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更新日:2018年8月27日

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第108回神奈川県総合計画審議会 審議結果

第108回神奈川県総合計画審議会の審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称 第108回神奈川県総合計画審議会
開催日時 平成25年6月7日(金曜日)10時00分から12時00分
開催場所 神奈川県庁新庁舎 12階 第12A・B会議室
出席者

金澤一郎、○江口隆裕、○斎藤聖美、牛山久仁彦、大賀圭治、大久保一郎、金子勝、
川名和美、マリクリスティーヌ、釼持賢祐、角野禎子、野村芳広、丸山善弘、植松正博、
齋藤文子、内野優、飯田誠、いそもと桂太郎、河本文雄、谷口かずふみ、寺崎雄介、
中谷一馬〔計22名〕(順不同)(◎会長、○副会長)

次回開催予定日 未定
問い合わせ先

政策局政策部総合政策課計画グループ 松田
電話番号045-210-3061(直通)

ファックス番号045-210-8819

審議経過(議事録)

(事務局が、委員数30名に対しこの時点で20名の出席を確認し、半数を超えるため審議会が成立する旨発言。)

1 開会
 金澤会長:ただいまから第108回総合計画審議会を開催いたします。最初に新委員のご紹介でございます。前回の審議会から委員の変更がございましたので、私からご紹介いたします。日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会会長の釼持賢祐委員です。続いて神奈川県議会議員の河本文雄委員です。寺崎雄介委員です。中谷一馬委員です。続きまして、事務局にも人事異動があったようですので、事務局を代表して政策局長からご紹介をお願いします。
 二見政策局長:4月1日付けで政策局長を拝命しました二見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。人事異動に伴う新任の事務局職員を紹介させていただきます。政策部長の小板橋でございます。総合政策課長の守屋でございます。総合政策課課長代理の中谷でございます。

2 議事
議題1 「かながわグランドデザイン 評価報告書2012」について
 金澤会長:それでは議事に入りたいと思います。議題は「『かながわグランドデザイン 評価報告書2012』について」でございます。審議に先立ちまして、部会での議論について江口部会長からご報告をお願いしたいと思います。
 江口部会長:部会長の江口です。よろしくお願いします。お手元に資料1「かながわグランドデザイン 評価報告書2012」がございます。私から全体の概要を説明させていただき、その後、事務局から詳細な説明をお願いし、最後、私の方から補足をさせていただきます。私ども計画推進評価部会では、プロジェクトごとに数値目標の達成状況、取組状況等を踏まえて県が総合的な評価を行い、それを部会で二次評価するというスタンスで議論を行いました。全体としては27のプロジェクトのうち、25のプロジェクトについては順調又は概ね順調、2つのプロジェクトについてはやや遅れているという二次評価の結果としております。部会の中でも色んな意見を頂戴しております。資料2「総合計画審議会二次評価の一覧」を見ていただきますと、例えば柱I(ローマ数字の1)のプロジェクト1では、二次評価として冒頭に「やや遅れている」という結論があり、付記意見として2つ記載しています。二次評価については、県自身の評価と結果としては同じこととなりましたが、部会としての意見を記載させていただいたということでございます。
資料1の117ページをご覧ください。ここに二次評価の全体をまとめさせていただいております。先ほど言いましたように27のうち25のプロジェクトを順調又は概ね順調、2つをやや遅れているとしており、全体としては概ね順調であるということであります。また、それぞれプロジェクトごとの代表的な意見を書いておりますが、これはまた後で私の方から補足的に説明したいと考えております。
今回の評価ですが、資料1の2ページ、3ページをご覧いただきたいと思います。2011年3月の東日本大震災の後、これを踏まえて2012年3月に総合計画としてかながわグランドデザインを作成しており、進行管理としましては、3ページに書いてあるようないわゆるPDCAサイクルの中のチェックに該当するということであります。このチェックのスタンスとしては、従来、A、B、C、Dで数値目標の達成状況を示していたわけですが、それだけではなく、事業の実施状況や県民ニーズ、社会環境を示す統計データなどを活用して多角的、総合的に評価を行うということを昨年11月の審議会でご確認いただいております。
このような中で、計画推進評価部会の委員の方々には大変活発な意見をいただいておりますので、この場で改めてお礼を申し上げます。具体的には、まず5月上旬に部会委員の専門ごとに3つのグループに分けて議論をし、さらに5月29日に部会で議論しております。その結果として、資料1の「かながわグランドデザイン 評価報告書2012」と資料3の「かながわグランドデザイン 評価報告書2012概要版」を事務局にまとめていただいております。まず事務局から、資料1と資料3について説明をお願いし、そのあと私から先ほどの説明を補足したいと思います。

(資料1、資料3に基づき、事務局説明)

