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横浜会場開催結果


印刷用ページを表示する 掲載日:2012年3月6日

1 概要 

 

日時

平成24年1月30日(月曜日)18時30分から20時30分

会場

神奈川県庁 本庁舎3階 大会議場

参加者数

218人

Live中継最高視聴者数1,237人(20時28分時点)
ツイッター意見件数3,643件

プログラム

  • 開会
  • あいさつ
  • 震災がれきの受入に関する県の対応について
  • 知事によるがれき処理の調査に関するDVDの放映
  • 被災地からの声
  • 参加者の皆様と知事との意見交換
  • 閉会

2 資料

  1. 黒岩知事との対話の広場資料 [PDFファイル/1.39MB]
  2. 岩手県の災害廃棄物 あの時から10ヶ月 [PDFファイル/1.58MB]
  3. 放射線の人体影響について [PDFファイル/1.58MB]
  4. 環境省からのお知らせ 津波被害による岩手県・宮城県の災害廃棄物の受け入れについて [PDFファイル/2.86MB]

3 実施結果

動画版

PDF版

  対話の広場横浜会場実施結果 [PDFファイル/311KB]

 テキスト版

知事からの説明

 ようこそ県民との対話の広場にお越しいただきました。神奈川県知事の黒岩祐治であります。今日の対話の広場のテーマは、被災地からのがれき受入問題であります。

 まず、私から説明させていただきます。ビデオも見ていただきますが、これまで対話の広場、住民説明会を開催いたしました。かなり重複する部分があると思います。初めてご覧になる方もたくさんいらっしゃいますので、以前見たという方もしばらくはその説明を聞いていただきたいと思います。

 さて、この被災地がれき受入問題、どうして私がそういう気持ちを表明したのかということからお話したいと思います。

 東北地方は、去年、大変な被害を受けました。私も知事になって、あの被災地を見に行って、本当に言葉を失いました。その東北地方を何とかしてみんなの力で復興させていきたい。それは日本国民全員の共通した思いだと思います。そのために、今この時点で何をすることが一番東北地方の復興につながることなのか。現地から聞こえてくる声は「この膨大ながれきの処理、これを手伝ってほしい」と、こういう声でありました。

 しかし、私はこの問題について、なかなか「よし、やろう」という決断ができませんでした。それは、放射能に対する皆さんの恐怖感、アレルギーというものが非常に強いということを誰よりも分かっているつもりだったからであります。何といっても、知事選挙のときに「脱原発」と言って皆さんに訴えかけた、私でありますから、その気持ちは充分に分かっているつもりでありました。

 12月の県議会でも聞かれました。東京都は受け入れているのに、神奈川県は受け入れられないのか、と。実は、ゴミを集めて焼却するというのは、基本的には市町村の仕事でありまして、県は日常的にはやっていない仕事であります。東京都の場合は状況が違います。東京都はいち早く受け入れを表明し、実行に移すことができました。しかし、県は日常的にはゴミの焼却をやっていないという立場でありますから、神奈川県の市町村ががれきを受け入れることについて、県は調整していきますという答弁を私はいたしました。

 しかし、そのような答弁をしながら、それだけで良いのかという思いが消えませんでした。そして、何とかもう少し前に踏み込んだ発言が出来ないものかということで、いろいろと研究いたしました。そうしますと、放射能に汚染されているというのはどういうことか。これは100ベクレル以下なら、放射能に汚染されていないという国の基準があると。これに従うならば大丈夫だと思い、100ベクレル以下のがれきであるならば、受け入れることができるのではないかということで、その受入の方向性を表明しました。

 しかし、最終処分場が横須賀にありますが、地元の皆さんの反対を押し切ってそれを強行することはできません。ですから、地元の皆さんのご理解を得ることが前提になるだろうということで、県議会で表明した後、私自身が住民の皆さんのご不安に対して、一生懸命説明してまいりますということを表明いたしました。

 そして、年が明けてすぐに、私は被災地に飛びました。岩手県の宮古市、そして、宮城県の南三陸町に行ってがれき受入の状況を見て参りました。宮古市をなぜ選んだかと言いますと、東京都がいち早く、そこのがれきの受入作業を行っていたからです。東京都はどんなふうにして受け入れているのか、それをこの目で見てきました。そこからまず説明したいと思います。

 最初に、この100ベクレル以下ならば大丈夫だろうという点ですが、放射性物質、放射線を浴びますと被ばくします。これが100ベクレルだったらば、いろいろな単位がありややこしいのですが、0.0013ミリシーベルトということになります。これが一つの基準になります。私がこの基準を持ち出したのは、これが「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の基準であり、福島第一原発の事故が起きる前からあった法律だったからです。この法律の中に、100ベクレル以下は、放射性物質として取り扱わないという基準がありました。これなら放射能に汚染されていないがれき、と言うことができるだろうと思いました。

 0.0013ミリシーベルトという基準について、この数値はどういう数値かといいますと、ご存じの方もいると思いますが、世の中にはもともと放射線がたくさんあります。例えば、飛行機に乗って、東京とニューヨークを往復するだけでも被ばくします。それが0.2ミリシーベルトであります。例えば、空気中のラドンは1.2ミリシーベルトと分かります。胸部のCT検査を行うだけで6.9ミリシーベルトを被ばくします。それから比べればはるかに少ない数字であります。

 そして、がれきを焼却します。焼却すると放射性物質濃度が高くなります。だいたい16倍から33倍になると言われています。ですから、100ベクレルのゴミを焼却すると1,600から3,300ベクレルになります。しかし、これをまたミリシーベルトに置き換えますと、0.043ミリシーベルトということであります。被ばくということですね。この最大限3,300ベクレルとしましても、国がもう一つ決めている基準があります。これは8,000ベクレルという数字です。例えば、ゴミの中で出てきてそのまま扱っても問題ない基準として8,000ベクレル以下が示されています。8,000ベクレル以下であれば処理をすることができるのですが、しかし神奈川県の場合はもっと厳しい基準、焼却前の100ベクレル、焼いた場合には最大3,300ベクレルというのを新しい神奈川の基準として、厳しい基準としてご提示しようと思った次第であります。

 このことをベースにして、現地を見てきました。宮古市では、ゴミを1か所に集めてまずは選別をしますが、その選別する絵を見ていただきましょうか。こうやってたくさんのがれきをここに出します。そして、この周り4ヵ所で機械を使って、空間放射線量を調べていました。ここで調べて、粗選別エリアというところで分けます。建設混合廃棄物、これはいわゆる燃やせるゴミです。そして、廃機械・機器類、危険物・有害物類、ふるい下がれき類など。東京都が持ち込んでいたのは燃やせるごみと、廃機械・機器類です。ここのうず高く積まれたがれきの山は、これは燃やせるごみで、そこからいくつかのゴミを抜いていきます。これを持っていこうと思っているわけですけれど、これを全部調べられないので、サンプルを出します。10カ所サンプルを出しておりました。それを再び合わせて、ビニールに入れ、向かい側にあります現場の事務所の建物の中に持ち運びました。この中で再び放射線量を測っていました。現場事務所でのこの遮断線量率の測定であります。鉛のとびらのある中で、ここにがれきを置きまして、ここで再び外部と遮断した中で、測っていました。そして、東京都の場合は100ベクレルじゃないんです。焼却灰で8,000ベクレルという国の基準を使っていますからもっと高い基準です。大丈夫となったら、このごみをコンテナに積み込みます。コンテナに積み込み終わりますと、このコンテナの外から再び空中線量を測っていました。そして、これで大丈夫だと確認されたごみだけを搬出していました。つまり、この搬出するまでの間に、3回徹底的に測っていました。

