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更新日:2024年9月9日
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令和6年第3回定例会(提案説明)
提案説明に入ります前に、一言申し上げます。
先月末から今月初めにかけて、日本列島に猛威を振るった台風10号に伴う大雨により、県内各地で昭和51年の統計開始以来最多となる雨量が観測され、土砂崩れや住宅の浸水などの被害をもたらしました。
被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
県では、先月30日に、直ちに私を本部長とする災害対策本部を立ち上げ、災害発生に備えるとともに、県民の避難対策を迅速に行うため、国や市町村と調整し、県内の5市5町に災害救助法の適用を決定しました。
今後も、関係機関と協力して、県民の安全確保に全力を挙げて取り組んでまいります。
それでは、本日、提案しました令和6年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
はじめに、地震対策の強化についてです。
先月8日、宮崎県日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、国は、運用開始以来初となる「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。 県では、国の発表後直ちに、私から県民の皆様に向けたメッセージを発出し、正しい情報の把握に努め、冷静に対応してほしいことや、日頃からの地震への備えの再点検などを呼び掛けました。また、それとともに、庁内に応急体制を敷いて、全庁横断的な危機管理対策会議幹事会を開催し、南海トラフ地震の臨時情報の内容の共有や、地域防災計画に基づく県の対応、地震発生時に即応できる関係機関との連絡調整体制などを確認することで、後発地震への備えを強化しました。
「南海トラフ地震臨時情報」の発表から1週間が経過した15日には国からの防災対応の呼び掛けは終了しましたが、大規模地震の発生の可能性がなくなったわけではありません。
本県では、南海トラフだけでなく、相模トラフを震源とする地震や、首都直下地震など、より大きな被害が想定される地震の切迫性も指摘されています。「南海トラフ地震臨時情報」の発表翌日には、本県西部を震源とする最大震度5弱の地震が発生したこともあり、今後も引き続き、しっかりと地震対策に取り組んでいかなければならないと考えています。
地震対策で重要なことは、「県民のいのちを守る」ことを最優先に考え、自助・共助・公助が一体となって県民総ぐるみで防災・減災対策に取り組むことです。
県では、いつ起きてもおかしくない大規模地震による被害を軽減させるため、現在、新たな「神奈川県地震防災戦略」の策定に取り組んでいるところです。
新たな地震防災戦略では、「誰一人取り残さない」ことを目標に、災害に弱い立場の方を含め、徹底して当事者目線で考え、地震対策の強化につなげてまいります。
また、災害による被害を最小限に抑えるためには、被害状況の迅速な把握や効果的な応急体制のさらなる強化が必要となります。
こうした応急体制の強化には防災ヘリが有効ですが、現在、県は、自らが主導して運用できる防災ヘリを保有していない状況にあります。防災ヘリの導入に当たっては、財政負担や駐機場所の確保など解決すべき課題も多くありますが、早期に防災ヘリが導入できるよう検討を進めてまいります。
次に、国際園芸博覧会についてです。
一都三県初の万博である「GREEN×EXPO 2027」の成功に向け、県では、幅広い関係者と連携しながら、「みんなで盛り上げ、みんなで創り、みんなが参加できる万博」を目指し、オール神奈川で盛り上げていきたいと考えています。
現在、策定作業を進めている「出展基本構想」では、県政の基本理念である「いのち輝く/Vibrant INOCHI」をメインテーマとして掲げ、「花・緑出展」、「ステージ出展」、それぞれの出展方針をお示しします。
「花・緑出展」では、共生社会の実現や持続可能な社会づくりなど県の施策をPRするため、屋外の庭園と屋内展示が可能な施設を設置して、車いすでも楽しめる庭園や再生利用可能な資材を活用した花壇などを展示します。また、「ステージ出展」では、「いのち輝く/VibrantI NOCHI」のコンセプトを分かりやすく表現するステージパフォーマンスを披露します。
さらに、万博を盛り上げていくために、機運醸成の取組も進めています。県では、この9月5日に、県ゆかりの著名人などのご協力を得て、「GREEN×EXPO 2027 応援団」を結成しました。団長には、かながわ環境大使でもあるミュージシャンの白井貴子さんに就任いただいたほか、芸能やメディアで活躍されている方々、地域で活動する子どもたちなど、多彩な分野や幅広い年代の方々にご参加いただくことができました。今後、この応援団に様々な機会で万博のPRをしていただくとともに、「GREEN×EXPO」への参加を幅広く呼び掛けていただくことにより、オール神奈川で盛り上げていきたいと考えています。
さて、ここで、本県の財政状況について、ご報告申し上げます。
まず、本年度の財政見通しです。
