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更新日:2026年6月15日

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知事議会提案説明(提案説明 令和8年第2回定例会)〔6月提案〕

令和8年第2回定例会(提案説明)

 本日、提案しました令和8年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
 はじめに、経済対策についてです。
 我が国の経済状況を概観しますと、雇用・所得環境が改善される中で、景気は緩やかな回復が続くことが期待されています。その一方で、中東情勢の影響による景気の下振れリスクが高まっていることに加え、物価高騰が続いていることから、県民の皆様の生活や地域の産業を守る取組を引き続き実施していくことが求められています。
 こうした中、県では、令和7年度補正予算や令和8年度当初予算で物価高騰対策を計上しており、「かなトク!」キャンペーンなどの生活者支援や中小企業の生産性向上に向けた支援などを着実に実施していきます。
 さらに、今回提案しました補正予算案においても、国の交付金等を活用し、追加の物価高騰対策に係る経費を計上したところです。
 今後も、国の動きを注視しながら、物価高騰などの影響を大きく受ける県民生活や事業活動を守るため、必要な支援策について検討してまいります。
 また、中東情勢を巡る不透明な状況により、石油や関連製品の調達に関して不安を感じている事業者の皆様も多くいらっしゃいます。そこで県では、先月、中東情勢などが県内中小企業に与える影響を把握するため、国を含めた行政、支援機関、金融機関などが一堂に会する対策協議会を開催しました。この場では、中小企業の皆様が受けている影響など「現場の生の声」を伺い、国を含めた行政と支援機関などが一丸となって、事業者の皆様をきめ細やかにサポートしていくことを確認しました。
 今後も引き続き、県民生活や事業活動を守るため、「オール神奈川」で、早め早めの対応を進めてまいります。
 次に、特別自治市構想についてです。
 特別自治市構想は、政令指定都市が県から実質的に独立し、県の権限や税財源を一元的に管理する、いわゆる「特別市」を法制化しようとするものです。
 これまで県では、令和4年3月に「県の見解」を取りまとめ、特別市が実現した場合、県民生活に大きな影響を及ぼす恐れがあることから、住民目線から見て法制化は妥当ではないとの考えを明らかにしました。
 仮に、特別市が実現すると、現在の基礎自治体と広域自治体で役割分担している二層制の中で、巨大な一層制の自治体が誕生し、本県を分断することになるため、県全体での資源の融通や広域的な調整に困難を来たし、広域行政事務に支障が生じかねません。
 また、財政面でも、税源の集中する政令市内の県税を全て失うことから、県に巨額の財源不足が生じます。地方全体で財政状況が厳しい中、政令市の不足する財源を、県税の移譲によって解消することは不合理であり、県内市町村で実施していた県の行政サービスにも大きな影響が生じます。
 現在、第34次地方制度調査会で、特別市について議論が本格化しつつありますが、法制化を見据えた審議が進んでいくことを懸念しています。
 そうした中で、今年4月には県町村会から、5月には県内の3政令市を除く16市長から、特別市の法制化に反対する要望を受領しました。
 これらの要望では、特別市の実現により、「県による行政サービスや市町村への支援が大幅に低下するなど、特別市とそれ以外の市町村との間で格差の拡大が生じかねず、残された市町村は成り立たなくなる」といった、大変切実な声をいただきました。こうしたことを踏まえ、同月には、3政令市を除く全30市町村長とともに、県として、総務大臣に対して特別市法制化の反対について要請を行いました。その後、一般財団法人神奈川県私立中学高等学校協会からも、特別市に反対する同様の要望が寄せられたところです。