 実際にどういう数値が出ていたのか。放射性物質濃度の測定結果ということですけれども、いろいろな産廃業者が運んでおり、A社の場合、NDというのは検出されるだけの濃度に達してなかったということです。我々は100ベクレル以下を基準としようと思っていたのですが、検出不能という数値が出てきました。非常に低いということですね。B社は60。D社は95。ところが、C社の場合は111ベクレルあるなと。これでは神奈川県の私が表明した基準では持ち帰れないと思ったのですが、東京都の職員も現場に来ていろいろ説明してくれました。なぜこのC社だけは111ベクレルになったのかというと、驚くべきことに、C社だけは、このがれきを持ち帰ってきて、東京都のごみと一緒に混ぜて測ったら、111ベクレルという数値が出たということでした。私はこれを聞いてがくぜんとしました。

 それで、実は考えてみるとこういうことです。放射能に対して、不安感を覚えられる皆さんは、被災地のがれきには放射能がついている、だから、怖いんだ、ということです。その気持ちは十分に分かります。しかし、現場で分かったことは何か、それは「被災地とは何か」ということです。被災地、岩手県の宮古はここです。これは、つまり大津波の被災地であります。今話題になっている放射性物質の汚染ということからするならば、元は福島第一原発ですから、距離に応じてその汚染は広がっていきます。宮古は実は福島第一原発から260キロ離れておりました。260キロをこっちにもってくると、横浜がちょうどそのあたりにあたるということです。放射能の汚染ということからするならば、実は同じことだということです。被災地のがれきに放射能がついているということは、実は我々のある種の錯覚であったということです。それならば受け入れることもできるだろうと私が判断した次第であります。

 震災がれきの焼却についてですが、焼却施設を県は持っておりません。横浜市、川崎市、相模原市で焼却するということで検討していただいております。この焼却、さっきのコンテナトラックで持ってまいります。こちらのほうが先ですね。

 震災がれきをどうやって運ぶかと言いますと、先ほど、空間線量を徹底的に調べました。そのトラックでずっと持ってまいります。これはシートを上に完全にかけて、放射性物質は漏れないということになっています。焼却炉に全部ごみを入れまして焼くと、こういう形になります。焼却灰であります。先ほど申し上げたとおり100ベクレルは、33倍になりますから、1,600ベクレルから3,300ベクレルになります。しかし、これは、国の8,000ベクレルからすると大変低い数字だということになります。

 焼却灰をここにありますフレコンバッグに詰め、運びます。それを密封したトラックで運んでまいります。最終処分場に来ます。これが横須賀の芦名にあります。芦名のこの最終処分場はつくる時も地元の皆さんには大変なご心配があったようでありますけれども、最終的には受け入れてくださると決まりました。本当にその決意、決断には心から敬意を表したいと思っているところであります。

 ここの最終処分場はいわゆる谷になっています。ここの谷のところに、きっちりとした漏れないようにする仕組みをつくっています。コンクリートで固めて、その上にビニールシートをのせてということで、徹底管理した最終処分場になっています。そこにさっきのフレコンバッグに入れた焼却灰を積んでいきます。ずっとつながっているんですけれども、今回は後で分かるようにここからここまでのエリアとはっきり決めたところだけに被災地からの焼却灰を埋めてまいります。

 その埋め立てた所の断面図がどうなるかと言いますと、下には、元からつくってありますけれども、遮水溝で水が下に漏れないようにしています。遮水シート、粘土、コンクリートでしっかり固めたものになっております。その上に土を置き、まずは既存の廃棄物を入れます。その上に土を50センチメートル以上かぶせます。その上に、この震災がれきの焼却灰を3メートル以下で埋めます。ここには、省略していますが、この上に再び50センチメートル以上の土を乗せて、そしてまた震災がれきを積んでいきます。そうして上のところまで来たとき、一番上には、3メートルの土をかぶせます。がれきの焼却灰の外側はまた土で固めます。完全にこの中に封じ込めます。この封じ込めるというのはどういう意味かと言いますと、土をかぶせるだけでも実は放射線は出て行かなくなるんですね。例えば、ブルーシートだけをかぶせた場合は、10パーセントだけ遮断効果あるのですが、土を10センチメートルのせただけでもかなりの遮断効果があります。75パーセントぐらい遮断効果があります。50センチメートル積みますと、普通の環境になるということですね。90パーセント近く遮断されるということになっています。基本的には50センチメートルの土で覆えば大丈夫です。しかし、そこには念には念を入れて、私たちは一番上には3メートルの土で覆うということであります。完全に放射線が出ていかないようにしているというところであります。

 さらに、これがその後はどうなるかという不安があると思います。この処分場はよく出来ていて、万、万、万が一ここから水が漏れたという場合にはすぐ分かるように、センサーでずっと調べていて、そのデータをいつも公表しています。そして、埋め立てた後も、徹底的に安全管理をしていきます。放射線をこのようにして地上に出ていないか、ずっと調査し続けます。地下水もずっと調査し続けます。このようにして出たデータをずっと繰り返し公表し続けていきたいと思っているところであります。

 このように、基本的に放射性物質に汚染されていないゴミを受け入れるのであります。ここは間違えないでください。放射性物質に汚染されていないゴミを受け入れるのであります。それでも皆さんのご不安があるから、これだけ徹底した管理によって、調べ続けて、その情報はずっとご提示し続けていきます。

 それだけのことをしていきますので、何とぞ皆様のご理解を得たい、というところであります。私の口からはこのように説明しましたが、宮古市の状況を映像でも見ていただきたいと思います。

 DVD映写

DVDはこちらからご覧いただけます→災害廃棄物広域処理へ向けて 現地レポート 宮城県宮古市

岩手県 環境生活部長からの説明

 神奈川県の皆さん、おばんでございます。岩手からやって参りました環境生活部長の工藤といいます。宜しくお願いします。

 まずもって、昨年の3月11日に発生いたしました大震災津波に際しましては、皆さまがたより温かいご支援を頂戴したことに対しまして、厚く御礼を申し上げます。また黒岩知事さんにおかれましては、本県の災害廃棄物の受入を表明していただきました。感謝申し上げます。

