知事議会提案説明(提案説明 令和2年第1回定例会)〔2月提案〕

掲載日:2020年2月12日

 県議会第1回定例会の開会にあたり、提案しました令和2年度当初予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。

 はじめに、新型コロナウイルス感染症についてです。

 昨年12月以降、中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスに関連する肺炎患者が確認され、日本をはじめ各国に感染が拡大しています。

 1月16日に、本県においてわが国で最初の感染事例が発生しました。県は、ただちに危機管理対策会議を開催し、庁内で情報共有を図るとともに、県ホームページのトップに専用ページを掲載し、私自ら、動画で直接、咳エチケットや手洗い等、インフルエンザと同様の感染防止対策を取っていただくよう、県民の皆様に呼び掛けました。

 また、県民の皆様のご相談に対応するための専用ダイヤルを国に先駆けて1月25日に開設し、ご相談にお答えしてきました。2月10日からは、感染の疑いのある方を診療体制の整った医療機関に確実につなぐための調整を行う「帰国者・接触者相談センター」を、各保健福祉事務所に設置しました。

 さらに、2月5日に、全国知事会として国に対し緊急提言を行い、国における水際対策の徹底や、ワクチンの早期開発など、総合的かつ強力な対策を講じるよう求めました。私も、全国知事会危機管理・防災特別委員会委員長として同席し、国民の不安解消に向け、情報の公開など、国から統一的な対応方針を提示していただくよう要請しました。

 また、感染、拡大防止に向けて、適切かつ迅速な対応を行うことができるよう、医療機関へ配布するための感染症防護具や、罹患された方の運搬機器、衛生研究所が使用する検査機器等の購入について、予備費を活用するなどして、緊急的な措置を指示しました。

 そうした中、2月3日に横浜港に到着したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」において、現在までに174名の方の感染が確認されました。県では、国や他の自治体、神奈川DMATなどと連携して、医療機関の調整や患者の円滑な搬送に対応してきましたが、さらに迅速な対応を図っていくため、私を本部長とする「ダイヤモンド・プリンセス号に係る神奈川県新型コロナウイルス対策本部」を設置し、関係機関が一堂に会して情報共有や対応などを決定し、一体となって取り組んでいます。

 一方で、この状況が長期化すると、観光業や製造業など県内産業への影響も懸念されます。県は、中小企業に対する経営相談窓口を1月30日に設置し、経営や金融に関する相談を受け付けるとともに、事業活動に影響を受けている中小企業向けに、中小企業制度融資の対象を拡充し、金融機関での融資相談の受付を2月7日より開始しています。

 引き続き、国、市町村、関係団体とも密に連携し、状況の把握と正確な情報発信を行いながら、新型コロナウイルス感染症のまん延の防止と県内経済への影響軽減に万全を期してまいります。

 次に、「オリパラで躍動する神奈川~新たなステージへ~」についてです。

 私は、「いのち輝くマグネット神奈川」を掲げ、2011年に知事に就任して以来、様々な先進的な政策を進めてきました。まだ道半ばのものもありますが、一方で、色々な取組みが形になってきたのも事実です。今年は、これまで築き上げてきた政策をもう一段階引き上げ、新たなステージを目指して挑戦をしてまいります。

 そこで、「SDGs最先進県 神奈川の7つの挑戦」として、「防災・環境」、「未病改善」、「ともに生きる」、「オリンピック・パラリンピック」、「観光立県」などの7つを選定しました。

 具体的には、まず、「防災・環境」では、昨年猛威を振るった台風を振り返ると、私たちはこれまでとは次元の違う気候変動、まさに気候の非常事態に直面しています。こうした危機感を市町村、企業、県民の皆様と共有し、ともに行動していくことを目的に「今のいのちを守る」、「未来のいのちを守る」、「気候変動問題の共有」を柱とした「かながわ気候非常事態宣言」を発表しました。

 この宣言をもとに、市町村をはじめ様々な主体と連携し、気候変動を踏まえた風水害への対応力強化のための「水防災戦略」による被害の最小化を目指す取組みや、2050年の脱炭素社会の実現に向けた取組みを着実に進めていきます。