 江口部会長:それでは、今の事務局からの説明を踏まえまして、部会でどのような議論があったかということについて追加の説明をさせていただきます。お手元の参考資料1にプロジェクトごとに、どなたからどのような意見が出たかということをまとめてあります。ただ、これはあくまでも主な意見ということで、グループ会議全体では非常に多くの意見をいただいております。いくつかのプロジェクトについて議論を紹介させていただきます。まず、数値目標と評価との関係ということについて、16ページをお開きください。プロジェクト3の「津波被害を軽減する対策の強化」ですが、県立都市公園や県管理港湾に整備する津波避難施設数という数値目標が1施設となっています。それに対して、実績が1施設だから目標の100%ということになっているが、本当にそれが適当なのか、また、目標としてはそれぞれの数値は達成されているが、全体として「順調に進んでいます」というのは危機意識が薄いのではないか、との議論が出ております。これはまさに、津波被害軽減対策の性質の意味を問うという議論だったわけであります。基本的には目標達成にはこのような取組みが必要であり、それ自体は評価すべきだという意見がある一方、県民の津波被害の軽減ということでは、目標値だけではなく、それ以外の取組みも必要であろうということで、二次評価としては、18ページの一番下の欄に、国の被害想定等を踏まえて、最新のデータに基づいた調査や整備、訓練や情報提供のしくみづくりなど、様々な取組みを進めていくべきではないかというコメントを付しております。
次に24ページをご覧ください。これは先ほど事務局から説明のありました、プロジェクト5の「犯罪や事故のない安全で安心なまちづくり」というところです。これについては、県民の満足度の指標が2012年の目標値で23%ということで、全体の4分の1にも満たないにも関わらず、概ね順調ということでいいのだろうか、といった議論が出ております。一方で社会環境のデータ、刑法犯認知件数の推移が25ページに出ておりますが、犯罪認知件数は2011年と比べて約10%減少しています。こういった数字が県民の実感に反映していないということがむしろ行政の責任ではないかという意見もありました。そこで二次評価でありますが、26ページをご覧ください。二次評価の「概ね順調」という下に、体感治安の向上に向けた、より一層の取組みの推進が必要ということと、犯罪や事故の起きにくい安全な社会づくりに向けてさらなる取組みの強化が必要という2点のコメントを付させていただいております。
続きまして68ページをご覧ください。プロジェクト16の「地域資源を活用したにぎわい拠点づくり」です。これについては、指標として4つ示されているわけですが、いずれも2012年の目標値が設定されておらず、そのために達成状況を把握することができないという状態になっています。それにもかかわらず、70ページの総合分析では、概ね順調に進んでいるという一次評価になっており、達成状況がわからないのに概ね順調とするのは違和感がある、というご指摘がありました。そこで、一次評価の総合分析欄に、東日本大震災等の影響によって、2011年の城ヶ島・江の島における入込観光客数等が減少しているという要因をきちんと記載したらどうかということで、追加的に書いていただいております。さらに、取組みはスタートしたばかりであり、すぐに結果が出せるものではないという点も踏まえまして、地域の魅力づくりに向けたイベントが開催されるなど、自主的な取組みが進み、機運が高まっている点を評価していいのではないかというご意見もありました。これらを踏まえまして、総合計画審議会の二次評価としては概ね順調ということですが、2014年の数値目標を達成できるよう、地域資源を活用したにぎわい拠点づくりの取組みが一層進められるよう期待するというコメントを付させていただきました。
数値目標というのは、そもそもそれだけで全体を表せるかという議論があるわけです。そういう意味で、部会では、数値目標だけでなくそれ以外の事項も勘案をして総合的な評価をするということで議論を行いました。また、そもそもこの数値目標でいいのかというご意見も頂戴しておりますが、これについては今後の課題として受け止めたいと考えております。
2番目に、今後の取組みに向けての新たな視点や課題を提起させていただいたものもございます。8ページをご覧ください。プロジェクト1の「かながわスマートエネルギー構想の推進」です。全体としてはやや遅れているという評価になっています。これについては、太陽光発電の導入拡大だけではなく、燃料電池自動車や定置型燃料電池の普及、それから神奈川県のこれまでの水力発電への取組みを積極的にPRしていくことが必要であるという2点のコメントを二次評価に付加させていただいております。
それから32ページをご覧ください。プロジェクト7の「県民が安心できる保健・医療体制の整備」であります。これにつきましては、一次評価として、プロジェクト全体としては概ね順調に進んでいるということでありますが、総合計画審議会の二次評価は、概ね順調に進んでいるとはするものの、特に今後の高齢社会の進展をにらんで、在宅で看取りまでの療養生活を送るとの視点に立って医療体制を考えるべきではないかということと、ICTの活用ということがプロジェクトの中にあるわけですが、ICTというのはメリットもありますがセキュリティの面での様々なリスク、それからコスト負担という問題もあるので、そこも踏まえながら検討する必要があるだろうという意見を追加させていただいております。
それから40ページをご覧ください。プロジェクト9の「障害者の地域生活を支えるしくみづくり」であります。これは、64ページのプロジェクト15、「明日のかながわを担う人づくり」とも関連して議論されました。プロジェクト9は障害者の地域生活を支えるということでありますが、障害者の生活支援という観点からは、学校を卒業する年齢を過ぎても就職できない障害者の社会参加の問題とか、バリアフリー化などの環境整備が必要ではないかというご意見が出ております。そこで、42ページのとおり、二次評価は概ね順調ということではありますが、社会参加の促進やくらしやすい環境づくりを一層進めていくということを付加させていただいております。それとの関係で、先ほど申し上げた「明日のかながわを担う人づくり」という中で、66ページにある二次評価の「概ね順調」の下に、支援教育を必要とする児童・生徒が増加している中で、障害の有無にかかわらず、ともに学ぶ環境づくりを推進していくということで、教育の面でも障害者の問題を取り扱う重要性について指摘させていただいております。