 本県の災害廃棄物処理の現状と課題について御説明する前に、まず本県の復旧復興にむけた取組状況について、簡単にご説明させていただきたいと存じます。

 大震災津波で12市町村すべてについて大きな被害が発生しました。死者行方不明者の数は6,000人以上に及んでおります。また、約5万5,000人の方々が寒い中、電気も暖房も、水も食料もそして衣類も乏しいという中で、長時間の避難所暮らしを強いられました。皆さまの温かい励ましのおかげで、被災地の方々、今日まで頑張っております。重ねて御礼申し上げたいと存じます。現在では避難所生活につきましては解消され、被災から10ヶ月を経過しましたが、依然といたしまして、4万人程度の方々が応急の仮設住宅などで不便な生活をしているというのが現状でございます。

 復旧復興の状況でございますが、学校も大きな被害を受けました。被災した学校につきましては、他の学校に間借りするなどして、現在では子ども達も元気に勉学に勤しんでいるというような状況であります。その他に仮設診療所、商店、工場も徐々に整備されつつあります。多くの漁船が流されました。残った漁船を皆が共同で使っています。しかしながら、基幹産業である水産業をはじめといたしまして、地域産業の本格的な復興や地域の道路、鉄道、水道などのインフラ整備につきましては途についたばかりという状況でございまして、復興に向けて、やっと半歩踏み出したというのが現在の状況ではないかと存じております。引き続き皆様方のご支援をよろしくお願い申し上げます。

 次に災害廃棄物、震災がれきの現状と課題について、資料も活用しながらご説明させていただきます。「岩手県の災害廃棄物あのときから10ヶ月」をご参照いただければと思います。資料めくりましてスライド番号3から10のところに書いてございますが、大津波によりまして、住宅を中心に、学校や病院、市役所、商店、工場など多くの建物が倒壊しました。その数約2万5,000棟でございます。これらがそのままいわゆる震災がれきという形で、現地に残されていまして、県の推計で、435万トン。これは一般の家庭からでます生活ごみを合わせた約10年分に相当する量になっております。

 本来であれば市町村が、震災がれきを処理する主体となるべきところでございますが、膨大な量であり、市町村の能力を超えるので、市町村から委託を受けた県が災害廃棄物、震災がれきの処理を担っている状況です。現在の状況はといいますと、家屋が倒壊した場所から撤去いたしまして、仮置場に今は一時保管されている状況です。災害廃棄物処理は復旧復興にあたってのまさに一丁目一番地でありまして、被災市町村、被災者の方々から早く処理してほしいという強い要望を受けています。その理由としては三つ挙げられます。

 1点目は、物理的に、復興に向けた街づくりの障害になっていることであります。このがれきは、港湾でありますとか、漁港、あるいは工業用地、公園、畑、田んぼなど、市街地あるいはその周辺の平坦な土地に、一時仮置きしている状態です。平坦地が少ない海岸地形という中にありまして、復興に向けた土地の適切な利用、ひいては新たなまちづくりを進める上で物理的な障害になっています。

 2点目は衛生面、あるいは防災面からの、大きな支障になっていることであります。有機物も混じっているということで、昨年の夏は悪臭が発生し、ハエ、蚊などの衛生害虫が大発生いたしまして、大きな社会問題になりました。さらに風が吹くとほこりが舞うという問題もあります。加えて、スライド番号9から10に掲載させていただいておりますが、自然発火による火災が3件ほど発生しまして、中でも、1箇所については2週間以上鎮火することができなかったという状況がございます。

 3点目でございますが、がれきがあると、復興にむけた被災者の元気が出ないということであります。11ページに被災者の声を掲載させていただいております。がれきを見ますと津波を思い出して胸が痛む、力がなえる、亡くなった方を弔うためにも一刻も早く処理してほしい、というのが被災者の気持ちでございます。被災者にとっては、がれき=津波でありまして、トラウマになっているという状況がございます。

 震災がれきの435万トンの内訳でございますが、435万トンのうち、コンクリートや津波で運ばれた土砂は、現地で極力、復興資材として活用したいと考えています。それが約170万トンあります。その他に、鉄くずというか、金属類が多数ございまして、これらは分別した上で、リサイクルにまわしたいと考えています。それが約70万トン。残り183万トンくらいでございますが、可燃物が約140万トン、漁業から出た廃棄物が8万トンぐらい。残りが可燃物や不燃物や土砂がまざり、なかなか処理ができず埋め立てするしかない混合廃棄物であり、約35万トンあるだろうと県では見込んでいます。

 この183万トンをどのように処理するかということが課題ですが、県でもまず処理能力を高めるということで、仮設焼却炉を2基ほど造って処理をすすめようと考えています。これについては、スライド番号15に、岩手県の廃棄物の処理能力を記載しています。大船渡にセメント工場があり、実はこの工場も津波で被害を受けましたが、今やっと立ち上がり、少しずつ本格稼働に向けて動き出しています。ここが今年の6月から本格的に稼動しますと、1日約1,000トン処理できるとされています。ここが最大の処理施設です。その他に市町村の清掃センターの処理能力を活用すると、1日約200トン処理できますし、仮設処理炉でも1日2基で約200トン、その他に木工ボードなどへのリサイクルというものを進めておりまして、これが約60トン。埋立能力は1日約130トン。あわせて1日1,600トンくらい処理できると計算しています。この能力を活用しても、県の試算ですと183万トンを処理するに約5年はかかるとみております。

 一方被災地、被災者から早く進めてほしいという声があり、そのためには震災がれきの処理が猶予ならないんだと要望をうけておりまして、県では国の処理方針に従い、3年以内に処理する方針といたしました。それでも遅いという声があります。3年以内に処理するとした場合、約57万トンの震災がれきにつきまして、他の自治体に処理をお願いせざるを得ないのが現状です。

 一方、現在どれくらい処理したかというと、スライド番号23の一番下のところにありますが、東京都さんに受入していただいた分が1,000トンくらいありますが、それを加えましても12月末で20万トンくらい、全体の4パーセントくらいに留まっています。これは県内の処理施設も津波で被害を受けたという事情もありますが、放射能問題により、県外処理が進まないということも大きいのかなと思います。災害廃棄物イコール放射能という私どもに言わせれば風評被害によりまして、受入先の住民の方から不安が高まっていることが大きな課題ではないかなと考えています。現在のところ、3年以内の処理を考えると赤信号が点滅し始めている状況です。

 本県の災害廃棄物、震災がれきの放射能濃度については、さきほど黒岩知事から説明があったので、私からは詳細には説明を省略しますが、スライド番号17、18に測定結果が出ています。ほとんどがNDという検出限界以下になっています。おおかたが100ベクレル以下です。また焼却灰の放射性物質濃度についても、スライド番号19にあります。100パーセント災害廃棄物だけを燃やした場合でも1,000ベクレル以下であったということで、国が定める基準を大幅に下回っている状況です。焼却灰については、県内の管理型最終処分場に埋立処分していますが、十分な覆土をすることで、空間線量率は全く異常が観測されておりませんし、最終処分場から出る浸出水・地下水なども観測しておりますが、放射性物質については検出されていません。

 最後になりますが、本県の災害廃棄物に対して、県民の皆様方に不安やご心配をおかけすることに対して心苦しい想いがいたします。しかし、放射能に関しては、私どもも同じく被害者です。本県の復興にありましては災害廃棄物の処理が不可欠であります。そういった事情につきまして、ご理解・ご協力をお願いいたしまして、私からの説明とします。どうもありがとうございました。

意見交換

参加者

 横浜市の者です。前回も御丁寧にお答えいただきましてありがとうございました。これからたくさん放射能の話が出ると思いますが、私は、放射能から離れた御相談をさせていただきたいと思います。セシウムの134や137の放射性同位体以外の133についても、毒なんじゃないかという研究がございます。この辺知事はご存じですか?