 「未病改善」では、市町村や企業と連携して、現在まで県内66か所に「未病センター」を設置し、県民の皆様の身近なところで、未病への気づきや、未病改善の実践を支援しています。

 また、昨年秋の未病サミットにおいて、WHOと東京大学で3年間にわたって議論を重ねてきた成果として「未病指標」を発表しました。未病の状態を数値で示す「未病指標」により、自分が健康と病気の間のグラデーションのどの位置にいるか「見える化」することで、人々の行動変容を促すとともに、指標を活用した新しい商品が誕生することも期待され、未病産業の活性化にもつながるものと思われます。今後は、未病指標を「マイME-BYOカルテ」と連動させるとともに、未病センターで体験いただくなど、県民の皆様が、自分で自身の未病の状態を数値でわかるようにします。こうした取組みを通じて「未病指標で健康長寿社会」の実現を目指します。

 「ともに生きる」では、県内各地域のイベントとの連携、県教育委員会と連携した「いのちの授業」、大学、企業と連携した授業や研修などにより、憲章の理念への理解を深める取組みを引き続き進めていきます。また、「リスペクトでつながろう」をコンセプトに、動画やSNSなどを活用し、従来の取組みだけでは届きにくかった若年層向けのプロジェクトを展開するとともに、オリパラ関連イベントと連携した発信など、憲章の更なる普及と理念の浸透を図ります。さらに、共生共創事業において、シニア劇団の本格展開などに取り組み、「ともに生きる社会かながわ」を実現してまいります。

 「オリンピック・パラリンピック」では、これまで何年にもわたる取組みの集大成として、東京2020大会の成功に向け、準備を万全に整え、組織委員会等と連携した円滑な大会運営を目指すとともに、シティドレッシングや聖火リレーなどを通じてオール神奈川で大会を盛り上げてまいります。

 また、レガシーの継承として、4月にリニューアルオープンする県立スポーツセンターを活用して、県内アスリートのサポート、県民のスポーツの習慣化、障がい者スポーツの裾野の拡大などに取り組んでまいります。

 「観光立県」では、東京2020大会という機会をとらえ、1,000通りのツアーの戦略的展開、エグゼクティブへのプロモーション強化などに取り組み、神奈川の魅力を世界へ発信してまいります。

 いずれも、これまで施策をしっかりと積み重ねてきており、新たなステージに駒を進める状況ができています。オリンピック・パラリンピックで躍動する2020年、神奈川を更なる飛躍の年にしてまいります。

 次に、津久井やまゆり園についてです。

 昨年12月5日、本会議において、津久井やまゆり園の再生後の運営について、これまでの県の方針を見直し、指定管理者を公募で選定する方針に変更することを表明しました。

 その後、この方針の変更について、津久井やまゆり園の利用者、また、そのご家族にご理解をいただくため、私から直接お話しをし、丁寧にご説明させていただいています。

 また、この新たな方針に基づき、現在の指定管理者である、社会福祉法人かながわ共同会に基本協定に基づく協議を申し入れています。今後、協議が整えば、指定期間を短縮する議案を提出させていただきたいと考えています。

 一方、津久井やまゆり園における指定管理者としての利用者支援の状況や、法人としてのガバナンス体制、施設設置者としての県の関与等について、専門家の方の力を借りながら検証するため、1月10日に「津久井やまゆり園利用者支援検証委員会」を設置しました。

 検証する内容は膨大であり、その中には、当然、県の関わりに関するものもありますが、委員の皆様には、専門的な立場から、厳しい視点で検証いただき、ご提言を賜りたいと思います。

 また、検証結果につきましては、津久井やまゆり園だけの問題としてではなく、県の障害福祉全体のあゆみを一歩踏み出すための材料として受け止め、新しい利用者目線に立った障害福祉のあり方をともに作っていくために努力していきたいと考えています。

