知事議会提案説明(提案説明 令和2年第3回定例会)〔11月提案〕

掲載日:2020年11月25日

 本日、提案しました令和2年度補正予算案ならびにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
 はじめに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 まず改めて、長きにわたりウイルスとの闘いにご尽力いただいている医療現場、福祉・介護現場の皆様をはじめ多くの方々に、心から感謝申し上げます。
 11月に入り、新型コロナウイルス感染症が再び拡大し、受入病床が不足する事態も懸念される、非常に深刻な状況です。
 今月14日には「医療アラート」を発動し、神奈川モデルにご協力いただいている医療機関に、病床の拡大をお願いしました。また、必要な入院体制を維持するため、入院基準の見直しを検討していきます。
 さらに、感染が市中にまん延している地域では、感染の状況を追跡調査する積極的疫学調査の目的を果たすことが難しくなってきています。そのため、保健所設置市と協議の上、リスクの高い医療機関、高齢者施設、福祉施設などに調査の対象を重点化していきます。
 一方、県内の医療提供体制は、現時点で、通常の医療にも対応可能な態勢を確保しています。県は、県民の皆様に対して、動画などを通じて必要な治療や検診はためらわずに受けていただくよう呼び掛けています。
 また、季節性インフルエンザとの同時流行に備えて、かかりつけ医で受診ができない人のために診療可能な医療機関の予約代行を行う「発熱等診療予約センター」を全国に先駆けて設置するなど、「発熱患者の診療体制」を構築し、「医療難民」を発生させないための取組みを進めています。
 当面、感染の拡大が続き、医療提供体制への圧迫も懸念されるところですが、引き続き、医療機関の皆様とともに、医療提供体制「神奈川モデル」により、県民の皆様が安心して医療を受けられる体制を堅持してまいります。
 そして、今後の感染の爆発的な拡大を防ぐためには、改めて、県民の皆様一人ひとりがウイルスはどこにでもいるという強い意識を持って、徹底用心していただく必要があります。
 そこで、県民や事業者の皆様には、基本的な感染防止対策として、県がこれまで推奨してきた、「M」適切なマスクの着用、「A」アルコール消毒、「S」アクリル板等で遮蔽、「K」距離と換気、これに冬は「加湿」を加えた、「M・A・S・K」、マスクの実践をお願いしています。
 中でも、飛沫による感染リスクは非常に高いとされていますので、感染のリスクを軽減する一つの取組みとして、実際に飲んだり食べたりするとき以外はマスクを着用する、新たな会食マナー「マスク会食」の実践・徹底について、普及を図っていきます。
 また、テレワークや時差出勤など、密を避ける取組みの継続や、感染防止対策取組書の掲示がないお店には行かないことをお願いしています。
 さらに、「Go To Eatかながわ」事業については、本日から、感染状況が落ち着き、「マスク会食」を含む「M・A・S・K」の実践が徹底されるまでの間、新規のクーポン販売を一時中断しました。
 しかしながら、今後も感染拡大が続けば、さらに強い対策を取らざるを得ません。引き続き状況を注視しながら、国、市町村、関係団体等と連携し、全力で取り組んでまいります。
 次に、デジタル・トランスフォーメーション、DXの推進についてです。
 県は、令和元年7月に、「かながわICT・データ利活用推進計画」を策定し、行政内部の業務全般の効率化を図る「行政の情報化」と県民の安全安心や利便性の向上を図る「くらしの情報化」に取り組んできました。
 近年、デジタル技術の進展によって社会が急激に変化し続けています。そのような中、大きな潮流となっているのがデジタルによる革新、DXです。新型コロナウイルス感染症により社会活動が大きく制約されたことで、私たちは、生活の様々な領域で緊急的な対応としてデジタル化を進めてきました。新型コロナウイルス感染症との闘いの長期化により、もはやデジタル技術は私たちの生活になくてはならないものとなっており、県としても対応していく必要があります。
 9月に発足した菅政権では、デジタル改革担当大臣を置き、DXの推進を掲げるとともに、デジタル庁の設置を検討しています。
 本県は、11月1日に新たに、いわば神奈川版デジタル庁となる「デジタル戦略本部室」を設置しました。行政手続のオンライン化を推進するとともに、電子決裁の拡大や、RPAやAIなどの活用によって、内部事務のデジタル化を推進することで、「行政の情報化」を加速します。
 併せて、健康・医療・介護、観光など様々な分野における「くらしの情報化」の取組みを、デジタルの側面から牽引し、各々を連携させることで、DXを推進してまいります。
 また、DXが進展すれば、生活はより便利になりますが、DXを社会に浸透させていくためには、いわゆるデジタルファーストではなく、県民の皆様にデジタルを通して温かさや優しさを感じていただく体験「デジタル・エクスペリエンス」が重要です。
 そこで、その推進体制として、「デジタル・エクスペリエンス推進チーム」を発足させました。このチームでは、生活者目線から「不便・不満・不安・困りごと」を解消し、社会的課題の解決や未来社会の創造を目指して、市町村や企業と連携しながら、出来ることから着手し、その成果をいち早く県民の皆様に実感していただけるよう取り組んでまいります。
 ポストコロナ時代においては、新たな日常、新たな生活習慣、新たな働き方が求められています。今後は、そうした社会を支えるDXを着実に推進し、県民の皆様の「いのち輝く」神奈川の実現を加速化してまいります。
