神奈川県ファシリティマネジメント年報2015

掲載日:2016年7月11日

「 県有地・県有施設の財産経営戦略」の取組状況 (ファシリティマネジメント年報2015)

 本県では、平成23年3月に「県有地・県有施設の財産経営戦略」(神奈川県ファシリティマネジメント推進方針)を策定し、持続可能な財産経営の実現に向け、県有地・県有施設の利活用と効率的な維持管理を総合的、戦略的に推進することとしており、毎年度、取組みにかかる内容を年報でお知らせしてきました。 今後も厳しい財政状況が続くと見込まれる中、県有施設については、その半数以上が築後30年を経過し、今後、施設の建替えや大規模改修等に要する経費の増大が見込まれています。人口減少等の要因も加わり、公共施設のあり方が問われており、より一層効率的な施設運営と効果的な利活用が求められています。

はじめに  インフラの戦略的な維持管理等

 平成25年11月に国より「インフラ長寿命化基本計画」が策定され、各地方公共団体もこの基本計画に基づき、「インフラ長寿命化計画(行動計画)」を策定することとなりました。総務省からこの「行動計画」に該当するものとして「公共施設等総合管理計画(以下「総合管理計画」という。)」を策定するよう要請があり、「総合管理計画」は、人口の見通し等を示したうえで、学校や道路など、各地方公共団体が所有する全ての公共施設について、適正配置、長寿命化、維持管理等の基本的な考え方を示すというものです。 県では、経営的な視点から維持管理を行うことを目的に、平成23年3月に策定した「県有地・県有施設の財産経営戦略」により、施設の維持管理等の取組みに幅広く共通する、基本的な考え方をまとめるべく、総合管理計画の策定に向けて全庁的なワーキンググループを設け意見の集約、議論を続けてきました。上述の作業を踏まえて、今後は、平成28年度末までに、「県有地・県有施設の財産経営戦略(総務省が策定を要請している「総合管理計画」)」の改訂を予定しています。  

(参考)「インフラ長寿命化基本計画」・・・(内閣府HPから)

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infra_roukyuuka/pdf/houbun.pdf

推進目標1 総量の削減

 これまで取り組んできた県有地・県有施設の利活用をより一層徹底するとともに、県有施設の維持修繕に係る費用の建物性能・立地性能を明らかにしながら、総量削減の推進を図ります。

具体的な取組(1) 施設アセスメントの実施について

■中長期的な維持修繕費等の見通しをたてる

 「県公共施設の見える化」を平成25年8月にホームページで公表しています。

 県が所有する公共施設全体の維持修繕コストについて現状把握や将来推計を行い、公共施設の更新需要の状況を分かりやすく「見える化」しており、施設アセスメントの基礎的資料としています。

(参考)「インフラ長寿命化基本計画」から:行動計画の策定時点で把握可能な情報に基づき、対象施設の維持管理・更新等に係る中長期的なコストの見通しを明示する。なお、行動計画の策定時点で把握可能な情報が限定的であるなど、中長期的なコストの見通しに一定の精度が確保されず、必要施策に係る取組を検討する上で参考とすることが困難と判断される場合にあっては、必要な情報が蓄積できた段階で実施することとする。

推進目標2  ライフサイクルコストの削減

 施設を継続的に維持するために必要となる改修費や建設費、維持管理費などのライフサイクルコストについて、より一層の削減を図ります。

具体的な取組(2)  施設管理データベースの構築

■「保全情報システム」を使った施設管理データベースの運用をしています。

 県有施設の修繕工事を計画的に実施し、長寿命化のうえ継続活用する「計画修繕対象施設(59施設)」の保全に関する情報等を管理するため、国及び地方公共団体の共同利用情報システムである「保全情報システム(BIMMS)」(提供:一般財団法人建築保全センター)を維持管理状況の把握に利用しています。新たにシステムに導入された簡易中長期保全計画機能の活用を検討しています。

(参考)「インフラ長寿命化基本計画」から:中長期的な維持管理・更新等に係るトータルコストを縮減し、予算を平準化していくためには、インフラの長寿命化を図り、大規模な修繕や更新をできるだけ回避することが重要である。このため、施設特性を考慮の上、安全性や経済性を踏まえつつ、損傷が軽微である早期段階に予防的な修繕等を実施することで機能の保持・回復を図る「予防保全型維持管理」の導入を推進する。

具体的な取組(3)  維持管理費用等の削減

■定期的な点検等による施設の状態把握から適切な維持管理を行う。

 知事部局の県有施設の定期的な点検については、施設の財産管理者である職員による作業であったが、建築基準法の改正に伴い、平成28年度からは外部に委託し、有資格者による精度の高い状態把握を行う予定です。このことにより、修繕の効率化を図り、維持管理費等の削減に寄与する着実な取組みをしています。

<平成27年度:清掃業務委託に係る積算基準(案)の作成準備>

 知事部局83施設を対象に、清掃業務の単価や積算基準、清掃の範囲・仕様等についての実態調査結果を踏まえ、発注時に適切な積算価格、仕様となるよう、清掃業務積算基準(案)の作成作業に取り組みます。

(参考)「インフラ長寿命化基本計画」から:インフラは、利用状況、設置された自然環境等に応じ、劣化や損傷の進行は施設毎に異なり、その状態は時々刻々と変化する。現状では、これらの変化を正確に捉え、インフラの寿命を精緻に評価することは技術的に困難であるという共通認識に立ち、インフラを構成する各施設の特性を考慮した上で、定期的な点検・診断により施設の状態を正確に把握することが重要である。