 このように、政令市を除く全市町村や関係団体から反対の声が上がっていることは、県と同様、特別市の実現に対する強い危機感の表れであり、その思いを県としても極めて重く受け止めています。
 特別自治市構想は、地域を分断して権限と財源を囲い込む、言わば「政令市ファースト」の考え方であり、我が国の地方自治のあり方にとって極めて大きな問題があるため、大都市制度の選択肢になり得ないと考えています。
 県は、全国知事会や特別市に反対する県内市町村、団体等と連携し、引き続き、法制化の阻止に向けてしっかりと対応してまいります。
 次に、税収の偏在是正についてです。
 本県をはじめとする地方財政は、社会保障関係費がさらに増加することが見込まれる中、頻発・激甚化する自然災害に備える国土強靭化、インフラ・公共施設等の老朽化への対策など、財政需要の増加が続き、厳しい状況にあります。
 一方、東京都は潤沢な財源を背景に住民への給付施策を続々と展開しており、子ども施策をはじめとする様々な施策において、周辺自治体との地域間格差が看過できない水準にまで拡大している現状があります。その主な原因は、東京都への税源偏在による税収の集中にあり、令和8年度与党税制改正大綱においても、「財政力格差や行政サービスの地域間格差は主に地方税源の偏在によって生じている」とされ、偏在性の小さい地方税体制の構築に向けた具体的な取組の必要性が示されています。
 私は、税源偏在による税収の集中について、東京都が悪いのではなく、東京都に税収が集中してしまう地方税制の仕組みに問題があると考えています。そこで、本県と同じ課題意識を持つ埼玉県知事、千葉県知事とともに、今年4月に財務大臣、総務大臣、自由民主党税制調査会長へ、それぞれ税源の偏在性が小さく安定的な税収を確保できる地方税体系の構築を早急に検討するよう要請しました。
 本県は引き続き、あらゆる機会を活用して国に働き掛け、税収の偏在是正に向けて全力を尽くしてまいります。
 次に、共生社会の実現に向けた取組についてです。
 本年は、津久井やまゆり園事件から10年という節目の年となります。県では、あのような痛ましい事件を二度と繰り返してはならないという強い決意のもと、議会の皆様とともに「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定し、その理念を広く普及させる取組を進めてきました。また、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」を制定し、憲章の理念を実現するため、様々な施策を実践してきました。
 しかしながら、若い世代を中心に事件を知らない方が徐々に増えており、事件を風化させないためにも、この憲章に込められた思いを次世代にしっかりとつなげていくことが課題となっています。
 そこで県では、憲章の理念の普及と誰もがその人らしく暮らすことのできる「ともいき社会」について考えるきっかけとなるよう、子どもたちにも理解しやすいコンセプトブック『みんなってだれのこと?』を制作し、県内の小学校での道徳や総合学習の授業、出張授業、地域イベントなどで広く活用していきます。
 また、7月に開催する津久井やまゆり園事件の追悼行事において、誰もがその人らしく地域で暮らせる社会を目指し、当事者目線の障害福祉について県民の皆様と共に考える「誓いの集い」を実施します。
 現在、県立福祉機構では、当事者の人生を支援者と一緒に振り返り、徹底的に対話を重ねることで課題を明らかにし、当事者の目線に立って、より良い暮らしに向けた解決策を考え実践していく「当事者研究」をはじめとする「福祉を科学する」取組を進めています。
 「誓いの集い」では、この「福祉を科学する」観点を踏まえ、当事者や現場の視点を持つ方々と議論を行い、次世代に伝えるメッセージを打ち出したいと考えています。