続きまして資料72ページをご覧ください。これはプロジェクト17の「行ってみたい神奈川の観光魅力づくり」というものであります。一次評価としては74ページに書いてありますように、プロジェクト全体としては、概ね順調に進んでいるということでございます。ただ、部会の議論としては、特に商店街の活性化という課題について、「にぎわいのある商店街が身近にあること」に対する県民の満足度が低いことなども踏まえて、もっと若手人材の育成に取り組むことが必要ではないかという意見が出ております。そこで、74ページの二次評価では、若手商業者の人材育成などにさらに取り組む必要があるというコメントを付させていただいております。
それから、104ページをご覧ください。プロジェクト25の「神奈川を世界にアピールする国際戦略」ということで、まさにグローバリゼーションを念頭に置いた項目であります。これにつきましては106ページに総合分析がございまして、プロジェクト全体としては、順調に進んでいるという一次評価でございました。部会の意見としましては、フェイスブックやツイッターなどを活用しつつ、神奈川から世界に向けた情報発信や新しいコンテンツの充実が必要ではないか、また、アジアやアフリカなど今後の成長が期待される地域との連携が課題ではないかという意見が出されております。そこで二次評価としましては、106ページの下にキンタロウが4人、「順調に進んでいます」というところの下に、今申し上げたような2点を付加意見ということでコメントしております。
以上、主なものをご説明いたしましたが、これらを総括したものとして資料1の117ページに総合計画審議会の評価として、最初に全体を、次に今申し上げたものの中でも特に主なものの二次評価の内容を書いております。最後に部会での議論を踏まえまして、県における事業実施上の工夫や部局間の連携、施策同士の組み合わせなどの工夫によりスピード感を持って課題の解決にあたってもらいたいということを付記させていただいております。
以上が部会での議論ですが、最後に報告書全体に関するご意見を若干紹介させていただきます。一部の委員から、今回の報告書の記載内容について、県民が読みやすいものになっているのだろうか、他方、データなどについてもっと詳しい説明が必要ではないか、なかなか両立しがたいのですが、このような意見をいただいております。これをどうするかということでありますが、一つは、先ほど事務局からありましたように資料3、全体が一覧で分かるようなものを作っていただいたということと同時に、データについては、例えばプロジェクトの5、25ページをご覧いただきたいと思いますが、部会での議論も踏まえて、主な取組みや統計データに関する情報として、それぞれのホームページのURLを追加で掲載しております。そうしますと、このかながわグランドデザイン自体がネットからアクセスできますので、関心のある方はさらに統計の元データにアクセスできるという工夫もさせていただいております。全体としては、こういった両立しがたいご要望の中で、現在のようなものになったということでございます。
以上で説明を終わらせていただきますが、ぜひご審議のほどをお願いします。
 金澤会長:ありがとうございました。ただ今のご説明に対しまして、皆様方からご意見いただきたいと思います。なるべく多くの方からお話をいただきたいので、簡潔にご意見をお願いします。丸山委員、どうぞ。
 丸山委員:プロジェクト1の関係で質問をさせていただきます。数少ない、キンタロウが2人の「やや遅れている」との評価です。このプロジェクトの中身についての部会での討議の内容についてもご説明をいただきました。129ページのプロジェクト事業費の予算消化率を横目で見ると、基本的には他のプロジェクトと比べて5ポイントから10ポイントぐらい予算消化率としては遅れていると見たときに、例えば再生可能エネルギー等の導入促進のところについて、それが予定よりも進まなかったがゆえに、それに対しての補助や執行が遅れたというふうに理解してよいのでしょうか、というのがひとつです。
それから、評価報告書の概要版を作るということは大変よいことだと思うのですが、その中で、プロジェクト1とプロジェクト21が「やや遅れている」という評価になっていると思います。こういう取組みをしてきてこういう評価でした、というものを示すものですけれども、順調、おおむね順調というものはいいと思いますが、評価としていまひとつという評価があるものについては、※印で問題意識は書いてあるのですが、これについては、こういう方向でしっかりとやりたいという、意思表示をしたほうがいいと思います。少なくともこのプロジェクト1と21の※印の部分というのが、2013年度のところで強化していきたいという意思がある中身だと認識をしますけれども、この見せ方というのはもう少し強調した方がいいのではないかということも意見とさせていただきます。
 金澤会長:ありがとうございました。今の分は2つとも事務局から答えてください。
 守屋総合政策課長:プロジェクト1の事業費ですが、巻末の資料のとおり、プロジェクト全体では64%という予算化率になっている中で、これにつきましては56%と数字が少し下がっているというお話だと思います。主にこの中で進んでいない大きな理由というところでは、太陽光発電の設備容量の充実にかかる取組みの部分かと考えております。2012年度の主な取組みと成果にある「(1)太陽光発電など再生可能エネルギー等の導入促進」というところにございますけれども、直接的に予算のところでは住宅の太陽光発電の設置に対する補助、こういったところが先ほどの予算化率の数字に直接はつながってくる話にはなろうかと思います。一方で、予算には現れない部分でございますけれども、屋根貸しによる太陽光発電の設置ですとか、メガソーラーの整備、県内のそれぞれのところで取り組んでいただいているものもございます。そういった意味では、予算化との関係でいきますと、直接的にはこの一般住宅への補助の部分が計画どおりには進んでいないところが効いているという話になろうかと思います。
それから、先ほどのパンフレットの※印のところに、もう少し課題認識を書いたらどうかというお話でございますけれども、もう少し、課題意識はこれなんだということがわかりやすくなるように、何か良い工夫を考えたいと思います。
 金澤会長:それではクリスティーヌ委員どうぞ
