農産物の上手な利用法(納豆・作り方のアドバイス)

掲載日:2014年3月26日


作り方のアドバイス

★大豆の洗い方

 大豆の表面は土や汚れがたくさん付いています。大豆を壊さないようにしながらも、ゴシゴシと良く洗ってください。
 

★水の浸け方

 大豆はたっぷりの水に浸けてください。水が少ないと水を十分に吸うことができません。
 水の温度によって、大豆が水を吸う早さが変わってきます。冬の寒いときは24時間、春と秋は15時間、夏は6時間くらいになります。また、粒の小さい大豆は大きい大豆よりも早く水を吸います。
 ちょうど良い水の吸いかげんは大豆の胚乳の内面のへこみが平らになった時です。
左:吸水不足 右:吸水良好

★大豆の煮方

 煮た大豆は親指と薬指でつまむと、つぶれるくらい柔らかくなるまで煮てください。圧力鍋を使うと30分の加熱と圧力が抜けるまでの余熱で柔らかくなります。
 

★煮大豆の煮汁切り

 大豆は金網ザルなどを使って、すばやく煮汁を良く切ってください。煮あがった大豆を冷ましたり、煮汁切りをゆっくりやっ

て、煮た大豆の温度を下げることは禁物です。絶対に、大豆の温度を60℃以下に下げないようにしてください。

★納豆の種菌液の調整

 市販納豆は5~10粒くらいで十分です。きれいな容器(茶碗)に市販納豆を入れたら、チンチンと沸騰した熱湯を入れてください。熱湯の温度が低いと納豆菌以外の微生物が混ざり込む可能性が大きくなります。きれいな棒・箸などでかき混ぜ、トロトロの液を作ってください。液がトロトロになったら、はじめに加えた市販納豆は取り除いてください。
 

★納豆菌の植え付け

 トロトロの液には大量の納豆菌が混ざっています。熱い大豆に、熱いトロトロの液をかけてください。どちらの温度が下がっても、納豆菌以外の微生物が混ざり込む可能性が大きくなります。

★容器

 清潔な容器を使ってください。深さは2~3cmくらいが適当です。大豆を入れたら、表面に穴をあけた薄いプラスチックフィルムをのせてください。
 プラスチック製の容器は発酵中にでる水分が内部に溜まりますので、水分を除く必要があります。水分を吸うような厚紙片を入れると効果があります。フタがぴったりできる容器の場合、フタをピタッとすることは厳禁です。フタはのせる程度にしてください。
 紙コップは水分が溜まらず、入る大豆の量も適当で、納豆作りの容器として優れものです。

★保温

 納豆の発酵に必要な温度は40℃です。専用の保温装置があれば問題ありませんが、家庭ではそのようなものはありません。冬ならコタツに入れ、夏なら日向におくなどして、30℃程度の環境温度を保ってください。温度が低くても高すぎても発酵がうまく進みません。30℃に1日保てば発酵は終了します。
 
 種付けし容器に入れたものの温度は熱くなければなりません。熱い状態で保温してください。熱いものはすぐに温度が下がってきますが、30℃以下に下がったものは温度がなかなか上がりません。温度の下がりすぎは失敗の最短距離にあります。
 煮あげた大豆に納豆菌を植え、容器に入れ、保温するまでの時間は数分で処理してください。
 作業としてははじめに保温できる状況を確認し、清潔な容器と市販納豆をを用意してください。大豆が煮えたら、熱湯に市販納豆を入れてから、素早く大豆の水をきり、種付け、容器いれをしてください。

★後熟

 30℃で1日保温した大豆は表面に納豆菌が増えて、白い粉をふいたようになってきます。発酵を終えたばかりのものは味がなれていませんので、冷蔵庫に1日入れて、後熟させてください。冷蔵庫に入れることで、味がなれて風味が増してきます。
 納豆をすぐに食べないときは冷凍保存してください。温度が高いと発酵・分解がすすみアンモニア臭がしてきます。冷蔵庫にいれておいても1週間くらいするとザラザラしてきます。このザラザラはアミノ酸の一種のチロシンが結晶したもので、体に悪いということはありませんが、食感がとても悪くなります。
 また、納豆の特徴であるネバネバもしばらくの間は強くなっていくのですが、ある時期を過ぎると粘りが少なくなり、水っぽくなってきます。これは納豆菌がネバネバの成分を分解して、再利用するためです。

★孫作り

 こうやって家庭などで作った納豆を元(種菌)にして、次の納豆をつくることはやめてください。家庭で作る場合、微生物の管理が十分ではありません。家庭で作った納豆を何代も植え接いでいくと納豆菌以外の微生物がどこで混入するか分かりません。家庭で納豆を作るときは、必ず市販納豆を元(種菌)にして納豆を作ってください。

★納豆のネバネバ

 納豆のネバネバは納豆ムチンと呼ばれています。糖の一種である果糖がつながった多糖とアミノ酸の一種のグルタミン酸が結合した分子量500万くらいのポリペプチドの混ざり合ったものからなっています。
 このグルタミン酸の結合・連結したものはγ‐ポリグルタミン酸ですが、納豆菌はなぜこのようなものを作るのでしょうか。納豆菌は盛んに増殖を繰り返す、元気盛んなころはγ-ポリグルタミン酸をつくることはありません。納豆菌は増殖が停止するころになると体外にあるタンパク質や糖類を分解利用しながら、余剰となった栄養素をγ-ポリグルタミン酸として蓄えていきます。納豆菌を培養すると2日目頃からγ-ポリグルタミン酸を作り出し、4日目くらいに最大量となります。
 納豆のネバネバは砂糖や水アメを加えると粘りが強くなり、食酢やレモン果汁のような酸を加えると粘りが弱くなります。

★納豆加工品

 納豆はそのままの形では長く保存するのは困難で、一部の地域では、乾燥した「ほし納豆」として保存し、利用してきました。ほし納豆は水戸名産として製造・販売されています。
 また、地域特産物加工品として、納豆を副材料に使用したせんべいなども製造販売されています。納豆はそのままでは糸を引き、加工原料として扱いにくいので、加工原料として利用するときには乾燥した納豆を使用することが多くあります。
 

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