして優先的な課題を選び、それまで蓄積してきた人材・技術・設備・ノウハウ・情報などを活用して、そこにイノベーションを巻き起こすことが求められていると思います。これが次世代に向けてとても大切でしょう。
  • 今、市場経済において強い競争力のみならず、高い倫理観を持った企業こそが信頼・支持され尊敬される時代になっていると思います。私は、これまで企業倫理など「企業の社会性」を重視し事業を行ってきました。企業倫理の徹底している会社というものを、あまり深く考える必要はありません。要は「嘘をつかない会社」「隠し事をしない会社」ということだと思います。社会正義に反する会社は生き残れません。
  • 企業が社会貢献を果たす最も大切で初歩的なことは、企業が「企業として継続すること」です。企業が倒産してしまっては、社会貢献もできません。つまり、企業として利益が出ていることです。企業が企業として存続するために適切な利益が出ていることです。そう話すと、NPOや財団の中には、顔をしかめる方もいます。企業というのは赤字を出し続けると倒産します。倒産してしまっては、行っている社会貢献活動も全ておしまいです。ですので、企業は継続しなければなりません。つまり、利益が出ていることです。倒産すれば社会貢献どころか、社会に大きな迷惑をかけます。
  • 社会貢献に力を入れていると言いながら、毎年いくつもの会社が倒産しています。倒産し多くの人に迷惑をかけてしまっては、社会貢献企業ではありません。利益追求、利益確保と「社会貢献活動の取り組みはバランスが必要」です。どちらも大切です。「企業は社会の公器」です。継続するために適切な利益を出しながら、社会にどのように利益を配分しながら貢献していくかということが大切だと思います。
  • 企業、もしくはその代表者(社長)の責任について考えてみたいと思います。社長には多くの責任があります。私は、「1+4+1」と社内で話をしています。最初の「1」は特に大切ということです。これは、お客様を指しています。お客様に対して本当に良い、責任ある仕事をしているかということです。品質、アフターサービス、納期を守っているかなどです。まずはお客様に対してきちんとすることが大切です。次の「4」は、社員に対して生活保障をする(給与)、役員に対して生活保障をする(報酬)、株主への責任を果たす(配当)、税金を納めるということです(納税)。最後の「1」は、企業は常にイノベーションを繰り返さなければならないということです。
  • 企業に必要なことは、がむしゃらに利益を追求するだけではなく、「正しい経営理念」に基づき、「社会環境の変化に対応」しながら、「長期的な経営戦略」にそって、環境やすべてのステークホルダーに配慮して、企業として未来志向で計画を実現していくことです。
  • 2020年代に世界に通用するビジネス、発展する企業とは、大きな目標やビジョンを持つ、いわゆる「ビジョナリーカンパニー」であるということになります。そして、「社会の公器」として、社会のために貢献し、正しい経営により適切な利益を追求していくことを実践する会社であり、また、それを実践する社員がいる会社です。これが、社会から認められ、実績が信頼・信用となって好循環を創りだしていく企業として、ずっと生命が続くことになるのです。

【公益法人(NPOや財団)設立の意義と目的】

  • 次に、NPOや財団などの公益法人設立の意義と目的についてお話しします。
  • アルプス技研グループは10年程前から事業方針に、「社会価値の向上」を掲げ、「NPO法人ふれあい自然塾」と「公益財団法人起業家支援財団」を通じて、企業の社会的責任を果たすべく、社会的信頼を高めることに、努めています。NPOや財団は、アルプス技研という企業にも後押ししてもらい活動しています。企業とNPO、企業と財団との協働を行っている最中です。
  • 私のこれまでの40数年に亘る経営者人生は、波乱の連続でした。これを今日に至るまで乗り越えて来られた要因は、常に周囲の理解と支えでした。身近には妻から始まり、見知らぬ人にもたくさん助けていただきました。もうだめかと思うと誰かが手を差し伸べてくれました。これまで支えてくださった人々や社会から受けた恩をお返ししたいという思いから、私は「第二の経営者人生」として、私財を投じてNPOと財団を設立しました。 

<公益財団法人起業家支援財団の設立>

  • 「公益財団法人起業家支援財団」についてお話しします。私は、経済を活性化するためには、産業振興が必要であり、産業振興を促すためには、新規事業を起こすこと、すなわち社長(起業家)が誕生しなければならないと感じていました。そして、私の体験でも、少しのアドバイスやお金があればできたこともあり、非常に歯痒く感じたこともありました。そのようなことに対して何か役に立てないかと思い、それぞれの地域における次世代の起業家を育てていくことが重要との思いから、起業家支援財団を設立しました。
  • 起業家を育てなければならないという強い思いで、私の40数年の経営者人生の経験を活かしつつ、起業家支援財団は起業家支援、ベンチャー育成に取り組んでいます。『起業家育成をすることは、世の中の人とお金を借りて事業を興し、広く社会の支持を得て事業活動を行い、会社を成長させた経営者が、自ら率先して実施すべき社会的責任の1つであろう』と思います。 

 <認定NPO法人ふれあい自然塾の設立>

  • 次に、「認定NPO法人ふれあい自然塾」の設立についてお話しします。2006年にNPO法人ふれあい自然塾を設立しました。設立の趣旨は、「自然と人間の共生、人と人とのふれあいから、人間本来の姿を取り戻そう」ということにあります。これまで支援いただいた人々や社会から受けた恩恵に対して、ビジネス以外で自分のできること(NPO法人については青少年の情操教育などですが)でお応えしたいという思いから、NPO法人を設立し、現在も活動を進めています。
  • 奉仕活動を行うためには、自分のできることからやればいいのです。大上段に構えると難しくなります。知恵を出せる人は知恵を出せばいい。知恵はないけれど時間と汗を流すことはできるという人がいたら、それをやっていただければいい。忙しいけれど多少のお金は出せるという人には、経済的に助けていただければいい。そのような多様な力が集まって、1つの組織としてNPO法人や財団が成り立っていくのだろうと思います。
  • 近年の子ども達は自然とのふれあいが減少していると思います。「自然体験の豊かな子どもほど、道徳観、正義感が強い」ということが研究で明確になっています。つまり、自然体験の 少ない子どもは、社会的問題が生じやすくなるということです。そして、親の自然体験の度合いが子どもの道徳観、正義感の形成に強い影響を与えるという研究もあります。
  • 本当の親切や優しさと、甘やかしやお世辞の違いを理解できる世の中になって欲しいということを願っています。また、自然体験が豊かな親がいるほど、子どもの自立心は高いというデータもあります。自然とふれあうことによる影響は、世代を超えて伝わっていくものでしょう。
  • 自然とのふれあいの大切さを認識するにつれ、当NPO法人を設立した意義が認められると思います。2009年には認定NPO法人となりました。会員数も130名を超え、企業数社にも賛助会員になっていただき、幅広い協力をいただいており、大変ありがたく感謝しています。そして、このようなことが日本全体に広がっていけば素晴しいことであると思っております。
  • 最後に私がモットーとしていることの1つをお話しいたします。「豊かだから与えるのではない。与える心があるから豊かになる。」ということです。
  • ありがとうございました。

パートナーシップ支援事業について 神奈川県 NPO協働推進課

「ふれあいNetwork」進捗報告
 NPO法人文化学習協同ネットワーク

文化学習協同ネットワーク様の写真です。・NPO法人文化学習協同ネットワークです。
・株式会社アルプス技研さんや地元の企業さんとのパートナーシップ事業についてお話しいたします。
・パーソナル・サポート・サービスモデル事業は全国27箇所で行われているモデル事業です。様々な社会的弱者を、伴走型の支援を行うことによって社会につなげていく事業です。その中で、私たちは、特に若者を対象に、学校から仕事への移行を支える伴走型支援を行っています。とりわけ重要なのは、社会から孤立してしまった若者たちが社会につながっていく場合に、つながる社会をどう発見していくかということです。

