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更新日:2023年7月21日

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障害者雇用優良企業インタビュー(藤沢市資源循環協同組合)[No.55]

かながわ障害者雇用優良企業である藤沢市資源循環協同組合の障害者雇用取り組み事例です。

野毛所長補佐に聞きました。

今回は、藤沢市から資源物の回収や中間処理業務を受託している藤沢市資源循環協同組合 野毛所長補佐にお聞きました。

藤沢市資源循環協同組合藤沢市資源循環協同組合

障害者雇用のきっかけについて教えてください。

当組合は、藤沢市内の会社34社で構成された組合で、市からの委託を受けて、藤沢市の一般家庭から出る資源物の回収から選別、処理までを行っています。2013年4月のリサイクルプラザ藤沢開設時に従業員の増員があり、その時に福祉に貢献できることがないかと考え、障害のある方ができる作業を探そうということがきっかけでした。

障害者の方は、何名いらっしゃいますか。

現在(平成28年5月)、19名です。従業員99名のうち、知的障害の方が11名、精神障害の方が6名、身体障害の方が2名です。

どのような仕事をしているのですか。

最初に行ったのは、ペットボトルのラベルをはがす作業です。藤沢市では、ペットボトルはラベルとキャップをはずしてくださいとお願いしているのですが、はずしていないものもあります。それを選別して、キャップとラベルをはずして、また処理のラインに戻すという作業があるのですが、そのラベルをはがす作業を障害のある方にお願いしました。

それと、商品プラスチックといって、プラスチックでできた棚や衣装ケースのようなものを、藤沢市では回収し、洗浄、消毒して、イベントなどで市民にお譲りしています。その際に藤沢市の環境基金へ100円以上の寄付をしてもらっています。その洗浄作業と消毒作業、イベントに出すまでの工程を障害のある方にお願いしています。

他にも、収集された飲み物などのビンを最終的には色ごとに完全に分けるのですけれど、その前段階で軽く選別する作業やゴミを取ったりする作業をお願いしています。それから生ゴミ処理器(キエーロ)の販売と設置も市から受託しているのですが、その組立作業を障害のある方にお願いしています。

―いろいろな業務があるのですね。

段々と増やしていきました。他にベッドのスプリングマットの処理もしているのですが、破砕機の性質上スプリングが機械に絡まってしまうので、効率よく処理するために手で解体しています。それを障害のある方にお願いしています。

あとは、回収された使用済みの食用油の処理もお願いしています。家庭用の油がペットボトルに入ったものを回収するのですが、それをこの施設にある専用のタンクに空ける作業です。まれに食用油以外のものが入っている場合があるので、そういうものをはじいて食用油だけを入れていくという作業もお願いしています。

業務はどのように決めたのですか。

支援施設の方とやり取りをして、こちらから提案したり相談したりしています。こういった業務は大丈夫ですか、といった感じです。雇用する前に実際にやっていただく作業を1、2週間試してもらって、こちらとしても作業ができているか、障害のある方にとっても無理なく作業ができているかを確認してから雇用しています。

実際にやっていただいたら私たちよりも仕事ができる部分もあり、合った仕事をやってもらえば心強いということで、業務が増えていきました。支援施設の方からこういった業務はどうですかといった相談があって、増えた業務もあります。

業務を障害で分けているのではなくて、例えば、重いものを持てないのであれば、軽い作業にするなどしています。仕事ができるかどうかというよりは、働きたい人の中で、重労働が無理だからこの業務はだめといった程度の選考です。実際にはやってみないとわからない部分が大きいので。当初想定していたよりもいろいろできるので、任せたい作業が増えて、それができる人を探して雇った場合もあります。

―業務の種類があるとそれぞれに合ったものを選べますね。

人によって向き不向きがありますからね。周りに人がいると仕事に集中できない人もいたりします。働く場所や作業の内容を考えながらやっています。

勤務時間などの配慮はありますか。

勤務時間は人それぞれです。短い方は8時半から15時までで、もう少し長い人だと16時、17時までです。「一応、これでやりましょう」と始めますが、途中で無理があったり、あるいは、もう少しできるのではないかということもあるので、試しながら変えています。

―通院への配慮もありますか。

通院が必要な方やお薬を定期的に飲んでいる方もいますので、雇用する際に、月に何回か休みたいとか早く帰りたいといった話があります。その辺りは問題ないです。

精神障害のある方への配慮はありますか。

精神障害のある方は時間を無理させてしまうと、休みがちになる方もいますのでその方に合わせます。あとは、支援施設の方と相談しながらですね。支援施設の担当の方が決まっていて、こういう状態なのだけれども、どうしたらいいですかといった相談をしながらやっています。職場を異動させるときも相談しながらです。

職場定着の秘訣はありますか。

時間的にあまり制限を設けていないことでしょうか。疲れるようであれば勤務時間を短くしたり、週5日が無理だったら4日、3日にしてみたりします。辞めることを考える前に、勤務時間を短くしたり、長期休暇でゆっくり休んでもらうことを考えて、合わせられるところは合わせます。

あと、ある障害のある方が、働いている部署が嫌になってしまったことがありまして、別の部署で働くことをすすめて、そこでは今のところうまくいっています。

―業務の選択肢があるからできることですね。

1つの業務だけだと辞めてしまった人もいたかもしれませんね。

コミュニケーションの工夫はありますか。

本当に人それぞれです。話しかけられるのを嫌がる人もいれば、話すのが大好きな人もいます。平等に接するようにはしますが、話す長さやタイミングは人によってです。障害のある方のいる所属には、サービス管理者という管理者を置いて、研修などに行かせて多少知識を持ってもらっています。

障害者の方を雇用してよかったことはありますか。

戦力になっていますね。いないと回らない、本当に当てにしています。いなくなったら、この仕事に穴が開いてしまいます。

訪問を終えて

3年ほど前から障害者雇用に取り組み、従業員99名のうち19名の障害のある方が活躍しています。定着も順調にしているとのお話も聞き、いろいろな業務があることで選択肢がある状況や支援機関との連携が背景にあるのではと思いました。インタビュー後に施設内を見学させていただき、「戦力」の言葉どおり、障害のある方がチームで働く姿を見ることができました。

(平成28年5月24日取材)

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