コイヘルペスウイルス病のPCR検査

掲載日:2017年8月1日

コイヘルペスウイルス病のPCR検査

内水面試験場 業績発表会

【目的】

持続的養殖生産確保法において、コイヘルペスウイルス(KHV)病は特定疾病に指定されている。特定疾病とは、国内で未発生または国内の一部で発生している疾病であって、まん延した場合重大な損害を与えるものとされる。1998年にイスラエルとアメリカ合衆国で初めて発生が確認され、その後イギリス他6カ国で確認された。日本では、2003年10月に茨城県で初めて発生が確認され、現在23都府県で確認されている。KHVはコイ特有の病気とされ、発病し易い水温は20から25℃で、30℃を超えるとウイルスが増殖しなくなるとされている。また、人為感染させたコイを13℃で1ヶ月間飼育した後、水温を上げていくとへい死が始まったとの報告があることから、低水温飼育によりコイのへい死は防げるが、ウイルスは生き続けるものと思われる。この病気にかかると、緩慢な泳ぎ、餌食い不良、鰓の退色や粘液分泌過剰などが見られるとされるが、他の病気でも同様の症状が起きることから、外観のみで判断できない。このため、全国の都道府県等において、PCR検査によりウイルス保有の確認を行い、まん延防止を図っている。

【方法】

 2003年11月から2004年3月までの間に養殖場等においてサンプリングされた52検体について特定疾病等対策ガイドラインに基づきPCR検査を行った。検査部位は鰓とし、DNAの抽出は市販のDNA抽出キット(QIAGEN製「Dneasy Tissue Kit」またはGentra Systems製「Puregene Cell and Tissue Kit」)を用いた。プライマーはKHV Sph I-5 F及びKHV Sph I-5 Rを用い、反応は94℃で1分間、55℃で2分間、72℃で3分間を30サイクル、最後に72℃で7分間行った。もう1つ別のプライマーKHV 9/5 F及びKHV 9/5 Rを用いた検査も行った。反応は95℃で5分間、次いで94℃で1分間、68℃で1分間、72℃で30秒間を39サイクル、最後に72℃で7分間行った。

【結果】

茨城県霞ヶ浦産の2検体から陽性が確認された(図)。当該施設は、コイの処分及び施設の消毒等所定の処置を講じた。その他の検体は全て陰性であった。今後、水温の上昇に伴い発病が危惧されるため、関係機関と協力してまん延防止に取り組む。

KHV 9/5 プライマーによるPCR検査結果 M Pc Nc A1 A2 B1 B2 M:分子量マーカー
Pc:ポジティブコントロール
Nc:ネガティブコントロール
A1:陽性検体1(矢印)
A2:陽性検体2(矢印)
B1:陰性検体1
B2:陰性検体2
 図 KHV 9/5 プライマーによるPCR検査結果  

原日出夫・相川英明・山本裕康

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター内水面試験場 です。

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