道保川(相模川水系)に移入されたドンコの生息状況

掲載日:2017年8月1日

道保川(相模川水系)に移入されたドンコの生息状況

内水面試験場 業績発表会

[背景・目的]

 ハゼ亜目カワアナゴ亜科のドンコは、愛知県、新潟県以西の本州、九州、四国に生息しており、本来神奈川県は自然分布域ではないが、近年、相模川の支流の1つである道保川において本種が確認されている。
 道保川は県内でも有数の清流で、スナヤツメやホトケドジョウ等の絶滅危惧種が生息している。
ドンコは動物食性であることから、これら在来種に対する食害など生態系に与える悪影響が懸念される。このため、道保川におけるドンコの生息状況把握と駆除方法を検討するために、分布調査と生息尾数推定調査を行なった。

[方法]

 分布調査は、夏季と秋季に実施した。道保川公園から鳩川合流点までの約4km間に、約300m間隔で15の調査地点を設定した。各調査地点は、1地点あたり川の長さを約15mとし、各調査地点において手網及び叉手網を使用して、1地点あたり調査員1人で20分間の採捕を行なった。また、2季の調査ともドンコが採捕されなかった地点について、エレクトロフィッシャーと手網を使用して採捕調査を行い、生息の有無を再確認した。
 生息尾数推定調査は、夏季の分布調査で採捕尾数の多かった3地点と少なかった3地点の合計6地点について、夏季と秋季に実施した。調査地点の上流および下流を網で覆い、魚類等の逸撤を防いだ後、エレクトロフィッシャー、手網及び叉手網により採捕を行なった。同様の採捕を1地点につき3回反復して行い、3回の採捕尾数からDeLury法により生息尾数を推定した。
 分布調査及び生息尾数推定調査により採捕したドンコはホルマリン10%で固定後、内水面試験場に持ち帰り、全長、体長、体重を測定した。

[結果]
 分布調査では2季の調査ともに15地点中11地点でドンコを確認した。ドンコは、鳩川合流点から約2.8km上流の地点まで確認された。これより上流にある宮古橋から道保川公園直下までの約1kmの区間ではドンコが確認できなかったことから、宮古橋より上流では、本種が生息していないか個体数が非常に少ないと考えられた。
 DeLury法により推定した生息尾数の6地点の合計は、夏季1345尾、秋季592尾であった。推定された生息尾数は全ての地点で夏季に比べて秋季は減少したので、エレクトロフィッシャーによる採捕は本種の駆除に有効であると考えられた。
 採捕されたドンコの体長は、夏季が20mm以上30mm未満、秋季が30mm以上40mm未満の当歳魚が最も多く、道保川において本種は、盛んに再生産を行っていると考えられた。また、当調査で採捕された最大個体は体長164.8mmであり、体長100mm以上の個体は2季合わせて32尾も採捕されたことから、在来の生物に対する食害等の悪影響が懸念される。

蓑宮敦・勝呂尚之・中川研・山本裕康

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター内水面試験場 です。

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