 クリスティーヌ委員:長く委員をやらせていただいていますので、いくつか疑問に思うことを述べさせていただきます。毎回、このように私達が評価するのですが、他の方がご覧になって上がってきたものをいいか悪いかということだけを申し上げるのですが、本来ならば私達もプロジェクトをいくつか見させていただいて、実際に私達の目で確かめてから評価させていただいたほうが、本当は正しい意見を述べることができると思います。
もうひとつは、各プロジェクトに関して、以前は予算が記載されていた気がします。今はこのプロジェクトひとつひとつにいくらの予算がおりているか出てこないわけですが、妥当か妥当でないかの判断をするに当たり、費用対効果の部分も必要かと思うので、もし公にしたくない場合は、せめて私達にはプロジェクトにいくら使われているかということを知らせていただきたいと思います。
各プロジェクトについてですが、まず再生エネルギーに関しては、私も何人かに大型施設の屋根を紹介してもらいたいと頼まれて、紹介させていただいたりするのですが、一企業がこういうプロジェクトをやりたいので屋根貸しをしてくださいとお願いしても、県からのお墨付きや県の取組みの説明をしないと難しいと思います。また、公的な建物にはかなりやられていると伺っているのでそれはいいと思うのですが、一般家庭になると、太陽光設備はまだ価格が高いわけですから、できる家庭とできない家庭もあるので、そういうところに対して、どのように対応していくかということがひとつ課題になると思います。
それから、安心・安全についていつも思うことですが、目に見えている安心・安全と警察側から出されている安心・安全とは少しズレがあるような気がします。警察にとっては自分達が守りやすい環境をつくるための安心・安全であって、一般市民が求めているものとのミスマッチがあると思います。例えば、幼稚園の目の前にバス停があって、子どもたちがケガをされたりする時に、バス停を動かしてくださいとお願いに行くと、ここにバス停を置かないと困るので動かせませんと言われたりして、十分な協議がなされていない地域が結構あるようです。ですから、警察にはそういう話し合いの場をもてるような環境整備をやっていただけると話が前に進むようになると思いますが、今は事故が減りましたとか交通違反が減りましたなどといったことだけになっているのではないでしょうか。
また、サイバー犯罪についてですが、サイバー犯罪に対応できる警察官が非常に少ないですので、例えば神奈川県のIT大学を上手く活用して、そういう警察の仕事ができるようなしくみを大学の中でカリキュラムとして作りあげて、警察官としてではなく、サイバー犯罪の専門家として雇用できるようなしくみを作るとか、もう少し幅を広げて、仕事のリソースを繋げ合わせるようなイマジネーションを作っていただいたほうがいいのではないかと感じます。
 金澤会長:ありがとうございました。現場感覚の鋭い意見を色々いただきました。
 江口副会長:とりあえず私からお答えできることについてお答えをして、必要があればまた事務局から補足をお願いしたいと思います。
最初に、プロジェクトの評価を行いたいということでありますが、実は総合計画審議会の委員の中にも、計画推進評価部会の委員になっておられる方がいまして、そういう方は評価に参加していただいています。ただ、審議会の委員の先生方もお忙しいので、皆さんに全部のプロジェクトの評価をお願いするというのも中々大変なことです。
それから2番目の予算の話ですが、昔は予算を全部出していましたが、予算を出すと今度は逆にすごく複雑で分かりにくいということになるのです。またご存知のように、この評価自体も非常に紆余曲折と言いますか、細かく出してみたり、かなりまとめてみたり、評価についても前回は数値目標をABCで評価し、Aがいくつとか、Bがいくつとかということをやっていたのですが、そうすると逆にそれに偏りすぎるのではないのかということで、今年は、総合評価ということで指標も含めて評価するということに変えているわけです。そういう経緯がございまして、予算を隠しているということはないのです。なお、予算消化率が書いてありますが、審議会で全体の概算額くらいを示す工夫ができるかどうか、これは事務局からお答えいただきたいと思います。
また、エネルギー政策の個別家庭への対応については、事務局でお答えいただければと思います。
それから、安心・安全の話でございますが、先ほど言いましたように24ページを見ていただきますと、そもそも県民意識というのは目標値自体が2014年27パーセントとなっていて、これは安心だと思うような県民が3割しかいないということ自体に、この数値の取り方の難しさが出ているのだと思います。ただ、25ページの犯罪認知件数というのはかなり下がってきているということです。なお、クリスティーヌ委員がおっしゃった県民との連携の話ですが、これは25ページの1番上の(2)のところに、県民との連携などの推進とありますので、ご指摘のケースについて、事務局から補足をお願いできればと思います。
それから、サイバー犯罪の対応ですが、これについては26ページの今後の課題の中に、新たな手口等への対策、効果的かつ実効ある活動の推進を挙げているのですが、ご指摘のような警察官の養成も含めた大学との連携というものが可能であれば、事務局からお答えいただきたいと思います。
 二見政策局長:多数ございましたので、私から簡単に説明したいと思います。
太陽光の屋根貸しのご意見ですが、県では、こういうメリットがある業者なのでどうぞという認定をするということをやっているんですけど、それがあまりにも普及していないなということは改めて感じました。もう少し県が認定した業者ということを分かるように、そして安心を持っていただけるようにするべきだなと思いました。
それから太陽光発電の普及に関してのご意見ですけれども、基本的に県が大量に補助金を投入して、高価な太陽光発電のパネルを載せることができない人たちにも力ずくでやっていこうという考え方ではありません。太陽光パネルの値段を引き下げることによって普及していこうとしていて、そこには、民間の力を使ってやっていこうという発想があります。民間の力を使ってコストを下げてやっていくということの方が将来的には普遍的に回っていくものと思いますが、まだその仕掛けが十分に回転し始めていない状況であると思っています。