 県では、こうした取組みを重ねながら、ともに生きる社会の実現に向けて着実に歩んでまいります。

 次に、リース契約満了により返却したハードディスクの盗難についてです。

 昨年発生したハードディスクの盗難については、その後、盗難された18本すべてのハードディスクを回収でき、また、情報提供者の方が復元したデータもすべて消去されたことから、結果として情報が流出するという最悪の事態は避けることができました。

 今回の件は、データ消去作業を請け負った事業者内部で、ハードディスクが消去前に盗難されたものであり、県としてもまさかこのようなことが起こるのかという思いでした。

 しかし、想定外で済まされることではありません。県としてもデータ消去の履行確認が不十分であり、結果として、県民の皆様に不安を与え、県への信頼を揺るがす事態となってしまったことについて、改めて県民の皆様に深くお詫びいたします。

 今回の件を踏まえ、昨年末には外部有識者の方にも加わっていただいて再発防止策検討チームを発足させ、検討を行い、先月末には再発防止策を取りまとめ、県として決定しました。

 今後は、再発防止策に基づき、職員が立ち会いのもと、個人情報、重要情報を含むハードディスクは、磁気的破壊及び物理的破壊により復元不可能な状態にするなどし、二度とこのようなことのないよう、県の情報管理体制の強化を図ってまいります。

 次に、パワーハラスメント対策についてです。

 近年、政府機関、自治体、企業、教育機関など、様々な組織でパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントの事案が明るみに出て、暴力やハラスメントを許さない風潮が高まりを見せています。昨年5月には、労働施策総合推進法が改正され、初めて法律でパワハラについて規定されました。また、パワハラ防止のため、雇用管理上の必要な措置を講じることが事業主に義務付けられました。

 このような中、県も、パワハラの防止に向けた取組みを推進してきました。

 まず、昨年末に幹部職員を対象にパワハラ防止研修を実施し、基礎的な知識などとともに、我々自身がしっかりとパワハラに関心を持ち、根絶していかなければならない重大なテーマであるという認識の共有を図りました。

 また、庁内の実態を把握するため、一般職の職員約1万5千人を対象として、アンケート調査を実施しました。県立学校の教員等についても、教育委員会において同時期に調査を行いました。

 アンケート調査の結果、この約5年間に「パワハラを受けた事がある」と回答した職員が回答者の約2割いたという結果は、以前に比べ、世論の高まりや多くの方々の努力によって、改善が進んできた印象も持っていた中で、想像していたよりも多いと感じています。

 取りまとめ結果は、先月21日に開催した神奈川県職員等不祥事防止対策協議会に報告し、今後の県のパワハラ防止対策として、相談窓口の改善や、アンケート調査の継続的な実施など、貴重な御意見をいただきました。

 パワハラは相手の人格を傷つけるだけでなく、組織にとっても大きなマイナスの影響を及ぼすものであり、決して許されないことです。

 今後は、協議会からの御意見を踏まえたパワハラ防止対策のより一層の強化や、「パワーハラスメントの防止等に関する指針」等庁内ルールの職員への周知徹底、職員がコミュニケーションを取りやすい環境づくりなどに努め、パワーハラスメントの根絶に向け、全庁一丸となって取り組んでまいります。

 次に、景気動向と県税収入の状況についてです。

 政府は、1月の月例経済報告において、景気は、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復しているとしています。

 また、先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される一方、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があるとしています。

 こうした中で、県税収入の見通しですが、令和元年度は、海外の貿易摩擦等の影響で法人二税を中心に減収が見込まれており、この県税に地方譲与税などを加えた税収全体でも、現計予算額に比べ428億円減収となる1兆2,906億円にとどまる見込みです。

 こうした現計予算額を下回る見通しは、平成28年度以来3年振りのこととなります。

 次に、令和2年度の見通しですが、法人二税については、現時点では企業収益の回復が期待できないことから減収が見込まれますが、地方消費税については、税率引上げの影響の本格化により大幅な増収が見込まれます。