  • 就職活動など、順調に段階を踏んでいける場合には、社会に到達できるかもしれません。しかし、つながりが一度切れてしまった若者は、社会から孤立してしまい、模索しているうちに長い時間が経過してしまいます。このような問題については、社会的な支援システムが構築されなければなりません。かつては地域社会に、社会につながるスモールステップがありましたが、今はもうありません。学校から社会へのつながりに失敗するともう二度とつながることはできない。そのような状況がどんどん広がってきています。
  • ですので、我々支援者が社会につながるということが最も重要な課題になってきます。若者が社会につながるためには、我々が社会につながっていなければなりません。
  • NPO法人文化学習協同ネットワークは、主に4つの事業を行っています。「さがみはら若者サポートステーション事業」、「ニローネファームプロジェクト事業」、「生活保護世帯子ども・若者自立支援事業」、「さがみはらパーソナル・サポート・サービスモデル事業」です。
  • 「さがみはら若者サポートステーション事業」は、ハローワークにもなかなか行けない一度社会につながることに失敗した若者がもう一度やり直せるように、総合的な支援を行う窓口です。
  • 「ニローネファームプロジェクト事業」は、耕作放棄地を使って、働くという感覚を失ってしまった若者達に、もう一度働くためのエネルギーを回復してもらおうという事業です。
  • 「生活保護世帯子ども・若者自立支援事業」では、ケースワーカーの方や大学生の方と協力して学習支援を行うなどしています。
  • 「さがみはらパーソナル・サポート・サービスモデル事業」は、前述のとおりです。家族関係、精神保健、社会的関係、経済的な問題など、様々な問題を複合的に抱えている若者を総合的に支援していく、様々な支援機関につなげていくワンストップサービスです。基本的な課題は、学校から仕事への移行を支える伴走型支援とやり直し(学び直し)システムの構築です。子どもから社会参加・自立へと至る移行期をどうしていくか、本来地域コミュニティが有していた、この移行期を支える仕組みを、人為的に再構成する時代になっていると思います。
  • パーソナル・サポート・サービスで、一番大きいのは若者を就職につなげていくことです。ハローワークや就職支援センターなどと連携しながら、若者と社会を丁寧につなげていきます。その他にも、生活保護からの自立支援、高校中退者の支援などがあります。
  • これまでは、社会的資源が人を育ててきました。そのような社会的資源と若者のつながりが切れてしまっているということが問題であると思います。
  • また、支援者そのものも不足してきています。相模原市でも、地域の中で問題意識のある方々をつなぎ、養成するということもしています。
  • 若者にとって必要なのは、社会とのつながりと、頭ではなく身体を通じた「経験」です。また、セミナーも重要ですが、それ以外にも、「本物」の職場での経験が重要です。職場で必要なスキルは現場でしか見つけられません。
  • 実際に協働している事例についても、お話しいたします。株式会社アルプスビジネスサービスさんと株式会社アルプスの杜さんと、若者の教育訓練や仕事体験などに取り組んでいます。また、ある企業様には2名の若者の就業体験を受け入れていただきました。他にも受け入れを検討してくださっている企業様が一社あります。
  • ありがとうございました。

グループワーク

ラウンド1「連携するとしたらできることは何ですか?」

(参加者が5~6人のグループに分かれて、テーブルホストのファシリテーションのもとで、グループワークを行いました。)

  • 各参加者が簡単な自己紹介の後、自分のできることを模造紙に書き込んでいきました。

ラウンド2「別のグループのアイデアを考えよう&盗んでこよう!」

(参加者は、テーブルホストを残し、ラウンド1のグループを離れ、新たなグループへと移りました。)

  • これにより、テーブルに第三者の視点がプラスされました。ラウンド1のミクロな繋がりにエリアイメージが加わったり、訪れた団体のアドバイスが足されました。

ラウンド3「新しいアイデアを共有しよう!」

(ラウンド2を終えた参加者は、ラウンド1のテーブルへと戻りました。)

  • 当初のテーブルに戻ったメンバーは他のグループからのアイデアを持ち帰り、新たな連携のアイデアを話しあいました。

グループワークで出たアイデア、感想など

  • スーパー銭湯のスペースや広報力を活用して、NPO団体の活動を紹介する。
  • 料理店の営業時間外に、店のスペースをNPOに活動の場として提供する。
  • NPOは人材不足に悩まされている。就労に至らない若者に、NPOへの参加の機会を提供することで、NPOはとってもプラスになる。企業もNPOとコラボし、業務の一部を切り分けることで、彼らに参加の機会を提供することができる。地域全体で人材を受け入れるという視点が、NPOにも企業にも重要であると思った。
  • 意欲的なNPOがいくつもあり、頼もしく思った。
  • 自身の団体の活動を広げるだけに注力するのではなく、団体同士が連携することで、人が人を呼び、より多くの人たちに活動を知らせることができると、参加者間で共有した。

グループワークで作成したもの [PDFファイル/401KB]

資料

プログラム [PDFファイル/80KB]

資料(パートナーシップ支援事業について) [PDFファイル/544KB]

資料(企業とNPOのパートナーシップ支援事業ガイドブック)

資料(「ふれあいNetwork」進捗報告) [PDFファイル/709KB]

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神奈川県

このページの所管所属は 県民局 くらし県民部 NPO協働推進課 です。