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更新日:2023年5月19日

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診断書(精神障害者保健福祉手帳用)の書き方について

神奈川県精神障害者保健福祉手帳診断書

診断書の作成について

 精神保健指定医その他精神障害の診断又は治療に従事する医師によって、初診日から6か月以上経過した時点で作成された診断書が必要となります。

診断書の記入に当たって留意すべき事項

1「病名」

 疾患圏を特定する必要がありますので状態像では不適切です。『ICD-10精神および行動の障害ー臨床記述と診断ガイドラインー』に即した精神疾患名を、日本語表記で記入してください。 

 精神障害者保健福祉手帳の交付を求める精神疾患の「病名」((1)「主たる精神障害」、(2)「従たる精神障害」)及び「病名」に対応する「ICDコード」(F00からF99,G40)を、英字1桁と数字2桁又は英字1桁と数字3桁で記入してください。ただし、「知的障害(精神遅滞)」(F7*)は精神障害者保健福祉手帳の対象外となっておりますので、(1)「主たる精神障害」欄には記入せず、(2)「従たる精神障害」欄に記入してください。

 (3)「身体合併症」があれば、その「病名」を記入してください。また、(3)「身体合併症」に関して「身体障害者手帳」の「有・無」及び「有」の場合は「等級」を記入してください。

2「初診年月日」

 精神障害者保健福祉手帳の交付を求める精神疾患(1欄(1)「主たる精神障害」)について、初めて医師の診療を受けた日(前医による治療経過がある場合には前医の初診日)及び「診断書作成医療機関の初診年月日」を記入してください。

 「主たる精神障害の初診年月日」と「診断書作成医療機関の初診年月日」とが同一日である場合は、同一日を記入してください。

 前医を含めた初診年月日が不明な場合は、「主たる精神障害の初診年月日」欄には「不明」と記入してください。この場合は、診断書作成日が「診断書作成医療機関の初診年月日」から6か月以上経過していることが必要となります。

 前医の初診日を確認することが困難な場合は、問診により記入していただいて結構です。また、詳細な日付が不明な場合は、「○年○月頃」等、わかる範囲で記入してください。

3「発病から現在までの病歴及び治療の経過、内容」

 推定発病年月、発病状況、初発症状、治療の経過、治療内容等を記入してください。

 なお、推定発病年月については、最初に症状に気づかれた年月を原則としますが、発達障害等明らかに出生直後からの問題に付随した場合は、出生時を推定発病年月として記入してください。また、「器質性精神障害(認知症を除く)」の場合は、発症の原因となった疾患名及びその発症日を本欄下段に記入してください。

4「現在の病状、状態像等」 

 診断書記入時点の現症についての記入欄です。該当する項目の算用数字・カタカナを丸で囲んでください。「その他」や「その他の記憶障害」に該当する場合は、括弧内に具体的な現症を記入してください。本欄には、診断書記入時点のみでなく、おおむね過去2年間に認められたもの及びおおむね今後2年間に予想されるものも含めて全て記入してください。

 【療育手帳保持者の場合】

 4欄(10)1「知的障害(精神遅滞)」に該当する申請者については、「療育手帳」の「有・無」及び「有」の場合は「等級等」(例:A1、A2等)を記入してください。

5「4の病状・状態像等の具体的程度、症状、検査所見等」

 精神医学的見地から疾患(機能障害)の状態を具体的に記入してください。また、当該状態像を裏付けるために必要な検査やその検査所見及びその実施日を記入してください。

 なお、病状等で検査施行が不可能な場合にはそれも含めて記入してください。

 【「てんかん」の場合】 
 1欄「病名」が「てんかん」(G40)の場合、発作のタイプ、頻度、転倒の有無等が精神障害者保健福祉手帳の等級判定に大きく影響します。4欄(8)1「てんかん発作」に該当する場合は、5欄下段に(1)「発作のタイプ」、(2)「発作の頻度」等の記入欄がありますので、該当項目について記入してください。
 なお、例示した(1)「発作のタイプ」、(2)「発作の頻度」等に該当項目がない場合は、5欄記入欄に発作のタイプや頻度等について詳細に記入してください。また、「てんかん」に伴う精神症状等がある場合は、4欄の該当項目を丸で囲んでいただいた上で、その症状等に関する具体的程度、症状等について5欄に記入してください。

6「生活能力の状態」

 (1)「現在の生活環境」

 診断書記入時点での状況を丸で囲んでください。また、施設等に入所している場合には、施設名も記入してください。「その他」に該当する場合は、括弧内に具体的な状況を記入してください。

