知事メッセージ

掲載日:2017年4月13日

神奈川県職員を志す皆さんへ

黒岩知事の画像

 こんにちは。神奈川県知事の黒岩祐治です。

 今日は神奈川県の職員採用説明会にようこそいらっしゃいました。神奈川県で優秀な若い人と一緒に仕事をしたいと思いますので、この中からどんどん応募してくれることを願っています。

 ただ、最初にはっきりと申し上げておきますが、県庁に入ったら一生安泰だから志望するという人は受けなくて結構です。県民のために、人のいのちを輝かせるために、自分の全人生をかけてやるんだ、アグレッシブにやるんだという人、ぜひ受けてください。やる気のある人が入ってきてくれたらこんなに面白い県はないです。ところが、仕事する気がない人にとってはつらくてたまらないと思います。そこのところだけは自分で判断してください。

 では何が面白いかという話をします。神奈川県は今、非常にアグレッシブに動いています。日本を見てみるとさまざまな課題があります。たとえば超高齢社会が進んできていること、これはすごく大きな課題です。神奈川県は、今、人生100歳時代の設計図を書いていこうといっています。100歳を超えている人は全国で6万6000人います。これからどんどん増えていきます。2050年には70万人を超えます。2050年になると142人に1人が、100歳以上となる。そんな時代になるわけです。もし皆さんが県職員として働くようになったらそういう時代を職員として生きていくということになるわけです。  

 その圧倒的な超高齢社会を迎えて、今のままのシステムで行くと全部崩壊します。大変な危機感を持っています。超高齢社会がどんどん進んでいくというのは、日本全体の話でありますが、神奈川県はこの進み方がどこよりも早いんです。県民の平均年齢は、今はまだ全国的に見ると若いんです。ところがこれから一気に高齢化していきます。進み方が日本の中でもダントツに早いんです。だから今のままでいると病院は崩壊します。超高齢社会になって、みんな病院に行ったら、病院は機能を果たせなくなります。国民健康保険制度は健康保険証1枚あればいつでもどこでも、すばらしい医療が受けられる、世界最高の医療体制です。でもそんなに病院に行く人がいっぱいいたら、国民皆保険制度が維持できるわけがないです。だから今のうちに変わらなければいけないという危機感がものすごくあります。早くやらなければいけないし、一生懸命、アグレッシブにやらなければいけない。1970年の神奈川県の人口はきれいなピラミッドでした。1970年に85歳以上はほとんどいなかったんです。2050年は、まったく逆のことが起きます、一番多いところが85歳以上になります。
 そんな中で我々が提案しているキーワードがあります。それが「未病」です。真っ白な健康があって、真っ赤な病気があるのではなくて、グラデーションで連続的に変化していくんだという考え方、これが「未病」です。病気になってから治すモデルでは、超高齢社会に間に合わない。未病というグラデーションの中で、少しでも白いほうにもってこようとする日常的な努力が大事だということです。そのために大事なことは、食、運動、社会参加、こういったものが必要になります。病気になってからお医者さんに行って薬をもらって治すのではなくて、日常的に食のあり方、運動、社会参加といったものによって、自分で健康のほうにもってこようとする努力をしていくことが大事ということです。これが「未病を改善する」という神奈川県から発信されるコンセプトです。

 これと最先端の医療技術をドッキングさせていこうということです。最先端とはどういうことかというと、再生・細胞医療とか遺伝子治療、高度な医療の情報化、そしてロボット技術。こうしたことも融合していきます。今、この未病を改善するアプローチと最先端の医療技術を融合させようとしています。これがヘルスケア・ニューフロンティアといっている政策です。

 そしてこれを進めていく中で、神奈川県は3つの特区を勝ち取っています。

 一つは京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区。中心地は羽田空港のすぐ向かいの殿町地区というところです。あそこは今ニュータウンができつつあります。どんどんビルができつつあります。この町がぐっと変わります。あそこはまさに最先端の再生細胞医療の拠点になります。橋が2020年までにできますが、橋ができたら羽田空港と一体的なところになるわけなんですね。羽田空港というのは東京の空港だと思っていましたけど、橋ができてあそこにニュータウンができたならば、むしろ神奈川の空港というふうに見えるぐらいな勢いで我々はヘルスケア・ニューフロンティアの最先端のライフイノベーション戦略を進めています。工事はほとんど出来上がりつつあります。ぜひ一回見に来てください。

