内水面試験場業績発表大会 アユ精子凍結保存試験

掲載日:2017年8月1日

アユ精子凍結保存試験

内水面試験場 業績発表会

(目的)
 内水面試験場では、全雌三倍体アユの企業化に向けて、その量産に取り組んでいる。
全雌三倍体アユを作出するたためには性転換魚(雌→雄:にせ雄)の精子が必要であるが、性転換魚の作出率は低く、そのうえ、アユは1年で成熟し、死亡してしまう。そこで、貴重な性転換魚の精子を有効に利用するために凍結保存技術が必要となる。
今回は、精子希釈液のpHを調整して凍結保存に最適なpHについて検討を行い、凍結、解凍による精子運動活性の低下を可能な限り低減することができる希釈液の開発を目的とした。

(方法)
 希釈液はMonuib's solutionを使用し、pHを7、8、9、10に調整した液と、対照区として未調整の液(pH7.66)とを用意した。
 精子は1尾の通常のアユから採取したものを用いた。十分な運動活性を確認後、精子を各希釈液で10倍希釈し、それぞれに凍結保護物質(DMSO)を外割りで5%添加した。これらを牛精子凍結用ストロー管に0.2ccずつ4本封入し、プログラムフリーザーで凍結した。プログラムフリーザーの運転開始温度は5度から行い、まず、-40度/分のスピードで0度まで下げて1分間0度を保ち、次に、-40度/分のスピードで-7度まで下げて1分間-7度を保ち、最後に、-50度/分のスピードで-60度まで下げた。凍結完了後、直ちにプログラムフリーザーからストロー管を取り出し、1本は、40度の温水に10秒間漬けて解凍を行い精子の運動活性を調べた。残りの3本は、液体窒素の入った保存装置で保存し、1年後解凍して活性を調べる予定。
精子運動活性の評価基準は、解凍後の精子が60から100%運動した場合を+++、30から60%運動した場合を++、30%以下運動した場合を+、運動していない場合を-とした。

(結果)
 次表のとおり。2回とも精子の運動活性が最も高かったのはpH9であった。逆に運動活性が最も低かったのはpH7であった。今回の結果から、精子凍結保存に使用する希釈液のpHは9が適当と考えられるので、今後、性転換魚の精子を使ってpH9の希釈液で凍結保存し、その精子を用いた全雌三倍体の作出を試みる。


表 希釈液pH別精子運動活性

試験区分 1回目試験(H10.10.16) 1回目試験(H10.10.16)
対照区(pH7.66)   ++  +
pH7   +  +
pH8   +  +++
pH9   +++  +++
pH10  ++
神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター内水面試験場 です。

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