第19期第5回神奈川県消費生活審議会審議結果

掲載日:2017年6月30日

様式3-1

「審議(会議)結果」

審議会(会議)結果

審議会等名称

神奈川県消費生活審議会

開催日時

平成29年5月29日(月曜日) 14時から16時

開催場所

かながわ県民センター13階 消費生活課研修室

(役職名)出席者

あんびる えつこ、(会長代理)石岡 克俊、今井 澄江、大平雅子、小野 由美子、菊池 匡文、佐藤 華子、士野 顕一郎、関 ふ佐子、(会長)武井 共夫、角田 真理子、中村 政太郎、錦 昭江、松本 信之、丸山 善弘、南 真美

次回開催予定日

平成29年7月10日(月曜日) 13時30分から15時30分

問い合わせ先

県民局くらし県民部消費生活課企画グループ 真壁
電話番号 045-312-1121(内線2621)
ファックス番号 045-312-3506
フォームメール(以下をクリックすると、問い合わせフォームがご利用いただけます。)
県民局くらし県民部消費生活課のページ

下欄に掲載するもの

議事録

議事概要とした理由

審議(会議)経過

第19期第5回神奈川県消費生活審議会

(神奈川県消費者教育推進地域協議会)

[議題]

(1)諮問「神奈川県消費生活条例改正の基本的考え方について」答申案について

[議事]

・事務局が委員の過半数を超える出席を確認し、成立する旨を発言した。

・会議の公開について確認し、以後、会長に議事を引き継いだ。

 

[発言内容]

(武井会長)

 それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題は、前回諮問をいただいた神奈川県消費生活条例の見直しについて、答申をどうしていくかというものです。事務局から本日の資料の説明をお願いします。

 

(事務局)

 資料1、資料2に基づき説明。

 (武井会長)

 御説明は以上でよいですか。大変丁寧な御説明をいただきました。資料1と資料2に別れていますし、内容的にも資料2は重い内容で、分量もある。資料1は今まで議論してきたことの積み重ねがありますので、そろそろどういう方向かをまとめていく段階ではあると思いますので、まず資料1について、勧誘の事前の拒絶の部分以外について、御意見、御指摘等を伺いたいと思います。いかがでしょうか。「3」の題名が変わったことが大きな違いかもしれません。他はこれまで出てきた内容なので、もしかした皆さんもう御意見が無いのかもしれませんが、一応念のため、あれば。はい、どうぞ。

(士野委員)

 私があまり法に通じていないからこういう質問をしてしまうのかもしれませんが、御提供いただいた資料1の1の(1)の2つ目の丸のところ、消費者の定義について、これを見直すということに異論はないのですが、いま流行っているインターネットを介した個人間取引のことを考えたときに、事業者の定義を放っておいていいのかという素朴な疑問があります。その辺りの考え方について、お教えいただきたいと思います。

(武井会長)

 どなたかお願いできますか。では、課長。

(田中消費生活課長)

 私もその部分について疑問に思っていたところです。通常インターネットの取引では、個人が販売することもありえます。この場合、個人が業として販売する場合は事業者として行うことになると思いますが、個人として販売する場合は、C to C という形になるので、ネット販売の場合には条例の規制対象には入ってこないと想定しているところです。

(角田委員)

 ただいまの「消費者の定義」の発言に関連してですが、2000年に立法された消費者契約法ではじめて消費者の定義が事業者の定義などとともに法定され、その後さまざまな法律に定義が規定されました。

 消費者契約法では、「『消費者』とは、個人をいう」としつつ、個人でも「事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合を除く」と規定されています。

 この「事業として」や「事業のために」については、反復継続的に行われているかが事業性のメルクマールとされているので、インターネット上のオークションやフリーマーケットなどでも反復・継続的に出品している場合など、個人であっても事業者とみなされる場合もあると考えられます。消費生活条例第2条の規定では、「事業者は、商業、工業、サービス業その他の事業を行うものをいう」となっていますが、消費者の定義をみなおすと事業者の定義も影響を受けることが考えられ、そのあたりも踏まえて総合的な検討が必要と思われます。

(田中消費生活課長)

 事業者の定義についても、インターネットでの販売、取引についてもうまく条例で対応できるような形で、事業者の定義も変えたほうがいいのかどうかについては検討させていただきたいと思います。

(武井会長)

 事業を行うものを事業者という、当たり前といえば当たり前のことですが、反復・継続性という一般的要件もある。事業を行う者を事業者というのだとするとトートロジーな感じがするので、それも含めてちょっと御検討いただければと思います。

(石岡会長代理)

 事業者の概念については、条例第1条の目的規定において、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差というのが、消費者問題のもともとの原因の部分なので、その辺りの組合せを考えてということだと思います。

 私の質問、コメントと言いますか意見ですが、資料1の(2)について。このような規定にするつもりはないのかもしれませんが、「消費者の承諾を得ずに工事の施行等を行う行為」というタイトルについてです。これは、特商法の規則を受けたものだと思いますが、工事の施行を不当取引として挙げるのはやや特定し過ぎではないかという気がします。工事事業者の特定行為ということになってしまいます。ここの問題の本質は、消費者の承諾を得ないで財(商品)・サービスの提供を行うことで、消費者を困惑させることに結びついていくのですね。近隣の条例でも、工事施行業者に特定したような規定ぶりではないので、答申を書く際にはこの辺りを工夫をした書きぶりをしなくてはならないのではないかと思います。今まで言っていなかったので、残ってしまっているのかもしれませんが。

(武井会長)

 工事だけが突然出てくるように見えるので、書きぶりについては他とのバランスを見て、検討してください。

(田中消費生活課長)

 ありがとうございます。問題の主旨、問題点を工事に特化した形ではなく、問題解決に必要な案文を考えていきたいと思います。

(武井会長)

