継代数の異なる人工産アユの種苗差-4

掲載日:2017年8月1日

継代数の異なる人工産アユの種苗差-4

内水面試験場 業績発表会

【目的】

 放流・養殖用アユのうち人工種苗は、安定供給、魚類防疫の面から重要な役割を担っている。近年は放流効果と種苗性との関係に関心が持たれている。そこで、本県の人工産アユを評価することを目的として、海産と継代数の異なる人工種苗のとびはね行動、なわばり行動および遊泳力の比較試験を行った。

【方法】


1 とびはね試験
海産種苗(以下、海産)、4代目の人工種苗(以下、4代)および30代目の人工種苗(以下、30代)のとびはね率を比較した。底面積1平方メートル、水深15cmの水槽で、0.6L/秒の落水刺激を与え、5cmの高さを飛び越え、別の水槽に移動したアユをとびはねた個体とした。各種苗100尾ずつを収容し、24時間後のとびはね率((とびはねた個体数/収容個体数)×100)を算出し、各組み合わせにつき3回実施した。


2 なわばり試験(室内)
  ガラス水槽(60cm×30cm×36cm)に、体長差を1%以下に揃えた海産と 30代の組み合わせおよび4代と30代の組み合わせで1尾ずつ収容し、24時間後のなわばり獲得個体を計数した。検定個体数は60組120個体とし、20度の井水をかけ流しとした。 

3 人工水路の遊泳力試験
  人工水路にポンプで注水し、アユが遊泳を持続した時間を記録し、体長を測定した。海産と30代の組み合わせおよび4代と30代の組み合わせで30尾ずつ収容して実施した。体長で補正した遊泳力(遊泳時間(秒)×流速(cm/秒)/体長(cm))を個体ごとに算出し、平均値を比較した。

【結果】


1 とびはね試験
海産と30代の組み合わせでは1例は有意差は認められないものの海産のとびはね率の高い傾向が見られ、他の2例では海産が有意に高かった(カイ2乗検定、P<0.01)。一方、4代と30代を組み合わせた3回の全ての試験で、とびはね率に有意差は認められなかった(カイ2乗検定、P>0.01)。

2 なわばり試験(屋内)  
海産と30代との組み合わせでは、なわばり個体の出現率は海産は43.3%で、30代は36.7%となり有意差はなかった(カイ2乗検定、P>0.01)。一方、4代と30代との組み合わせでは、なわばり個体の出現率は4代が16.7%に対し、30代は56.7%となり有意に高かった(カイ2乗検定、P<0.01)。

3 人工水路の遊泳力試験
海産は4代および30代よりも有意に高く(t検定、P<0.01)、4代と30代の間には有意差は無かった(t検定、P>0.01)。

相川英明・原日出夫

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター内水面試験場 です。

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