 それとさがみロボット産業特区です。相模原とか厚木とか、藤沢とかここをロボット産業の集積地にしていこうという取組みをしています。ロボットでもいろいろありますけれども、生活支援ロボット、医療ロボット、災害救助ロボットの製品化を目指すエリアにしていきます。そこでは街中でAI(人工知能)を使った自動走行運転システムの実証実験を世界で初めて行いました。圏央道の神奈川県域(さがみ縦貫道路)は全て開通し、アクセスにも恵まれています。

 それとともに神奈川県全体が国家戦略特区になっています。

 この3つの特区を活用しながら神奈川全体から経済のエンジンを回していこうとしているのが、我々の取組みであります。

 「未病」はグラデーションだといいました。そこに最先端の技術を使うとどうなるかというと、自分が今グラデーションのどこにいるかということが自分で分かります。いろいろなセンサーがあります。今どんどんその分野が開発されてきています。ウェアラブルの端末を自分につける、体のいろいろなデータがどんどん見えてきます。それとMYMOSYS(ミモシス)、という技術。これはすごい技術です。東大の光吉先生という方が開発された声の分析によって心の病気の状態がわかるんです。皆さんご存知のペッパーというロボットに感情を入れたのが先生です。ペッパーに道徳を数値化して入れた。この人は今神奈川県とがっちり結びついています。我々神奈川県職員100名がMYMOSYSの実証実験をやっています。この技術をスマートフォンに入れる、そしてしゃべる。そうすると心の未病状態が分かります。声によって心が落ち込んできているということが自分で分かります。

 また、ありとあらゆるセンサーをまとめたお家をつくっています。これは慶應のSFC(湘南藤沢キャンパス)と組んだME-BYOハウス・ラボといいます。いろいろなセンサーがついています。睡眠のときどんな寝方をしているか分かります。鏡を見ます。鏡の向こうからカメラが見ています。そしてデータが鏡に表示されます。疲れています、だから、ちょっと気をつけてくださいね、と自分で自覚なくても出てきます。冷蔵庫の中にもセンサーがあります。どんな食材が入っているかも分かっています。あなたは、今日疲れているからこの食材とこの食材を使ってこれを作りなさい、と提案してくれます。そんな実証実験を重ねているところであります。

 IoTという言葉知っていますか?インターネット・オブ・シングス、全てのものがインターネットにつながった生活という意味です。われわれがやっているのはIoHH、インターネット・オブ・ヒューマンヘルス。これは世界最先端の話です。未病という言葉、これは世界に向けて発信しています。ME-BYOは国際商標登録をとりました。超高齢社会を乗り越えるモデルはこれだと話をしたら、世界の知恵者がどんどん神奈川県と覚書を結んでいきました。最初は、シンガポール政府機関、次は、アメリカのメリーランド州政府、マサチューセッツ州政府、それからスタンフォード大学、ヨーロッパでは、イギリスのセルアンドジーンセラピー・カタパルト、ドイツのバーデン=ビュルテンベルク州、フィンランドのオウル市、そしてWHO(世界保健機関)、これが全部神奈川県とME-BYOのコンセプトで覚書を結びました。そして、WHOとしっかりと連携して、もっと関係を深めていこうということで、去年の12月神奈川県からWHOへ職員を1人派遣したところであります。

 このようなネットワークをつくって世界を動かしていくとどういうことが起きたか。日本も動きます。神奈川県が中心となってガッと動いた。ついこの間、年が明けてすぐの健康・医療戦略改訂版でついに「未病」という言葉が入りました。これが2月に閣議決定されました。そうすると霞ヶ関が動き始めます。「未病」という言葉は普通に使われるようになりました。そして来週の月曜日、自民党本部に呼ばれています。そこで政府の幹部について「未病」について話をする。神奈川からモデルを作ってそれを発信していくということが起きつつあります。

 それとともに神奈川県は、今大きなチャンスを迎えています。2019年ラグビーワールドカップ、決勝戦は横浜でやります。2020年東京オリンピック・パラリンピックのセーリング競技は江の島、そして野球とソフトボールは横浜、そしてサッカーの予選も行われる。これに来る人みんなに神奈川を楽しんでもらう。横浜、鎌倉、箱根に続く、第4の観光の核を作っています。城ヶ島・三崎、大磯、大山で取組みを進めています。それからお客様を神奈川の外に出すもんかということで、1000通りの観光ツアーを作っています。

 そういったことをチャンスと受け止め、神奈川県からに日本経済を回していこう、としています。とにかくやりがいはめちゃくちゃあります。だからこそ、やる気のある人はどんどん来てほしいです。

神奈川県

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