歳入の主力である県税と地方譲与税については、企業収益の増加による法人二税の増収や、物価上昇等に伴う地方消費税の増収が見込まれることから、現時点で当初予算に対して、税交付金等を差し引いた実質ベースで、約450億円の増収を見込んでいます。
一方、歳出面では、激甚化・頻発化している自然災害への対応など、年度後半に追加の財政需要が生じる可能性があり、慎重な財政運営を行っていかなければなりません。
次に、令和7年度の財政見通しです。
県税と地方譲与税については、定額減税の影響がなくなるとともに、個人所得の増加や好調な企業収益の影響が見込まれることから、6年度当初予算に対し、実質ベースで約650億円の増収が期待できますが、定額減税の補填に係る交付金がなくなることに加え、地方交付税と臨時財政対策債は、県税の増収に伴い減額となるため、一般財源総額の大幅な増額は見込めません。
また、6年度の税収増が一定程度見込まれるものの、今後、追加の財政需要が生じる可能性もあることから、前年度からの財源については、現時点では見込むことができません。
さらに、県債の償還財源として、過年度に臨時的に積み立てた基金からの繰り入れについても7年度は見込めません。
歳出面では、過去に大量発行した県債の償還がピークを過ぎたことにより、公債費が減少するものの、介護・医療・児童関係費や県有施設の更新等の政策的経費は、増額となる見込みです。
以上のことから、令和7年度は、現段階で概ね550億円の財源不足が見込まれています。
こうした中にあっても、令和7年度当初予算については、「新かながわグランドデザイン実施計画」に掲げるプロジェクトを着実に推進させるため、デジタルの力を積極的に活用し、子ども・子育て支援の取組や当事者目線の障がい福祉の実現、新たな地震防災戦略の推進など、喫緊の課題に的確かつスピード感を持って対応していかなければならないと考えています。
それでは、ただいま提案しました補正予算案についてご説明申し上げます。
今回の補正予算案では、6月補正予算編成後の状況の変化を踏まえ、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。
まず、AIを活用した災害対応支援として、大規模災害時における職員の意思決定や作業を支援するため、発災時に収集される膨大な情報を整理・分析するAI機能をデータ統合連携基盤に追加します。
次に、「GREEN×EXPO 2027」への出展に向けて、庭園や展示施設の設計及び工事を実施するとともに、屋外演出及び屋内展示の企画・制作を行うため、継続費を設定します。
また、運転免許センターにおいて、令和7年8月からキャッシュレス化を進めることに伴い自動決済機を導入するため、債務負担行為を設定します。
さらに、交番勤務の警察官及び機動隊員の暑さ対策として、耐刃防護衣に対応した空調ベストを整備するため、債務負担行為を設定します。
このほか、中小企業資金会計として、県内小規模企業者等の設備投資意欲の増加に対応するため、公益財団法人神奈川産業振興センターが実施する設備の割賦販売及びリース事業に対する貸付金を拡大します。
以上が補正予算案の概要ですが、補正予算の総額は一般会計で、1億6,400余万円、特別会計で2億円、合わせて、3億6,400余万円となっています。
また、一般会計の補正予算の財源としましては、国庫支出金及び繰越金を充当するなど、収支の均衡を図っています。
次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の改正8件、工事請負契約の締結2件、動産の取得1件、指定管理者の指定1件など、全体で14件のご審議をお願いしています。
まず、条例の制定ですが、宅地造成及び特定盛土等規制法施行条例は、宅地造成及び特定盛土等規制法の施行を踏まえ、特定盛土等規制区域における規制対象規模を強化する規定等について、所要の定めをするものです。
次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。神奈川県地球温暖化対策推進条例の一部を改正する条例は、脱炭素社会の実現に向けて、事業活動における排出削減対策をさらに促進させるため、事業者による脱炭素化の取組を県が評価する仕組みを導入するなど、所要の改正を行うものです。
条例の改正については、このほか地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例など、7件の改正をお願いしています。
次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結は、都市計画道路城山多古線(仮称)新坂下トンネル新設工事請負契約など、2件をお願いするものです。
また、動産の取得は、県立高校における通信機器を買い入れるものであり、指定管理者の指定は、武道館のご審議をお願いするものです。
このほか、令和5年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県流域下水道事業決算の認定につきましては、監査委員の審査が終了しましたので、ご審議をお願いするものです。
以上をもちまして、私の説明を終わります。
細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願い申し上げます。
このページの所管所属は政策局 知事室です。