具体的な取組(4)  公民連携による新たな整備手法の検討

■多様な施策・主体との連携

 建替えや既存施設の大規模改修、用途転用が見込まれる県有施設については、整備内容等に応じ、民間の資金やノウハウを活用する等、民間活力を使った整備手法の検討を行います。

 平成27年度は、高津合同庁舎について、事業用定期借地権を活用した民間資金による利活用を検討し、事業者公募の考え方を示した上で、事業者対話を実施しました。

(参考)「インフラ長寿命化基本計画」から:インフラは、社会経済活動の基盤であり、インフラ相互はもとより、ソフト施策とも相まって、様々な機能を発揮する。このため、多様な施策や主体との連携により維持管理・更新等の効率化を図りつつ、その機能を最大限発揮させていく。

  推進目標3 価値の向上(バリューアップ)

 利用者の誰もが快適に利用できる満足度の高い施設を目指し、施設価値の向上(バリューアップ)に取り組みます。

具体的な取組(5) 県有施設バリューアップの計画策定

■社会情勢の変化や新たなニーズへの対応

 社会情勢の変化に応じ、「県民が快適に利用できる満足度の高い施設」、「職員にとっても快適に執務できる生産性の高い施設」を目指し、施設の更新等の機会を捉えてトイレ等におけるアメニティの改善やユニバーサルデザインの促進などの質的向上を図っていきます。

<平成27年度:トイレ改修及び車いす使用者用駐車区画改修>

 既存の車いす用トイレの改修に当たり、高齢者や乳幼児連れの方など、より多くの方が快適に利用できるよう、オストメイト対応の設備や、収納式多目的シート、ベビーチェアなどを設置した、多目的トイレを整備しました。また、車いす使用者用の駐車場区画の改修に当たり、施設に調和したカラー塗装を行い視認性の向上も図りました。

 施工施設

  多目的トイレ改修(4件):総合リハビリテーションセンター、横須賀合同庁舎等

  車いす使用者用駐車区画等改修(40件):戸塚県税事務所、総合療育相談センター等

<県有施設に対するアンケートの調査結果>

 「女性等に配慮したトイレの整備」について、県議会定例会での一般質問があり、「どのようなトイレが利用者にとって使い勝手がよく快適なものなのか利用者の意見を把握し、今後の整備に役立てていく」と知事が答弁をしていることを踏まえ、「価値の向上」を目指すうえで必要となる整備の内容を検討するため、県有施設を利用する県民や職員に対しアンケート調査を行い利用者の要望を把握しました。その結果、下記のような貴重な意見をいただくことができました。

・「トイレが、古く、臭い。早急に改善すべきだと思う」

・「トイレが暗い、寒い(暑い)、古い。特に洋式トイレは、冷たいので使いづらい」

・「トイレの入口にドアが無くて驚いた。自動点灯する照明の設置や、センサー付き手洗い用の洗剤の設置が望ましい」

・「性別、年齢の区別なく、明るい、安全な、使いやすい施設を目指して欲しい」

 今後、実現にあたっての課題等を整理したうえで、施設整備に役立てていくため、庁内関係所属との意見交換や、整備項目の整理を進め、「(仮称)誰もが使いやすいトイレのポイント」の作成を行います。

 【調査対象・方法】県民向け調査・e-かなネット、紙面調査、

             施設職員向け調査・庁内調査システム

 【調査期間】平成27年12月14日 から 平成28年2月29日

 【回収状況】 2,010名(男性 1,312名、女性 687名、未回答11名)

 【調査結果】ホームページで公表(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f534252/

(参考)「インフラ長寿命化基本計画」から:老朽化対策の検討に当たっては、その時点で各施設が果たしている役割や機能を再確認した上で、その施設の必要性自体を再検討する。その結果、必要性が認められる施設については、更新等の機会を捉えて社会経済情勢の変化に応じた質的向上や機能転換、用途変更や複合化・集約化を図る一方、必要性が認められない施設については、廃止・撤去を進めるなど、戦略的な取組を推進する。

既存の取組の進捗状況

 「県有地・県有施設の財産経営戦略」では、前ページまでに掲載した取組とともに、県有施設の長寿命化対策などの既存の取組についても、連携を図りながら総合的にファシリティマネジメントを推進していくこととしています。

■ 県有地・県有施設の総合的な利活用の推進

 新たな利活用が可能な県有地・県有施設を洗い出し、使用用途の変更、他の行政目的での活用、売却等一層の利活用を図ります。

【実施状況】

(1)県有地の売却

 平成27年度売却実績 約110億円

(2)自販機設置場所の一般競争入札による貸付け

 平成27年度分 965台 約7億円の収入

(3)駐車場の貸付け

 平成27年度分 約1.6億円の収入

■ 長寿命化対策のより一層の推進

 「神奈川県県有施設長寿命化指針」(平成14年12月策定)に基づき、既存ストックの有効活用や機能改善(リノベーション)、適切な維持管理(計画的な修繕工事の実施)等により施設の長寿命化対策を推進しています。

【計画修繕工事等の実施状況】平成27年度 約7.7億円(工事、設計委託)

■ PFI事業等の更なる充実

 県警察自動車運転免許試験場整備等事業について、平成27年7月に特定事業契約を締結しました。

 また、県立体育センター等の再整備の一部をPFI事業として実施するに当たり、PFI事業者選定評価委員会を平成28年1月に設置し、事業者の選定及び事業の推進に関する意見聴取を行いました。

(参考)県有財産のストックの状況

県有地(土地の状況)

土地面積グラフ

土地面積表

土地価格グラフ

土地価格表

 

 

県有施設(建物の状況)

 建物面積グラフ

建物面積表

建物価格グラフ

建物価格表

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このページの所管所属は 総務局 財産経営部 施設整備課 です。