 その他、いかがでしょうか。この際、要望も含めて御意見・御質問をお願いします。

(丸山委員)

 お話が出ました中で、事業者の定義を変えるというのは、どのようなニュアンスになるのか、もう一度確認をしたいです。今、実際の契約関係は必ずしも反復・継続性ではなくて、消費者一人ひとりからすれば、相手が誰であっても、契約の相手先になるわけです。現在は(神奈川県消費生活条例)第2条の(2)に書いてありますが、昔言っていた事業者の定義よりも、個人が売ったりサービスを提供したり、その中身で人を騙したりすることもあるので、事業者の定義についてその辺りの書き方を、こう書きますではなくて、どのように考えていますということで教えてください。

(田中消費生活課長)

 今の状況を踏まえて、書き換える必要があるのかどうか、検討させていただきたいので、現時点では具体的なものは、申し訳ございませんがありません。

(武井会長)

 これから検討ということですね。わかりました。

(丸山委員)

 個人によるインターネットでの取引が、事例的には一番多いと思います。個人が取引していて、届いたものが注文したものとまったく違うということが往々にしてあります。大手の通販サイトでもそうした事例はたくさん起きているので、個人が出品した場合にも(消費生活条例で)ある程度網が掛けられるようにしていただけると、ありがたいと思います。

(武井会長)

 御要望として、ぜひ御検討ください。その他、資料1の関係でいかがでしょうか。私も念のため資料をよく見ましょう。みなさんも今一度よく見て、見過ごしたということが無いようにしましょう。

(佐藤委員)

 少し話が的を外れてしまうのかもしれませんが、資料1の3(1)の二つ目の丸ですが、高齢者の消費者被害やインターネットを介した通信販売という記載があります。高齢者がインターネットで健康食品等を購入する際に、無料サンプルを希望したら自動的に定期購入がくっついてくるといった消費者相談が、家族の方からの相談もあると思います。こんなに買った覚えがない、母も契約していないといった御相談が増えているのではないかと思います。

 消費者契約法が今度変わりまして、そういった販売方法に関してある程度の規制がかかります。現行条例の第11条にも、商品等の品質や、価格等についての必要な表示について、知事は事業者は遵守すべき基準を定めることができるとありますが、そこに「商品の購入やサービスを受ける際に付帯する取引条件の表示」を入れてはどうでしょうか。

(武井会長)

 ありがとうございました。その関係、何か県でコメントありますか。もし、今は無いようでしたら、検討とのことで構いませんが。

(田中消費生活課長)

条例との関係など勉強不足で申し訳ないですが、被害に対する対策について、法律と条例の関係を整理して、条例で読めないような部分があれば、別のやり方があるかどうかも含めて検討させていただきます。

(佐藤委員)

 ネット通販等での契約も想定し、消費者がしっかり見なければならない表示についても、条例に入れたほうが良いと思います。

(武井会長)

 私も実は表示の問題はすごく苦手ではありますが、佐藤委員の御指摘は非常に重要だと思いますので、県でも参考に検討してください。

(田中消費生活課長)

 他の法令も含めて、どのような形が一番良いのか検討させていただきます。

(武井会長)

 他に資料1の関係、何かありますでしょうか。だいぶいろいろ御意見がでましたが、県の方ではこれでまとめられそうですか。それとも、もう少し意見が欲しい部分があれば伺いますが。特に無いようでしたら、資料2に移りましょうか。よろしいですか。

(田中消費生活課長)

 基本的には、資料1は、これまでの委員の皆様の御意見を踏まえたものであると認識しております。先程の石岡会長代理からの要望のお話や、丸山委員や角田委員からお話のありました事業者の定義に関する御質問など、別の御視点がありましたら、また言っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

(武井会長)

 それでは、資料2の検討に入ります。3つの案、ケースが提示されています。前回(審議会)の終わり方のイメージでは、禁止する場合にどのような弊害や問題点があり、それをどのように例外にできるかということが中心かなと思っていたら、デメリットに一律に適用除外規定を定めるのは困難と書いてあり、あれと思っていますが、それも含めてですね、皆さんからぜひ活発な御意見をお願いしたいと思います。質問でもいいです。

(あんびる委員)

意見です。3つの案を出していただきましたが、改正しないという選択肢は、事務局の整理にあるように、実効性がないという点で、議論に値しないと感じます。

 条例を改正する場合の(その1)と(その2)については、結論から申し上げると私は(その1)を支持します。

 その理由はいくつかあるのですが、まず、デメリットとして挙げられています「消費者がどういった勧誘を拒絶するのか個別に記載することが難しい。」とありましたが、ステッカーを貼らない自由もあるので、支障があれば貼らなければいいのだと思います。

 「ものによっては勧誘を受けたい。」という判断が可能な人を救うための条項ではない。判断ができない人を救うためのものだと思います。そこを考えると、これはデメリットの理由にはあたらないということになると思います。

 もう一つ、事業者の事業活動の萎縮につながるというデメリットについてですが、昔は通信手段があまり無く、人件費も安かったので、御用聞き等のビジネスモデルがメインの営業方法としてなりたっていたかもしれません。しかし、今は通信手段があり、人件費が高いという現実の中で、訪問販売を行うのであれば、それなりの成約率と利益が出ないとビジネスモデルとして成り立たないことから、そこの規制が事業者の営業行為に多大な影響を与えるかというと、そうではないのではないかとも思います。しかも、もう一つ、違反した際は指導または勧告であり、指導により改善された場合は別に公表されない。というわけですから、それほど事業者に与えるデメリットはないのではないかと考えます。むしろ拒絶の意思を示せない人を救うことの方が大事なのです。

