神奈川県自治基本条例 <平成21年3月27日 条例第2号>

掲載日:2011年3月1日

   前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 県民の権利及び義務(第3条)
第3章 県政運営の基本原則(第4条~第9条)
第4章 議会、議員、知事及び職員の責務(第10条~第13条)
第5章 基本原則に基づく制度及び手続(第14条~第25条)
第6章 条例尊重義務(第26条)
附則

前文

神奈川県は、これまで県民に開かれた県政を進め、県民の生活環境を守るために、情報公開制度や環境影響評価制度の整備などに取り組むとともに、県民生活に身近な行政を担っている市町村への権限移譲を着実に行うなど、先駆的な施策を展開してきた。

近年、地方分権改革が進展する中で、地方公共団体自らの責任により、自ら決定することができる社会の実現に向けた取組として、主体的かつ自立的な県政運営を確立するとともに、県民の意思に基づいた政策の実現を図ることが、一層求められている。

また、今日、これからの自治の在り方として、まず県民自らができることは自ら行い、個人で担うことができない公共的な課題には、相互に助け、支え合い、さらに、多様な担い手が協働して対応することが期待されている。そして、そのような対応によっても担い切れない課題については、市町村や県が、それぞれの役割と責任の下で解決していくこととされている。

このようなことから、広域の地方公共団体である県は、県民の多様なニーズや行政課題に応えていくために、これまで以上に県民が県政に参加する機会を拡充することに努め、併せて、市町村とは対等な立場に立って連携協力を強めていかなければならない。

このような認識の下に、私たちは、県民からの信託を受けた議会と知事による県民主体の県政運営を実現することを目指し、その基本となる理念や原則を明らかにするため、県政において最大限に尊重すべき基本条例として、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、県の自治の基本理念、県民の権利及び義務並びに県政運営の基本原則を定め、並びに議会、知事等の責務を明らかにするとともに、県政運営の基本原則に基づく制度及び手続の基本となる事項その他必要な事項を定めることにより、県民主体の県政を確立し、もって県民の権利の保障及び福祉の向上を図ることを目的とする。

(基本理念)

第2条 県の自治は、県民の意思及び責任に基づき、並びに主体的かつ自立的に県政を運営することによって、県民が望む地域社会の実現を目指すことを旨として行われなければならない。

2 県の自治は、県民の意思が県民に最も身近な市町村を通じて表明され得ることにもかんがみ、市町村の意見を尊重して行われなければならない。

第2章 県民の権利及び義務

第3条 県民は、県政に参加する権利を有し、その責任を負う。

2 県民は、前項の権利を行使し、及び責任を果たすため、県が保有する県政に関する情報を共有することができるよう、当該情報を知る権利を有する。

3 県民は、県が提供する役務(以下「行政サービス」という。)を等しく受ける権利を有し、その費用を分担する義務を負う。

第3章 県政運営の基本原則

(県政運営の基本原則)

第4条 県政は、第2条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、かつ、この章に定める基本原則(以下「基本原則」という。)に基づいて運営されるものとする。

(県民参加による県政運営)

第5条 県政は、県政に対する県民の理解を促進し、かつ、県民が自発的かつ積極的に参加することができるよう運営されるものとする。

(市町村との役割分担及び市町村の参加による県政運営)

第6条 県政は、市町村が地域における政策を総合的に推進する重要な役割を果たすことができるように県が広域的にこれを補完し、並びに市町村が県と相互に対等な関係の下に、県政に対する提案及び意見を通じて参加することができるよう運営されるものとする。

(透明かつ公正な県政運営)

第7条 県政は、透明性の向上を図ることにより、県民に対する説明責任を果たし、公正を確保することができるよう運営されるものとする。

(効率的かつ効果的な県政運営)

第8条 県政は、最少の経費により最大の効果を挙げるよう運営されるものとする。

(連携による県政運営)

第9条 県政は、民間の団体、他の都道府県その他の多様な団体と連携して運営されるものとする。

第4章 議会、議員、知事及び職員の責務

(議会の責務)

第10条 議会は、議事機関として、県民の多様な意見を集約し、県の意思決定を行わなければならない。

2 議会は、知事との牽(けん)制及び調和の関係の下に、県政運営を監視しなければならない。

3 議会は、県民に開かれた議会運営を行わなければならない。

(議員の責務)

第11条 議員は、県民の信託にこたえ、県民の意思を県政に反映させるよう活動しなければならない。

(知事の責務)

第12条 知事は、県民の信託にこたえるよう、基本理念にのっとり、及び基本原則に基づいて、県政を運営しなければならない。

2 知事は、基本原則に基づく制度及び手続の整備及び充実に努めなければならない。

3 知事は、県民の意思を迅速かつ的確に県政に反映させることができる組織の編成に努めなければならない。

(職員の責務)