 こうしたことから、令和2年度の県税収入は、前年度現計予算額を230億円上回る1兆2,131億円を、そして、県税収入に地方譲与税などを加えた税収全体では、1兆3,728億円を見込んでいます。

 一方、歳出である市町村への税交付金も増額となることから、実質ベースの税収は、前年度現計予算額を128億円下回る見通しです。

 次に、本県の財政状況についてです。

 令和2年度の当初予算編成は、700億円の財源不足からスタートしました。その後、歳入面では、地方譲与税の増収が見込めたものの、地方交付税等は減額となり、また、歳出面では、子ども子育て支援などの国予算への対応や、人事委員会勧告に基づく給与改定など、追加の財政需要が生じました。

 このため、徹底した施策・事業の見直しや歳入の確保などの全庁をあげた取組みに加え、令和元年度中の県税等の減収を補うための減収補填債の発行などにより確保した財源を活用したものの、なお財源不足を解消することができず、財政調整基金を127億円取り崩すことにより、ようやく収支を均衡させることができました。

 このように、令和2年度予算は、実質的には当該年度中の歳入で歳出を賄えず、財政調整基金などの臨時的な財源でようやく収支を均衡させることができたものであり、本県財政は例年以上に大変厳しい状況となっています。また、今後を見通すと、急速な高齢化などに伴い、介護・医療・児童関係費の増加が確実に見込まれることから、厳しい財政状況が続くものと見込まれます。

 こうした状況ではありますが、SDGs最先進県として、「かながわグランドデザイン第3期実施計画」に掲げる施策を着実に推進する必要があると考えています。

 それでは、令和2年度当初予算案の主要な施策について、ご説明します。

 はじめに、台風15号・19号による被害等を踏まえた「かながわ気候非常事態宣言」の取組みについてです。

 まず、「今のいのちを守るため、風水害対策等の強化」についてですが、「神奈川県水防災戦略」を策定し、計画的、重点的に対策を進めてまいります。

 具体的には、「緊急に実施することで被害を最小化するハード対策」として、今後の出水期に向けて、河川の緊急対応、県営水道施設の災害対応力の強化などを行うことにより、危険箇所の解消を進めます。

 また、「中長期的な視点で取組みを加速させるハード対策」として、遊水地や流路のボトルネック箇所等の整備、土砂災害防止施設の整備など、減災、強靭化の効果が早期に期待できる事業について、充実強化や前倒しを行います。

 さらに、「災害対応力の充実強化に向けたソフト対策」として、避難施設や避難所の生活環境整備等を行う市町村への支援を拡充するとともに、情報受伝達機能の充実・強化などを行います。

 次に、「未来のいのちを守るため、2050年の「脱炭素社会」の実現に向けた取組みの推進」についてですが、「アクア de パワーかながわ」の活用により、企業庁の水力発電で得られる電気料金収入のうち、環境価値分の相当額を基金に積み立て、気候変動対策に係る取組みを推進します。また、かながわスマートエネルギー計画に基づき、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの導入加速化に取り組むとともに、二酸化炭素の吸収源対策を推進します。

 次に、「気候変動問題の共有に向けた、情報提供・普及啓発の充実」についてですが、公益財団法人地球環境戦略研究機関IGESと連携して、気候変動に関する学習教材を作成し、学校教育の場で活用するとともに、県民や事業者等の関心や理解を深めるため、講演会やワークショップの開催等を行います。

 以上が、「かながわ気候非常事態宣言」の取組みですが、市町村など多様な主体と連携・協力し、「オール神奈川」で強力に推進することにより、「県民のいのちを守る持続可能な神奈川」を実現してまいります。

 次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功とレガシーの継承に向けた取組みについてです。

 まず、大会の成功に向けた取組みについてですが、江の島ヨットハーバーにおいてセーリング競技が円滑に実施できるよう、既存艇の移動や交通対策などの準備を万全に整えてまいります。

 また、大会の機運を高めるため、県庁や会場周辺等をオリパラのエンブレム等で装飾するシティドレッシングを行うとともに、大会直前イベントや、神奈川ゆかりの選手の壮行会などを開催します。

