内水面試験場業績発表大会 アユの産地の見分け方

掲載日:2017年8月1日

アユの産地の見分け方

内水面試験場 業績発表会

【目的】アユの放流効果を高めるためには、放流する種苗の特性を把握し、その特性にあった放流を行うことが望まれている。アユ種苗の産地判別法としては、mtDNA、アイソザイム分析等生化学的手法の他に耳石の形態やふ化日推定等あるが、判別には時間と費用がかかり、迅速かつ大量処理ができない欠点がある。そこで、種苗の外部形態等から個体識別を行う手法を開発し、放流される各種苗の指標値を明らかにすると共に、河川で採捕されたアユの産地判別を試みた。

【方法】使用した種苗は、人工種苗(継代23代、以下人工産という)、2000年に相模湾で採捕された海産種苗を蓄養したもの(以下海産養成という)、滋賀県水産試験場から提供を受けた琵琶湖姉川に遡上したもの及び琵琶湖にて2000年2月と4月に採捕して飼育したもの、養殖業者の養殖アユ(琵琶湖で前年の11月に採捕されたもの)を用いた。また、内水面試験場が行っている各種魚類調査で採捕した、相模川、酒匂川、早川のアユについても調べた。調査項目は、外部形態、側線上方横列鱗数、下顎にある側線孔の数である。
側線上方横列鱗数は、計数の基点を背鰭第5軟条の付け根とし、墨汁で鱗の輪郭を明瞭にしてから実態顕微鏡下で計数した。

【結果】側線上方横列鱗数は、人工産は11から14枚、海産養成は17から19枚と15枚を堺に区分できた。琵琶湖産は従来鱗が海産よりも細かいと言われており、今回の調査結果では、姉川産は海産よりも多い20から22枚、その他の琵琶湖産育成魚は採捕時期により鱗の数が異なる13から19枚であり、人工産と海産養成の値と重複する結果となった(図1、2)。

側線上方横列鱗数による人工産アユと海産アユの違い図1 琵琶湖産アユの側線上方横列鱗数図2
下顎平均側線孔による産地別特性地 下顎側線孔の数は片側4個が多く、姉川と海産養成が100%と92.6%なのに対し、人工産は37.7%、琵琶湖の4月採捕が73.1%、11月採捕は62.4%と異なっていた
鱗の枚数による産地の見分け方 ウロコの数え方
月別採捕割合 これらの結果を基に、相模川、酒匂川、早川で獲れたアユの月別産地組成を調べると、人工産は5、7月に多いがその後は減少している。海産種苗は相模川と酒匂川では、月を追う毎に割合を増しているが、早川では逆に後半減少していた。また。琵琶湖産種苗は5から8月に多いが、その後減少している。また、いずれにも区分できなかったアユが8.2から66.7%出てきた。このうちの多くは琵琶湖産種苗として放流されたもであるので、早川では11月末でも半数以上の琵琶湖産種苗が生存し産卵に参加していたことになる。このことから自然界でも海産種苗と琵琶湖産系種苗が交雑する可能性が伺われた。
神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター内水面試験場 です。

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