神奈川県ファシリティマネジメント年報2012

掲載日:2013年7月18日

「 県有地・県有施設の財産経営戦略」の取組状況 (ファシリティマネジメント年報2012)

 県有施設については、その半数以上が築後30年を経過し、今後、施設の建替えや大規模改修等に要する経費の増大が見込まれており、厳しい財政状況の下、より一層効率的な施設運営と効果的な利活用が求められています。

 そこで、本県では、平成23年3月に「県有地・県有施設の財産経営戦略」(神奈川県ファシリティマネジメント推進方針)を策定し、持続可能な財産経営の実現に向け、県有地・県有施設の利活用と効率的な維持管理を総合的、戦略的に推進することとしています。

 平成24年度は、ファシリティマネジメントの第1ステップとして、財産経営戦略に掲げた3つの目標(1.総量の削減、2.ライフサイクルコストの削減、3.価値の向上(バリューアップ))について向け、維持管理費用の削減や施設管理データベースの整備等に取り組みました。なお、個々の取組みの進捗状況等については、毎年度、本年報によりお知らせすることとしています。

推進目標1 総量の削減

 これまで取り組んできた県有地・県有施設の利活用をより一層徹底するとともに、県有施設の維持修繕に係る費用や建物性能・立地性能を明らかにしながら、総量削減の推進を図ります。

具体的な取組(1) 施設アセスメントの実施

 施設アセスメントの一環として「県公共施設の見える化」に取り組みました。

 県はこれまでも、平成14年度に「神奈川県県有施設長寿命化指針」を策定し、施設の長寿命化を推進するなど、財政負担の軽減に取り組んできましたが、公共施設の更新需要への対応は大きな課題として顕在化しつつあります。

 「県公共施設の見える化」は、道路や公園などの都市基盤施設も含め、県が所有する公共施設全体の維持修繕コストについて現状把握や将来推計を行い、公共施設の更新需要の状況を分かりやすく「見える化」するものです。今後、平成25年度9月までに、県ホームページにて公表する予定です。

 

【対象施設】

 県有施設(建築物) : 庁舎系施設、県民利用施設等

 都市基盤施設 : 道路、公園、河川、港湾、下水道等

【対象コスト】

 維持修繕コストの現状 : 直近3ヵ年の事業費(平成22から24年度)

 維持修繕コストの将来推計: 今後30年間の事業費(平成25から54年度)

推進目標2 ライフサイクルコストの削減

 施設を継続的に維持するために必要となる改修費や建設費、維持管理費(設備保守点検、清掃、警備、植栽管理等)、光熱水費などのライフサイクルコストについて、より一層の削減を図ります。

具体的な取組(2)  施設管理データベースの構築

 「保全情報システム」を使った施設管理データベースの整備を進めています。

県有施設の保全に関する情報等を一元的に管理するため、国及び地方公共団体の共同利用情報システムである「保全情報システム(BIMMS)」を活用し、施設管理データベースの整備を進めています。(システム運用等:(一財)建築保全センター)

<データベース化する情報(データ)と主な機能>

(1) データの内容

ア 土地情報(面積、土地利用規制、接道状況、簿価(台帳価格)等)

イ 建物情報(築年数、床面積、建物仕様、修繕履歴、劣化診断・耐震診断履歴、エネルギー使用量、光熱水費、簿価(台帳価格)、設計図書 等)

(2)主な機能

 1.基本情報管理機能、2.施設管理機能、3.保全計画管理機能、4.複数施設の総合評価・分析機能、5.保全技術情報等提供機能

計画修繕対象施設(63施設)について、データベース化を進めています。

(1) 県有施設基本情報データ整備業務

 平成22から24年度にかけて、計画修繕対象施設の建築部材及び設備機器等の基本情報を調査し、その情報を竣工図面とともに電子化しました。

(2) 保全情報システム(BIMMS)の運用開始

 県有施設基本情報データ整備業務で電子化したデータについて、平成25年度に保全情報システム(BIMMS)への登録を行い、施設管理データベースの運用を開始します。

※ 計画修繕対象施設:計画的に修繕工事を実施し、長寿命化を図る築後30年未満の施設等

具体的な取組(3)  維持管理費用等の削減

庁舎系施設の清掃業務委託について、業務仕様の標準化を図りました。

 庁舎系県有施設(29施設)の清掃業務委託について、平成23年度に業務仕様等の実態調査を行い、ベンチマーキングにより改善点等を検証しました。

 平成24年度は、検証結果を踏まえ、庁舎系県有施設を対象として清掃回数の標準(上限)を定め、約600万円(設計価格)の経費削減効果がありました。今後、さらに対象施設の拡大について検討します。