 知事

 詳しくは存じ上げていません。

 参加者

 実はセシウムが急性の弱毒であるという研究は従来からありますが、これとは別に慢性的な猛毒じゃないかという研究が最近ございます。これはベラルーシのユーリ・パンダジェフスキー博士のほうで、セシウムが体に入りますと、心臓の筋肉がボロボロになってしまって、最終的には心臓病になって亡くなるという事例を指しているわけでありますけれども、そういう研究がございまして、今日お願いしたいのは、放射能の濃度とかではなく、セシウム自体が毒であると考えますと、行政のほうで考えると、毒劇法の取扱の範囲になるのではということ。県の行政では、毒劇法の取り扱い物の一覧にも入っていませんし、県のホームページを見ますとMSDS等もセシウムで検索すると、一つも出てきません。現状では全く毒性についての対応がとれていないことが明らかです。

 その上で、環境にセシウムがばらまかれてしまって、この部屋の中にも非常に薄いかもしれませんがセシウムが存在する状態になっていますので、この辺を毒物取扱の観点から必要なら対策いただきたい。放射線以外の方、毒物としての取扱の安全性が確認されるまで、芦名への埋立は待っていただきたいというのがご相談でございます。

 前川教授

 セシウムに関して、いくつかご指摘がありました。まず、セシウムの金属毒性については、世界的な合意の上では示されていません。私たちが一番よく知っているウランについては、腎毒性が非常に強く、JCO事故のときにもウラン加工工場での事故ということで、まず私たちが最初にやったのは重金属の毒性に対する配慮でありました。

 セシウムに関しては、確かにご意見にありましたような一部のベラルーシの方々の論文もございますが、これについては国際的にも私たちも評価していません。私たちのまわりには、大気圏核実験による放射性セシウムが環境中にたくさんありました。世界各国でモニターした時、1964年が最高の濃度を示しました。そのとき私たち日本人の平均的な放射性セシウムの体内濃度は約600ベクレルでした。当時、極北のエスキモー人の人達は、トナカイの肉を食べていたので、生物連鎖の一番トップにいる人間はそのトナカイの肉によって汚染されました。当時の記録だと、高い人では、11万ベクレルの放射能セシウムを体内に持っていたのです。この人達はフィンランド、あるいはカナダでがん登録をしていますので、その後にエスキモー人が放射性セシウムをたくさんとったからといって、がんが増えたという記録はありません。現にそういう記録、報告がありますから、今、放射性セシウムの毒性については、国際的な合意では認められていませんし私も信じておりません。

 参加者

 横須賀市の者です。岩手県の人は大変だったと思います。大変なのをお互いに助け合うのは大変いいことだと思いますが、わざわざがれきを運ばないといけないということで、100歩譲って、放射線値が低いとしますが、まず、どういうルートで来るかによって、途中に福島があります。そこでまた放射線値が高くなってしまうのではないかなと私は単純に思うのですが、まずルート的にどういうルートで運ぶのか。そこでまた上がってしまうのではないかという疑問があるわけですね。そこのところは一体どうなっているのでしょうか。

 それと、輸送することと、仮設で焼却の施設を作るってこの資料でわかったんですが、同じ神奈川県の税金を使うなら、岩手県のほうにそのお金を送って、そこに焼却施設を作って、地元の雇用の促進をしていけば、そのほうが岩手県の人も助かるんではないかと思うんですが、そのへんは一体どうなんでしょう。

 それから、一部東京都の職員がたくさん出てきて、ネット上のうわさなので黒岩知事においてはそのようなことはないと思いますが、石原都知事が大変もうけたといううわさがネット上で流れています。輸送業者の選定、焼却業者などのそういうことで、どなたかの懐にお金がたくさん入るなどということがあってはいけないと思います。そういうことはないのかどうかお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 知事

 石原知事がもうけた話は全く存じ上げていませんし、そういう類の話はないと思います。

 環境農政局長

 ルートは基本的に2つ、どちらかということを考えています。ひとつは鉄道、もうひとつは船のルートでございます。鉄道のほうが東京都でも実施をしておりますし、実証されているので有力かなと思っています。

 輸送途中の飛散というのは、決してあってはならないので、密閉性の高いコンテナに積み込みまして、輸送してきます。従って、途中で飛散することもありませんし、逆に途中でその地の放射性物質が紛れ込むことも一切ないというかたちで運んでまいります。

 岩手県 環境生活部長

 仮設焼却炉を建設するためには、用地が決まってから建設・稼働まで1年近く時間を要することになります。昨年着手したものは、今年3月くらいにやっと稼働します。これから、新たに仮設の焼却炉を作るとなりますと、用地が見つかってから約1年かかると考えます。100トンの仮設の焼却炉を作りましても、年間に処理できる数量はメインテナンスなどで365日稼動できませんので、300日と仮定して1基で3万トンぐらいということになります。ですから、57万トンを処理しようとすれば、24年に建設し25年中に全て処理しようとして、計算上20基近くの焼却炉を作らなければならないということになります。仮設焼却炉といっても、100トン規模のものなら、相当の土地を要しまして、物理的にもそう簡単には進まないと考えております。また、身勝手な部分も多分にありますが、焼却灰について最終処分場の確保の問題もありまして、仮設焼却炉で処理したとしても、2割近くの焼却灰が出ます。それを埋め立てる場所の確保という問題も発生するわけでありまして、そういう意味でもなんとかお手伝いをいただければと、身勝手ではありますが本県の事情であります。

参加者

 横須賀から来ました。理解って何ですかね?協定書以外の理解ってなんですかね?まさか県民投票をちゃんとやってくれるとかそういう話なんですかね?そうじゃないと、理解って言っても理解を測ることができないじゃないですか。改定したらすぐに始めちゃうんですか?