 それでは、この度提案しました補正予算案についてご説明申し上げます。
 今回の補正予算案では、新型コロナウイルス感染症への対応など、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 福祉サービスの提供体制を維持するため、マスクや消毒液の購入など、施設における感染症対策の実施に対する補助について、追加で措置します。
 また、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者への対応など、感染リスクを抱えながら、業務を行っている保険薬局の従事者について、9月補正予算で措置した薬剤師に対する慰労金に加え、新たに事務員に対し、1人当たり3万円の慰労金を県独自に支給します。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大により深刻な影響を受けた観光事業者を支援するとともに、地元・神奈川県の魅力を再発見する契機とするため実施している、県民限定の県内旅行の割引について、引き続き実施できるよう措置します。なお、本事業については、感染が拡大している現下の状況を踏まえ、翌年度に繰り越して執行できるよう、繰越明許費を設定した上で、今後慎重に実施時期を見極めてまいります。
 また、生活困窮者の増加に対応するため、生活福祉資金の特例貸付を行う県社会福祉協議会に対する貸付原資等の補助について、追加で措置します。
 このほか、県立高校において、空調設備未設置教室で授業を行う際の熱中症リスク軽減のため、特別教室における空調設備工事の一部を前倒しして実施します。
 なお、9月補正予算で計上した、キャッシュレス決済時に決済額の20%を還元する県内消費喚起対策事業など、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、年度内に支出が終わらない見込みの事業について、来年度も継続して実施するため、繰越明許費を設定します。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策以外についてです。
 令和6年度から医師の時間外労働規制が適用されることから、医療機関の働き方改革を推進するため、勤務医の労働時間短縮に向けた体制整備に対して新たに補助します。
 また、建設事業等の年間事業量のより一層の平準化に向けて、令和3年度当初予算への計上を予定している建設事業等の一部を前倒しして年度内に発注するため、「当該年度の支出がゼロの県費債務負担行為」いわゆる「ゼロ県債」を過去最大の額で設定します。
 補正予算額は一般会計で、309億2,500余万円となっており、財源につきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金などの国庫支出金のほか、繰入金等を充当し、収支の均衡を図っています。
 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の改正22件、特定事業契約の変更1件、指定管理者の指定の変更2件、和解2件など、全体で29件のご審議をお願いしています。
 まず、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 神奈川県行政機関設置条例の一部を改正する条例は、大規模化した児童相談所の適正規模化や、迅速かつ的確に事案に対応できる体制の確保を目的として、所管区域を変更するとともに、新たに大和綾瀬地域児童相談所を設置するため、所要の改正を行うものです。
 職員の給与及び通勤に要する費用の弁償に関する条例等の一部を改正する条例は、去る10月28日に人事委員会から勧告を受けました職員の給与改定につきまして、関係職員団体との協議が整いましたので、職員の期末手当の支給割合について、所要の改正を行うものです。
 また、県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例及び知事及び副知事の給与等に関する条例等の一部を改正する条例は、県議会議員及び知事等の期末手当の支給割合について、所要の改正を行うものです。
 食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の一部を改正する条例は、食品衛生法の一部改正により、営業許可業種が見直されたことに伴い、厚生労働省令を参酌した新たな営業の施設基準のほか、屋台等の臨時営業を対象とした施設基準を定めるなど、所要の改正を行うものです。
 条例の改正については、このほか地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例など、17件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の案件ですが、特定事業契約の変更は、神奈川県衛生研究所の研究支援事業における情報セキュリティの強化を図るため、県が直接パソコンの整備及び運用・保守等を行うなど、研究支援に関する費用の変更をお願いするものであり、指定管理者の指定の変更は、東京2020オリンピック競技大会のセーリング競技が1年間延期されたことを踏まえ、湘南港及び葉山港について1年間の指定期間の延長をお願いするものです。
 和解については、リース期間満了により返却したハードディスクの盗難事件に伴う損害賠償請求に係る和解など2件について提案するものです。
 このほか、当せん金付証票の発売など2件を提案しています。
 以上をもちまして、私の説明を終わります。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa