更新日:2023年6月21日

ここから本文です。

企業における取組

企業においては、生物多様性の保全や配慮に関する取組について、社会貢献活動や事業活動に反映していく動きが見られつつあります。

企業においては、生物多様性の保全や配慮に関する取組について、社会貢献活動や事業活動に反映していく動きが見られつつあります。

企業により県内の様々なフィールドで行われている生物多様性に関する取組紹介について募集したところ、6企業から応募がありました。

水資源の保護や希少植物の保全の取組など、それぞれの取組の一端を、各企業から紹介していただきました。

取組を紹介していただいた企業

三機工業株式会社

ソニーグループ株式会社厚木テクノロジーセンター

武田薬品工業株式会社 湘南ヘルスイノベーションパーク

東急リゾートサービス・石勝エクステリア共同事業体

東芝ライテック株式会社 本社・横須賀工場

横浜ゴム株式会社 平塚製造所

 

都市におけるビオトープの整備による地域貢献

取組の主体

三機工業株式会社(本社及び大和事業所)

取組の概要 

2010年10月、当社では、『SANKI YOUエコ貢献ポイント』制度を発足し、年2回、環境保全活動に対する寄付を継続的に実施しています。当制度は、当社施工の設備工事において、お客さまに省エネ提案が採用された場合にCO2削減量をポイント(1トンあたり100円)に換算して、環境保全活動に寄付するもので、お客さまとともに地球温暖化防止・持続可能な社会の実現に貢献するための制度です。

2016年における寄付先のひとつとして、神奈川県横須賀市にある荒廃地の森林再生を目指す「湘南国際村めぐりの森」プロジェクトの植樹及び育樹に対し、100万円の寄付を実施しました。

今後も植林活動を支援することにより、環境保全活動および生物多様性保全に寄与していきます。

担当者からひとこと

当社の「三機工業グループ行動規範・行動指針」の一つに「社会を構成する良き企業市民として、地域社会の発展に寄与するため、社会貢献に努めます」と定め、活動を展開しています。

今後も地域の皆さまと積極的なコミュニケーションを図りながら、企業の社会的責任を果たしていきます。

三機自然環境園

ホームページリンク

https://www.sanki.co.jp/news/release/sanki-you.html(三機工業株式会社)

 

社内における生物多様性の保全活動

取組の主体

ソニーグループ株式会社厚木テクノロジーセンター :落ち葉の腐葉土化、野鳥巣箱設置、自然観察会

神奈川県、厚木市七沢里山づくりの会 :七沢里地里山保全活動(田植え・稲刈取り・畑作業、木炭作り、里山環境整備等)

取組の概要 

ソニーグループ株式会社厚木テクノロジーセンター(以下「厚木TEC」)の事業活動は、近隣の自然環境や地域の生態系と密接に関係していることを認識し、ソニー環境中期目標の一つでもある生物多様性の保全に取り組んでいます。活動の推進に当たっては、まずは社員やその家族と楽しみながら自然に触れ、自然を大切に思う心に気づく事が大切と考え、社内の活動として落ち葉の腐葉土化、巣箱の設置、自然観察会等を実施しています。

【落ち葉の腐葉土化】厚木TECから出てくる落ち葉を腐葉土化し、枝は粉砕して地面に撒くなどして廃棄物として排出せず土に戻す活動です。

【巣箱の設置】木製廃材を利用して、社員ボランティアが作成した巣箱を敷地内に設置し、野鳥が住み、野鳥観察が気軽に出来る事業所を目指す活動です。

【自然観察会】厚木TECの緑地にて社員とその家族を対象に自然観察会を開催しています。社員にとっては身近な社内緑地ですが、見方を変えるだけで沢山の発見や気づきに出会う事が出来ます。また、先にご紹介した腐葉土の中を観察してみると、幼虫など、たくさんの地中生物がいて、この生き物たちのお蔭で腐葉土ができることに気づいたり、使用後の巣箱の中を観察することで鳥の種類によって巣作りが異なることを知るなど、厚木TEC内での様々な生態系の繋がりが理解できるとともに、楽しみながら新たな発見ができる場として開催しています。