 (その2)の場合は、事業者にとっても猶予がある努力義務とするということですが、この条例、何年ぶりの改正ですと先程言われていましたか。十何年ぶりに条例を改正すると言われていましたよね。これから高齢化がどんどん進み、さらに十何年か経ったとして、2030年には三人に一人が高齢者です。その間に、努力義務として事業者にお願いをしている間に、被害がすごく出ることが予め想定されます。

 (1)消費者がそれほどデメリットを受けない。むしろ判断できない人を守るメリットのほうが上回るということ。

 (2)訪問販売が、事業者におけるビジネスモデルの主体ではないということ。

 (3)努力義務では実効性があまりないこと、それから次の条例改正を待つには時間が非常にかかり過ぎるということ。

 この三つの理由で、私は(その1)を支持します。

(武井会長)

 ありがとうございました。その他、質問でもいいですが。はい、どうぞ。

(角田委員)

 この規定について、「勧誘の事前の拒否」となっていますが、この表現は誤解を招きやすいのではないかと思います。そもそも、この問題の主旨は、消費者の意に反する勧誘を禁止するというものなので、他県の条例等では「意に反した勧誘」といった項目となっているところもありますが、そういった項目の方がいいのではないかと考えます。

 事務局からの3つの提案のうちでは、私も(その1)を支持し、条例の改正が必要と考えております。この問題を整理すると、特定商取引法第3条の2第2項で、訪問販売に関して、契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、契約の締結について勧誘をしてはならない旨が規定されています。所管官庁である消費者庁の解釈では、個別の契約で消費者が勧誘を拒否した場合には、勧誘の継続や再勧誘をしてはならないが、訪問販売お断りステッカーの貼付では、意思表示の対象や意味が不明瞭なので、この規定の拒否の意思表示には当たらないとされています。

 しかし、訪問販売お断りステッカーに関連した記事が2009年朝日新聞夕刊に掲載された3日後の12月10日に、消費者庁は、「特定商取引法の解釈としては(訪問販売お断りステッカーを拒否の意思表明とすることは)難しいけれども、自治体の条例で訪問販売お断りステッカーを事前の拒否に当たると規定しているところがあるが、特定商取引法の解釈は条例の解釈を縛るものではなく、相互に補完し合うものとして考えられる。また、ステッカーが貼ってある場合は、事業者は商道徳として消費者意思を当然尊重する必要があるものと考える。」という文書を出しています。

 先ほどあんびる委員が言われたように、全世帯がステッカーを貼るわけではありません。多くの自治体で訪問販売お断りステッカーを配布していますが、訪問販売を受けたくない消費者、特に高齢者の単独世帯や判断が難しくなっているような高齢者の世帯に民生委員が助言して貼ってはどうかなどとしているといったことかと思われます。判断が難しい人、気が弱い人、私生活を乱されたくないから訪問販売を受けたくない場合等に貼ればいいものであって、全世帯が貼るということではありません。多くの自治体が訪問販売お断りステッカーを配っていることや特定商取引法の解釈の経緯などを考慮して、先ほどあんびる委員も言われたように、(その2)の努力規定ではあまり効果が期待できないでしょう。消費者関連法の努力義務の規定があまり守られていないといったこともあり、やはりきちんと条例化することが必要だと思っています。

 (その1)のデメリットとして、一番目に挙げられている「販売等を目的とする訪問行為が業種等を問わず一律に禁止され、消費者が受けても良い、または受けたいと思っている事業者の営業行為も禁止されてしまう可能性がある」として、請求訪問販売、常連取引、御用聞き販売等が例に挙げられていますが、こうしたものは事前に同意を得ている訪問販売に当たると考えられますので、事前に同意を得ていないものに対しては訪問販売を禁止するなどというように、規定の仕方によってカバーできるのではないかと思われます。

(武井会長)

 ありがとうございます。その他何かありましたら、では、丸山委員どうぞ。

(丸山委員)

 消費者被害を失くしたい、減らしたいというのが、共通の思いだと思います。拒否をした人に対して、それ以上勧誘をしてはいけないというのはもちろんそうでしょう。でも、拒否できない人もたくさんいます。周囲のいろいろな人に訊いてみても、他の消費者被害よりも、拒否ができずに契約してしまったという割合が多く、しかもそのことを消費生活センターには言えない人も多いと。実際の被害は、相当多いのだろうと思っています。迷惑をかける側ではなく、被害を受ける側の立場で考えたほうがいいというのが1つあります。高齢者だけでなく、高齢者よりも断れない人、断りにくい状況を作られてしまい契約してしまうような人たちに対して、どのように対応するのかということが大事だと思います。そういう意味で、条例を改正する、禁止ということをはっきりと謳うことが大事であると思いますし、ステッカーを貼るかどうかは、それぞれの家庭での判断ですので、例えば四人家族それぞれの意思がどうかという話ではなく、わざわざステッカーに書くようなことではないと思っています。

(武井会長)

 ありがとうございました。では、佐藤部長、どうぞ。

(佐藤くらし県民部長)

 いくつかあるのですが、まず1点目として、このことについて、事業者側としては条例改正に関して、(その1)、(その2)、(その3)のどれがいいのか是非御意見をお伺いしたいところです。

(武井会長)

 とりあえず、御質問はそれでよいですか。では事業者側というのはどなたかというのもありますが、はい、では菊池委員、どうぞお願いします。

 

(菊池委員)

 皆さんの御意見をお聞きし、ここは消費生活審議会ということで、消費者を守るということで(議論をしているわけですが)、不当な行為をする事業者によって、消費者の権利が脅かされている状況をなんとか阻止しなくてはならないというのは、事業者側としても当然のことながら考えなくてはならないことだと思っています。