 (2)「日常生活能力の判定」、(3)「日常生活能力の程度」

 保護的な環境(例えば、病院に入院しているような状態)でなく、例えばアパート等で単身生活を行った場合、又は入所や在宅で家族と同居であっても支援者や家族がいない状況での状態を想定し、そのような場合での生活能力について、年齢相応の能力で判断し、記入してください。現時点のみでなく、これまでおおむね2年間に認められ(「高次脳機能障害」の場合は現疾患発症以降に生活能力の低下が生じたことを確認する)、また、おおむね今後2年間に予想される生活能力の状態も含めて判定し記入してください。

 (2)「日常生活能力の判定」

 以下の解説を参考にして、「ア」から「ク」の各項目について自ら進んでできるかどうか、あるいは適切にできるかどうかについて判定し、それぞれ該当するものを丸で囲んでください。

 「ア 適切な食事摂取」、「イ 身辺の清潔保持、規則正しい生活」

 洗面、洗髪、排泄後の衛生、入浴等身体の衛生の保持、更衣(清潔な身なりをする)清掃等の清潔の保持について、あるいは、食物摂取(栄養のバランスを考え、自ら準備して食べる)の判断等について自発的かつ適切に行うことができるかどうか、助言、指導、介助等の援助が必要であるかどうか判断する。身体疾患がある場合に、例えば、「食事の摂取ができない」というような身体障害に起因する能力障害(活動制限)を評価するものではない。また、調理、洗濯、掃除等の家事の能力や、子どもや配偶者の世話をする等社会的役割の能力を評価するものではない。

 「ウ 金銭管理と買物」

 金銭を独力で適切に管理(必ずしも金銭が計画的に使用できることを意味しない)し、自発的に適切な買い物ができるか、援助が必要であるかどうか判断する。(金銭の認知、買い物への意欲、買い物に伴う対人関係処理能力に着目する。)また、行為嗜癖に属する浪費や強迫的消費行動について評価するものではない。

 「エ 通院と服薬」

 自発的に規則的な通院・服薬を行い、病状や副作用等についてうまく主治医に伝えることができるか、援助が必要であるか判断する。

 「オ 他人との意思伝達・対人関係」

 1対1の場面や集団の場面で、他人の話を聞き取り、自分の意思を相手に伝えるコミュニケーション能力、他人と適切につきあう能力に着目する。

 「カ 身辺の安全保持・危機対応」

 自傷や危険から身を守る能力があるか、危機的状況でパニックにならずに他人に援助を求める等適切に対応ができるかどうか判断する。ただし、行為嗜癖的な自傷をもって「身を守れない」とするものではない。

 「キ 社会的手続や公共施設の利用」

 行政機関(保健所、市町村等)、障害福祉サービス事業その他各種相談申請等の社会的手続を行ったり、公共交通機関や公共施設を適切に利用したりできるかどうか判断する。

 「ク 趣味・娯楽への関心、文化的社会的活動への参加」

 新聞、テレビ、趣味、娯楽、余暇活動に関心を持ち、地域の講演会やイベント等に自発的に参加しているか、これらが適切であって援助を必要としないかどうか判断する。

 (3)「日常生活能力の程度」

 日常生活能力について該当する項目を選んで丸で囲んでください。本欄の「ア」から「オ」のそれぞれの障害の程度を例示すると、おおむね次のとおりとなりますので参考にしてください。

 「ア 精神障害を認めるが、日常生活及び社会生活は普通にできる。」 

 精神障害を持たない人と同じように日常生活及び社会生活を送ることができる。

 「イ 精神障害を認め、日常生活又は社会生活に一定の制限を受ける。」

 例えば、一人で外出できるが、やや大きい(非日常的な)ストレスがかかる状況が生じた場合に対処することが困難である。デイケアや障害福祉サービス事業等を利用する者、あるいは保護的配慮のある事業所で、雇用契約による一般就労をしている者も含まれる。日常的な家事を本人が必要とする程度に行うことはできるが、状況や手順が変化すると困難が生じることがある。身辺の清潔保持は困難が少ない。対人交流は乏しくない。引きこもりがちではない。自発的な行動や、社会生活の中で発言が適切にはできないことがある。行動のテンポはほぼ他の人に合わせることができる。生活環境等に変化の少ない状況では病状の再燃や悪化が起きにくい。日常的な金銭管理はおおむねできる。社会生活の中で不適切な行動をとってしまうことは少ない。