さらなる活動へ

厚木TEC敷地内での活動に加え、2015年度から神奈川県が主催する里地里山保全活動へのボランティア参加を開始しました。

厚木TECの事業活動は、丹沢山塊のきれいな水の恩恵を受けていると考えており、この水源地の保全の活動を行っている「七沢里山づくりの会」の活動を社員に周知し、社員ボランティアが参加できる体制を整えてきました。

この会の活動では、田植え、稲刈取り、畑作業、木炭作り、里山環境整備等の体験を通じ、より具体的な生物多様性の保全活動に参加する事ができると考えています。

また、県内の企業や大学、市民ボランティア等と連携、更には普段なかなか体験できない社員の子供たちも参加する事で、現在だけでなく、次世代に引継ぐ活動としても、継続的に推進していきたいと思っています。

木製廃材を利用した巣箱づくり巣箱づくり2自然観察会

ホームページリンク

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/n8f/cnt/f300562/index.html(神奈川県HP:かながわの里地里山)

 

希少植物の保全活動

取組の主体

武田薬品工業株式会社 湘南ヘルスイノベーションパーク

取組の概要 

当社では「武田薬品グループ環境自主行動計画」を制定し、生物多様性条約の目的を踏まえて事業活動における生物多様性への影響を把握し、生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用に資する活動を行っています。当社の京都薬用植物園では、世界中から収集した貴重な薬用植物約2800種を保有し、特に絶滅危惧種に指定された薬用植物の保全に積極的に取り組んでいます。漢方製品に使用している生薬の自社栽培に早くから着手し、生物多様性保全につながるよう、野生品から栽培品への切り替えを検討しています。

また、湘南ヘルスイノベーションパークでは、新研究所建設の際に実施した「環境影響予測評価」において、希少植物種(コハナヤスリ、ミゾコウジュ、キンラン、ハマカキラン、ミヤベツノゴケ)が敷地内で自生していることを確認しました。自生場所が建設工事にかかるものは、移植場所・移植方法・移植時期について専門家及び行政の指導・助言を受けながら敷地内の適切な場所に移植しました。そして、2011年の研究所竣工以来、希少植物種の保全活動を継続しています。現在、敷地内の10か所を保護区域と定めて立入禁止とし、生育状態を毎月モニタリングするとともに、雑草の除去や植物環境の維持に努めています。

担当者からひとこと

湘南研究所では、生物多様性の保全につながる環境保全活動として、環境への化学物質排出抑制、二酸化炭素排出量削減、上水の使用量削減、廃棄物のリサイクルなど、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。

また、遺伝資源を利用する場合は、生物多様性の保全に十分配慮しています。

希少植物の保護区域コハナヤスリ

ホームページリンク

https://www.takeda.com/ja-jp/CSR/(武田薬品工業株式会社)

 

指定管理業務における環境保全と生態系調査

取組の主体

東急リゾートサービス・石勝エクステリア共同事業体(川崎国際生田緑地ゴルフ場指定管理者)

取組の概要 

東急リゾートサービス・石勝エクステリア共同事業体では、川崎国際生田緑地ゴルフ場において、コース管理によるコース内の環境保全及び生態系調査(植物・鳥類・哺乳・爬虫類・両性類・昆虫類・水生植物)を平成25年度から各季節に実施しています。

調査によって良好な環境の維持に必要な動植物や他の種への影響が大きいと考えられる動植物を「指標種」として選定し、“誘致するもの”“保全するもの”“駆除するもの”に分け、コース管理計画に反映しています。

コース管理では、樹木の間伐やササ刈りによる「雑木林環境の復元」、「実生苗と野草の育成」、「里山保全活動の支援」を行い、ゴルフ場内の生物多様性に配慮した環境保全に取り組んでいます。

取組から得られたこと

平成25年度に設定した指標種の多くが継続的に確認され、ゴルフ場内の環境は、引き続き良好な状態に維持されています。

また、里山環境に生息・生育する動植物が確認されるなど、生態系の向上も明らかとなっています。特に、コース内の水路は、絶滅が危惧されているホトケドジョウやスジグロボタルの生育場所として重要な環境であることが判明し、環境保全に配慮した管理によって生態系が豊かになってくることを改めて再認識しています。