 ただ、一律に禁止をすることでそれが全て抑止できるかということは、考えなくてはいけないことだと思います。この前の審議会では私も発言させていただいたが、こういう問題は高齢化に伴って増えているが、色々な手立てが講じられながら、防ぐことができてきたかというと、あまりできていないのではないか。どんどん助長され、高齢化社会が進むほど増えてきている状況だとすると、当事者間の禁止や抑制だけではもう対処できなくなっている部分も出てきていると思っています。先ほど、丸山委員からもありましたが、判断ができないとか、意志として断りづらいとか、防ごうとしても防げないとなってくるのではないか。

 前回も申し上げましたが、一律に禁止するということよりも、周りの見守りを強化しながら、いわゆる悪質な事業者をできるだけ排除する環境づくりが大事だと思います。

 また、現在、条例により訪問販売を禁止している他の自治体では、禁止したことによりどれだけの実効性をあげているのか調査する必要があるのではないかと思います。条例により抑止効果が高く見られた、特に事業者からの反発もなかったというのであれば、禁止するという、最も分かりやすい方法もあっていいとは思います。

 別のところであんびる委員の発言にありましたが、御用聞きのような形態はビジネスモデルとして成り立つ時代ではないのかもしれませんが、買い物に行けないお年寄り等に対して、NPOの方や商店街から逆に御用聞きに伺い、見守りも含めたような活動が展開されているのも今の時代背景であり、おそらくこれからも増えていくのではないかと私としては思っています。

(武井会長)

 ありがとうございます。私から菊池委員に1点お尋ねしたいことがあります。一律禁止はどうか、疑問だとのお話だったと思いますが、御用聞きも含め、何らかの形で例外というか除外が出来れば、それはそれでいいとお考えでしょうか。 

(菊池委員)

 特商法は、訪問販売に関して悪質な事業者を規制すると共に、正当な事業者を守るというものでもあるので、法律の本来の目的を前提として、健全な商取引を守るということも1つの側面として必要であるとは考えています。

(武井会長)

 菊池委員の発言にありました条例により訪問販売を禁止にしている他の自治体における状況に関して、何か情報があればお願いします。ありますか。

(山崎指導グループリーダー)

 把握はしておりません。

(武井会長)

 結構です。ありがとうございます。では、今井委員、どうぞ。

(今井委員)

 今まで皆さんの発言を聞いていて、私もきちんと禁止として書くべきだと思っています。高齢化の時代ですよね。高齢者の単身世帯が25.3%、夫婦のみの世帯が30.7%、認知症の高齢者は平成24年で約462万人います。認知症まではいかないけれども認知症との中間くらいの方が400万人くらいいます。合わせて862万人になるわけです。そういう人たちが、訪問販売で被害に遭ってしまう。70歳以上の被害は37.6%、訪問購入では46.8%もあります。こういう状況をきちっと踏まえておかなくてはいけないと思います。

 事業者側からの意見もありましたが、神奈川県の消費生活条例を作成し、この審議会の当初の委員長でもあった正田先生の著書「消費者の権利」の中で、生活の自由の権利と訪問販売ということで次のように書いています。「他人に個人の生活の自由を侵害されないことを内容とするものである。問題なのは訪問販売という販売形態である。他人の生活の場を販売活動に用いることができるのは、消費者からの依頼がある場合に限定されることは、生活の自由の原則からすれば当然の結論である。従って、消費者の依頼を受けることなく、突然消費者の生活の場である住居を訪問して事業活動を行うことは、消費者の生活の自由の権利を侵害することに他ならない。呼ばなければ来るな、というのが、居宅・住居における事業活動についての市民社会の基本原則なのである。事業者は生命・健康の権利と同様に、この市民としての消費者の権利を前提として事業活動を行わなければならない。依頼がないのに住居に訪問して事業活動を行うべきではないのである。ここにおいても、事業者の営業の自由との調整などという発想はそもそもありえない。事業者は、消費者の市民としての権利を侵害しない範囲で事業活動を行うことが義務付けられていることも、ここに確認しておく必要がある。」この条文を読んでまさにそのとおりだと思っています。

 これから高齢化に伴い、見守りという言葉がよく使われていますが、見守りにも限度があり、こうしたシールにより不招請勧誘から十分に守っていかなくてはならないと思っています。

(武井会長)

 ありがとうございます。はい、その他。どうぞ。

(佐藤委員)

 ステッカーですが、私の知るいくつかの訪問販売の寝具を扱う会社では、ステッカーが貼ってあるところをわざと訪問することがあるらしいということも聞いています。先ほどから皆様のお話にも出ていましたが、民生委員の方等が「この方が危ないのでは。」とステッカーを貼られるのだと思いますが、逆にそれがターゲットになってしまう。

 今では、突然訪問販売をする会社というのは、一部あるにはあるが、殆どないです。多くは事前に電話で承諾を得てから訪れるケースであり、ステッカーの効力の問題ですが「自分のところは違う」として訪問販売を行ってしまう。どのくらいの効力があるのかという意味で、それから弱い方が外側から炙り出されてしまう意味で、もう少し他の方法があればなと思います。

(武井会長)

 という御意見もありましたが、いかがでしょうか。

(あんびる委員)

 いくつか見守りの方がいいのではとの御意見があり、ステッカーの実効性のところが議論になっていますが、他の見守りの方法といっても24時間見守りができるわけではないので、そこをステッカーに見守ってもらうということです。

 ステッカーがターゲットを炙り出してしまうという点については、確かにそのとおりです。危ない、だからこそ(その2)のような曖昧な規定ではだめで、違反があれば勧告・公表をするというところまでやらないと、「努力義務です」と言っただけでは、ただ炙り出すだけで終わってしまうことになります。そういう点で(その1)ではないといけないというわけです。

