わが家の蓄電池の話

掲載日:2016年4月1日

  神奈川県では、2014年(平成26年)4月、地域においてエネルギーを安全・安心に利用するため、基本的な計画となる「かながわスマートエネルギー計画」を定め、安定した分散型電源の導入拡大などを目指して取り組んでいます。 
  その取組みの1つとして、電気をためて、かしこく使える「蓄電池」が、家庭や地域の中で広く使われるように進めています。

 (ページタイトル)わが家の蓄電池の話

 このページは、蓄電池ってよくわからない 使い方は? 効果は?といった疑問をもつ方に向けて、気軽に読んで、蓄電池のことを少しでも身近に感じてもらえるように作りました。

 <ページ内リンク> ※クリックすると、読みたい話に移動できます。

       その1 「電気をためる 身近な話」   

       その2 「電気をためる もしもの話」

       その3 「電気をためる うれしい話」

       その4 「電気をためる かしこい話」

       おまけ 「電気をためる これからの話」

 <その1>

 その1 電気をためる 身近な話

 電気は、そのままでは「ためられない」エネルギーだということはどこかで聞いたことがありませんか?

 電気は作ったそのときに使うしかない。だから電力会社は、その日に使われる電気の量を予測して、発電量を調整しています。

 そのままでは「ためられない」電気を「ためて かしこく使える」ようにしたスゴイ技術、それが蓄電池です。

 電池といえば、もっとも身近なのが乾電池ですが、一般的に乾電池は一度使ったら再利用できないですよね。このような使いきりの電池は一次電池と呼ばれています。

リチウムイオン蓄電池が使われている製品のイメージ

 一方、私たちが普段から手にしている携帯電話やノートパソコンで使われている電池(バッテリー)は、どうでしょうか?

 携帯電話などで使われているのは、くり返し、ためたり、取り出したりすることができる「リチウムイオン電池」という電池です。このように、くり返し再利用できる電池は、一次電池と区別して、二次電池、または「蓄電池」と呼ばれています。

 このリチウムイオン電池は、少ない重量でも多くのエネルギーをたくわえることができるため、家庭用の蓄電池や、電気自動車(EV)でも使われています。

 実は、神奈川県は「走る蓄電池」とも言われるEVの導入数が全国トップなのです!

ちょこっと横道

「電気自動車が蓄電池にもなる」話
 自動車は、週に2、3日しか乗らない人も多いのではないでしょうか?

 電気自動車に乗る予定がない日は、駐車している間に電気自動車の蓄電池を、家庭用の蓄電池として使うこともできます。

 このことは、V2H ブイツーエイチ(Vehicle to Home )と呼ばれています。

 電気自動車の電力を家庭で使うためには、電気自動車用充給電設備が必要となります。

<その2>

その2 電気をためる もしもの話

 わが家に蓄電池があったら、「ためておいてよかった!」と思うのは、どんなときでしょう?

 思い浮かべる一つの場面は、停電などで、電力会社からの電気が止まったとき ではないでしょうか。

 このようなときも、蓄電池に電力をためておけば、非常用電源として活用できます。

 では、一般に家庭用として売られている容量7kWの家庭用蓄電池で、どれくらい電気を使えるのか見てみましょう。

<容量7kWの蓄電池を導入した場合の例> 

  ○ 居間の照明  

  ○ テレビ 

  ○ 冷蔵庫 

  ○ 携帯電話の充電器 

   計 400W程度

例えば、上のような電気製品を、同時に 12時間程度、使うことができます!

 蓄電池の電力で使える家電のイメージ

 急な停電があったとき、一部屋でも灯りがつけば、不安が和らぎそうです。

 最低限の家電(テレビ、冷蔵庫)が使えれば、情報収集や食糧保存もできます。

 さらに、蓄電池にあわせて、太陽光発電設備があれば、昼間に太陽光で発電した電力を蓄電池にためておくことで、夜間に使うことができます。災害などで停電が長引く場合は、心強い備えになりますね!

 もしものときに、どこに電気が必要かは、住む人・家によって違うものです。

 飲料水や保存食を備蓄するように、わが家に電力を備えることを、考えるときが来ているのかもしれません。

  <その3>

その3 電気をためる うれしい話

 「蓄電池で電気代の節約ができる!」なんて話、聞いたことがありませんか?

 電力会社によっては、深夜の電気料金が安くなる料金プランがあります。

 このような料金プランを選択すれば、電気料金が低い深夜のうちに電力を蓄電池にためておいて、電気料金が上がる日中などに蓄電池の電力を使用することで、電力会社から購入する電力を低く抑えることができます。 

わが家 電量会社から購入する電気の使用量のイメージ

 新築住宅の中には、家庭用の蓄電池や太陽光発電が標準設備として初めから付いている家も出てきました。

 昼間は太陽光発電で作った電気を使いながら、余った電気を蓄電池にためて、夜間に使うことができます。

 つまり、作るところから使うところまで一つの家で行う「電力の自給自足」を目指すことができるのです。

 蓄電池で、無理なく家の電気代が節約できたら嬉しいですね!