それから、警察の治安の関係でありますけど、確かにこちらが用意した指標で治安が進みましたというのと、体感される治安とのずれというのはあると思います。事例に挙げられましたバス停の位置などについて、警察も民間の方と納得したうえでできるような仕組みというのは大切だと思います。そういうことができて初めて身の回りの安全が進んだというのが実感していただけると思いますので、ご意見は警察に伝えて参りたいと思います。また、サイバー犯罪のところですが、警察でも力を入れようということで動き始めています。今年の政策課題調整を、知事と警察本部長との間でやったところ、サイバー犯罪というのは非常に取り組むべき問題だと二人とも認知をされましたので、意識を非常に高く持っております。IT大学のところで取り上げるといった、そこまで具体的に進むかどうかわかりませんが、今日委員からご意見をいただいたことをきちんと伝えて対応していきたいと思います。
 金澤会長:他にいかがですか。金子委員、どうぞ。
 金子委員:まず、プロジェクト2のエネルギー関連産業でベンチャーの集積と書いてありますが、予算を見ると、1年単位で3千万円程度で、誘致の件数や技術連携の件数が非常に増えています。これは県の成果だということですが、私は納得できません。増えているものは、実際の予算が絡んでいる件数なのかどうかだと思うんです。実際、川崎にはエネルギー関連のベンチャー企業が大量に集積し始めていますし、住友林業関連のバイオマス発電とか、Jパワーによる効率的な石炭発電の立地を実施していて、非常に政令市の力があります。横浜市は、若干遅れている面もありますけど、バルセロナ市との協定を結んだりして、太陽光についても積極的にやっているということから言うと、この予算の少なさと成果の評価というのがつながっているのか今ひとつ分かりません。むしろ、逆にこういうことを進めている政令市と協力して実施している、何がしかの政策的な予算と効果とのつながりについての説明が必要な気がしました。プロジェクト1の未達成の状況については、もっと基礎自治体における中小企業を含めたファンドの作成で、地場の中小企業の力を引き出して、太陽光発電を自分達でやっていくことが要なのではないでしょうか。屋根を貸して大手の業者にやらせて、利益を持っていかれるというのは、あまり望ましいことではないように思えます。例えば、小田原のほうとくエネルギー株式会社みたいに、地場の企業が参加して小田原市と組んで、屋根貸しをやるというような事業もあるわけです。そう考えるとベンチャーとかいうことよりは、地元の自治体レベルで中小企業の力を活かして、ファンドを作って、そこに県と市町村が協力して、力を引き出していくということが、これから日本全体の流れになっていくのではないでしょうか。それから、世田谷区では補助金だけではなくて、媒介してまとめ買いをして、コストを落として地場に供給しています。媒介になる自治体の役割は、色んな手があるようになってきていて、そういう工夫も必要な気がします。全国の動向を見て、何が足りないかとか、こういう工夫が必要だとかいうことを、もう少しポジティブに色々な提言を投げていったほうがいいのではないでしょうか。
もう一つ、電気自動車ですが、多分、日産が神奈川に立地しているので、それとの絡みで電気自動車の普及を県がやってきたはずです。ただ燃料電池車の場合も電気自動車の場合も、問題は高速充電のインフラです。燃料電池の場合も、水素自動車の形になると、燃料補給のインフラが結局ネックになっているので、つまり、デモンストレーションで、電気自動車を普及しましょうという時代は終わりかけていて、インフラ整備をどうするのかについて、何か役割を果たせることを考えていかないと、目標の壁を越えられないんではないかと感じました。
プロジェクト3のところに指標として出てきている「津波避難ビルに指定されている建物があることを知っている人の割合」が、41パーセントだとすると、こういう数値を引き上げるには、単に訓練を行うとか施設の建設などのインフラ整備だけでなく、実際に東日本大震災でどこに避難してよいかわからなくて、いろんな問題が起きたことを考えると、ある時点で避難ビルや避難施設の整備計画を明示して、例えば横浜から小田原に至るまでの沿岸の自治体と協力して、地図と計画を全ての家庭に1枚ずつ配付するくらいのことをやらないと、せっかく施設を作っても機能しないという事態を克服することができないのではないでしょうか。予算はかかりますけど、その程度のことをやれば、どこに避難ビルがあってどこに避難所があってという周知徹底はできると思います。
それから、先ほどのプロジェクト6と7ですが、今の医療費や介護の体制を考えると、将来的に施設だけでは対応できないというのもよく分かるんですが、地域包括支援センターが増えたことで包括ケアが進んだとは思えません。システムとしての医療や介護、在宅、様々な施設の連携や、県が医師会や介護施設等とのネットワークシステムをどうやって作るのかということなど、いろんな問題が発生しているので具体的な問題に対して、地域包括支援センターの数が増えたとか職員の数が増えたということで問題が解決しているようには思えないです。マイカルテがあるのであれば、一人ひとりにケースマネージャーでもかかりつけ医でもいいのですが、神奈川県独自に、最後に安心して在宅で看取りできるような体制づくりを何か考えて、指標をつくっていかないと、現状でなんとなく地域包括支援センターが増えたので安心してくださいということにはならないと思います。これは難しいですが、神奈川県独自として、どういう包括的な支援体制が作っていくのかというビジョンづくりのところと絡めて、指標を選んでいくように工夫をしていかなければならないというのが私の意見です。
 金澤会長:どうもありがとうございました。多くの建設的なご意見がありました。何かあれば事務局からお願いします。
 二見政策局長:全部に答えている時間はありませんが、先進事例を見るようにというお話などは、非常に貴重なご意見として受け止めていきたいと思います。
 金澤会長:どうもありがとうございました。他にどうでしょうか。多くの方からのご意見を頂戴したいと思います。角野委員、どうぞ。
 角野委員:今までのグランドデザインに比べて、全体的には、この「県民ニーズの動向」が非常に参考になりました。というのは、ニーズが高いものであれば、この次の2年間、3年間のプロジェクトとしてそういうものを入れていくという方向になれると思うので、参考にはなったんですが、そうすると、5ページにあります「県民ニーズ調査」というところの客体をもう少し、年齢分布とか、あるいは男女比率とか、その辺がもう少し分かると読み込みができると思います。