 あと、県にメールを出しましたが、セシウム以外は測らないと。セシウムが主だから他は測らないと。アルファ核種やベータ核種の放射線を出すものもあるけど、ほんの少しでも危険なんですよ。特にプルトニウムは少し体内に入っただけで肺ガンになるといわれています。うちは、搬入ルートだろうところのすぐ側で、そんなところを通ってポロポロこぼしながら運ばれても困るんですね。特に外部被ばくの話は要らないです。内部被曝を心配しているんです。紙一枚で防げるとかそんな話は要りません。

 搬入ルートを船や鉄道などで運んだ後の詳しいルートを教えてください。どこのインターチェンジを使うのですか?自分は横須賀インターチェンジの近くに住んでいるんですけれども、怖くて仕方ないんです。

 あと1個あって、15日の説明会があり、知事は17日の定例記者会見でこう言いました。「この間の私のプレゼンテーションを聞いていただければ、普通の方だったらば、普通の方といったら変だけども、普通に聞いていただければ、それだったら大丈夫だなと思って下さると私は思ったんですけれどもね、皆さんはそうじゃなかったですか」。これはあの場にいた人とか、あのときの録画配信を見て反対と思った県民は異常という扱いなんですか?普通普通って言ってさ、異常ですか?うちら異常なんですか?関西出身の知事から見て、私たちは異常なんですか?答えてください。問題発言ですよ、これは。マスコミの人もちゃんと取り上げてください。

 知事

 最初に、私は住民の皆さんの理解を得たいと、理解が前提となると申し上げました。そのためには第一段階は協定書があり、これはもともと県内の産業廃棄物を受け入れるということで協定いただいています。今話しているのは県外の災害廃棄物ですから、今の協定書のままではできません。ですから、協定書を改定していただくことが必要になります。しかし、協定書さえ改定すれば理解を得られたとは判断しません。あくまでも誠意を持って、皆さんがその後も不安に思われるなら徹底的に情報公開しますし、誠意を尽くして説明し続けるということです。

 搬入ルートについては事務局から説明します。こぼしながら運ばれても困るという話がありましたが、それが絶対にない運び方をします。セシウム以外は測らないのかということですが、専門のお立場からお答えいただきます。

 15日の説明会のあとの記者会見の話がありましたが、そういうふうに誤解されたのなら、大変申し訳ないと思っています。まさかそんなふうに思っているわけがありません。私としては、一生懸命誠意を尽くして説明したと。そうしたらば、放射性物質に汚染されていない、そこを確認していただければ、なるほどな、被災地を助けるためには我々も協力できることがあるんじゃないかなとご理解をいただけると思いました。普通という言葉を使ったことは失礼でございました。そのような誤解を与えたことは心から反省したいと思います。

 前川教授

 プルトニウムとストロンチウムについては文部科学省がいくつかの国立大学、専門家グループに委託をしてはかったものが発表されています。α核種であるプルトニウムもβ核種であるストロンチウムも事故が起こる前に測定された値と同じ範囲内に入っているので、放射性物質の汚染に関しては圧倒的に放射性セシウムが高いので今後は放射線セシウムに注目しましょうという報告が出ています。

 今、ご心配のプルトニウムやストロンチウムについては、確かに少しは出ていますが、それは福島原発事故の前の測定地点での測定値の範囲と同じなので安心していいと思います。

 環境農政局長

 県内の搬入ルートのお話がございました。先ほど被災地からの搬入について、おそらく鉄道のほうが有力だろうと言うことで鉄道の密閉性が高いコンテナで持ってくると。それはそのまま焼却炉の前まで持って行きますので、コンテナを途中で開けることはありません。焼却をいたしました焼却灰については、フレコンバッグに詰めますと飛散は基本的に全くありません。フレコンバッグのまま、トラックに積み込み、更にその上に防水のシートをかけまして、最終処分場に持ち込み、フレコンバッグのまま埋め立てるということでございますので、途中で飛散することは一切考えてございません。

 ルートでございますが、県の環境整備センターに持ち込むということになりますれば、通常の他の産業廃棄物と同様に、横須賀インターで降りて、阪本芦名線の今の道路を通って環境整備センターに搬入するということになります。

参加者

 鎌倉の者です。私は昔、反焼却市民の会をやっていました。いくつか質問するので答えてください。

 1番は、この事業の根拠法について答えてください。私が思うのは根拠法はありませんよ。がれき特措法は、焼却灰の処分を市町村に求めるあるいは県に任せるということは書いてありません。100ベクレルは原子炉等規制法に基づくものです。原子炉等規制法は原子力、原発、原発関連事業を進めるためのものであって、それが一般の社会、私たちが住むところに漏れ出すことを前提にしているものではありません。ですから、この100ベクレルを持ち出して、焼却してもいいんだ、埋めてもいいんだということは全く嘘っぱちです。皆さんだまされないでください。

 2番目の質問。受入自治体との基本協定はもう決まっていますか。普通はだいたいそれが決まっているからこういう場がもてるんですよ。みなさんはまだまだこれからだと今だまされていますが、こういうことになるためには、おそらく芦名でも水面下交渉が進んでいるのでは、と思います。基本協定をはっきりあるかないか、有無を言ってください。できてたらいつできたのか。

 それから3番目。内部被ばくについてですが、先ほどの資料では経口摂取を前提としています。しかし、私が恐れるのは、ごみを焼却すると、ごみの焼却炉から非常に微小の物質が出てきます。皆さんによく知られているのは、浮遊粒子状物質、SPM、PMといわれているものです。このPM2.5はバグフィルターなんかではとてもとれません。なぜかというとPMというのは髪の毛1本に何十本もそれがくっつくほどの小さな物質なので、そんなバグフィルターを作ったら、あっという間に目詰まりします。現在の焼却炉のバグフィルターもしょっちゅう目詰まりしています。バグフィルターの目詰まりしたものは、本当は特別管理産業廃棄物・一般廃棄物のはずですが、それをまた焼却炉で燃やしているんです。ですからどんどん濃度が高まっています。私の質問は、なぜ、この事業で吸入を想定していないのか。非常に細かい粒子で、特に子ども達に影響するのです。

 4番目。前回、海外のNGOや学者や専門家から、日本のがれきの焼却方針についてとっても強い反対が出ていると説明会の後の記者会見で申し上げました。どう思いますかと。私はある程度把握していますと言っていましたが、どうするのか。例えばガンダーセンという方は世界中の人達がもう一つの福島に直面していると言っています。それからドイツの放射線防護協会では、頼むから専門家の皆さんは、市民にきちんとした情報を与えてくださいと。汚染度が低いからといって、外部に持ち出して埋めてはいけないという国際的合意があると言っています。

 知事

 受入自治体との基本協定を水面下で交渉しているかについては、まだです。まず私が、直接皆さんにご説明しているということがありまして、当然のごとく地元の皆さんとはこれからしっかりと誠意を尽くして説明していきます。皆さんが知らないうちに特別な約束をしているということは一切ありません。全部オープンにしています。私のやり方は全部オープンにしています。これがすべてです。今日はネットでも中継されております、ツイッターでもいろんな方からご意見をいただいていて、すべて公開の場で説明しています。

