神奈川県ファシリティマネジメント年報2011

掲載日:2015年6月10日

「 県有地・県有施設の財産経営戦略」の取組状況 (ファシリティマネジメント年報2011)

 県有施設については、その半数以上が築後30年を経過し、今後、施設の建替えや大規模改修等に要する経費の増大が見込まれており、厳しい財政状況の下、より一層効率的な施設運営と効果的な利活用が求められています。

 そこで、本県では、平成23年3月に「県有地・県有施設の財産経営戦略」(神奈川県ファシリティマネジメント推進方針)を策定し、持続可能な財産経営の実現に向け、県有地・県有施設の利活用と効率的な維持管理を総合的、戦略的に推進することとしています。

 平成23年度は、ファシリティマネジメントの第1ステップとして、財産経営戦略に掲げた3つの目標((1)総量の削減、(2)ライフサイクルコストの削減、(3)価値の向上(バリューアップ))について、施設アセスメントの基準づくりや施設管理データベースの整備など、具体的な取組に着手いたしました。なお、個々の取組の進捗状況等については、毎年度、本年報によりお知らせすることとしています。

推進目標1 総量の削減

 経営的な視点から積極的に不要となる県有地・県有施設を選定するなど、これまで取り組んできた県有地・県有施設の利活用をより一層徹底し、総量の削減を図ります。

具体的な取組(1)  施設アセスメントの実施(第1ステップ:平成23年から平成24年に試行実施)

 施設アセスメントの評価基準について、検討を進めています。

 施設アセスメントは、施設の利用度や性能について評価を行い、施設の利活用のあり方(現状維持や建替え、売却等)をあらかじめ評価し、施設の統廃合・利活用のための基礎資料として整備するものです。

 具体的な評価基準については、社団法人ファシリティマネジメント協会発行の「FM診断手法JFMES11(試行版)」等を参考に検討を進めています。

  施設アセスメントのイメージ(案)

 【1次評価】  

 施設利用度評価(土地・建物の利用度を評価)、施設性能評価(立地利便性、敷地安全性、建物安全性等を評価)

 【2次評価】  

 1次評価の結果をもとに、施設毎に建替えや大規模改修、売却処分、改善、現状維持(継続保有)など施設の利活用のあり方について評価。

推進目標2 ライフサイクルコストの削減

 施設を継続的に維持するために必要となる改修費や建設費、維持管理費(設備保守点検、清掃、警備、植栽管理等)、光熱水費などのライフサイクルコストについて、より一層の削減を図ります。

具体的な取組(2)  施設管理データベースの構築(第1ステップ:平成23年から平成24年に試行実施)

 「保全情報システム」を使った施設管理データベースの整備を進めています。

県有施設の保全に関する情報等を一元的に管理するため、国及び地方公共団体の共同利用情報システムである「保全情報システム(BIMMS)」を活用し、施設管理データベースの整備を進めています。(システム運用等:(財)建築保全センター)

<データベース化する情報(データ)と主な機能>

(1) データの内容

ア 土地情報(面積、土地利用規制、接道状況、簿価(台帳価格)等)

イ 建物情報(築年数、床面積、建物仕様、修繕履歴、劣化診断・耐震診断履歴、エネルギー使用量、光熱水費、簿価(台帳価格)、設計図書 等)

(2) 主な機能

 1)基本情報管理機能、2)施設管理機能、3)保全計画管理機能、4)複数施設の総合評価・分析機能、5)保全技術情報等提供機能

計画修繕対象施設(63施設)について、データベース化を進めています。

平成22年度: 県有施設基本情報データ整備業務委託 → 20施設(平成23年1月12日から平成23年3月23日)

平成23年度: 県有施設基本情報データ整備業務委託 → 20施設(平成23年9月22日から平成23年12月20日)

平成24年度: 残りの施設について、データベース化を行います。

※ 計画修繕対象施設:計画的に修繕工事を実施し、長寿命化を図る築後30年未満の施設等

具体的な取組(3)  維持管理費用等の削減(第1ステップ:平成23年から平成24年に試行実施)

庁舎系施設の清掃業務委託について、改善点を検証しました。

 庁舎系県有施設の清掃業務委託について、業務仕様や業務価格の積算方法等の調査を行い、ベンチマーキングにより改善点等を検証しました。今後、検証結果等を踏まえ、業務仕様の標準化等について検討を行います。

 ※ ベンチマーキング:類似用途の施設間で維持管理費用等の比較を行い、問題点等を洗い出し、維持管理方法等の改善を行う手法。

具体的な取組(4)  公民連携による新たな整備手法の検討(第2ステップ:平成25年から実施)