それから、全体としてちょっと気になっているのが、プロジェクトの中に相反するようなものが多少入るのではないかという点です。例えばプロジェクト14だと、いじめと児童虐待が同じプロジェクトのところにありますが、親が虐待することと学校のいじめというのは、全く別の考え方で対処していかないといけません。もちろん虐待も多いものですけれども、やはり学校でのいじめというのも非常に問題になっていて、全国の調査だと年間360人近い子どもたちが自殺をするわけです。全国では指針も出されていますので、そういうところも神奈川県として対応をしていかないと、この認知件数が少ないというところへ非常に寄りかかっているような気がします。
あるいは、男女機会均等、これもプロジェクトがありますが、いつもライフワークバランスというのが出てきますけれども、最近の女性が働くという問題では、一つの仕事をシェアする考え方が非常に強くなってきて、それを行政の力で一つにまとめられるような形というのが新しくなってきています。そういう考え方も入れていくようにしないと、人生楽しむのと働くのとをバランスよくしましょうというようなことのみ、男女機会均等法の話になると出てきてしまいます。神奈川としては、もう少し新しいものを出していただけたらと思います。
それから、プロジェクト7の医療ですが、救急についてはかなり予算も付けていただいて、充足がされてきていると思います。しかし、現場では、救急は何とかいっているけれど、その次の受け皿がありません。さっき先生がおっしゃったように、包括支援センターを増やすというところが今の現実はありません。もう病院から退院する人たちが今の特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入居できない状況と、包括支援センターを増やしましたということに、かなり間が空いているというような印象があるので、もう少しプロジェクトに関しては現場の考え方や実際に起こっていることがもう少し反映されれば良かったのではないかというのが全体的な印象でした。
 金澤会長:どうもありがとうございました。現場感覚の鋭いご意見をいただきました。受け止められますね。
 二見政策局長:いただきましたご意見、きちっと受け止めたいと思います。一点だけ、いじめと虐待のお話がありましたが、ここでは一つのプロジェクトに入っていますが、県ではきちんと原因を分けてきめ細かく対応していくということをご理解いただきたいと思います。それから、認知をすることが大事だということも、全国先進的に取り組んできたところがありまして、今回は、認知して改善をしたものを指標に据えようということでやっており、そこは非常に意識をしたものであるということだけはご理解いただきたいと思います。
 金澤会長:ありがとうございました。大賀委員、どうですか。
 大賀委員:プロジェクト21「神奈川の自然環境の保全と活用」ですが、一つはこの目標の、県内の緑地の面積の割合というのは、分母に何をとっているのでしょうか。県の全域の面積をとっていないとすれば、定義次第でこの数字はあまり意味のある数字にならない可能性があると感じます。それから、里地里山の保全に取り組む団体の数といったときに、団体とは一体何なのか、市町村なのか、森林組合なのか、それともボランティアなのか、これも定義によってころころ変わってしまいます。非常に小規模な団体をとっている場合など、分母の数が動くような数字であれば意味がないし、団体というものが抽象的でわかりにくく、これも定義の問題でこれから改善していかなくてはいけないと思います。あまりはっきりイメージできない数値目標をベースにして評価を行うこともなかなか大変で、取組みをすれば数値が改善されるようならよいのですが、どれだけ取り組んでも改善されないような数値では問題だと思います。里地里山の保全と活用の取組みは、地域選定と団体認定を実施したということで、認定したら取り組む団体の数が増えたということになるのかが疑問です。「地域の合意形成に時間を要したことによるものです」ということですが、逆に合意形成に取り組んでいるということが重要であり、合意形成して計画書ができあがって終わりいう性格のものではないと理解します。
 金澤会長:今のことは、事務局から説明だけしてください。
 守屋総合政策課長:まず数値目標の件です、県内のみどりの面積の割合、目標としては、県内47.8%、これは県内全域を占めるみどりの面積の割合ということです。
 大賀委員:分母の数は何ですか。
 鈴木副課長:みどりの面積の割合は、県内全域の面積に対してどれだけかということになっています。
 大賀委員:それから、里地里山の方はどうでしょうか。
 鈴木副課長:県内のみどりについて、山間部から、里地里山地域、それから街、全体でどのように取り組むかというプロジェクトの構成になっており、里地里山については、県で2008年に里地里山保全に関わる条例を作りました。その中で、里地里山の保全活動をする団体を増やしていこうという取組みを環境農政局でやっています。そうした取組みの中でどれだけ進んだかというところです。実際、現在の総合計画を策定する際、先ほど金子委員からあったように、県の取組みと数値目標の関係がなかなか見えないという意見がありました。そういう中で、取組みの成果がわかるような数値目標を設定しようということがあり、県の条例で設定した保全活動をする団体をどれだけ増やすかということを数値目標にしたものです。
 大賀委員:今まで認定された団体がどのようなものかイメージができないと、例えば10人の団体も、市町村も、森林組合も全て団体ですというように、色々な団体を全部数えていくつあると言っても、効果が見えているのか見えていないのか、私にはよく分かりません。市町村の数であれば母数が動かないから、何%というのはかなり意味があると読めます。これは他のことにも関わるのですが、今日、議論のあった中で言うと、老人ホームの整備床数という話も、需要との相互関係が明らかにならないと、需要が強烈な勢いで増えているのに、供給がわずかでは皆さんの要望は満足されません。よく我々が意識するのは、待っている人がいったいどれだけいるのかということです。保育所も定員が増えているからよいと言っていますが、待っている人がいなければ、増やしていけばよいというものではなくなります。やはり需要人数、極端に言えば、子どもの数に対する割合や必要としている人たちに対する割合、需要との関係をきちんと抑えないといけません。絶対数で抑えるというのは、多少、私は抵抗があります。次の計画のときに工夫した方がよいのではないでしょうか。
