平成28年度水道に関する作品コンクール 中学生作文の部 最優秀賞

掲載日:2016年11月29日

神奈川県知事賞

水の危機

神奈川県立平塚中等教育学校 一年 磯部 楓花

  今、私たちの生活では、当たり前のように水を使っています。使いたい時に蛇口をひねればどんな時でもたくさん水がでてきます。また、水はトイレ、浴室、洗濯、炊事を中心とした生活用水にも、身の回りに溢れる工業製品や食べ物を生産するのにもたくさん使われています。私たちにとって水は欠かせない存在なのです。そんなとても大切な水にも、問題がいくつかあります。
 一つ目は、日本人が使う水の量です。一人が一日に使っている生活用水の量は、世界平均で約百七十リットルですが日本人はおよそ倍の三百三十八リットルもの水を使っています。それに加え、工業製品や食べ物を生産するためにも大量の水が使われています。それを日本人一人あたりに換算すると、日本人は合計約千七百六十リットルも一日に使っていることが分かります。この数値も世界平均に比べると、はるかに上回っていて、日本人が一日に使う量はとても多いのです。
 二つ目は、仮想水についてです。まず、仮想水とは、輸入した食品や製品を作るために間接的に使われた水のことです。日本人の暮らしは世界からの大量の「水」を輸入することで成り立っています。例えば、肉を食べるとします。一見、水はどこにもないように感じますが、皿の上にのる前にとても多くの水を使っているのです。二キログラムあたり、鶏肉は四千五百リットル、豚肉は六千リットル、そして寿命が長い牛は、その分穀物を多く食べるので牛肉は二万リットルもの水が必要になります。これらを身近な食べ物に置き換えると、牛丼は一杯二千リットル、ハンバーガー一個には千リットルの水が必要なのです。このように、毎日口にしている食料を生産するためにも大量の「水」が使われています。食料の半分以上を輸入に頼る日本は結果として、地球のどこかで大量に水を使っているのです。

 三つ目は、世界の水不足です。現在でも、すでに三十一ヵ国が水不足に悩まされています。そして、世界人口のうち、十一億人が適切な飲用水を確保できていないだけでなく、二十六億人が環境衛生水を適切に確保できていないことが国際連合で分かっています。また、八秒に一人、一日に約三千九百人もの子どもたちが亡くなっているのです。子どもの死亡率は、栄養不足、感染症、医療の不備など、様々な原因が絡みあっていますが、非常に関係が深いのはきれいな飲み水なのです。
 このようないくつかの問題を解決するために、私たちができることは何か考えてみました。まず、身近なことから考えると、水を出しっぱなしにしない、風呂の残り湯を使って洗濯をする、雨水をためて活用するなど、身近なところからでも取り組むことができます。その他にも、私たちが本当に世界の水不足を解決するためには、まず、私たちが普段消費する食べ物や製品を作るために必要な水のことを一人ひとり考える必要があるのです。「私たちがこうして豊かに暮らしていられるのは何のおかげか」など…。また、仮想水を減らすために、今では難しいかもしれませんが、国産の野菜や肉を買うというのも、一つの手段なのです。
 日本の水洗トイレを三回流す量は、アフリカの人が一日に使う水の量と同じなのです。世界には水のことで苦しんでいる人がたくさんいるのです。私たちは、水を使いたい放題の暮らしを続けていて良いのでしょうか?人口増加、食料危機、貧困、衛生、環境破壊、紛争など、一杯の水を通じて世界のいろいろな問題が見えてきます。日本では、蛇口をひねればすぐに出てくる身近な存在である水。その水をどのように守るかによって地球の未来はかかっているのだと、私は思います。

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