 ※ ベンチマーキング:類似用途の施設間で維持管理費用等の比較を行い、問題点等を洗い出し、維持管理方法等の改善を行う手法。

具体的な取組(4)  公民連携による新たな整備手法の検討

本庁庁舎の耐震対策において、民間資金の活用を検討しました。

(1) 検討内容

○ 本庁庁舎耐震対策基本構想(平成25年2月策定)の策定にあたり、民間資金を活用した事業手法の導入について検討しました。

○ 具体的には、PFI方式、建物賃借方式、等価交換方式、市街地再開発、土地信託方式等の活用について検討を行いました。

(2) 検討結果

○ 民間資金を活用した事業手法のうち、有効と認められたPFI方式について県が直接事業を実施する直営方式との比較を行いました。

○ 本庁庁舎耐震対策(新庁舎免震改修等及び分庁舎建替え)におけるPFI方式の導入は、明確な事業コストの削減が期待できず、民間ノウハウを活用できる機会が少ないことなどから、直営方式で整備を行うこととしました。

  推進目標3 価値の向上(バリューアップ)

 利用者の誰もが快適に利用できる満足度の高い施設を目指し、施設価値の向上(バリューアップ)に取り組みます。

  具体的な取組(5) 県有施設バリューアップ計画(仮称)の策定

 計画策定に向け、バリューアップの内容や整備方法等ついて検討を始めました。

 県有施設のバリューアップ計画は、「県民が快適に利用できる満足度の高い施設」、「職員にとっても快適に執務できる生産性の高い施設」を目指し、トイレ等におけるアメニティの改善やユニバーサルデザインの促進など、バリューアップを推進するための計画です。

 平成24年度は、計画策定に向けた準備段階として、県有施設のバリューアップのための改修について実態調査を行いました。今後、調査結果を踏まえて、モデル事業の実施等について検討します。

【調査結果】

(1) バリアフリーのために行うもの・・・27%

   誘導用ブロックの敷設、手すりの設置、みんなのトイレの設置 等

(2) ユニバーサルデザインの考え方に基づき行うもの・・・8%

   音声誘導装置の設置、扉の改修(レバーハンドル) 等

(3) アメニティスペースの充実のために行うもの・・・47%

   トイレの改善、給湯室の改善 等

(4) その他、施設利用者の快適な利用のために行うもの・・・18%

    フリーアクセスフロアの設置、個別空調化 等

既存の取組の進捗状況

 「県有地・県有施設の財産経営戦略」では、前ページまでに掲載した取組とともに、県有施設の長寿命化対策などの既存の取組みについても、連携を図りながら総合的にファシリティマネジメントを推進していくこととしています。

■ 県有地・県有施設の総合的な利活用の推進

 「神奈川県県有地・県有施設の総合的な利活用を推進する取組指針」(平成22年3月策定)に基づき、県有地・県有施設を適切に維持・管理する中で、新たな利活用が可能な県有地・県有施設を洗い出し、使用用途の変更、他の行政目的での活用、売却等による収入増加の促進などをもって、県有地・県有施設の一層の利活用を図ります。

【実施状況】

(1) 県有地の売却による収入の確保

    平成24年度売却実績 約129億円

(2) 自販機設置場所の一般競争入札による貸付けの実施

    平成23から24年度実施分 908台 約4億3,000万円の収入増

(3) 駐車場施設設置場所の貸付けの実施

    平成24年度実施分 約197万円の収入増

(4) 広告事業の募集情報を一元化し、県ホームページに掲載

■ 長寿命化対策のより一層の推進

「神奈川県県有施設長寿命化指針」(平成14年12月策定)に基づき、既存ストックの有効活用や機能改善(リノベーション)、適切な維持管理(計画的な修繕工事の実施)等により施設の長寿命化対策を推進しています。

【計画修繕工事の実施状況】

    平成24年度  約4.3億円 (工事、設計委託)

■ PFI事業等の更なる充実

 民間の資金・ノウハウを活用した施設整備等を推進するため、平成23年度に実施した「県有施設の整備に係るPFI検証委員会」によるPFI導入効果等に係る評価及び検証の結果を踏まえ、「神奈川県におけるPFIの活用指針(平成12年9月策定)」を平成25年3月に改訂しました。

【主な改訂内容】

○ 新たな制度や通知等の反映

  ・ 指定管理者、公共施設等運営権及び民間提案制度など新たな制度活用の考え方

  ・ PFI事業における行政財産の貸付特例及び税制優遇の概要

  ・ PFIに関する各種通知やガイドライン等

○ PFI検証委員会からの提言の反映

  ・ 事業環境等の変化等への対応、モニタリングの更なる充実、ノウハウの蓄積と継承

  ・ 最適な事業スキームの構築及び多様な公民連携手法の検討についての考え方等

○ 事業実施実績を踏まえた見直し

  ・ PFI導入可能性調査の実施概要、総合評価一般競争入札など事業者選定方法等

  ・ 「PFI事業としての適正をはかる視点」の見直し

 

(参考)「県有地・県有施設の財産経営戦略」より抜粋

 ファシリティマネジメント推進の工程(イメージ)

 

(参考)県有財産のストックの状況

県有地(土地の状況)

土地面積グラフ

土地面積表

土地価格グラフ

土地価格表

県有施設(建物の状況)

建物面積グラフ

建物面積表

建物価格グラフ

建物価格表

 
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