 県は、事件を風化させることなく、共生社会の実現に向けて引き続き全力で取り組んでまいります。
 次に、「GREEN×EXPO 2027」についてです。
 一都三県で初の万博となる「GREEN×EXPO 2027」の開幕まで300日を切る中、県では機運醸成の取組や出展に向けた準備を本格化させています。
 機運醸成の取組では、公式マスコットキャラクター「トゥンクトゥンク」の折り紙を、子どもから大人まで多くの皆さんに作っていただき、GREEN×EXPO 2027を応援する想いをつなげていく取組を進めていくほか、県の「GREEN×EXPO 2027」応援絵本である、「いのち輝く“Vibrant INOCHI”」をテーマとした絵本を作成し、幼稚園や小学校などに配付することで、「GREEN×EXPO 2027」への期待を高めてもらう取組を進めています。
 また、現在制作中のオリジナルミュージカルでは、テーマ曲に合わせて踊る動画を幅広い層から募集し、集めた動画をミュージカルの演出や機運醸成などで活用していきます。
 さらに、全国から多くの方にご来場いただけるよう、私自らが全国各地に足を運び、積極的なPR活動を始めたところです。
 加えて、子どもたちへの参加機会の創出として、県内の学校で子どもたちが開幕に合わせて一斉に花を育てる「かながわ花咲かスクールプロジェクト」の展開や、「GREEN×EXPO 2027」に行きたいという県内の子どもたちの希望をかなえる取組を進めます。
 県は、「GREEN×EXPO 2027」の準備を着実に進め、「みんなで盛り上げ、みんなで創り、みんなが参加できる万博」をオール神奈川で創り上げてまいります。
 それでは、ただいま提案しました補正予算案についてご説明申し上げます。
 今回の補正予算案では、国の補正予算を踏まえた物価高騰対策など、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。
 まず、補正予算案(その1)についてです。
 はじめに、物価高騰対策についてです。
 国は、中東情勢が依然として不透明である中、燃料輸入価格の上昇が、今後、電気・ガス料金に反映されていくと見込まれるため、使用量が多くなる7月から9月の電気・ガス料金に対する支援を行うとともに、地方が特別高圧電力やLPガスの利用者への支援などを行うことができるよう、重点支援地方交付金の追加措置を決定したところです。
 そこで、県では、この交付金を速やかに活用し、物価高騰対策に係る経費を計上することとしました。
 まず、LPガス料金の高騰による一般消費者等の負担を軽減させるため、LPガス販売事業者が実施する利用料金の値引き等に対して、支援します。
 また、電気代高騰の影響を受けている中小企業や医療機関の負担を軽減させるため、特別高圧電力を受電する製造業、倉庫業、医療機関や、商業施設等に入居する事業者を支援します。
 次に、介護及び障害福祉分野の賃上げ等に対する支援についてです。
 令和7年度12月補正予算(その2)で措置した賃上げ等に取り組む事業者への補助について、申請額が見込みを上回り、事業費が不足することから、所要の経費を追加計上します。
補正予算案(その1)は、一般会計で50億900余万円となっており、財源としては、国庫支出金や財政基金繰入金等を充当しています。
 次に、補正予算案(その2)についてです。
 まず、国の「高校教育改革に関する基本方針」に沿って、実行計画の策定や、改革を先導する拠点の整備を進めるために必要な体制構築を行います。
 また、安全な無痛分娩を提供する体制を確保するため、地域の基幹病院と麻酔科専門医が常駐していない分娩取扱施設の連携を推進するモデル事業を実施します。

 このほか、「学校職員の給与等に関する条例」の一部改正により、駐車場等の利用に対する通勤手当を新設することに伴い、所要の経費を計上します。
 補正予算案(その2)は、一般会計3億7,000余万円で、財源につきましては、国庫支出金や財政基金繰入金等を充当しています。
 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の改正13件、特定事業契約の変更2件、動産の取得1件、指定管理者の指定4件など、全体で22件のご審議をお願いしています。
 まず、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例は、県立高校改革実施計画(III(ローマ数字の3)期)に基づく再編・統合により、旭高等学校と横浜旭陵高等学校を新たに横浜旭高等学校として、また、横浜桜陽高等学校と永谷高等学校を新たに戸塚南高等学校として、さらに、藤沢清流高等学校と深沢高等学校を新たに藤沢東高等学校として設置するため、所要の改正を行うものです。
 条例の改正については、このほか12件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の案件ですが、特定事業契約の変更は、物価変動による改定等に伴い、県営上溝団地特定事業契約の変更など2件をお願いするものであり、動産の取得は、県立高校における通信機器を買い入れるものです。
 このほか、指定管理者の指定など、6件を提案しています。
 なお、令和7年度の一般会計の決算見込みにつきましては、現在、計数を精査中であり、最終確定には至っていませんが、実質収支では黒字決算が見込まれることを、併せてご報告申し上げます。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
 よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

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