焚き火、テント、バーベキューに関する詳しい説明

掲載日:2014年3月12日

まず、ご承知いただきたいのは、丹沢は、そのほとんどの区域が「丹沢大山国定公園」または「県立丹沢大山自然公園」に指定されています。そして、日本では、自然公園区域内の土地は、個人で所有している方がたくさんいらっしゃるということです。

 名称が「国立公園」とか「国定公園」というので、誤解されやすいのですが、国や県や市町村(これらをまとめて「公共団体」と呼びます。)が実際に所有しているのはそのうち一部で、それらの一部の土地にしても、国有林や県有林といって木を育てるための土地で、その殆どが公園にするために持っている土地ではないのです。

 アメリカのように、国立公園に指定されている土地をすべて所有している国もありますし、日本でも街中にある、児童公園や運動公園は、公共団体の土地であったり、公共団体が持ち主からきちんと借りていることが多いのですが、日本の自然公園は、土地の所有者が好意的に開放してくれている例の方が圧倒的に多いのです。

 自分の土地であれば、本来は何を作っても良いし、どのように利用しても良い筈です。でも、皆が欲しいままに自分の土地を利用したら、美しい景観が台無しになってしまうかも知れない。

 そのために法律や条例で、土地の所有者であっても自由に利用できないように制限をかけているのですが、そのような法令によって制限をかけられた土地が「国立公園」や「国定公園」或いは「県立自然公園」と呼ばれており、これらをまとめて「自然公園」と呼んでいます。

 したがって自然公園の中で何かをしようとした場合、基本的にその土地の所有者が良いと言ってくれるかどうかという点と、自分のしようとしていることが法令によって制限されていないかを考える必要があるのです。

 そしてこれらとは別に、他の利用者の迷惑にならないかという視点も重要です。

 自分だけが好き勝手をしてもよいという考えが通らないのは、一般社会にあっても当然のことなので、自然公園の中であればそれが許されるということはあり得ません。

 以上の3点を踏まえて自然公園区域内で次のような行為が認められるのかを説明します。

 個別の説明に入る前に、法律や条例による制限の基本を説明します。

「自然公園法」という法律は、国立公園や国定公園の中を特に保護しなければならないと考えられる場所については特に利用を厳しく制限しています。

 最も規制の厳しい場所を「特別保護地区」と呼び、丹沢などでは山頂の稜線近くにこうした指定がかけられています。これ以外の場所を「特別地域」と呼び、規制の厳しい順に「第1種特別地域」「第2種特別地域」「第3種特別地域」と段階的にエリアが定められており、一般的には山裾側に近いほど規制が緩やかになっています。

 「神奈川県自然公園条例」でも県立自然公園を二つに分けて捉えています。

 一定の行為をするときに役所に申請書を出して、役所から許可を受けなければならないと定めている地域を「特別地域」と呼びます。これに対して、同じ行為をするのにも役所に届出を出すだけで良いと定められている地域を「普通地域」と呼びます。 

 さて以上の点を踏まえて、いくつかの個別の質問に対して回答します。

1 焚き火は禁止されているのか

焚き火は基本的には土地の所有者であれば禁止することができます。自分の土地に 無断で火をつけられるのを喜ぶ人は多くないでしょう。

特に山の中では、枯葉や枯枝など火のまわりやすいものが沢山あり、人の目につかない場所も多々あります。故にいったん火が燃え広がれば、被害は自分の土地だけでなく他人の土地にまで及びます。

ですから、土地所有者自身が焚き火を禁止している例はありますし、消防署や山を利用する人たちがお互いの迷惑にならないよう、山の中で焚き火をするのはやめましょうと呼びかけているのです。

これが自然公園法ではどのように規制されているかというと 特別保護地区内で「火入れ又は焚き火をすること」には学術研究など公益性がある場合等、特殊な場合以外はしてはならないこととされています。

一方、特別地域では法律上の規制はありません。しかし前述のように山中での焚き火は山火事の危険がありますし、土地所有者が禁止している箇所もありますから、土地の管理者がそばに居てきちんと管理されている場所でない限り、止めておいた方が良いでしょう。

2 テントを設置してもよいのか

これも基本的に土地所有者が、そこに張っても良いと認めていることが前提となります。

次に土地所有者が良いと認めても、特別保護地区や第1種特別地域の場合、原則的に設置は認められません。

一方、第2種、第3種特別地域や自然公園の特別地域であれば、土地所有者の同意と自然公園法の許可を得ることでテントの設置が認められます。

こうした手続きを怠って設置した場合、立ち退きを求められても文句は言えません。

一方、河川敷などにテントが張られていることがあります。

河川は自由使用(国民全体の土地だから特定の所有者に排除されない)という考え方が歴史的にありますから、気楽に使われる傾向があります。

しかし、実際には誰もが使用してよい範囲は水が流れている部分だけで、河川敷になっている部分には所有者が居る例などもよくありますから注意が必要です。

また、所有者の同意が必要なくとも、土地に定着させると「工作物」とみなされるので自然公園法の許可は必要になります。

ただ、所有者の同意を得る必要がない場所で、自然公園法の許可を得ても河川敷は危険であることは変わりないのです。したがって安全面から考えればテントを設置するのは止めておいた方が良いと思います。「自分は危ない場所であることを度承知しているんだ!」と主張して申請をされた場合、自然公園法では許可を出さざるを得ないのですが、他の人に迷惑をかける可能性もあるわけですから、できる限り避けられるようお薦めします。

3 バーベキューセット持ち込んで食事をしてもよいのか

これも持ち込んでよい場所かどうかをまず確認しなければなりません。テントの場合と同じく、キャンプ場のような、土地の管理者がそのために用意した場所であればまず問題ありません。

テントの場合と異なるのはバーベキューセットの場合、その場においても、地面に固定するわけでもなく、容易に持ち運びできるので「工作物」には当たらず、自然公園法の許可申請を必要としないことです。

しかし、その一方焚き火の場合と同じく、きちんと火の始末をしないと、火事を起こしたりして、本来は無関係な多くの人に迷惑をかける場合がありますから、持ち込んだ時には利用中も利用後も責任をもってしっかり管理してください。

 
神奈川県

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