 根拠法、原子炉等規制法等の問題、バグフィルターの問題は、環境省からご説明をいただきます。

 環境省 大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課長

 このたびの災害廃棄物の処理事業については、広域処理も含めて、災害廃棄物の処理として環境省の補助事業として実施しています。

 災害廃棄物の処理事業自体は、特に根拠法ということではありませんが、災害廃棄物の処理そのものは廃棄物処理法にのっとって、その焼却も収集運搬も含めて実施されていることになります。

 質問の方からご指摘ありましたように、もともと放射性セシウムの100ベクレルというクリアランスレベルは、もちろん原子炉等の規制の中でできたもので、こういった事態を想定はしていなかったというのはおっしゃるとおりだと思います。ただ、そこに対する国の備えが十分ではなかったというところは、我々としても十分反省しなければならないところだと思いますが、ただ、今回の事故で、多量の放射性セシウムを含む放射性物質が環境中に出ましたので、これにどう対応するかということを、昨年の国会の中で議論が重ねられて、今の放射性物質に対処するための特別措置法ができ、それが今年1月1日から施行されたということになります。今回の新たな事態に対するあらたな基準がこの放射性物質の汚染対処特措法に基づき整備されて、それにのっとってやっていこうというところです。

 ただ、広域処理の対象となっている、岩手県の沿岸部の災害廃棄物等については、これを処理するのは放射性物質汚染対処特措法の規制対象とはなっておりません。これは従来の廃棄物処理法にのっとって十分処理ができるという判断がなされました。

 あと、焼却に伴う安全性について、バグフィルターではとれないのではと。そこは大変ご心配の点というのは十分理解しています。環境省が出しております広域処理のガイドラインの中でも、これはネットでもご覧いただけますが、丁寧に安全性について今までどのような形で確認してきたかのデータを載せています。今、40を超える焼却場でモニタリングを継続していて、8,000を超えるような、福島ですと残念ながら非常に濃いので、飛灰でいくと10万近い数字が出ていますが、そういうところでも排出ガスは不検出、あるいは濃度限度をはるかに下回る濃度しか出ていないということです。これらのデータは全て公開していますので、それらのデータをご覧いただいて御判断いただきたいと思います。

 参加者

 心の復興ということだったんですけれども、心の復興であるならば、例えば神奈川県にサナトリウム等を作って、福島の県民を呼んでそういうのを減らすのも心の復興で助かると思うんですね。ベラルーシでもそういった保養所があると思います。

 放射性物質を運ぶ安全性は、安全だと100パーセントは言い切れないと思います。それは、4年以内に地震が70パーセントの確率で起こる可能性があるといった以上、関東でも地震が起こる可能性がある。シートについては、放射性物質の半減期はセシウム134は2、3年ですけれども、137は30年、ウランやストロンチウムなどは2万9,000とか100年単位の数値が出ています。そういったものも簡単なシートで守りきる保証またはそういったことが可能なのかという不安が残ります。

 そして、黒岩知事は元々脱原発で当選されたということですけれども、そのときの思いをもう一度こちらで伝えていただき、放射性物質に対するバグフィルターは見切り発車、しっかりとした実証実験が行われていないということについてどうお考えなのか。

 過去において科学者達は今わかっている最善のことを言っても、数年後そうではなかったということはよくありました。それに対して黒岩知事は責任が取れるのでしょうか。私たちに理解を得たいということであれば、3年後5年後、もし甲状腺がんが増えたり、乳がん、流産等の症状が増えた際に黒岩知事は責任を取れるんでしょうか。

 知事

 心の復興には、今ご指摘いただいたようないろいろな考え方があると思います。いろんなご提案があると思います。それはいろいろな形で検討することは、大事なことだと思います。私が把握している、今、被災地で一番求めている心の復興は何であるか。それは目の前にあるがれきを何とか処理してほしいということであります。その声が現場から上がっている、それに対して私たちはできる限り応えていきたいと思っている。

 4年以内に地震があるということを言っていて、シートで守りきれるのかというご心配がありました。これはさっき説明しましたが、シートの下はコンクリートで完全に遮断しています。活断層をはずして施設はつくってありますので、そのような心配はないと思います。

 脱原発と言った時の思いは何なのか。私が立候補したのは、3月16日に表明いたしまして、3月24日から選挙が始まりました。あの時は計画停電をしていて、神奈川の産業は崩壊するかもしれないと大変な危機感を持ちました。原子力発電は今まで絶対安全だ、安心だと言われていましたが、私もそう信じていましたが、そうではないことが分かりました。では、どうするのか。原子力は止めてくれ、反原発だ、というのも一つの選択肢かもしれませんが、いきなり全部原子力発電所を止めたら私たちの生活はどうなるのか、と思ったところであります。ですから、できる限り早く原子力発電に依存し続けない新しいエネルギー体系をつくらなければいけない。神奈川の産業を救うためには、早く原子力発電所に頼りきらないエネルギー体系をつくらなければいけない。そういう思いで、例えば、ソーラーパネルを普及させていこう、神奈川からエネルギー革命を起こそう、そういったことを訴えました。

 科学的根拠というものは月日が経つと変わります。それは確かにそうでしょう。行政に携わる人間としては、今科学的に証明されていることを信じて、前に進めていくしかありません。そうでなければ、一切の政策は前へ進めていけないということになります。そんな中でも、皆さんのご不安がある点については、徹底的な調査や情報公開を続けていくということであります。

 5年後、50年後がんが増えたら責任を取れるのか、それは飛躍した言い方ではないでしょうか。がんについては様々な要因があります。その全てを私が責任をとるということはできません。今明らかにされている情報、科学的データ、それをしっかり踏まえた上できちっと説明しながら行政を進めていく。それが基本だと私は思っております。

参加者

 最初に黒岩さんはどこの知事でしょうか?ということを御本人にお聞きしたい。お答えください。

知事

 神奈川県の知事です。

 参加者

 我々は神奈川県民ですが、神奈川県に汚染がれきを持ってきて、何のメリットがあるかというのを教えていただきたいです。それが一つめ。

 二つめは知事は放射能が怖いのか怖くないのかということです。我々はすごい怖いと思っています。特にお子さんがいる家庭は毎日不安に過ごしています。黒岩知事ががれきは安全で問題ないとおっしゃるのなら、菅首相がかいわれ食べたようにですね、黒岩知事も庭でがれきを燃やして埋めてみてください。

 うちのトイレが詰まって困っているのですが、黒岩さんのトイレに流してほしいと言ったら受け入れるのですか?そんなにくさくないなら大丈夫です、隣の家では受け入れています。それもちょっとお願いしたいと思います。

 皆さんがおっしゃっているように、VTRを見ましたが、膨大なものすごい山になっているがれきをありとあらゆる輸送手段を使って神奈川県まで300キロくらい持ってきて燃やす必要がすごく疑問を感じます。そんなお金があるなら、そのお金で被災地復興ができるのではないかと思っています。