第13条 職員は、基本理念にのっとり、及び基本原則に基づいて、職務を遂行しなければならない。

2 職員は、職務の遂行に必要な能力の向上に努めなければならない。

第5章 基本原則に基づく制度及び手続

(情報提供及び情報公開)

第14条 県は、県政に関する正確で分かりやすい情報を、多様な媒体の活用等により、県民に積極的に提供するよう努めなければならない。

2 県は、県民の求めに対し誠実に応答し、行政文書の公開を適正に行わなければならない。

3 県は、県が保有する個人情報の取扱いに関し、県民の権利利益が侵害されることのないよう適切な措置を講じなければならない。

(県民参加の機会の確保)

第15条 県は、政策の立案、実施及び評価の過程において、県民が提案をし、及び意見を提出し、又は県と対話をし、若しくは協議をするための多様な機会の確保に努めなければならない。

2 県は、県民の県政に関する提案、意見等を迅速かつ誠実に処理するよう努めなければならない。

3 県は、県民が県政への参加の機会を的確に把握できるよう、あらかじめこれを公表しなければならない。

(県民投票)

第16条 県は、県政に関する重要な事項について県民の意思を問うため、県民による投票を実施することができる。

(市町村との役割分担及び市町村への権限移譲)

第17条 県は、市町村の主体性及び自立性を尊重し、適切な役割分担を図るよう努めなければならない。

2 県は、その権限に属する事務のうち、市町村が処理することが適当な事務については、当該市町村との協議を経て、移譲するものとする。

3 前項の場合において、県は、当該市町村に対し、当該事務の執行に要する経費の財源について必要な措置を講じなければならない。

(市町村の県政参加)

第18条 県は、県政に関する情報を、市町村に積極的に提供するよう努めなければならない。

2 県は、市町村に関わる県の政策のうち、重要な政策の立案、実施及び評価の過程において、市町村が提案をし、及び意見を提出する機会の確保に努めるとともに、当該提案及び意見を尊重しなければならない。

3 県は、市町村に関わる県の政策のうち、特に重要な政策について、市町村と協議をするための体制を整備するものとする。

(行政手続)

第19条 県は、県政運営における公正の確保及び透明性の向上を図るため、処分、行政指導及び届出の手続に関し、共通する事項を定め、これを公表しなければならない。

(総合計画)

第20条 県は、県の政策の基本的な方向を総合的に示す計画(以下「総合計画」という。)を策定しなければならない。

2 県は、総合計画の策定及び変更に当たっては、県民及び市町村の意見が十分に反映されるよう努めなければならない。

3 県は、総合計画に定める政策の基本的な方向に従い、効率的かつ効果的に政策を推進するとともに、政策の実施の状況を定期的に公表しなければならない。

(財政運営)

第21条 県は、総合計画等に定める方針に沿って、財源の確保及び効率的かつ効果的な活用を図ることにより、財政の健全な運営に努めなければならない。

2 県は、その財政状況を定期的に公表しなければならない。

(政策評価)

第22条 県は、効率的で質の高い行政サービスを県民に提供するために、政策の評価を適切に実施し、その結果を公表しなければならない。

2 県は、前項の評価の結果を、政策の立案、予算の編成等に適切に反映させるよう努めなければならない。

(民間公共活動との連携協力)

第23条 県は、県民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体が主体的に行う公共的な活動(以下この条において「民間公共活動」という。)を尊重しなければならない。

2 県は、より質の高い行政サービスを県民に提供するため、必要に応じ、適切な役割分担の下に、法人その他の団体が行う民間公共活動と連携し、及び協力するものとする。

3 県は、民間公共活動が積極的に推進されるために必要な環境の整備を行うよう努めなければならない。

(他の地方公共団体との連携協力)

第24条 県は、広域的な見地から課題を解決し、より質の高い行政サービスを県民に提供するため、他の地方公共団体と連携し、及び協力するよう努めなければならない。

(国への提案)

第25条 県は、県民の意思に基づく自立的な県政運営を推進するため、県と対等の立場にあり、かつ、相互に協力する関係にある国に対して、県政運営に関係する政策及び制度の整備、充実、改善等に関し、積極的に提案しなければならない。

第6章 条例尊重義務

第26条 この条例は、県政運営の基本理念及び基本原則を定めるものであり、県は、他の条例、規則その他の規程によって制度を設け、又は実施しようとする場合には、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない。

附則

 この条例は、公布の日から施行する。

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神奈川県

このページの所管所属は 政策局 自治振興部 広域連携課 です。