 さらに、オリンピックの聖火リレーを円滑かつ安全に実施するほか、パラリンピック聖火フェスティバルを開催し、「ともに生きる社会かながわ」の実現につなげます。

 このほか、大会期間中は、パブリックビューイングを中心に、ステージイベント等が楽しめるライブサイトを県内2か所で実施するとともに、子どもたちにスポーツの素晴らしさを体験し、一生の財産として心に残してもらうため、県内で開催される4競技を中心に、観戦機会を提供します。

 次に、レガシーの継承についてです。大会後の継続的なスポーツ施策の展開として、神奈川育ちのアスリートを早期かつ計画的に発掘・育成するため、9歳から12歳までのゴールデンエイジを対象に、リニューアルオープンする県立スポーツセンターにおいて、運動能力テストやタレント育成プログラムを実施します。

 また、スポーツ医科学や栄養学的側面から、競技力向上やスポーツ障害の予防を図るため、スポーツセンターにおいて、ジュニア・ユースアスリート等を対象にしたトレーニング指導等を行います。

 さらに、令和3年度に開催する「ねんりんピックかながわ2021」に向けた準備を着実に進めるとともに、高齢者スポーツの普及・振興や健康づくりを推進します。

 以上が、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功とレガシーの継承に向けた取組みですが、こうした取組みにより、県全体で大会を盛り上げ、県民の皆さまの心に残る大会にしたいと考えています。

 次に、その他の主要な施策について、「かながわグランドデザイン第3期実施計画」の柱ごとにご説明します。

 はじめに、「柱Ⅰ 健康長寿」についてです。

 まず、「未病」についてですが、県民一人ひとりの行動変容を促進し、健康寿命の延伸につなげるため、「マイME-BYOカルテ」に実装する「未病指標」について、県民の皆さまに広く普及させるとともに、精緻化を図るための実証を行います。

 また、県民の未病改善の取組みを推進するため、持続可能な社会システムの構築を目指し、未病の状態から医師等が運動や食事等の生活指導を中心とした行動変容を促す、仮称ですが、「未病コンディショニングセンター」の機能の実証を行います。

 さらに、高齢者の低栄養対策を加速化するとともに、本県の取組みを広く発信するため、国内外から有識者等を招き、栄養サミットのサイドイベントを開催します。

 次に、「医療」についてですが、より安全で安心な医療・介護を提供する体制を構築するため、県民の医療情報や介護情報を関係機関で共有するためのネットワークシステムの構築等に対して、補助を行います。

 また、骨髄移植等により、定期予防接種で獲得した免疫が低下又は消失した20歳未満の方が、予防接種の再接種を受ける場合に、その費用を支援する市町村に対して、補助を行います。

 次に、「障がい児・者」についてですが、「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念を、県民の皆さまに広く深く浸透させるため、引き続き、市町村等と連携した普及啓発を行うとともに、SNSを活用した広報等を行います。

 また、津久井やまゆり園の再生に向けて、千木良、芹が谷の両地域において新築工事等を行うとともに、引き続き、利用者の意思決定支援や地域生活移行支援を着実に進めてまいります。

 さらに、意思決定支援の更なる普及・定着を図るため、保護者向けリーフレットの配布や、動画教材の作成・配信を行うとともに、相談支援専門員の研修等を行うことにより、相談支援体制を強化します。

 また、聴覚障がいのある乳幼児の手話言語獲得を支援するため、乳幼児と保護者が大人のろう者と触れ合う交流会等を開催します。

 さらに、年齢や障がい等にかかわらず、誰でも文化芸術を鑑賞、創作、発表できる機会を提供するため、すべての人が舞台芸術に参加できる「共生共創事業」を実施するとともに、障がい者の美術作品「ともいきアート」を展示・創作する場の創出などを行います。