知事

 何度も申し上げていますが、汚染がれきを持って来て何のメリットがあるのかということですが、汚染されていないがれきを持ってくるということを何度も何度も申し上げています。そこのところを基本的にご理解いただけないと、いくら話しても同じことの繰り返しになってしまいます。100ベクレル以下は放射性物質で汚染されていない、という国の基準があります。それによって全ての行政が動いていますから、汚染されているがれきを持ってくるのではないということをまずご理解いただきたいと思います。

 放射能は怖くないのかという質問がありましたが、放射能が怖いというのはよく分かります。私も同じ思いです。先ほどの説明でもありましたが、放射性物質というのは自然界にもあります。ですから、全部の放射性物質が怖いと言ったら生きていけません。だからこそ、基準というものがある。どれくらいなら許容量であるという基準があり、それに従って我々は生活しています。この100ベクレル以下は汚染されていないという基準でありますから、そこの部分は、私は怖いレベルではないと思っています。

 あれだけ山になっているがれきをわざわざ遠く離れた神奈川まで持ってきて受け入れる必要があるのか、ということですが、現場の声として私が確認してきました。何とかして受け入れて欲しいと。自分たちだけで処理をすれば5年もかかる。何とかしてそれを3年で処理したい。2年分のがれきを県外の皆様に何とか受け入れてほしいという切実な訴えがありました。それに対してお応えしたいという思いであります。

 参加者

 横浜市の旭区に住んでおります。黒岩知事がまず誤解されていることがあると思ったので、それを説明させていただきたいです。

 私たち母親は、神奈川が安全で、被災地がれきだけが危険とは思っていません。神奈川の地は十分汚染されています。私のガイガーカウンターでは6月上旬に購入してから今までの積算値は474マイクロシーベルトで、呼吸による被ばくと食物による被ばくをあわせると、素人の計算ですが、自然放射線以外の実行線量はおそらく1.5ミリシーベルトになると考えています。これは被ばくの多かったと思われる4月、5月の分は考慮していないので、それを入れるともっと高くなると思います。

 私たち母親は今の時点ですら、こどもに年1ミリシーベルトを超える被ばくを強いていることに対して非常に罪悪感を持っています。毎晩子どもの寝顔を見ては、この子は5年後、10年後、15年後、病気にならずにきちんと大きくなることができるのかと涙をこぼす毎日です。それでも食べ物を選んだり、遊ぶ場所を制限したりして、なんとか被ばく量が少なくなるように、母親として子供を守るために最大限の努力をしています。それなのにこれ以上子どもの被ばくを増やすがれきの受け入れはとてもショックです。たとえ100ベクレル/キログラム以下でも、10万トンのがれきの中には総量で100億ベクレルの放射性物質が存在します。

 バグフィルターが国の説明のように99パーセント放射性物質を除去できるとしても、焼却によって、空気中に1,000万ベクレルが放出されます。ICRPの係数を元にして計算すると、それを呼吸した場合の被ばく量は成人だと390ミリシーベルト、5歳の子どもだとおよそその倍の700ミリシーベルト、1歳の子どもだと、2.5倍以上の1,000ミリシーベルトに相当します。長期間にわたる低線量被ばくの子供への影響は誰にもわかりません。どうか、子供の健康リスクを増やすことはやめてください。

 黒岩知事は、ポリオのワクチンを県独自で購入された子どもに対して愛情のあるお優しい方だと信じています。どうか子どもの健康リスクをこれ以上増やすようなことはやめてください。どうかもう一度考え直してくださいますようにお願いします。

 知事

 お母様が自分のお子さんについて、ご心配されるお気持ちは、よく分かります。そういう気持ちに立った上で、我々は行政を進めないといけないと常々自分に言い聞かせています。ただ、そのために、被災地からがれきを持って来ると、被ばくが増えるとおっしゃいましたが、本当にそうなのかどうかということを私は現場に行って確認してきた次第です。

 先ほど説明した中でも、被災地からがれきを持って来たからといって、県内の被ばく量が増えるわけではないということをきちっとこの目で見てまいりました。そのことをきちんとご理解いただこうと思って説明しているわけです。

 不安というのは、想像がふくらむと、どんどん怖くなるものです。その不安を解消するためには、正しい情報をしっかりとお伝えすること。正しい情報をしっかりとお伝えし続けるしかないと思っています。

 今回私も現場で見てきたことをしっかりと説明しています。まだご不安があるということですので、それぞれのプロセスで放射性物質、放射能を被ばくを増やすことではないということを継続して情報公開し続けていきたいということを申し上げている次第であります。

 参加者 

 川崎市から来ました。まずはじめに、今回、緊急開催ということで対話の広場を設けていただきましたが、これは既に結論が出ている上で、説明に来られているのでしょうか。受け入れるということは決定した上で説明されているのでしょうか。これが一つめの質問です。

 二つめは、今もう既にがれき受入をやられている市町村があります。東京も当然やられていますが、山形県もやられています。そちらでは、放射性降下物が増えているという話があります。この辺について、因果関係は、今のところわかりませんが、もし、神奈川でがれきを受け入れて、そういう事態が発生した場合、どうされるつもりでしょうか。

 あと、先ほど黒岩知事は、こういう事態が発生した時に、今分かっていることに基づいて実行していくしかない、とおっしゃいました。しかし、今までの公害、水俣病もそうです、薬害エイズもそうです、もともと分からなかったものを無理に進めてそういう結果になったと。それを今回、またこの神奈川で、そして神奈川の利益代表であるはずの黒岩知事が率先してそういうリスクのあることを進めるのでしょうか。

知事

 この対話の広場は、結論が既にあって対話しているだけなのかという質問がありました。そんなことは全くありません。もともと私は受け入れたいという自分の思いはあります。もともと申し上げました。地元の皆さんのご理解を得なければいけないので、私が直接お話しをしようと思いました。皆さんのご意見は率直に全部受けています。ということでご理解いただきたいと思います。

 放射性降下物が増えているのは把握していません。環境省から答えていただければありがたいと思います。

 今分かっていることに基づいて行政が進めていたから、薬害エイズも起きたと言われました。確かにそういうことはあったでしょう。しかし、それは徹底的な検証を続けていくしかありません。現状として神奈川の利益を代表する立場でありますが、神奈川県民も日本国民です。東北地方の皆さんを救おうという思いで、何とか一緒に力を合わせてできないか。一生懸命助けを求めている声に神奈川県民としても応えようではないかということを私は思って一生懸命ご説明しているところであります。

 環境省 大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課長

 今ご指摘があったのは、日々の放射性物質降下物の量が測定されていまして、各県、日々によって値がほんとんど出ていないとき、少し出るときがあります。山形で少しぽんとはねた値が出たという事実があるのは知っています。ただし、その原因が何だったかというのは正直よくわかっていません。