先ほどの里山、自然環境も、全体のみどりの面積の割合が半分もあると山がほとんどでしょうから、実際に努力した部分は、統計的に見ると誤差の部分でしかありません。46.6%を47.8%、2年間で1.2%増やすという目標ですが、誤差を議論するような数字にならないよう、努力との関連がよく現れるような数字にした方がよいと思います。
 金澤会長:ありがとうございました。それでは続けて、ご意見をいただきたいと思います。川名委員どうぞ。
 川名委員:1つ目は、プロジェクト3の「津波被害を軽減する対策の強化」ですが、県レベルでは、ハードよりもソフトの方にこれから力を入れていただきたいので、一つには、防災教育の視点を盛り込んでいただけないかと思います。いくら津波の防波堤を造っても、いたちごっこで、もっと高い津波が来るかもしれない。やはりソフトをどうやっていくかがこれからの課題ですが、「市区町村で防災教育をやりたい」と言っても予算がつかない状況です。やはりそういう意識があまり高くないようなので、小中学校でいざというときに対応できるような教育に県レベルで取り組む必要があるのではないでしょうか。
2つ目、プロジェクト9の「障害者の地域生活を支えるしくみづくり」ですが、障害者の「害」という字を最近ひらがなで書いているような気がするのですが、この辺はどうお考えでしょうか。最近、公的な文章は「害」はひらがなで表記されていると思いますのでご確認いただきたいと思っています。
3つ目、プロジェクト13の「子ども・子育て応援社会の推進」のところですが、全国的に横浜モデルというものが注目されていながら、その自治体が入っている神奈川県はどうなのか、非常に注目する項目だと思います。株式会社の参入ですとか、新しい形態に注目が行っているわけで、単なる認可保育所の定員数だけで指標をみてよいのか、もっと多様な組織形態の参入をどうお考えなのかという点をお尋ねしたいです。
4つ目、プロジェクト17の「行ってみたい神奈川の観光魅力づくり」にある商店街の活性化で、最後に「若手商業者の人材育成などに取り組む」とありますが、若手だけではなくて、女性の組織をいかに商店街で活用しているかということがかなり注目されています。いわゆる女将さん会ですとか、若手の女性の会ですとか、若手と女性というのが国の方針にはあるので、そういうところを入れていった方がよいと思います。
最後にプロジェクト19の「NPOの自立的活動と協働の推進」のところですが、最近のキーワードである、「ソーシャルビジネス」、「ソーシャル」という言葉が入っていないのが気になりました。と言いますのも、神奈川県、川崎や横浜は、全国的に見ても市民活動ですとか、ソーシャルビジネスの取組みが市民の意識として高い地域であります。「ソーシャル」という言葉はもう手垢が付いたかと思うかもしれませんが、おそらく定着していくのではないでしょうか。「NPO以外の法人の参画の増加」と書いてありますが、どこかに「ソーシャルビジネス」とか「社会的企業」という言葉が入っていた方が、神奈川県としてはよいのではないかと思いました。
 金澤会長:いろいろと建設的なご意見ありがとうございました。江口部会長から、横浜モデルの話は評価報告書58ページで触れているとのことです。その他、全体的にどうですか。
 守屋総合政策課長:障害者の表記のことについて、お話がありました。最近、国からの通知等の文書では、ひらがなが多くなっております。一般的に出版物等について調べたことがありますが、ガイドライン等で表記の仕方までは示されておりません。行政の中では混在している状況であり、再度、確認させていただきます。
 金澤会長:それでは中谷委員どうぞ。
 中谷委員:私からは数値目標の成果指標について意見を述べたいと考えています。アウトプット的なものがアウトカムになりつつあるような指標がかなりあると思いました。例えば理想的なプロジェクトの例で言うと、評価報告書100ページのプロジェクト24の数値目標、「かながわ若者就職支援センターで就業支援を受けた人の進路決定者数」については、県としてどのようなアプローチをして、それに対してどれほどの人が来てくれて、その結果どうなったということが、この指標では示されていると思いましたが、類似したものでは48ページのプロジェクト11の数値目標「留学生を対象とした会社説明会への参加学生数」については、会社説明会へ参加した人数に留まっており、その結果どうなったのかといったことを、きちんと明示していく必要があるのではないかと感じました。その他、60ページのプロジェクト14の数値目標「子ども・若者総合相談センターで受ける相談件数」ということで、これも相談を受けた件数となっており、その後、どのようになったのかということが反映されていない指標になっているので、改善が必要かと思いました。次に96ページのプロジェクト23の数値目標「神奈川発独創的技術の開発件数」というものがありますが、こちらも開発件数が、その後実用化できたのか、商品化できたのか、要するに社会に対してどういったインパクトを与えたのかということをきちんと発信していく必要があると思います。また、2012年度の主な取組みと成果に、中小企業の海外事業展開に向けた支援というのがありますが、どれだけの企業が海外に進出していったかというのは重要な指標になるので、この3つの数値目標に加えて1つ入れてもよいと思います。加える数値目標は、海外進出セミナーの開催件数やモニタリングではなく、出てきた件数が見える形になった方がよいと思います。プロジェクト25、104ページですが、数値目標の上から3項目は、大枠の誘致件数や外国人宿泊者数を捉えているが、4番目の「湘南国際村での国際会議や国際交流イベントなどの開催件数」で、とても小さい指標になっています。ここも神奈川県における国際会議やイベントの開催件数となれば、他の項目とバランスがとれてよいと思います。
 金澤会長:前半の話は江口部会長からお願いします。
 江口部会長:指標をどのように捉えるのかということについては、難しい問題があります。今のご意見については、次回の計画策定の課題とさせていただければと思います。その他事務局から補足があればお願いします。
 守屋総合政策課長:相談の件数ではなく、その先の結果を捉えるべきだといったご意見をいただきました。本当の意味でアウトカム指標として設定されていくということもありますが、例えば、窓口に訪れた件数はカウントできますが、その後の追跡までは難しい面があります。今後の検討課題とさせていただきます。次に湘南国際村の件ですが、民間との共同プロジェクトで県内の国際交流拠点として位置づけて整備したという経過がありますので、まずはそうした設置目的に沿ったイベント等の実施を目標に設定させていただいたところです。