外部専門家を招き、公民連携による整備手法について庁内研修会を実施しました。

 (財)地域総合整備財団のPFIアドバイザー派遣事業を活用し、庁内関係職員を対象に研修会を行いました。今後、民間研究機関との意見交換など様々な機会を通じて、整備手法の先進事例や課題点等について情報収集を行います。

日時: 平成23年12月21日 13時30分から16時30分(県庁内会議室)

目的: ファシリティマネジメントの推進のため、公民連携(PPP)による新たな整備手法の検討を行うためのアドバイスを受ける。

参加者: 知事部局、教育局、企業庁、警察の職員(計21名)

講師: (株)三菱総合研究所社会システム研究本部 インフラビジネスグループ 主任研究員 大熊修司氏

  推進目標3 価値の向上(バリューアップ)

 利用者の誰もが快適に利用できる満足度の高い施設を目指し、施設価値の向上(バリューアップ)に取り組みます。

  具体的な取組(5) 県有施設バリューアップ計画(仮称)の策定(第2ステップ:平成25年から実施)

 計画策定に向け、バリューアップの内容や整備方法等ついて検討を始めました。

 県有施設のバリューアップ計画は、「県民が快適に利用できる満足度の高い施設」、「職員にとっても快適に執務できる生産性の高い施設」を目指し、トイレ等におけるアメニティの改善やユニバーサルデザインの促進など、バリューアップを推進するための計画です。

計画策定に向けた準備段階として、バリューアップの内容や対象施設、整備方法等について検討を始めました。

既存の取組の進捗状況

 「県有地・県有施設の財産経営戦略」では、前ページまでに掲載した取組とともに、県有施設の長寿命化対策などの既存の取組についても、連携を図りながら総合的にファシリティマネジメントを推進していくこととしています。

■ 県有地・県有施設の総合的な利活用の推進

「神奈川県県有地・県有施設の総合的な利活用を推進する取組指針」(平成22年3月策定)に基づき、県有地・県有施設を適切に維持・管理する中で、新たな利活用が可能な県有地・県有施設を洗い出し、使用用途の変更、他の行政目的での活用、売却等による収入増加の促進などをもって、県有地・県有施設の一層の利活用を図ります。

【実施状況】

・ 県有地の売却による収入の確保

23年度売却実績見込み 73億円(2月補正)

・ 自販機設置場所の一般競争入札による貸付けの実施

23年度実施分 73台 約3,300万円の収入増

・ 広告事業の募集情報を一元化し、県ホームページに掲載

■ 長寿命化対策のより一層の推進

「神奈川県県有施設長寿命化指針」(平成14年12月策定)に基づき、既存ストックの有効活用や機能改善(リノベーション)、適切な維持管理(計画的な修繕工事の実施)等により施設の長寿命化対策を推進しています。

【計画修繕対象施設】  

63施設(平成23年度)

【計画修繕工事の実施状況】

平成22年度  5.2億円(工事、設計委託等)

平成23年度  4.6億円(工事、設計委託等)

■ PFI事業の検証等

民間の資金・ノウハウを活用した施設整備等を推進するため、「神奈川県におけるPFI活用指針」を定め全国に先駆けて実施してきているPFI事業について、PFI検証委員会を開催し、県有施設の整備においてPFI手法を導入した効果等について評価及び検証を行いました。

【県有施設の整備に係るPFI検証委員会】

○ 委員長

山内弘隆  一橋大学大学院商学研究科教授

○ 副委員長

光多長温  鳥取大学特任教授

○ 委員

金井利之  東京大学大学院法学政治学研究科教授

西川知雄  西川シドリーオースティン法律事務所・外国法共同事業弁護士

小宮一真  みずほ総合研究所株式会社

研究開発部PPPアドバイサリーグループ グループ長

○ 平成23年9月から平成24年3月 4回開催

(参考)「県有地・県有施設の財産経営戦略」より抜粋

 ファシリティマネジメント推進の工程(イメージ)

(参考)県有財産のストックの状況

県有地(土地の状況)

土地面積

土地の面積
平成19年度末平成20年度末平成21年度末平成22年度末
土地面積(平方メートル)26,955,76527,196,54428,333,268

28,189,070

土地価格

土地の価格
平成19年度末平成20年度末平成21年度末平成22年度末
土地価格(千円)1,536,036,9721,533,120,7921,584,837,802

1,577,220,289

県有施設(建物の状況)

建物面積

建物の面積
平成19年度末平成20年度末平成21年度末平成22年度末
建物面積(平方メートル)7,207,4477,193,3657,161,9517,127,565

建物価格

 
建物の価格
平成19年度末平成20年度末平成21年度末平成22年度末
土地価格(千円)606,744,889615,842,321587,197,195

602,621,468

 ※ 県の組織再編に伴い、平成22年度より局部課制となっています。

神奈川県

このページの所管所属は 総務局 財産経営部 施設整備課 です。