アイスハーバー型階段式魚道の底生魚対応型への改良

掲載日:2017年8月1日

アイスハーバー型階段式魚道の底生魚対応型への改良

[目的] 
 県内の河川には多くの堰があり、魚類等の溯上をさまたげている。その対策として主要な河川では魚道が設置されているところも多いが、対象魚をアユやヤマメ等の遊泳力の強い魚としている。しかし、一生の中で河川を溯上することが必要な魚類等の中にはハゼやカジカの仲間のような底生魚、モクズガニやテナガエビといった遊泳力の弱い生物もいる。そのためこれら全てが溯上できる魚道の構造の研究が必要である。

 相模川の相模原市磯部地先にある磯部床止工には、魚道が設置されているが、やはり遊泳力の強い魚種を対象にした魚道で、底生魚等の溯上には適さない状況であった。その改良案として、最近主流になっているアイスハーバー式階段型魚道の底面に玉石を敷き、底面と潜孔部を溯上させられるのではないかというアイデアが出た。そこで、この構造により実際に底生魚の溯上に効果的な魚道になるかを確認するため、各種魚類を実際に溯上させて効果を調べる模型実験を行うことになった。

[方法] 
 アイスハーバー型階段式魚道の潜孔部を模した水路部分(長さ3m、高さ30cm、幅30cm)の両側にプールのある模型を作成した(写真)。魚道の勾配は階段式魚道の落差で一般的な10cmを想定し、魚道内の玉石の量に応じて流量を調整した。水路部分は透明アクリルで、溯上の様子が観察できるようにした。上流側プールからポンプで水を流し、下流側プールから魚を放流した。魚種は底生魚のトウヨシノボリ、カジカ、遊泳魚のアユ、ウグイで各魚種50尾を用いた。下流プールから放流した魚を上流プールで取り上げて尾数を記録し、溯上率とした。模型の水路部分に長径10cmと20cmの石を高さ20cmまたは水路一杯に敷いてそれぞれ実験を行い、溯上率を比較した。

[結果] 
 アユとウグイは玉石の設置に関係なく溯上した。トウヨシノボリとカジカは玉石を敷いた場合に溯上率が高かった。特に最も溯上力の弱いカジカの場合は、玉石のない場合と玉石を敷いた場合の差が大きかった。

 溯上の様子を観察すると、アユとウグイは水路の上側の玉石のない部分を一気に通過して溯上していき、トウヨシノボリとカジカは石の隙間を少しずつ溯上していた。カジカの場合はそのまま石の間に落ち着いてしまうものも多かった。
魚道実験装置 模型内に石を入れた状態
魚道実験施設 石を入れたところ
神奈川県

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