 少なくとも、焼却施設からの排ガスはしっかりモニタリングをしておりまして、そこでは出ていないと確認しています。なお福島第一原発は完全に環境中への放出がとまっているわけではないので、さまざまな気象条件で降下物が出ることはあることは想定されますし、山に一旦落ちたものがまた大気中に行ってそれが降下するということもあるので、そこは簡単にはわからないと思いますが、少なくとも廃棄物処理はしっかりできています。先ほども申し上げたとおりしっかり公開もしていますのでそちらでもご判断いただきたい。

ツイッターからの意見

1.引き受けようとしているがれきが安全であるかを証明してほしい。細野大臣が安全と言ったとかはなし。2.そもそも芦名は県内の廃棄物を処理する施設のはず。県外の廃棄物は処理できない。これをどうするか?県民に理解を求めるはがれきの安全性が証明できない限りなし。

 知事

 安全であることを証明せよということですが、ですから私は現地に行ってきました。この目で見て参りました。国の基準の100ベクレル以下という安全基準があり、その中に入っていることをこの目で確認をしてきました。ですから大丈夫です。しっかり調査をしているので、ご理解いただけると思った次第であります。

 県外の廃棄物は受け入れられないということは、これは地元との協定があり、今そのままの協定では受け入れられません。きちんと説明をして、地元の皆さんがなるほどそうだったらば受け入れようとなったら、その協定書の改定となったときにまた新たな状態になるのではないかと期待をしているところです。

ツイッターからの意見

いや、バッグが問題なのではなく、燃やすことが問題なのでしょう?バグフィルターでは、気化セシウムが防げないことも、気化前のセシウム径がフィルタ径のほうが大きいことも市民は知っていますよ!

 環境省 大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課長

 放射性セシウムは比較的沸点が低いので焼却に伴って揮発する部分があります。だからこそ、排ガスの処理装置で集まって、排ガスを集めた飛灰の中に集積することがわかっています。バグフィルターの安全性もバグフィルターの前、バグフィルターの後で細かい測定をしていて、データも安全評価検討会の資料としてすべて公開しています。広域処理のガイドラインでも、どういうデータに基づき整理してきたかということと、16都県の焼却施設で測っているデータも示しています。

 参加者

 横須賀の焼却灰、いわゆるゴミ焼却灰は100いかないんです。今は80です。汚泥の焼却灰は800か900で、雨が降っても1,000くらいです。横須賀市はこの焼却灰を処理することができなくて、溜め込んで管理しているんですよ。なんで横須賀市の地元で800や1,000の灰を処理できず溜め込んでいるのに、県が横須賀に持ってきて、3,000~4,000のものを管理、放り投げようとするのですか。あなたそれでは世の中、仁義がすたるでしょうに。どうしてそんなつまらないことをするのですか?横須賀の行政はこけにされているということではないか。どうするのですかあなた。

 これから科学的根拠が変わったときに責任が取れないなら、行政の役割なんかないでしょう。危険なことはやらない。わからないことは安全を求める。当然でしょう。

 前川さん、あなたは東電からお金をもらったことないですか?あなたの研究室は本当にきれいだったのですか今まで。世の中の人は失礼だけれども、前川さんは電力村の人だと思っていますよ。

 知事

 横須賀の焼却灰の数字はかなりデータは動いていると思います。いつも80というわけではないと思います。数字には基準というものがあり、それに基づいてやっていきます。私は冒頭説明の中でも申し上げましたが、汚泥焼却灰の処理に困っています。国が8,000ベクレル以下なら大丈夫という基準を出していますが、なかなか地元の皆さんにご理解いただけなくて、焼却灰がどんどん積み重ねられている状況です。みんな困っています。

 その中で、8,000ベクレルという基準より神奈川県はさらに厳しくしています。東京都は8,000ベクレルのものは受け入れているんですね。でも神奈川はさらに厳しくして、焼却前の100ベクレルというのは厳しい基準です。それを焼却灰にしても3,300が最大だということ。これならば科学的根拠として今はこれを信じて行政を運営していけるだろう。これは他の放射性物質と比べても極めて低い数字でありますから、これならそういうご不安というものをあまり感じなくても済むのではないか。それとともに、今回、これを説明して終わりというのではなく、今後もずっと情報を公開し続けて、ご納得いただけるように誠意を持って対応し続けるということを申し上げているので、何とかご理解いただきたいと思います。

 前川教授

 私や私の研究室が東京電力から研究費をもらったことはありません。ただし、私自身が個人的にもらったことはあります。東京電力の事故収拾のために作業員が毎日3,000人くらい働いているので、その人たちのための救急医療室を作りました。これは関係省庁の方にご協力をいただいて超法規的に非常に短期間でそれを作りました。

 私はそこに3回入って当直医をしておりますので、その都度その謝金として東電からお金をいただいています。それだけです。

 参加者

 金沢区から来ました。今、放射線のことを言っていますが、全然危険物ではないということが前提になっています。それなら、特区か何かで、どっちみち津波の地域は高くしなくてはいけない。そのままそこに埋め立てて、周りをぜんぶコンクリートで高台を作ったらどうですか。それが私1番早いと思います。もめることもないと思います。それを特区という形でできないのでしょうか。

 知事

 被災地復興のために手を差し伸べるやり方はいろいろな形があると思います。それも選択肢の一つかもしれません。しかし、少なくとも今日来ていただいている工藤さん、現場の悲痛な思いは、早くがれきを処理したいということです。地元は一生懸命やっています。それでもなかなか進まないことがあるから、日本人として他の地域からも手を差し伸べて欲しい、そういう声が寄せられているわけです。

 今の基準の中で、科学的根拠に基づき、情報を徹底的に公開し、誠意を尽くして説明し、神奈川県も一枚岩となって手を差し伸べたいという思いをお話させていただいている。

 岩手県 環境生活部長

 先ほども説明しましたが、災害により発生した大量のコンクリートや海からの土砂は、現地におきまして復興資材として活用します。その中のひとつの案として、鎮魂の丘として、がれきと土砂を用いて津波の防潮堤にも、避難所にもなり得る施設を構想させていただいております。

 問題は可燃物です。可燃物は埋めるという処理は向かないと考えております。

 知事のまとめ

 本日は長時間ありがとうございました。なかなか言い尽くせないこともありますが、私の気持ちの中では何とかして東北地方復興に向けて何とか手を差し伸べたいという思いがあります。

 それで、100ベクレルという基準に対して、皆さんがご不安を持ってらっしゃる。国の言うことは信じられないという気持ちもよく分かります。それではこれをいくらまで下げれば、皆さんはご納得いただけるのでしょうか。50ベクレルであればご理解いただけるのでしょうか。なかなかそう簡単なことではないと思います。今、科学的な基準として100ベクレル以下、これは放射性物質に汚染されていないということでありますから、何とかしてこれを皆さんと一緒に受け入れましょう。何とかしてみんなで手を差し伸べるような神奈川にしたいと思っています。被災地を復興させるための温かい神奈川にしたいと思っています。まだまだご理解いただけない部分は、私はこれからも誠意を尽くして皆様を説得いたします。

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