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更新日:2025年11月25日

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知事議会提案説明(提案説明 令和7年第3回定例会)〔11月提案〕

令和7年第3回定例会(提案説明)

 本日、提案しました令和7年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。

 はじめに、新たな経済対策への対応についてです。
 我が国の経済状況を概観しますと、景気は緩やかな回復が続くことが期待されていますが、依然として賃金上昇が物価上昇に追い付いていないことに加え、米国関税措置による影響が懸念されることから、引き続き、物価高に苦しむ地域住民や地域の産業を守る取組を継続、拡充していくことが求められています。
 そうした中、今月21日に閣議決定された総合経済対策は、「生活の安全保障・物価高への対応」、「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」、「防衛力と外交力の強化」を3本柱としており、これに基づいて、今後、これらの施策を実行するための補正予算の編成が見込まれます。
 県としても、こうした国の動きを踏まえ、今後、交付が見込まれる国の重点支援地方交付金を活用し、物価高の影響を大きく受ける県民生活や事業活動を守るため、必要な支援策の検討を進めてまいります。
 また、経済対策にはガソリン税と軽油引取税の暫定税率廃止についても盛り込まれています。暫定税率の廃止に伴う本県の実質的な減収額は約110億円になると見込まれており、県政運営は多大な影響を受けることになります。経済対策では、暫定税率廃止に伴い必要となる地方の安定的な財源を確保するとされていますが、仮に、県が影響を受けることになる場合には、速やかに国に対応を求めていきます。

 次に、DV・ストーカー被害者など、困難な問題を抱える女性等への支援についてです。
 県では、川崎市でストーカー被害を訴えていた女性の尊い命が失われた事件を受け、6月に緊急シンポジウムを開催し、いただいたご意見等を踏まえて、先月、「DV・ストーカー対応強化特別チーム」を立ち上げ、支援の充実に向けた検討を進めています。
 また、9月に県警察が検証結果等報告書を公表したことを踏まえ、今後、必要とされる支援について県民の皆様と一緒に考えるため、シンポジウム第2弾「声を力に~当事者目線で考えるDV・ストーカー被害者支援のかたち~」を今月7日に開催し、当事者目線に立った被害者支援の在り方についてさらにご意見をいただきました。
 改めて、シンポジウムでの議論を通じ、被害を受けている方がどこに相談してもワンストップで支援につながる仕組みをつくるなど、被害者の方を社会全体で守っていく必要があるという思いを強くしました。
 引き続き、「DV・ストーカー対応強化特別チーム」を中心に、ポータルサイト・SNSなどを活用した広報や相談支援体制、一時保護・自立支援機能の強化のほか、警察・行政の情報共有ルールの検討などに早急に取り組んでいきます。
 さらに、シンポジウムでは、被害者から、混乱した状況の中で冷静に相談するのは難しく、意思も揺れ動いてしまうという声がありました。
 また、様々な課題を抱える被害者を支援するためには、警察だけではなく、行政・民間団体など関係機関が連携して、支援する側が積極的に動く必要があり、そのためには県が条例などの普遍的な決まりを作り、社会全体で被害者を守っていくことを示してはどうか、といったご意見もいただきました。
 DV・ストーカー被害者の中には、生活困窮や子どもの養育、心身の不調等、様々な困難を複合的に抱えている女性も多く、そうした方々を支援する団体からも条例制定についての要望をいただいています。
 こうした当事者からの切なる声を受け、被害者をみんなで守っていくために、DV・ストーカー被害者を含む困難な問題を抱える女性等への支援については、条例の制定も含めて様々な検討をしていくとともに、必要な制度改正を国に求めていきたいと考えています。
 県では、市町村・警察・関係団体などと連携し、当事者目線に立った支援を充実させることで、DV・ストーカー被害者など、困難な問題を抱える女性等の「いのち」を社会全体で守ることができるよう、しっかりと対応してまいります。

 次に、地震防災対策についてです。
 能登半島地震の発生から間もなく2年となります。先月、私も被災地を視察しましたが、今なお生々しい爪痕が随所に残っており、復興への道のりの険しさを感じました。現在、本県から15人の任期付き職員を石川県庁や被災地の町役場に派遣していますが、引き続き被災地の復興に向けた支援に取り組むとともに、活動を通じて被災者支援のノウハウを蓄積していきます。
 また、災害時の要配慮者支援の在り方の参考とするため、社会福祉法人佛子園が行う共生のまちづくりの取組を視察しました。キーワードはごちゃまぜでした。日常的に高齢者や若者、障がい者など多様な人たちがごちゃまぜに交流することができる、みんなの居場所が実現されていました。こうした場が、災害時にも「いつもの場所」として地域の支援拠点となるのだということを実感しました。実際に、能登半島地震が発生してからは多くの被災者が訪れ、施設に集まった人々同士が自然に交流することで被災者の心のよりどころになるなど大きな力を発揮しているとのことでした。本県でも、こうした取組が広まるよう検討を進めてまいります。
 さらに、災害時、いち早く被害状況を把握することや、能登半島地震で顕在化した地域の孤立化の課題に対応するため、今年度から暫定的に民間ヘリコプターをチャーターし災害時の応急体制の強化を図っています。本年7月に発生したカムチャツカ半島付近の地震により本県の沿岸部に津波警報が出された際には、速やかにヘリコプターを出動させることで、上空からの広範囲にわたる情報収集を短時間で行うことができ、災害時におけるヘリコプターの機動性と有効性を再認識しました。引き続き、チャーター機の運用実績を積み重ねながら、防災ヘリの本格導入に向けた検討を進めていきます。
 地震防災対策で、何よりも大切なことは、県民の皆様の「いのち」を守る視点です。「誰一人取り残さない」ことを目指して、災害に弱い立場の方を含め、徹底して当事者目線で考え、地震防災対策の強化につなげてまいります。

