笛の付いたやかんの商品テスト

掲載日:2016年3月30日

「1ヵ月半前に購入した笛の付いたやかんでお湯を沸かしていたら、笛部が溶けていた」という相談があったため、ガスコンロで加熱した時に、やかんの笛部の温度変化を測定し、その結果を消費者へ情報提供します。 

1 調査の概要

事項

内容

調査対象品

市販されている笛の付いたやかん 3件

調査内容

及び方法

(1)表示調査

   家庭用品品質表示法(以下「法」という。)で定められている表示項目について調査しました。
 ※表面加工、材料の種類、満水容量、取扱い上の注意、表示者名等

(2)温度測定

 ガスコンロの火がやかん底面からはみ出さないように使用した時の温度変化について、熱電対を(ア)笛部の樹脂先端、(イ)注ぎ口金属部先端、(ウ)蓋(胴体に近い位置)及び(エ)やかん本体(蓋に近い位置)に設置して測定するとともに、サーモグラフィーによって観察しました。                                            熱電対の設置場所
    

調査期間

平成27年12月から平成28年2月まで

検査機関

暮らしの科学研究所 株式会社

2 結果および考察

(1)表面加工、材料の種類及び満水容量については表1のとおりでした。

番号

幅*奥行*高さ

(mm)

表面加工

材料の種類

満水容量

(適正容量)

価格※

(円)

210*185*220

(側面)ステンレス鋼(クロム14%)

(底面)ステンレス鋼(クロム13%)(底の厚さ0.3mm)

(蓋)ステンレス鋼(クロム14%)

2.3リットル

(1.6リットル)

1,600 

202*175*162

(側面)ステンレス鋼(クロム18%・ニッケル8%)

(底面)ステンレス鋼(クロム18%)(底の厚さ0.5mm)

(注ぎ口)ステンレス鋼(クロム18%・ニッケル8%)

1.0リットル

(0.85リットル)

3,700 

220*170*215

ほうろう

ほうろう用鋼板(底の厚さ0.8mm)

1.6リットル

(1.0リットル)

2,800 

※ 価格は、税抜き、百円未満を切捨て

(2)法で定められている取扱い上の注意については、表2のとおり全ての製品で適正に表示されていました。

表2 取扱い上の注意

○空だきをしない旨。(全ての製品)

○縁まで水等を満たした状態で使用しない旨。(全ての製品)

○取っ手又は握りの部分が熱くなる場合がある旨。(全ての製品)

○スチールたわし、磨き粉等を使用しない旨(ステンレス鋼製又はアルミニウム鋳物製のものを除く)(No.3の製品)

○強い衝撃を与えたり、空だきをした場合に水等をかけて急冷しない旨。(全ての製品)

○ストーブの上で使用しない旨。(全ての製品)

○使用後はよく洗って乾燥させる旨。(全ての製品)

(3)沸騰してから10分後まで加熱し続けて測定したところ、最高到達温度は表3のとおりとなりましたが、いずれも笛の樹脂の形状に変化はありませんでした。

表3 最高到達温度

検体番号

(適正容量)

測定部位

最高到達温度

適正容量

少量(400ml)

No.1

(1,600ml)

笛部の樹脂先端

85.0℃91.3℃

注ぎ口金属部先端

100.4℃108.0℃

蓋(胴体に近い位置)

99.1℃104.4℃

やかん本体(蓋に近い位置)

99.2℃116.3℃

No.2

(850ml)

笛部の樹脂先端

80.4℃84.7℃

注ぎ口金属部先端

108.0℃130.7℃

蓋(胴体に近い位置)

99.2℃101.5℃

やかん本体(蓋に近い位置)

100.2℃134.5℃

No.3

(1,000ml)

笛部の樹脂先端

75.1℃75.3℃

注ぎ口金属部先端

98.8℃100.3℃

蓋(胴体に近い位置)

92.1℃93.3℃

やかん本体(蓋に近い位置)

99.5℃106.7℃

(4)図1のとおり、炎がやかん底面からはみ出さないように適正に使用すれば、沸騰してから加熱し続けても笛部の樹脂先端が100℃以上になることはありませんでした。

(5)図2のとおり、沸騰してから10分間加熱(加熱後14分)を続けると、やかん本体(蓋に近い位置)が高温になることが分かりました。

図1 笛部の樹脂先端の温度変化(沸騰してから10分後まで加熱し続けて測定)

表1 笛部の樹脂先端の温度変化

図2 サーモグラフィーによる観察

No.1

No.2 

No.3

3 消費者へのアドバイス

○使用開始前に必ず取扱説明書をよく読みましょう。安全に使用するための方法が記載されています。

○取扱説明書や注意書きは捨てないで取っておきましょう。

○炎がやかんの底面からはみ出したり、隣接するコンロの炎が笛部に当たると、笛部の樹脂が溶けることがあります。やかんをコンロにかけたときは必ず炎の大きさを調節し、隣接するコンロの炎が当たらないようにして使用しましょう。

【参考】

国民生活センター相談解決のためのテストより「注ぎ口の笛部が溶けたやかん」
(相談に持ち込まれたやかんの溶けた笛部の樹脂は、表示された耐熱温度を満たしており、注意書きに沿った使用方法では、樹脂が溶けることはありませんでした。このことから、笛部の溶解は、炎が大きく底面からはみ出すなど、注ぎ口が異常過熱されるような状況で使ったことが原因と考えられました。)

神奈川県

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