平成9年度業績発表大会 酵素抗体法による魚病細菌の検出

掲載日:2017年8月1日

酵素抗体法による魚病細菌の検出

度業績発表大会

 近年、我が国のアユ養殖現場において冷水病が大流行し,大きな被事を与えている。各県水産試験場のアユ疾病の記録によると原因細菌Cytophagapsychrophilaの単独感染は全体の30%以上,混合感染を含めると50%以上を占めている。  また,本県においても同様の傾向が認められ,冷水病は最も多く発生し被害を及ぼしている。
 しかし,体表の穴あきや尾柄部の欠損などの外部症状から明らかに冷水病と判断される病魚からの冷水病原因菌を分離できないことも多く、正確な診断を困難にしている。また、従来の方法では病原菌を人工培地で増殖させるため,冷水病の診断には5日間程度要していた。
 そこで,冷水病の正確かつ簡便な迅速診断方法の確立を目的として,市販のキットを用いた酵素抗体法によるアユの冷水病原因菌の検出を試みたところ,良好な結果が得られたので報告する。

<方法> 冷水病感染魚の鰓や脾臓の塗沫標本を洗浄液(wash soultion;フナコシ社)で5分間3回洗浄し,リン酸緩衝液で10倍に肴釈した1次抗体を標本に滴下した。これを保湿箱に入れ、37度で30分間反応させ、同様に洗浄した。次にリン酸緩衝液で50倍に希釈した酵素標識2次抗体(抗ウサギIgG-ヤギ;和光純薬工業社)を同様の方法で反応させ、洗浄した後、染色液(4CN PEROXIDASE SUBSTRATE SYSTEM)で発色させた。さらに洗浄,風乾後,光学顕微鏡で観察をした。

<結果> 冷水病感染魚の鰓,脾臓及び患部などから冷水病原因菌の検出ができた。

<考察> 冷水病の診断が酵素抗体法によって2時間程度で可能となった。酵素抗体法は直接、冷水痛感染魚から冷水病原因菌を検出できるため,従来の方法では困難であった仔稚魚期の改断に有効であった。 冷水病は特徹的な外部症状を現さない冷水病感染魚が多く見られており、外部症状からの診断は困難になっている。また、穴あきなどの冷水病の症状が現れた場合,冷水病が飼育池全体に相当進行していることが維察され,今回の結果から外部症状を現さない冷水病感染魚からも冷水病原因薗の検出は可能であることから,感染初期の早期発見に有効であることが考えられた。 養殖現場では正確で迅速な診断が求められ,それに基づく適切な対処が必要となっている。今後,酵素抗体法による診断は養殖現場において冷水病の感染の動向を明らかにし,その対策に役立つものと期待される。

蛍光顕微鏡でみた映像

蛍光顕微鏡でみた映像

神奈川県

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