 このほか、分身ロボットによる社会参加や就労を実証するため、遠隔地からの文化芸術公演の鑑賞や、県での就労機会の確保等を行います。

 次に、「柱Ⅱ 経済のエンジン」についてです。

 まず、「エネルギー」についてですが、かながわスマートエネルギー計画を推進するため、初期費用ゼロで住宅用太陽光発電設備を設置する事業に対して補助を行います。

 また、蓄電池の導入に対する補助や、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHの導入に対する補助など、従来の補助制度も引き続き実施することにより、分散型エネルギーシステムの構築を目指します。

 次に、「産業振興」についてですが、中小企業・小規模企業の持続的発展を図るため、「企業経営の未病CHECKシート」のアプリを活用した早期の経営改善への支援等を行うことにより、「企業経営の未病改善」を更に推進します。

 なお、中小企業制度融資については、前年度と同額の2,600億円の融資枠を確保した上で、借換支援融資の拡充や、事業承継時に経営者保証を不要とする政策融資の新設等を行います。

 また、ベンチャー企業支援については、鎌倉市の「HATSU鎌倉」において、次世代のベンチャー企業の担い手を育成するとともに、横浜市の「WeWork」の「SHINみなとみらい」において、県内大企業、金融機関、大学等の様々な主体との相互連携を促進することにより、ベンチャー企業の成長を加速化させます。

 さらに、市場の創出や拡大が見込まれる成長産業の企業等の立地を促進するため、「セレクト神奈川NEXT」により、県外・国外から立地する企業の土地、建物及び設備への投資や、県内企業の再投資に対する補助等を行います。

 次に、「観光」についてですが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の機会をとらえて、国内外から多くの観光客を誘致するため、民間事業者との連携やSNSを活用した情報発信などによる戦略的なプロモーションを展開します。

 また、外国人観光客が快適に滞在できる環境をつくるため、神奈川県観光魅力創造協議会で発掘した観光資源である民間施設等に対して、多言語表記やWi-Fi環境、自動翻訳機等の整備への補助を行います。

 さらに、大会後の展開も見据えて、1,000通りのツアーを充実・強化するとともに、共生共創事業や文化オリンピアードなどのマグカルの取組みを推進することにより、人を引き付ける魅力ある神奈川づくりを加速させます。

 次に、「農林水産」についてですが、若者の漁業への新規就業を促進するため、仮称ですが、「漁業就業促進センター」を開設し、漁業未経験者への研修等を行うとともに、持続可能な水産業への構造改革を図るため、相模湾への大規模外洋養殖施設の誘致に向けた検討を行います。

 また、「豚コレラ」から名称が変更された「豚熱」については、予防的ワクチンの早期接種について県議会の皆さまにもご尽力いただき、県の獣医師、そして民間の獣医師の方にも協力いただいて、年末年始の休みを返上して接種を行い、その結果、水際で感染を食い止めることができました。引き続き、予防的ワクチンの接種や、消毒体制の強化等を行います。

 次に、「柱Ⅲ 安全・安心」についてです。

 まず、「減災」についてですが、現地災害対策本部の機能を充実させるため、職員への訓練や研修を強化するとともに、資機材の整備を行います。

 また、災害時に国や市町村、防災関係機関との情報伝達を行う防災行政通信網については、老朽化対策や機能強化を図るため、再整備に向けた実施設計を行います。

 さらに、被災者の生活再建を支援するため、被災者生活再建支援法が適用されない地域においても、法と同等の支援金を支給する県独自の制度を恒久化します。

 次に、「治安」についてですが、「神奈川県警察交番等整備基本計画」に基づく交番等の整備に当たり、交番の利便性と安全性を維持・強化するため、住民のニーズに迅速かつ柔軟に対応できる車両型「アクティブ交番」の整備を行います。

