津久井やまゆり園において発生した事件をうけた神奈川県特別支援学校長会の声明文について

掲載日:2016年8月22日

 神奈川県内にある特別支援学校51校(国立2校、私立2校、市立19校、県立28校)の校長で組織する神奈川県特別支援学校長会が、7月26日未明に津久井やまゆり園で起きた事件に対し、障害のある子どもたちをあずかる学校の校長として、強い衝撃と、子どもたちを守るべき責任を感じ、声明文を県民の方たちに向け発表しました。8月17日午前10時に校長会の代表数名が津久井やまゆり園を訪問して、献花を行い、声明文を読み上げました。

声明文    県民のみなさんへ

  さる7月26日未明、相模原市にある障害者施設「津久井やまゆり園」で、19名の尊い命が奪われ、27名が負傷するという痛ましい事件が起こりました。被害にあい亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、負傷された方々の一日も早い回復を願っております。

 報道によれば、容疑者は、障害者に対して、人としての存在を否定するような発言をしていたということです。しかし、私たちの実感はこれと全く違います。私たちは学校で、障害のある子どもたちと、日々喜びを感じながら過ごしています。笑顔あふれる日々の活動の中で、子どもたちは成長しています。子どもたちのこうした姿を見ることが、私たち教師の喜びなのです。

  私たちは、障害のある人たちがひたむきに何かに取り組む姿や、他の人たちに接するときの優しさや思いやりを目にするとき、そこに人間としての魅力が満ちあふれていることを感じます。障害のあるなしで人を区別する前に、人は障害者である前に一人の人間であり一つの人格である、ということを深く心に刻むべきです。

  障害者は、人に頼ることが多い人たち、と思われているのかもしれません。しかし、人の手を借りずに何でも一人でできる人間などいない、という当たり前のことに目を向けてほしいと思います。社会生活は、多様な人間一人ひとりが支え合い、助け合うことによって営まれています。お互いに理解し合い助け合うことは、自分たちの持つ力を最大限発揮することのできる社会につながっていきます。障害者の存在を否定するような考え方は、こうした社会を否定することであり、ひいては社会の一員である自分自身を否定することになります。

  もし、障害者とその家族に対し、支援が十分いきわたっていない状況があるならば、これを改善するための努力をすることが、社会人としての私たちの使命であるはずです。人権の尊重される社会、とはこうした社会をいうのではないでしょうか。

  私たちは、障害とは個々人の問題ではなく、社会の適切な理解と支援により継続的に改善していかなければならない課題である、と考えています。そして、この考え方を、広く県民の方たちと共有したいと思っています。障害者を攻撃することは間違いです。障害者が暮らしやすい社会をつくることが、あるべき姿だと考えます。今回のような事件は二度と繰り返してはなりません。

  障害者が、安心して安全に家庭・学校・地域で暮らしていくことができるよう、障害者のことをよく知り、障害についての理解を深め、支援の輪を広げていきましょう。そのことは、障害者のためだけではなく、社会に生きる全ての人々の幸せにつながっています。誰もが支えあって生きる共生社会をつくっていきましょう。社会のみんなのために、そして自分自身のために。

平成28年8月15日

 神奈川県特別支援学校長会 

神奈川県

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