 次に、国際園芸博覧会についてです。
 一都三県で初の万博となる「GREEN×EXPO 2027」の開幕まで500日を切りました。県では、一層の機運醸成を図るため主要駅や商業施設でのプロモーションやシティドレッシングを実施するとともに、「GREEN×EXPO 2027応援団」に新たに華道家の假屋崎省吾さんをはじめ5人に就任していただき、盛り上げに一役買っていただきたいと考えています。
 また、「GREEN×EXPO」には、国内外から多くの方の来訪が見込まれていることから、来場者に神奈川の食や自然、文化・歴史など多彩な魅力をPRして県内周遊を促すとともに、昨年、1年間で2億人を超える観光客が来訪した本県のポテンシャルに着目し、県内各地を訪れた観光客が、「GREEN×EXPO」会場へも足を延ばしたくなる仕掛けづくりを検討します。
 先月、大阪・関西万博は184日間の会期を終え、多くの人に惜しまれながら閉幕しました。大阪・関西万博の盛り上がりと感動を「GREEN×EXPO」に引き継いでいけるよう、「みんなで盛り上げ、みんなで創り、みんなが参加できる万博」をオール神奈川で創り上げてまいります。

 それでは、ただいま提案しました補正予算案についてご説明申し上げます。
 今回の補正予算案では、9月補正予算編成後の状況の変化を踏まえ、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。

 まず、元野庭高校における雨水地下貯留施設設置工事について、試験施工で判明した地盤沈下のリスクに対応するため、地盤改良工事等を追加で実施します。
 また、介護保険財政安定化基金会計において、施設サービス利用者の増加等に伴う介護給付費の増加により、介護保険事業の財源に不足が生じた清川村に対し、必要な資金の貸付を行います。
 このほか、建設事業等の年間事業量のより一層の平準化に向けて、令和8年度当初予算への計上を予定している建設事業等の一部を前倒しして年度内に発注するため、「当該年度の支出がゼロの県費債務負担行為」いわゆる「ゼロ県債」を過去最大の額で設定します。
 以上が補正予算案の概要ですが、補正予算の総額は一般会計で、2億1,000万円、特別会計で1,400余万円となっています。
 また、一般会計の補正予算の財源としましては、繰越金及び県債を充当しています。

 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の改正15件、工事請負契約の締結5件、動産の取得1件、指定管理者の指定の変更24件など、全体で53件のご審議をお願いしています。

 まず、今回は、令和8年4月1日に予定している地方独立行政法人神奈川県立福祉機構の設立に向け、条例の制定1件を含む4件の関連議案についてご審議をお願いしております。
 地方独立行政法人神奈川県立福祉機構に係る重要な財産を定める条例は、同機構の重要な財産について、所要の定めをするものであり、神奈川県立の障害者支援施設に関する条例の一部を改正する条例は、福祉機構を設立し、同時に神奈川県立中井やまゆり園を同機構による運営に移行することに伴い、所要の改正をするものです。
 また、地方独立行政法人神奈川県立福祉機構中期目標は、地方独立行政法人法第25条第3項の規定に基づき提案するものであり、地方独立行政法人神奈川県立福祉機構に承継させる権利を定めることについては、同機構に承継させる権利について、所要の定めをするものです。

 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 神奈川県県税条例の一部を改正する条例は、「かながわ水源環境保全・再生基本計画」に基づく「第I期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」の財源に充てるため、個人県民税の超過課税、いわゆる水源環境保全税の適用期間を令和9年度から令和13年度までの5年間延長するなど、所要の改正を行うものです。
 条例の改正については、このほか13件の改正をお願いしています。

 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結は、高相合同庁舎新築工事(電気)請負契約など5件をお願いするものであり、動産の取得は、本県の抗インフルエンザウイルス薬備蓄目標を踏まえ、行政備蓄用抗インフルエンザウイルス薬であるラピアクタを買い入れるものです。
 また、指定管理者の指定の変更は、令和8年度末に指定期間が満了する県立都市公園及び県立都市公園と一体管理している県立スポーツ施設の指定管理者の指定24件について、県としてより魅力ある公園づくりを進めるため、検討を行う間の措置として、2年間の指定期間の延長をお願いするものです。
 このほか、県道路線の認定及び廃止についてなど、5件を提案しています。
 なお、職員の給与につきましては、現在関係条例の改正等について準備を進めています。今後、本定例会に提案し、ご審議いただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 以上をもちまして、私の説明を終わります。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
 よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

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