自然再生の現場レポート(平成25年5月 堂平-塔ノ岳)

掲載日:2013年11月8日
ルート 

日時:平成25年5月31日

場所(ルート):塩水林道終点-堂平-丹沢山-塔ノ岳

塩水林道終点-堂平-丹沢山-塔ノ岳

人工林 

<写真:下堂平のスギ人工林> 塩水林道終点から登山道を登り始めるとすぐに、約100年生のスギ・ヒノキ人工林が広がります。この人工林は、光環境を改善するために、平成12,13年に強度の間伐をしました。間伐から10年以上が経過した現在、林床はテンニンソウやオオバアサガラなど、シカのあまり好まない植物が中心に繁茂していますが、平成15年にシカの個体数調整を開始してから、徐々にウツギなど低木類の成長も見られるようになっています。     

 
植生保護柵 

<写真:人工林内に設置された植生保護柵> 平成12年の間伐時にシカの採食影響をモニタリングするために設置した植生保護柵内では、植物の成長が著しく、木本類は柵高を越えているものも見られます。

 
ブナ 
柵 

<写真:堂平ブナ林(左)と金網筋工(右)> 人工林を抜けるとブナ林です。かつては林床にスズタケが密生していましたが、シカの採食等の影響で枯死してしまいました。堂平では、自然再生事業として、シカの管理捕獲や植生保護柵設置、土壌保全工などが実施され、少しずつですが、植生が回復する兆しが見られています。              

 
天王寺 
柵 

<写真:天王寺尾根のブナ林>丹沢山東面の天王寺尾根も、かつてはスズタケが林床を覆っていました。シカの個体数調整の成果も出ていますが、林床を覆っている植物は、シカの好まない植物やシカの採食に強い植物が中心です。植生保護柵内(写真右)は残存していたスズタケが繁茂しています。登山道には木道が設置され登山者の踏圧による土壌流出が防止されています。        

 
ブナ 

<写真:竜ヶ馬場付近の枯死したブナ> 丹沢山から塔ノ岳にかけての稜線は、ブナの枯死木が目立ちます。各種の調査結果から、大気汚染や水分ストレスなど複合的な要因で枯死していることがわかってきました。現在も研究連携課を中心にさまざまな調査・研究が継続実施されています。

 
トラップ 

<写真:ブナハバチ成虫捕獲器> ブナ枯れの要因のひとつとして、ブナハバチの大発生が関係していると考えられています。大発生のメカニズムを解明するため、様々な調査が実施されています。

 
柵

<写真:塔ノ岳北面の植生保護柵> 塔ノ岳北面には、設置から12年たった植生保護柵があります。柵内は植物が成長し、密集していますが、柵外はシカの影響でシカの採食に強い植物やシカの好まない植物が残存しています。このあたりは、現場までのアクセスが悪いため、シカの捕獲がなかなか進んでいませんでしたが、ワイルドライフレンジャーにより、平成24年度から捕獲が試みられています。※ワイルドライフレンジャーは、シカの管理捕獲に専従的に携わるハンターで、平成24年度から自然環境保全センターに3名配置され、稜線部等での捕獲を実施しています。                                 

 
廃屋
廃屋撤去

(写真:塔ノ岳山頂の廃屋撤去跡地) 長年にわたって放置されていた塔ノ岳山頂の廃屋が、平成24年度に県民協働により撤去されました。現在は写真のように、景色がよく見えるようになっています。 右の写真は廃屋撤去作業の様子。 

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