障害者雇用優良企業インタビュー(社会福祉法人地域福祉協会)[No.25]

掲載日:2013年11月20日

障害者雇用のきっかけ・目的

  • 平成3年に特別支援学校から障害者の仕事について相談があったことがきっかけ。特に求人はしていなかったが、相談を受け、試してみようと考えた。
  • その人にどんな仕事が出来るのかを職場実習を通して考えた。実習中に色々な部署を試したりしながら就業可能な業務を見つけることが出来たので雇用することを決めた。

障害者雇用に対する取組み

  • 就労支援センターの定期的な訪問を受けている。
  • 社員旅行や歓送迎会など会社の行事を利用して職員同士の親睦を図るようにしている。
  • 職場実習の受入を積極的に行っている。

障害者が従事している業務について

 当法人は特別養護老人ホーム「逗子ホームせせらぎ」を運営している団体です。

 現在身体障害者2名と知的障害者5名を雇用しています。身体障害の方は資格を活かし介護支援専門員や機能訓練指導員の仕事に従事しています。知的障害の方は施設の清掃業務に1名、施設利用者の衣類などを洗濯(クリーニング)する業務に1名、厨房での洗い場作業に3名がいます。

押川常務理事に伺いました!

福祉の仕事と言うと重労働で大変そうですが、障害者の皆さんは具体的にどのような仕事をされているのでしょうか?

  介護支援専門員をしている方は、施設設立の際から勤務し、当時は栄養士として働いていました。その間に資格を取得し介護支援専門員として勤務していましたが、8年前に人工関節の手術を受けたために中途障害者となりました。定年後の今も、引き続き介護支援専門員として働いています。

 機能訓練指導員の方は視覚障害を持っています。一般企業で永年働いていましたが視覚障害者となり退職し、資格を取得した後に職業安定所を通じて就職しました。ここでは入所されているご利用者のリハビリ計画の作成と、それに基づいた施術などを行っています。 

 清掃、クリーニング業務の方は平成13年と14年に横浜南部就労支援センター経由で採用しました。清掃は他の職員と2名でシフトを組んでおりますが、基本的には一人作業で、施設の居室や廊下を中心に掃除機とモップを使い全館の掃除をしてもらっています。

 クリーニング業務には、回収・洗濯・たたみ・部屋へお届けの工程があり、洗濯物をたたむ作業はボランティアさんの協力もいただいています。そのため会話力や良好な人間関係を築けることが必要となります。

 厨房の洗い場に勤務している3名は、勤続20年以上になります。最初はイライラして他の職員とぶつかることもあったそうですが、現在はトラブルもなく安定しております。

 みなさんとても長く働かれているのですね。何が理由だと思われますか?

  障害者ということで「区別」はしていますが「差別」がないのがいいのではないでしょうか?つい最近もクリーニングを担当している障害者の方と飲みに行ったのですが、「居心地がいい。ここは楽しい。幸せだよ。」と言ってくれました。

 この施設はかなりフレンドリーな施設だと思っています。全員で旅行にも行きますし歓送迎会などもしています。職員みんながフラットな感じで働いています。もちろん怒らなくてはいけない時にはちゃんと怒りますが、それ以外は同じ職場で一緒に働く仲間です。ですから障害者の雇用ということでも特別に意識はしていません。障害者だからということではなく求める仕事をしてくれるから一緒に仕事をしているという感じです。

 職場でのいい関係が築けているようですね。支援センターやご家族とはどのような連携をとられていますか?

 横浜南部就労支援センターとは15年近くのお付き合いになります。月に一回は必ず訪問してくださいますし、時には毎週来られることもありました。最初の頃は遅くまで障害者の方と一緒になって仕事をして「障害とは関係なく大変な仕事だね」と障害者の仕事にも理解を示してくれました。また、何か問題や課題が見つかってこちらから連絡を入れるとすぐに来てくださり、相談にのっていただくなどとにかく大変なご支援をしていただきました。清掃やクリーニング業務の方が今も働けているのは本人の努力もありますが、この手厚い支援のおかげだとも思っています。支援機関にこのような熱意のある方がおられて私たちのキーパーソンとなっていただけたことは本当に恵まれていたと思います。

 当時担当されていた方はその後センターを定年で退職されましたが、縁あってその方の親族が私たちの施設に入居して現在は家族会の会長をされています。今も障害者の方と個人的に連絡を取っていて「こんなことがあったって聞いたけど」といった感じで時々来られます。「私が紹介したのだから最後まで面倒を見ないといけない」と言っては本当に親身になってフォローしてくださっています。

 支援を受ける前迄は障害者の方に何か問題があるとご家族の方に直接連絡を取って面談をしていました。そういった場面ではご家族の方にこちらから厳しいことを言わなくてはいけないこともありますが、やはりご家族の方も感情的になってしまうので、こちらの心理的な負担は相当なものになります。出来るならセンターなどの第三者が間に入って中立的な立場で話を聞きアドバイスができる体制を作った方が、はるかに負担は軽減され好ましいかと思います。

 障害者を雇用してよかったことは何でしょう?

  例えば新しく入った若い職員が、今まで差別ではないけれど「自分とは違う」と意識していた障害者と一緒に仕事をし、旅行や飲み会に行って障害者と普通に話している姿を見ると、とても良い環境を提供できているなと感じます。そういった環境の中では障害者自身も普通でいることが出来ますからね。

 障害者の方が普通に働けている一例として研修に参加した時のエピソードがあります。必要な研修があれば障害者の方も他の職員と一緒に参加してもらっていますが、「気づき」というテーマでグループ討議した時に障害者の方から「私は○○で働いていますが、こういうところはおかしいと思います。」としっかりした発言がありました。それを聞いていた他の職員は「何も分かってないのに」といった反応ではなく「確かにそういう時もあるよね。」と障害者の方の意見にちゃんと耳を傾けていました。

 もちろんそうなるまでには色々と大変なこともありましたが、今では障害者の方がいる職場が当たり前になっています。

 障害者の方も一緒になって働くフラットな職場になってきたことで、施設を利用されているお年寄りの皆さんにも居心地のいい環境を提供することが出来ていると思います。 

              押川哲也常務理事            

                    (押川 哲也 常務理事)

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訪問を終えて

 鷹取山のふもと、神武寺へ向かうハイキングコースの途中の閑静な土地に「逗子ホームせせらぎ」はあります。

 取材の2日前には「秋のせせらぎ祭り」が盛大に行われ、大変に盛り上がったそうです。

インタビュー後のお昼近くにランドリーで働く障害者の方とお会いしました。顔いっぱいに笑顔を滲ませて、今自分がしている仕事の内容をそれはもう一生懸命に誇らしげに話してくれました。それを聞いている職場の人達の間にも自然と笑顔が生まれていました。  

 「当たり前を一生懸命に」という施設の理念が実践されているところに少し触れられた気がしました。

 

(平成25年10月15日取材)

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このページの所管所属は 産業労働局 労働部 雇用対策課 です。

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