 また、実効性の有無について他の自治体の状況は聞いて欲しいところではありますが、実効性が在るかどうかわからないから、条例を改正しないのではなく、今この未曾有の高齢化社会に立ち向かう中で、Try & Errorで調整をしていくしか私達に道はないのだと思っています。

(武井会長)

 佐藤委員が懸念されるようなこともあると思いますし、あんびる委員のおっしゃることも含めて、よく更に議論していきたいと思います。今までで一番活発な御意見が出ていると思いますが、その他ありますか。

(佐藤くらし県民部長)

 資料2の1枚目にデメリットとして、仮に条例を改正したとして、執行面からの課題が書いてあります。「勧誘時の掲示の有無、掲示場所、掲示内容、個々の消費者の意思などの事実認定が難しい。」と。ステッカーの大きさが限られ、そこに書き込める文字数にも制約がある中で、あらゆる訪問販売が禁止と書く場合もあるでしょうし、悪質な業者はお断りと書くなど、色々な書き方があると思われます。また、お父さんは賛成だがお母さんは反対といったように、家族の構成員によってもいろいろあると思います。さらに、独居の方については、生活必需品に関するものはいいが、悪質であったり、宝石の購入といったものは断りますといったように、ステッカーにどこまで正確に意思が表示できるのかが懸案なのですが、このあたり何か御助言をいただければと思います。

(武井会長)

 一つ質問をしてもいいですか。ステッカーだけでどこまで手続きできるかは、いろいろな状況を総合的に判断していかなくてはならないと思いますが、現行条例でも、断られたら訪問してはいけないとなっていて、その断るというのは口頭でやりとりのことだと思いますが、むしろ口頭でのやりとりの方が、はたして断ったのか、言った・言わないの問題となり事実認定が難しいという気がしないでもないです。

 ステッカー・貼紙であれば、全部のステッカーがそうかは分かりませんが、「悪質な」と書いてあると、何が悪質かという議論になるが、少なくともステッカーを貼ってあればその内容は分かるわけで、貼ってあったかどうかという事実認定は、口頭に比べれば難しくないのではないかという気がします。そうはお考えになりませんか、県では。

(佐藤くらし県民部長)

 認定にあたり、違反があった場合は公表することになります。事業者にはかなり大きなダメージとなるので、どういう形で判断するのか、非常に難しいところがある。微妙な「灰色」で判断してしまうと、場合によっては訴訟となってしまうこともありえるので、難しい気がしています。

(武井会長)

 現行条例で、公表したことはありますか。

(山崎指導グループリーダー)

 勧告したものの公表はしていますが、これは条例第13条の5の情報提供を適用しての公表で、条例第20条の規定にある公表は行った例はありません。つまり、勧告をした場合の公表のみで、勧告に従わなかったとして公表した例はありません。

(武井会長)

 例えば、訪問勧誘して断られたけれど、また勧誘を行ったという、現行条例で言う拒絶の意思に反したということで公表した事案はありますか。

(山崎指導グループリーダー)

 それはあります。拒絶したのに再勧誘をしたということについては、違反としてとらえています。

(中村委員)

 佐藤くらし県民部長から、そういった貼紙をした場合に「勧誘時の掲示の有無、掲示場所、掲示内容、個々の消費者の意思などの事実認定が難しい。」という問題があるとありましたが、これは(その2)にも言えることだと思われます。つまり、どういった書き方をしても、事実認定が難しいという問題は変わらないという気がします。

 ステッカーを貼る場合と貼らない場合を考えた場合、事実認定の難しさはあるとしても、無いよりはあったほうがいいのではないかと思います。

 教えていただきたいのは、条例第13条の5の解釈について、勧告した場合はその旨が公表されるとのことでしたが、条文を見る限り、そのように読み取ることができないが、どう考えたらよいのか。

(武井会長)

 では、今の中村委員の御質問に、県からお願いします。

(山崎指導グループリーダー)

 ストレートにそのようには読めませんが、別に内規を定めていまして、第13条の5による情報提供の場合はどういう場合に行うか定めており、勧告した場合は第13条の5によって情報提供するというようになっています。

 また、事実認定のデメリットが(その1)だけではなく(その2)にも該当するのではないかとの御指摘がありましたが、(その2)の場合は、努力義務のため違反としての事実認定を必要としないため、デメリットには記載しておりません。

(武井会長)

 第13条の5ですが、原則は取引行為、品名その他に関する必要な情報提供を行い、重大な被害が発生したり、発生の恐れがある際に、事業者名を公表するという理解でよいでしょうか。

(山崎指導グループリーダー)

 そのとおりです。

(武井会長)

 ステッカーを貼ってあるところに、事業者が訪問したからといって、いきなり事業者名が公表されるわけではないということは確かですね。

(山崎指導グループリーダー)

 公表以前に、デメリットに挙げさせていただいたように事実認定が難しいと考えておりますので、事実認定が難しければ、そもそも違反として指導・勧告することが難しくなります。

 これまで、1つの条項だけを当てはめて事業者に対する勧告を行ったことは、私の承知している範囲ではないと思います。いくつかの違反行為があって、それと併せての指導・勧告になると思われます。また、今まで公表してきたものとの見合いで考えていかなくてはならないと考えておりますので、(条例が)改正された後、どういう形になったかにより判断していくことになると思われます。ちなみに、勧告した場合で公表しなかった例は過去1件しかございません。一番最初に勧告した事例だけと承知しています。

(武井会長)

 県では、執行する面まで考えなくてはならないので、どうしても二の足を踏んでしまうところがあるのかもしれませんが、今日の諮問自体は、条例改正の基本的な考え方を検討しているので、あまり執行面ばかりにとらわれなくてもよいのではとの気もします。

(菊池委員)