 金澤会長:ありがとうございました。時間がきてしまいましたが、他にご意見はいかがでしょうか。内野委員、どうぞ。
 内野委員:数値目標は皆さんが意見を出されているので、今後どのような数値目標が必要なのかは議論されていると思います。予算があって、予算の実施件数が一つの施設を作れば、達成率が100%になってしまうとは思いますが、必要なものに対してどれだけのニーズがあるのかの把握は必要だと思うのです。そういった中で、神奈川県には政令市が3市あって、ある程度権限が移譲されてきますので、例えばみどりの数値にしても、神奈川県全体の数値を捉えていくのか、横浜市や川崎市など政令市は政令市として数値を捉えていくのか、この部分はすごく難しいと思います。
県は行政センター単位で区分けされていますが、先ほどの在宅の高齢者の必要な人数や待機児童などが県西部に行くとどうなのかといったデータがないと、県の総合計画そのものが実態に即さないものになってしまうのではないでしょうか。県西部に行くと、子どもたちが少なくて高齢者が増えているといった話もあると思うのです。この辺の数値の実態調査を今後どのようにしていくのでしょうか。横浜市民に神奈川県民という意識は絶対に無いと思いますので、その辺をどのように神奈川県として捉えていくかが今後の総合計画の課題だと思います。
 金澤会長:ありがとうございました。大変大事なご指摘をいただきました。部会長、いかがですか。
 江口副会長:ご意見はごもっともですが、これは県と政令市のあり方をどう考えるかという非常に根源的な問題で、単なる統計の問題ではないと思います。その辺は事務局とも相談になりますが、恐らく県と政令市を3つ掲載してしまうと非常に複雑になってしまうので、例えば、ネットへアクセスする時には、データを県と政令市を分けて出せるかなど、関心のある方がネット上からは見られるような工夫ができるかどうかだと思います。実際、すべてを掲載してしまうと、県と3政令市、その他になって分かりにくくなってしまい、そこが常にジレンマになります。ご指摘はそのとおりなのですが、統計データについてはネットを使った工夫を考えさせていただければと思いますが、事務局はいかがでしょうか。
 守屋総合政策課長:プロジェクトごとに掲げている施策でも県市の役割分担もありますので、一つひとつ整理や点検をしながら、政令市分を分けて表示した方が良いのか、あるいはネットで見えるようにしたら良いのかを含めて、個々に検討させていただきたいと思います。
 金澤会長:ありがとうございました。前向きの建設的なご意見をいただけたと思います。恐らく、今回の報告書にも多少の文言の変更も掲載させることはあると思いますし、来年度以降の部分もあると思います。
 江口副会長:一つだけお諮りしたいのは障害者の表記の問題です。先ほどもございましたように、障害者の「害」というのは、害悪の害という字が用いられています。かつては難しい漢字を使っていましたが、それは当用漢字にありませんでしたので、今の表記となっています。障害者団体からは「表記を直したから障害者問題が解決するものではない」という議論もあり、ベストというものは無いのかもしれませんが、県で統一がされていないのであれば、この報告書にある障害者の「害」についてはひらがなにするということで、ここで合意をいただいて修正していただくのはいかがでしょうか。多少の議論があったとしても、それほど大きな反対はないのではと思うのですが、いかがでしょうか。
 金澤会長:ひらがながよろしいのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
 内野委員:ほとんどの市町村がひらがなを使っています。法律の名称は漢字のままで良いのですが、海老名市では通常の障害者福祉など、こういった市民に対するものは使い分けています。
 二見政策局長:法律論や計画策定の関係は全く別にしまして、この審議会からいただいた意見として重く受け止めて検討させていただきます。できるだけ修正する方向でやりたいと思います。
 金澤会長:そういう変更を含めて基本的にお認めいただけますでしょうか。ありがとうございます。文言の修正や調整については、大変恐縮ですが会長にお任せいただければと思います。
これをもちまして今日の議題は終わりとなりますが、事務局から何かございますか。
 二見政策局長:今日は熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。本当に参考になるものがたくさんあったと思います。今回の評価報告書につきましては、黒岩県政で、「かながわグランドデザイン」が初めて評価をいただいたというような位置づけになります。これは真摯に受け止めて県政の改善につなげていくことが重要だと思いますので、そこはしっかりと知事にもお伝えしたいと思います。
計画論や目標の話が結構多かったと思いますが、その辺りは次期計画の時に考えていきたいと思いますし、具体的な事業や身の回りのことについては次期計画ではなく、すぐに対応していきたいと思います。それから内野委員からありました政令市のデータについては、計画論としてではなく、ちゃんと分かりやすく有効な分析をする上では大事なことなので、平行してそれは考えていきたいと思います。雑駁ではありますが、そのように対応したいということで、御礼の言葉とさせていただきます。
 金澤会長:本日の審議会はここまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。

会議資料

資料1_かながわグランドデザイン 評価報告書2012(案)[PDFファイル/3.28MB]

資料2_総合計画審議会の二次評価(案)一覧[PDFファイル/303KB]

資料3_かながわグランドデザイン 評価報告書2012(概要版)(案)[PDFファイル/5.22MB]

参考資料1_計画推進評価部会における意見と県の対応[PDFファイル/209KB]

参考資料2_「かながわグランドデザイン」の進行管理について[PDFファイル/193KB]

参考資料3_今後のスケジュール(予定)[PDFファイル/204KB]

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