 「ウ 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする。」

 例えば、付き添われなくても自ら外出できるものの、日常的なストレスがかかる状況が生じた場合に対処することが困難である。医療機関等に行く等の習慣化された外出はできる。また、デイケアや障害福祉サービス事業等を利用することができる。食事をバランス良く用意する(必ずしも調理が上手にできることを意味しない)等の本人自身のための家事を行うために、助言や援助を必要とする。身辺の清潔保持が自発的かつ適切にはできない。社会的な対人交流は乏しいが引きこもりは顕著ではない。自発的な行動に困難がある。日常生活の中での発言が適切にできないことがある。行動のテンポが他の人と隔たってしまうことがある。日常的な金銭管理ができない場合がある。社会生活の中でその場に適さない行動をとってしまうことがある。生活環境等に変化があると病状の再燃や悪化を来しやすい。

 「エ 精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、常時援助を必要とする。」

 例えば、親しい人との交流も乏しく引きこもりがちである。自発性が著しく乏しい。自発的な発言が少なく発言内容がほとんど常に不適切であったり不明瞭であったりする。日常生活において行動のテンポが他の人のペースと大きく隔たってしまう。些細な出来事で、病状の再燃や悪化を来しやすい。金銭管理は困難であることから自ら行えない。日常生活の中でその場に適さない行動をとってしまいがちであることから、日常生活全般にわたり常時援助を必要とする。

 「オ 精神障害を認め、身の回りのことはほとんどできない。」

 例えば、入院患者においては、院内の生活に、常時援助を必要とする。在宅患者においては、医療機関等への外出を自発的にできず、付き添いが必要である。家庭生活においても、適切な食事の用意や後片付け等の家事及び身辺の清潔保持も行えず、常時の援助をもってしても、自発的には行えない。

7「6の具体的程度、状態等」

 生活能力の状態について、6欄で評価した内容について具体的な程度、状態等について記入してください。

8「現在の障害福祉等のサービスの利用状況」

 日常生活、就学、就労等の場面において、現に障害福祉等のサービスを利用している場合は、該当項目を丸で囲んでください。「その他の障害福祉サービス等」に該当する場合は、括弧内に具体的な内容を記入してください。

※ 自立支援医療(精神通院医療)を同時申請する場合、9欄から11欄の項目について記入してください。

9「現在の治療内容」

 自立支援医療(精神通院医療)の治療内容について記入してください。

 (1)「投薬内容」

 自立支援医療(精神通院医療)の対象とされている薬剤名のみを全て記入してください。

 【注意】

 自立支援医療(精神通院医療)の対象とされている薬剤がない場合は「なし」と記入してください。また、身体科の治療薬や他院での投薬内容は記入しないでください。

 (2)「精神療法等」

 該当項目を全て丸で囲んでください。「その他」に該当する場合は、括弧内に具体的な精神療法等を記入してください。

 (3)「訪問看護指示」

 「訪問看護指示」がある場合は、レ点を記入してください。

 【注意】

 レ点がない場合、訪問看護は自立支援医療(精神通院医療)の対象となりません。

10「今後の治療方針」

 自立支援医療(精神通院医療)の対象となる治療について、治療目標をふまえて継続的に行っていく治療法を記入してください。

11「自立支援医療における「重度かつ継続」

 一定の所得水準を超える方は、「重度かつ継続」に該当する場合に月ごとの自己負担額に上限が設けられます。

 継続的・集中的な通院治療が必要な場合に限り「重度かつ継続」に該当します。

 以上の点をふまえた上で、(1)欄及び(2)欄に必要事項を記入してください。

 (1) 1欄(1)「主たる精神障害」の「ICDコード」がF40からF99であって、4欄(6)「情動及び行動の障害」又は4欄(7)「不安及び不穏」状態に該当し、計画的・集中的な継続治療を要する場合に、該当事項にレ点を記入してください。

 (2) 「重度かつ継続」の診断には、3年以上の精神医療の経験を有する医師の診断が必要となります。該当事項にレ点を記入してください。「精神保健指定医」にレ点を記入する場合は、「精神保健指定医番号」も記入してください。

12「備考」

 1欄から11欄の記入事項の他に精神障害の程度の総合判定に参考になると思われることがあれば、本欄に記入してください。

 なお、自立支援医療(精神通院医療)を同時申請する場合に、申請者が入院中で通院前に診断書が作成されることが稀にありますが、この場合、退院予定時期(例:「○○月下旬退院予定」等)を必ず記入してください。

その他

 申請者情報(氏名(ふりがな)、生年月日、住所)及び医療機関情報(診断日、名称、所在地、電話番号、診療担当科名、医師氏名(自署又は記名捺印))については、記入漏れ等がないか、提出前に必ず御確認ください。特に、診療担当科名は記入漏れが多く見られますので、御注意をお願いします。

このページの所管所属は 精神保健福祉センターです。