 結論から申し上げると(その2)を支持したいと思います。消費者を被害から守らなければならないのは当然ですが、どういった事業者がどういった方法で、消費者に被害を被らせているのか、被害の実態をきちっと分析する必要があると思います。

 また、事業者の立場においても、なぜこのような規制となったのかを知る権利もあります。悪質な業者だけでなく、正当な業者も何らかの制約を受けるという点で、シビアになるものだと思います。この審議会において、今回のような議論が行われていて、非常に問題になっているということを、事業者にも知らしめて、事業者の意見を聞かなければいけないと思っています。

 私は、事業者側の立場で参加していますが、実態として私自身がそういった事業者ではないという点からすると、実態としての事業者の意見を聞きながら、議論を結論付けなければならないのではないかと思っています。

 改正に向けてタイムリミットがあるというのであれば、(その2)にあるように、「努力義務として規定し、その遵守の状況等を踏まえて、必要があれば規制の強化を検討する。」というのがありますので、条例改正後も引き続き調査研究をしながら、本当に必要であれば禁止することとし、執行や運用の面の課題を潰しながら早急に対処していく方法が現実的ではないかと思っています。

(武井会長)

 今の菊池委員の意見も参考にしながら進めていきたいと思いますが、では次の方。 

(石岡会長代理)

 ここで挙げられているデメリットについて議論になっていますが、いずれの場合でも執行面に着目するのは行政としては当然のことだとは思います。この審議会では方向性を議論しているので、あまり先のことを議論するのは疑問です。

 ただ、これまでの経緯を伺っていると、実務的なことを言われていますが、複数の違反行為に該当する場合に適用しているとか、事実認定が難しいという議論があるのかもしれません。しかし、これまでにも条例の規定はあったはずですし、1件だけで勧告といった議論にはならないのではないかと思います。いくつかの事案が出てきて、それぞれの事案をつぶさに聞いて、その事業者の問題性が認識されるのだと思いますので、執務的にそちらはやっていくのではないかという印象を持ってきいていました。

 また、先ほど、訪問販売について正田先生のお話が紹介されていました。日本人は認識が違っている部分もあるのかもしれませんが、突然自分の家に来て営業されるというのは、原則論としては「平穏な生活への侵害」にあたると考えて良いように思います。

 最後の方で、事業者側からの意見も聞く必要があるのではという御意見もありましたが、これまでこの審議会では、毎年度の消費生活相談事例の報告を伺ってきていて、高齢者の問題、インターネットの問題というのは、予てよりこうした問題に対する認識は確認しているわけです。今回、ステッカー問題というか、勧誘の事前の拒否の問題については、議論の中で条例で対応できる部分とそうでない部分があるという理解もあったはずですし、インターネットによるものや高齢者の方々の被害についても多くの方から指摘がありました。これに対する対応として(勧誘の事前の拒否の問題が)出てきた部分もありますので、今は「実態はどうなっているのか。」という段階ではないのだと思います。今後も実態を見ていかなくてはならないのは事実ですが、問題として認識され、いくつかの自治体でも条例化されていることが、これまでの積み重ねた議論の中でもすでに出てきたと思います。少し様子を見るという段階では既にないと思います。もし、執行上いろいろな課題があるのであれば、執行面における対応を工夫していくべきでないかと私はきいていました。

(武井会長)

 ありがとうございます。県の事務局としては、どうしても将来を見据えた配慮というか、考えづらい面もあるのではと思いますが、まずここでは基本的な方向についてまずしっかり議論したいと思います。はい、どうぞ関委員。

(関委員)

 この時点の県の御発言で気になった点、一つはステッカーの表示が、家族のどの構成員の意思かわからないというデメリットが挙げられていますが、ステッカーを掲示した段階で、それは家庭で話しあって掲示したものとなるので、そこが事実認定で問題となるのか疑問に感じました。

 また、勧誘時にステッカーが掲示してあったかどうかの事実認定は困難ということもあるでしょうが、日付を入れたステッカーを普及していくことで、徐々に改善されるのではないでしょうか。

 執行面では、別途工夫の余地があるかと思いますので、基本に戻ってどちらを重視するか考えていくのだと思います。

(武井会長)

 ありがとうございます。私も初めて「ああそうか。」と思いましたが、ステッカーに日付を入れるのは、1つの面白いアイデアだと思いますので、ステッカーを作る人に伝えたいと思います。その他、御意見、御質問等あれば。はい、小野委員お願いします。

(小野委員)

 この審議会では、条例改正の大まかな方向性を決めるということですが、例えばステッカーのあり方では、どのような表記内容が実態に合っていてよいのかも含めて一緒に考える形の普及活動を併せて実施していくことが必要なのだと思います。色々なアイデアを募ること自体が消費者教育の1つになります。見守りのあり方として、意思表示の1つの方法としてステッカーの役割を考え、使い方も検討していくというのが、新しい消費者市民社会を構築する具体的な方法になりうるのかなと、お話を聞いていて思いました。

 国内の自治体の例もあるでしょうし、外国の例などもあります。私も関心を持って調べてみますが、神奈川版のステッカーとその普及の道筋を考えていくというのも試みとしては新しいのではないかと思いました。

(武井会長)

 ありがとうございます。では、小野委員にはぜひ御検討をお願いしたいところです。

(石岡会長代理)

 ステッカーについては、行政による執行の面と、消費者がこれをどう使っていくかの面があると思います。もちろんステッカーありきではなく、何らかの意思表示を事前に伝え、意思表示の補充がなされるという点が重要です。したがって、ステッカーという手段それ自体に言及した答申で出すわけではないと思っています。

 まず、ステッカーの意味するところである「意思表示ということを予め表したならば、拒絶の意思表示である。」と、書きぶりかもしれませんが、ステッカーにこだわらずまとめていくやり方もあるので、ステッカーの意味するところを示唆するような書き方でまとめていくことだと思います。

(菊池委員)

 石岡会長代理の御発言で、議論の段階ではないとありました。確かにこういった問題について長い時間をかけて議論をしてきたとは思いますが、机上の議論はしてきましたが、先ほど私が申し上げたように実際の事業者に対するアプローチをやってきたかどうかということです。この審議会の中での議論はしてきましたが、私も実際の事業者ではなく、代弁を全部できているか分かりません。(事業者側の)立場という曖昧な概念の中で答えているだけです。

 そのため、「禁止」という非常に強い意思表示をする場合には、当事者というか、お互いの消費者と事業者の両側面があり、事業者側の意向も何らかの形で反映される場面がこの場にあって、それをもとに議論されるのであれば、公平であると思います。

(石岡会長代理)

 確かに議論としては、そういったことも大事だと思います。私は、今まで神奈川県の消費生活相談の様々な事例の中であがってきたものという意味での実態を念頭に置いて議論してきました。もし意見を聞く必要があるならば手続きとしてあるのかもしれません。それ以前に、村田さん(=消費生活相談総括)からいつも報告を受けている中で、相談における事実と認識されているものがあるのであれば、それに対してどう対応していくかという議論を、我々はしていかなくてはならないはずです。そのあと、いろいろな手続きの中でこの議論を答申としてまとめるにあたり、審議会に出てきていない方たちの御意見を聴取する必要があれば、ここで意見を聞くのか、それとも答申という形である程度まとまった段階でパブリックコメントを出したときに、そこで広く意見を聴取することになるのでしょう。この点は、会長含め、事務局が議論すべきものだと思っています。

(武井会長)

 ありがとうございます。パブリックコメントは、条例案になってからでしょうか。

(田中消費生活課長)

 答申をいただいたあとに、その答申に基づいて基本的な考え方をお示しさせていただきます。審議会から答申をいただいて、答申に基づいて県として条例をどのように改正する方向性なのか案をお示しして、それに対して(パブリックコメントで)御意見をいただく、そのような流れになっています。

(武井会長)

 はい、ありがとうございます。

(佐藤くらし県民部長)

 ちょっと補足いたしますと、ある程度条例の改正案を文章としてまとめて出しますので、(案の1)と(案の2)がありますがどちらがいいですか、というようパブリックコメントはできないと思います。

(武井会長)

 それは見たことがないから、そうでしょうね。条例案をこの審議会で作るわけではなく、基本的な考え方ですので、その答申について、ここで議論していきたい。あとで発表があると思いますが7月、8月と審議会を予定していますが、7月にある程度詰めの議論をして、8月には最終的に詰めるということになろうかと思います。

 今日はかなりいろいろな意見が出されていますので、まだあればもう少し時間が有りますが、ぜひ議論を、少なくとも意見を出し尽くして、7月にどうやってまとめるかという議論をしたいと思います。

(あんびる委員)

 県の方に一点、執行について確認したいのですが、ステッカーを見て勧誘をしたからといって、一発アウト、勧告ですというわけではないですよね。消費者にこういう被害があったという実態があって、それに伴って指導があり、それでも同じような事例がどんどん出てきて、そうして勧告になる。一発アウトではなく、その段階がある、道筋があるということで、いいですよね。

(山崎指導グループリーダー)

 あんびる委員のおっしゃるとおりです。いきなり勧告ではなく、神奈川県行政手続条例に基づく一般的な指導から行っている場合が多いです。よほど悪質な行為が多発していたり、特商法に基づく処分を行わなければ消費者被害が拡大していってしまうような事例の場合には、処分から検討するということもあります。

 基本的な流れとして、神奈川県ではまずは指導からといった執行上の対応をしています。

(武井会長)

 ありがとうございます。他に御意見、御質問は。

(佐藤委員)

 現段階では、訪問販売については特商法が厳しく、先ほど御説明があったように様々な規制がありますので、行政処分を執行しやすいようになっていると思います。

しかし、ステッカーを貼ると、ここには弱い方がいるということが分かってしまいます。私達と事業者の見方は少し違っていて、事業者はどこを勧誘すればいいかということを常に探しているのです。

 せっかく、特商法の規制が厳しく、特定商取引法の場合は執行もしやすい状況になっている中で、むしろ消費者を被害にさらすような、弱い方を炙り出すことになるようなことをするのか、正直疑問があります。

(武井会長)

 はい、今井委員お願いします。

(今井委員)

 ステッカーを貼ることで、弱い方がいることが明らかになってしまい、販売されてしまうことがあるとのお話でしたが、ステッカーを配布する際には、重々気をつけなくてはいけないということ、玄関を開ける前にお帰りください、訪問販売をお断りしているという意識を消費者に植え付けるということも、私たちはステッカーを作りながら一緒にお話しながらお渡ししていくものだと思います。

 確かに、貼っていたことで被害にあってしまう方もいるかもしれませんが、貼るという行為をした段階で認識を、訪問販売に対して安易に玄関を開けるべきではないということを消費者の意識として認識づけることができ、被害に遭わないでいる人も反対にたくさんいることを理解していただきたいと思います。

 家にいるだけで、屋根の上が変になっているので床下も見たほうがいいといって、消費者が見えないようなところの工事を勧誘したり、訪問購入では「金が高くなっているので、金目のものはありませんか。」と言って家に上がりこみ、引き出しを開けてみんな持って行かれてしまったとか、高価な着物などは箪笥一竿でいくらといって買われるような被害があります。こうした被害は、高齢者が一人で家にいるとなかなか断りにくいものなので、被害の事例をお話しながらステッカーを配布していくことも、私達の、これからの消費者団体の役目と思っています。貼ったことで被害にあうことばかりではなく、貼ったことで被害に遭わなくなる人もたくさんいるということを知っていただきたいと思います。

(武井会長)

 佐藤委員の御懸念にもあるように、ステッカーを貼っておけばそれは万能というものではないでしょうし、禁止にしたからこれで全て大丈夫というわけではないということは、委員の皆さんも同じようにお考えだと思います。

 仮にステッカーを貼るとして、それを貼る過程、あるいは貼った後に総合して啓発していこうということだと思います。その他何かあれば。

(角田委員)

 国民生活センターの第37回国民生活動向調査では、訪問販売による勧誘をどう感じているかという質問に対して、来てほしくないという回答が92.7%と9割を超えていました。こうした回答をした人全員が訪問販売お断りステッカーを貼るかどうかはわかりませんが、貼っている人が必ずしも弱い人というわけではなく、逆に意識の高い人などもいると思います。私も家で仕事をしていると訪問販売の人が来て仕事が中断されたり、また、話を聞くと勧誘も強引であったりなどで、訪問販売で私生活を乱されたくないと考えています、。

 国民生活センターで消費生活相談を長く担当していましたが、訪問販売の被害者の話では、セールスマンと会ってしまうと、相手はプロなのでペースに乗せられて契約してしまうということをよく聞きました。

特に高齢者や気が弱い人が訪問販売被害にあわないようにするためには、まず販売員と接点を持たせないということが有効な対策なのだということが、この不招請勧誘問題の出発点なのだと思います。訪問販売による被害は、多少減ってきているとはいえ依然として多く、また深刻な状況がある中で、接点を持たせないという点で訪問販売お断りステッカーは非常に有用な手段だと思われます。特定商取引法の解釈に関連して、国は訪問販売お断りステッカーにより訪問販売を禁止するという解釈はできないが、条例で地域的に禁止にするということはありえるので、連携して被害の未然防止をしていこうという考え方を踏まえ、禁止として位置づける方向で考えていいと思っております。

 適正な訪問販売もあると思います。が、そこに支障をきたさないようにするためにはどうすればいいかということも、考えていく必要もあると思います。 

(その2)がいいのではないかという意見についてですが、訪問販売でトラブルになるような事業者は、多くは相当悪質な事業者なのであり、配慮を求められて配慮するような事業者であれば、これほど深刻なトラブル状況にはならないと思います。ここで様子を見るというのは、実効性が確保できないと考えます。

(菊池委員)

 言われていることはよくわかります。消費者を悪質な事業者から守らなくてはならないのは端的な結論です。ではその目的により近づけるために、どう表現したらいいかということだと思います。私も「配慮」という表現ではいけないと思いますし、消費者と事業者の両者の立場を尊重し、どのように悪質な事業者から消費者を守る表現がいいのか、落としどころを作るのであればいいと思っています。しかし、一律に禁止とするのはいけないと思っています。執行も含めて、運用も含めて、目的の達成のための表現にどこまで持っていけるのかということだと思っています。「配慮」がいいとは言いませんが、私は「禁止」というのをすっとは受け入れられない。

(武井会長)

 ありがとうございます。確かに配慮というのは、いかにも弱々しい感じがします。個人的には「禁止」を前々から薦めてはいますが、仮に努力義務であっても、「何々をしてはならない」という書き方もあると思います。そういった意味では、配慮と言うのはいただけないですね。事務局には申し訳ないが。私もそこはそう思います。

(あんびる委員)

 中学校の時に、校則を厳しくすると、校則を守ろうとする子どもにはより厳しくなり、守らない子どもは結局守らないという議論を生徒会でしたことを思い出しました。

 「配慮」にすることで、まさにこれと同じことになるのだと思います。配慮する良い事業者がどんどん窮屈になり、ステッカーが貼ってあるからあそこを狙ってやろうというような事業者を絶つことにはならない。禁止にしなくては意味がないのだと思います。厳罰があると見せないと、いい子ばかりが配慮して萎縮していってしまう。

(武井会長)

ありがとうございます。かなり今日の皆さん真剣に議論をしていただいているので、事務局にはここまで準備していただいて大変ありがたいのですが、もう一回御検討いただくのがいいのかなと思います。その他、あと数分ありますので、もし何かあれば。

(角田委員)

 菊池委員が言われたように、消費者の意に反した勧誘が問題なわけで、悪質な事業者からの被害を防ぐことが目的なので、禁止にするにしても、書き方で整理できるのではないかと思いますので、それで検討を続けていければと思います。

(武井会長)

 聞くところによると弁護士会でも(ステッカーによる訪問販売の禁止に関する)弊害を除外できるか検討しているようで、近く意見書が出るようですので、県や審議会の委員の皆様にも御参考にしていただければと思います。

 菊池委員の懸念ももっともではありますので、なるべく一律禁止にして弊害があるようなことにならないような形にできればいいと思っていますので、県も大変だと思いますが、もう一踏ん張り頑張っていただきたいと思います。その他、いいでしょうか。それでは、今日は大変充実した議論ができまして、傍聴人の方も6人もお越しいただきましてありがとうございます。それでは、審議そのものはこれで終わります。事務局から今後の予定等有りましたお願いします。

(毛利企画グループリーダー)

 はい。第6回審議会ですが、皆様に御意見を伺いまして、7月10日月曜日の午後にさせていただきたいと思います。時間についてはまた御連絡させていただきます。続きまして第7回の審議会ですが、8月30日水曜日の午後に開かせていただきたいと思います。こちらも時間についてはまた御連絡させていただきます。

(武井会長)

 ありがとうございました。他になければ、第19期第5回審議会をこれで終了いたします。みなさま長い間お疲れ様でした。

(以上)

会議資料

 

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神奈川県

このページの所管所属は くらし安全防災局 くらし安全部消費生活課 です。