障害者雇用優良企業インタビュー(社会福祉法人讃助の会)[No.71]

掲載日:2017年7月10日

・茅ヶ崎市甘沼865-1

http://sanzyonokai.web.fc2.com/

古知屋理事に聞きました。

今回は、社会福祉法人讃助の会 古知屋理事にお聞きしました。

讃助の会 古知屋理事

障がい者雇用のきっかけについて教えてください。

 もともとロータリークラブに所属しておりまして、その活動の中で県立養護学校を見学させてもらったのがきっかけです。

そこで養護学校の先生とお話しをさせていただいた時に、私たちも障がい者の受入れを考えていることをお話ししました。

その後、学校から職業体験の希望や、受入れの希望をいただいて、卒業生を雇用することになりました。

-現在雇用なさっている方が初めてということでしょうか?

 いえ、今から8年前に全盲の視覚障がい者の方を雇用したのが始まりです。

 ただ私たちも全盲の方を雇用した経験がなく、スタッフもみんなよく対応してくれたのですが、結局1年くらいで実家に帰られ

ました。それが苦い経験としてあり、その後受入れる際は、その時の反省点も踏まえ、それがベースとなり今があるのかな

と思っています。

 今、3人の知的障がい者の方を雇っていますが、その時の経験があるからこそ、障がい者とのコミュニケーションの

距離感だとか、障がい者を受入れる職場風土ができたのだと思います。

障がい者の方が働くに際して、どういった点に配慮をして、仕事の割振を決めましたか?

 やはりできること、できないことがあるので、障がい者の方ごとに担当者を決めて、マンツーマンでOJTをしました。

採用当初の頃は、私たちも、まだ18歳で知的障がい者の方の対応は初めてのケースだったので、施設の中で

どうやって受入れようかという話し合いもよくしました。

 幸い受入れた二人は本当によくやってくれる方で、コミュニケーションもある程度とれるので、それを踏まえて仕事を割り振りました。

例えば利用者の方の食事の配膳、下膳だとか、ベッドを直したりだとか、直接、利用者に接しない介助は可能だろうということで

やってもらうことにしました。

 ただどうしても1か月の中で調子に波があって、昨日できたことが今日はできなかったりというようなことがあるので、

そこは他の職員がうまくフォローしてここまでやってきてます。

-日々、ご本人たちの様子を見て配慮をしているのでしょうか?

 そうですね。なかなか自分の日々のコンディションをうまく伝えることができないので、その点で難しさはあります。

でもルーチンはある程度こなせるようになりましたし、これからは今までできなかったことができるようになればと、他の

職員も含めて思っています。

ご家族との連絡ツールとして「連絡綴り」を活用していると伺いましたが、これはどのようなものですか?

 最初の頃は連絡帳を作って頻繁にやり取りしていたのですが、最近は随分本人たちも慣れてきたので、「連絡綴り」で

こちらからのお手紙だとか、給与明細や年末調整など、本人に渡したものを記録するようにしています。

 給与明細などが本人の親御さんの手元に届かなかったりとか、そういうケースが結構あったので、こちらは確かに渡して

いるという、記録に残す意味でもやっています。

-連絡帳はどういった経緯でやり取りしていたのでしょうか?

 最初のころはまだ18歳で、初めて一般社会で働くので、ご家族が心配なさっていて、職場でどんな風に過ごしているのかだとか、

どんな様子なのかとかを教えてほしいという要望があったので、最初の1年から2年間は今日の様子であるとか、そういったもの

のやり取りをOJT担当の職員がしていました。

研修もなさっているということですが、研修とはどのようなものですか?

 具体的には、施設の中で障がい者の方に関する話し合いをしています。

 私たちの施設は80名の高齢者を10名のユニットでお世話をしているので、最初は障がい者の方もどこかのユニットに入り、

お世話を手伝ってもらっていましたが、このやり方は何となくうまくいきませんでした。

 そこで、施設の中でどういう風に、障がい者の方に働いてもらうかということをみんなで話しあって決めています。労働者

という意味では障がい者の方もそうでない方も同じなので、その中でみんなが分け隔てなく働けるような環境をお互いに

作っていく、そのような話し合いを研修の形でやっています。

-そういった話し合いがあるから、障がいのある職員の方も長くお勤めできるんですね?

 そうですね。それだから今まで、彼らが辞めるという話しが出なかったのだとも思います。

障がい者の方を雇うことで他の職員の方によい影響があれば教えてください

 障がいは個性の一つかなと私は思っているので、いわゆる障がいというくくりで判断するのは

どうなのかなと思いますね。もちろん親御さんとかは苦労もなさって、今まで育ててきたのは確かでしょうが。

-個性のひとつとして、そうした障がいがあると?

 そうですね。そんなに障がい者だからって意識は私はないです。たぶんうちの職員も同じ気持ちでいるのではないか

と思いますね。

障がい者の方を含めて皆さんが働く中で、チーム力をどのように培っていこうとお考えですか?

 これからもどうやって、うちの利用者である高齢者の方や、障がい者を含めた職員が、同じ土俵の上で生活していくか

ということを考えることが一番だと思います。

 介護の業界は年齢も職歴も様々ですし、介護に対する考え方もバラバラです。そういった職員が同じ土俵で生活して、

心をひとつにまとめるというのはとても難しいですが、そうしないとチームとしての力は生まれないと思っています。

-そのように様々な個性が集まる中で、それでも障がい者の方が長く働ける理由は何でしょうか?

 やはり介護する職員さんはみんな心が優しくて、それがベースにあるからだと思います。職員は自分から

高齢者を介護しようという方たちなので、心の芯の部分が本当に優しいです。それだからだと思います。

これからも障がい者の方を雇用する中で、どんな点を改善していきたいというのはありますか?

 できればご本人もそうなんですが、もう少しご家族ともコミュニケーションをとれるようになったらいいなと思います。

 どうしても私たちが日常彼らと接して見ているイメージと、親御さん達が見ているイメージになんとなくギャップを感じて

しまうんです。お母さんは彼らをまだまだ子どもだと言っていますが、私たちにはとてもそうは思えないんですよね。

そのギャップを埋めたいです。こちらは戦力だと思って雇っているので。

最後にこれから障がい者雇用を考えている企業にメッセージをお願いします

 障がい者だとか健常者だというように我々の側から区別してしまう、差別してしまうのをなくすことが大切なのだと

思います。そうすれば障がい者だから雇用しないとか、健常者だから雇用しようっていう発想にはならないと

思いますから。

訪問を終えて

 障がいを個性と考える古知屋理事の考え方がとても新鮮でした。そして職員の方々全員の優しさに支えられて、

障がい者の方がいきいきと働けているのだと感じました。

(平成29年6月23日取材)

神奈川県

このページの所管所属は 産業労働局 労働部 雇用対策課 です。

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