(わが家)太陽光発電と連係した電力の自給自足のイメージ 

 ちょこっと横道

「電力の自給自足」の話
  世帯当たりの年間電気使用量は、4,618kWh(※1)程度とされています。

 4.1kWの太陽光発電設備を導入した場合、年間で、4,669kWh(※2)の発電が見込まれます。蓄電池と組み合わせることで、電力使用をまかなえる計算です。

 現実には、太陽光で発電できない雨の日が続く梅雨などもありますから、毎日というわけにはいきませんが、晴れの日は、電気を買わない自給自足が実現します。

 

(※1) 出展:資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド」

(※2) 4.1kW×24時間×365日×13%(設備利用率)=4,669kWh

        設備利用率(出展):平成26年度調達価格及び調達期間に関する意見

(※3) 充放電ロスや直流・交流変換ロスは考慮していません。

<その4>

その4 電気をためる かしこい話

 蓄電池を上手に使えば、家の電気代を節約できるかもしれない というお話をしました。

 でもこれ、実は、「わが家のため」 だけではないんです。  

 街全体で考えたときに、電力会社から電気を購入する時間帯をずらす ことにはどんな意味があると思いますか?

 「その1 ためるの身近な話」では、電気は使われる分だけ作ることが必要だとお話ししました。

 しかし、電気が使われる量は、時間帯によって違います。 街全体でみると、日中は多くの電気が使われますが、学校や会社や工場の多くが閉まっている深夜は少ないことが想像できると思います。このため、電力会社は、季節や時間帯によって最大で使われる電気使用量を予測しながら、発電しています。

 電気使用量が減る深夜や早朝に蓄電池に電気をためておいて、電気が多く使われる日中に蓄電池の電力を使うことができれば、街全体の電力使用量のピークを低く抑えることにつながります。

 これをピークシフトと言います。

 街全体 電力会社から購入する電気の消費量のイメージ

 電気が極端に多く使われることがなくなれば、急に電気が足りなくなって停電することを防げます。

 また、発電施設は、ピーク量に合わせて稼動していますので、ピークの山が低くなれば、発電施設そのものを減らすことにもつながります。

 つまり、わが家のために良かれと思ってしたことが、街全体の役にも立つのです。

 一つひとつの家庭で削減できる量は、ほんの少しですが、一つひとつが集まれば、大きな力になります。

 家の電気料金を節約できて、みんなの役にも立てるって、蓄電池はとっても”スマート”(かしこい) ですね!

<おまけ>

おまけ 電気をためる これからの話

 ここまで、家庭で使われる蓄電池の話をしてきました。

 最後におまけの話として、地域で取り組んでいくような、大きな蓄電池の話をしたいと思います。

 その前に、神奈川県が、「再生可能エネルギー」を進めていることは、どこかで聞いたことがありませんか?

 再生可能エネルギーとは、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギーのことを指します。

 これらは、石油・石炭などの限りがあるエネルギー資源と違って、尽きることなく存在します。また、発電時に二酸化炭素をほとんど出さない、優れたエネルギーです!

再生可能エネルギー

 実際に 街でも、太陽光発電をしている屋根をいくつも見かけるようになりました。また、メガソーラーと呼ばれる、大規模な太陽光発電所も増えてきています。

 このようにして発電された電力は、発電したところで使う(自家消費といいます)以外に、電力会社に売ったり、電線を使って別の場所に運ぶことができます。しかし、電力会社の設備(電力系統といいます)に送るときに、電力系統に大きな負担を与えることがあります。

 たとえば、太陽光発電は、日が陰ると、出力がすぐに減りますが、逆に日差しが強くなると、出力がすぐに増えるといったように、再生可能エネルギーによる発電は、自然条件によって発電量が変わる(一定でない) からです。

 太陽光発電の出力が自然条件によって左右されるイメージ

 この問題を解決するため、再生可能エネルギーで発電したときの出力(送り出す量)を安定化させる対策を考える必要が出てきました。

 ここで、蓄電池の「ためる力」が期待されています!

 いったん蓄電池にためて、出す量を調整してから電力系統に送ることができれば、大きな負担を与えずにすみます。

 また、電力系統の側でも、変電所などに蓄電池を置くことで、電気を受ける量を調整することができます。

 再生可能エネルギーの問題が解決すれば、もっと多く使われるようになり、地球温暖化や資源不足などの様々な問題の解決につながります。

 蓄電池にためて適量ずつ取り出すイメージ

 <分散型エネルギーシステムの構築へ>

 これまで、電気は電力会社によって集中的に、大量に作られるのが「当たり前」と考えられてきました。

 しかし、そうして集中・大量に作られた電気を、遠くのすみずみの家や会社に届けるまでに、失われるエネルギー(電気や熱)の量が多いこと、集中・大量に発電する施設が災害にあった場合に、復旧が難しいこと、などの問題が見えてきました。

 このため、私たちは、できる限り電気を使われる近くで作ること、そしてそれを かしこく管理すること、を目指していく必要があります。

わがまちのイメージ

 このような地域で自立的にエネルギーの使い方を管理する仕組みを、神奈川県では「分散型エネルギーシステム」と呼んでいます。

 「分散型エネルギーシステム」を作るためには、私たち自身が、電気を作り、かしこく使うことを、自ら考え、実践していかなくてはなりません。

 「わが家には関係ない」と思っていた人も、少しだけ見方を変えて、想像してみてください。

 蓄電池が「当たり前」に使われている、未来のわが家、わが街のことを。

蓄電池のつぶやき

神奈川県

このページの所管所属は 産業労働局 産業部 エネルギー課 です。