引き続き、生態系保全調査を実施し、「生田緑地ビジョン(平成23年3月策定)」の基本理念や、「生物多様性かわさき戦略(平成26年3月策定)」の基本方針に則したゴルフ場の緑地管理を目指して、県内の生物多様性保全に貢献していきます。

調査風景コース内の生きもの

 

絶滅の危機に瀕するハマカンゾウの保全

取組の主体

東芝ライテック株式会社 本社・横須賀工場、NPO法人小網代野外活動調整会議、株式会社DNPテクノパック横浜工場

取組の概要 

社内として初となる生物多様性への取組みを検討していた時、当社とNPO法人小網代野外活動調整会議との交流で、三浦半島小網代の森で盗掘被害に遭い、絶滅の危機に瀕しているハマカンゾウのことを知りました。さらに当社の本社・横須賀工場の立地が海岸直近で、日当たりも良くハマカンゾウの育成地に非常に近い環境であることもわかり、NPOと連携しハマカンゾウを盗掘の可能性が少ない当社敷地内にて保全し繫殖させることにしました。

2012年5月に神奈川県の許可を得て28株を当社敷地内に移植し、2年後の2014年には100株まで増殖することに成功したため、小網代の森に返還しました。この経験を踏まえ、現在も100株を保全し、繫殖を進めています。また、2015年より東芝グループは、大日本印刷グループと生物多様性について連携した活動を推進しております。その一環として、株式会社DNPテクノパック横浜工場でもハマカンゾウの保全繫殖をすることになり、当社より30株を移植しました。

今後は、両社で生息地に多くの返還ができるよう繁殖を進めていきたいと考えております。

企業連携による保全繁殖の推進

当初ハマカンゾウは、工場内庭園の芝生地に植えました。試行錯誤の上、水、肥料の適切な量もわかってきましたが、繫殖が思うように進みませんでした。文献を調査した結果、芝生との相性が悪いことがわかり、ハマカンゾウのために芝生を全て剥がしました。このような取組みにより2年で当初の約4倍の株数を繫殖させました。しかし、返還後も盗掘被害が続き、被害を防ぐ有効な対策もないため、今後も当社及びDNPテクノパックで保全繫殖を進めていきます。

小網代の森返還式ハマカンゾウ

ホームページリンク

東芝ライラック株式会社 環境報告書(2015年度 p.11)

 

金目川水系の水源かん養・保全活動

取組の主体

横浜ゴム株式会社 平塚製造所

取組の概要 

2013年度から地域の金目川水系の水資源の保護を目的とした生物多様性保全活動をスタートしました。鳥類、植生、水質、水生生物の確認や、生態系に影響を及ぼす外来植物の抜根など、金目川の河川の環境を調べるモニタリング活動は、従業員が体験型で順次参加し、2015年度までに238名が参加しました。

これまでの活動の結果、河原周辺では10種類以上野鳥が、また、河川でも、ハゼ類やモクズカニ、川エビなどの生息が観察でき、鳥類及び水生生物の生態が健全な状態であることが分かりました。さらに、水質は透明度が高いが富栄養化の傾向があることが分かりました。現在は、川底に潜むトビケラ、トンボ、カゲロウの幼虫などの底生生物のスコアリングによる水質評価も進めています。

一方、河原の植生については、オオブタクサやアレチウリなどの外来植物が繁茂し、在来植物が衰退されつつある状況がわかりました。このことから、行政や地域活動団体の方々のご理解とご協力を得て、2014年度から特定区間の河原の外来植物の駆除活動を継続的に行い、植生の変化を観察しています。

さらなる活動へ

2015年度は、新たに金目川の水源かん養と里山の原風景の復元等を目的として、平塚市内の休耕地をお借りして雑木の伐採や手づくりのビオトープの設置などを行う保全活動を開始しています。

水質モニタリング調査外来植物駆除の成果

ホームページリンク

https://www.y-yokohama.com/csr/report/environment/environment03.html/(横浜ゴム株式会社)

 

このページに関するお問い合わせ先

緑地・自然公園グループ
電話 045-210-4310
ファクシミリ 045-210-8848

このページの所管所属は環境農政局 緑政部自然環境保全課です。