神奈川県水産技術センターコラムno.3

掲載日:2017年5月12日

神奈川県水産技術センターコラム  3号    2017年5月12日号

□ 研究員コラム

1 所長に就任して (杉浦暁裕)

2 7年ぶりの小田原 (相模湾試験場 一色竜也)

3 季節感 (栽培推進部 岡部久)

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1 所長に就任して (杉浦暁裕)

 この4月に水産技術センター所長に就任しました杉浦です。よろしくお願いします。
 水産技術センターは、試験研究ばかりでなく漁業者等の指導を行う指導普及部門、水産資源と漁業秩序を維持するための漁業取締部門、漁船の航海の安全を担う漁業無線部門なども含めた総合的な水産のセンターであり、水産業を現場で支える重要な役割を担っていると考えております。
 本県の水産業を眺めてみますと、東京湾では夏場を中心に海水に溶けている酸素が少なくなる「貧酸素水塊」の発生、三浦半島では貝類などの餌や魚介類の住み場としての藻場が喪失してしまう「磯焼け」現象が大きな問題になっております。また、漁業者の高齢化と後継者不足や一部の魚種での漁獲量の低迷などの問題もあります。
 その中で、水産技術センターとしてはトラフグの栽培漁業の推進や、新たに開発した水産加工品の商品化、資源管理型漁業や貝類養殖の指導等、一定の成果も挙げてまいりました。
 水産技術センターとして取り組むべき課題は多いですが、常に漁業者や県民の皆様に目を向けながら、水産技術センター内部で各部場が横断的に連携し、国の研究所、大学、民間企業等とも連携を図り、一歩一歩、着実に業務を推進してまいりたいと考えております。
 さて、私の水産技術センターの勤務は、今回で3回目となりますので、古巣に戻ってきたという印象です。
 1回目の勤務は、20歳代から30歳代の昭和58年度から平成8年度までの14年間で、当時の資源研究部の研究員、指導普及部の水産業改良普及員として業務に従事しました。2回目は50歳代になってからの平成24年度から26年度までの3年間で、栽培推進部長を勤めました。そして、今回が3回目の勤務です。
 思い起こすと、資源研究部時代は総トン数240トンの漁業指導調査船「相模丸」や99トンの「江の島丸」に調査員として乗船して年間3ヶ月は海の上におり、沖合漁業の振興に努めました。また、指導普及部時代は、「湘南シラス」の指導が印象にのこっています。栽培推進部長時代は東京湾のナマコの資源管理の推進に尽力しました。それぞれの立場で現場に密着した仕事をしてきた積りです。私は、所長としては力不足かもしれませんが、現場密着型で県民の役に立つ水産技術センターを目指して尽力したいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

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2 7年ぶりの小田原  (相模湾試験場 一色竜也)

 この4月より相模湾試験場の場長として赴任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。私にとって相模湾試験場への赴任は今回初めてですが、試験場の近くにある小田原漁港は私にとって思い出深い地であります。本所の栽培推進部の研究員であった7年前まで、週に2回市場調査に来ていたからです。
 市場調査については以前、「神奈川県水産総合研究所メールマガジン VOL.016 2003-10-24魚にも身体検査??」でもご紹介しましたが、簡単にご説明しますと、種苗放流を行っているマダイやヒラメの放流効果を明らかにするために、漁港に水揚げされる漁獲物の体長測定と放流魚判定を行う調査のことです。東京湾から相模湾まで沿岸の6か所の漁港や市場で月に2回以上実施しておりました。
 水揚された魚を調査するわけですから、朝早く漁港に出向く必要があります。小田原漁港は競りの始まる朝5時前には調査を開始する必要がありました。特に冬季は、まだ明けやらぬ4時前に自宅を出発して漁港に赴き、寒い中、冷たい海水の中に手を突っ込んで一尾、一尾測定します。よっぽど魚が好きでないと苦行以外の何物でもない作業なのかもしれません。
 私にとっては、この月に2回の調査は調査研究業務の中で特に楽しみの一つでした。それは、市場の熱気の中、水揚げされる色々な種類の魚たちを見ることができることと、なにより漁師さんたちが頑張って獲ってきた魚を触らせていただいているという感謝の気持ちと、このデータが水産資源の利用にとって有益な情報になるとの意気込みから、高揚感に満たされていたからです。
 その後、後任に調査は引き継いで今でも市場調査は継続して行われています。私の時より競りの時間が早くなって、もっと早くに調査を開始していると聞いています。若い人たちには是非がんばっていただきたいと思っています。
 水産技術センターの職員として、現場の第一線でこうした調査を担当できたこと、さらにその調査が栽培漁業や資源管理などの漁業者のためになる資料として活用できたことは、大切な思い出となっています。

写真1 小田原漁港にて
写真1 小田原漁港にて

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3 季節感 (栽培推進部 岡部久)

 この冬の三崎は暖かい日が多く、我が家のメダカがいるスイレン鉢に氷が張ることも少なかったように思います。寒い冬が終わり、春が来たなと思う瞬間というのが皆さんにもあると思います。私の場合、子供のころから変わらないのが、小さな青い花、オオイヌノフグリが咲いたのを見たときです。今年は2月22日、放流するアワビの種苗に標識をつけた後、一週間ほど養生させる際に食べさせる餌の海藻を拾いに、城ヶ島の裏磯に向かっているとき、足元の歩道にその花を見つけました。今年の春一番は2月17日に吹きましたが、今年も私はいつもと同じように、この花で春を感じました。その後の25日にはウグイスが鳴き、3月3日には庭の亀池の主が陸に上がって日向ぼっこしていました。こうなると本格的に春が来た気がします。
 本当にいい季節なのですが、スギ花粉症の私には、少々つらい時期でもあります。その発症はいつもまだ寒い時期で、目から始まります。今年は1月23日、昨年は2月9日、一昨年は1月20日でした。かれこれ35年の付き合いになります。そのうちサクラが咲き、地物の筍が直売所に並ぶころ、花粉症の症状も消え、夏野菜の苗を植える準備を始めます。そして城ヶ島でニイニイゼミが鳴くと夏の始まり。昨年は6月20日、一昨年は6月29日でした。このように、季節を感じる花や鳥の声を見た日などを記録しておくと、前の年や平年と比べたりすることができ、四季の移ろいをより強く感じられるようになると思います。あわただしい毎日で、季節を感じる暇もないという貴方に、是非、身近な自然に触れてみることをお勧めします。

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発行:神奈川県水産技術センター 企画資源部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2312

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