平成28年春のヒノキ花粉飛散量は昨年より多い-平成27年度県内ヒノキ雄花の着花量調査結果まとまる-
平成28年1月29日 |
記 者 発 表 資 料 |
(県政・厚木・大和・相模原・平塚・藤沢・秦野・小田原記者クラブ同時発表)
自然環境保全センター(厚木市七沢)では、平成28年春のヒノキ花粉飛散量を予測するため、花粉を飛散させる雄花の着花量調査を県内のヒノキ林40箇所で実施し、結果をまとめました。ヒノキの雄花量による花粉飛散予測は、全国で初めて行うものです。
1 調査結果の概要
今回の調査では、ヒノキ林40箇所の着花点数の平均値は52.5点となり、少なかった昨年度(平成26年12月調査)の34.7点を上回り、一昨年度の52.3点(平成25年12月調査)に近い値になりました。本調査開始から4年間の平均値は46.3点で、今回の調査結果は、4年間で最も高くなりました。地域別の着花点数は、県北部が72点と県内平均値より高く、他は大差ありませんでした。
今回の調査結果から、平成28年春の花粉飛散量は、少なかった昨年(平成27年春)と比べると増加し、例年よりやや多くなると予想されます。
2 調査の概要
(1) 調査期間 平成27年12月18日から平成27年12月25日
(2) 調査地 県内森林地帯を次の4地域に区分し、合計40箇所を対象とした。
地域 | 調査地 | 箇所数 |
県北部 | 相模原市緑区 | 8箇所 |
県央・湘南部 | 厚木市、秦野市、伊勢原市、清川村 | 9箇所 |
県北西部 | 南足柄市、松田町、山北町 | 9箇所 |
県西部 | 小田原市、箱根町 | 14箇所 |
(3)調査方法 各調査箇所のヒノキ林において見通しのよい10本を調査木とし、望遠鏡等を用いて、次の6ランク区分により、1本ごとに着花状況を判定。着花点数の合計値(100点満点)を着花点数とする(参考資料注2参照)。
雄花の着花状況 | 着花点数 |
A:木全体に密度が非常に高く着花が非常に多い | 10点 |
B:木全体に密度が高く、着花が多い | 5点 |
C:木全体に着花するが密度が低い、一部の枝に着花が多い | 2点 |
D:一部の枝に着花するが密度も低く少ない | 1点 |
E:一部の枝に着花するがまばらで非常に少ない | 0点 |
F:雄花がほとんどないか着花が認められない | 0点 |
調査ヒノキ林の状況(厚木市七沢、平成27年12月)
この時期の雄花は白色を帯びており、雄花が多く着花し樹冠全体がやや白みがかっている。
花粉を飛散する雄花の着花状況(南足柄市内山、平成27年12月)
枝の先端部にゴマ大の雄花が多く着いている。
参考資料:県内ヒノキ雄花の着花量調査について [PDFファイル/101KB]
(問い合わせ先) 神奈川県自然環境保全センター 研究企画部長 山根 研究連携課 主任研究員 齋藤 |