 また、警察活動の効率を高めるため、AIを活用した犯罪・交通事故発生予測システムを構築します。

 加えて、道路利用者の交通の安全を確保するため、摩耗が進行して見えにくくなっている道路標示の補修や、信号機のLED化など、交通安全施設の整備を更に推進します。

 次に、「安心」についてですが、自治会や町内会等による防犯カメラの設置を支援する市町村に対して、引き続き補助を行います。

 また、増加する特殊詐欺被害を防止するため、迷惑電話防止機能を有する機器の普及に取り組む市町村に対して、補助を行います。

 次に、「柱Ⅳ ひとのチカラ」についてです。

 まず、「子ども・青少年」についてですが、幼稚園、保育所、認定こども園等の保育料を支援することにより、幼児教育・保育の無償化を通年で実施します。

 また、待機児童の解消に向けた保育士確保の取組みとして、県独自の地域限定保育士試験を引き続き実施するとともに、保育所等の働き方改革を推進するため、コンサルタントの派遣等を行います。

 さらに、児童虐待の防止に向けて、児童相談所の体制を強化するため、職員を増員するとともに、児童の権利擁護に精通した弁護士に常時相談できる体制を整備します。

 また、児童養護施設や児童相談所の一時保護所に入所している子どもたちが、自ら意見表明できる機会を拡充するため、子どもの意見を代弁する、いわゆるアドボカシーの仕組みを構築します。

 このほか、SNSを活用した相談窓口について、既に実施している窓口を通年化するとともに、妊娠や出産に関する悩みや不安を抱えた妊婦等からの相談や、「いのちの相談」の窓口を、新たに追加します。

 次に、「学び・教育」についてですが、私立高校等に通う家庭の経済的負担を軽減するため、授業料の実質無償化の範囲を年収約700万円未満の世帯まで拡大するとともに、新たに住民税非課税世帯までの入学金を実質無償化します。

 また、県立高校改革を推進するため、神奈川総合高校において、舞台芸術科設置に向けた整備工事等を行うほか、平塚農商高校や吉田島高校において、新棟の新築工事を行います。

 さらに、「新まなびや計画」に基づく県立学校の耐震・老朽化対策に着実に取り組むとともに、トイレ環境の整備や空調設備の整備を計画的に行います。

 また、県立特別支援学校の高等部知的障害教育部門において、公共交通機関での通学が難しい生徒の学びを保障するため、スクールバスの利用を拡大するとともに、通学支援員を増員します。

 このほか、市町村立小中学校において、教員が児童・生徒への指導や教材研究に注力できる体制を整備するため、教員の業務の一部を補助する「スクール・サポート・スタッフ」を配置します。

 次に、「柱Ⅴ まちづくり」についてです。

 まず、「地域活性化」についてですが、三浦半島地域の活性化を図るため、年間を通じた海岸の有効活用や、DMOと連携したMICE客の誘客等を行うとともに、湘南国際村を新たな周遊地点とするため、地域資源を活用した新たな魅力の発信等を行います。

 また、未病の戦略的エリアとして県西地域の活性化を図るため、拠点施設である未病バレー「ビオトピア」を核とした県西地域の回遊を促進するとともに、未病の体験施設「me-byoエクスプラザ」の運営等を行います。

 さらに、観光の核づくり地域である城ケ島・三崎、大山、大磯の三地域において、民間事業者と連携した効果的な取組みに対する補助を行います。

 次に、「多文化共生」についてですが、地域における日本語教育の体制づくりを進めるため、各地域の実情に応じたプログラムの企画・調整を行うコーディネーターを配置します。

 また、県民の多文化理解を更に促進するため、多文化共生イベント「あーすフェスタかながわ」の日本大通りでの開催に対する支援を行います。

 このほか、SDGsを推進するため、昨年、連携趣意書を締結した国連開発計画、UNDPと連携し、「SDG Global Festival of Action」のブランチイベントをアジアで初めて開催したいと考えています。さらに、ヘルスケア・ニューフロンティアを推進するため、先進技術を活用した高齢者に優しい地域づくり「スマート・エイジフレンドリーシティ」の実現に向けた専門家会議を開催します。

 以上の施策を中心に、予算編成を行った結果、一般会計の予算総額は1兆9,035億円となり、肉付け後の前年度6月現計予算との対比では102.6%となりました。

 これに、特別会計と企業会計を加えた全会計予算規模の合計は4兆1,944億円となっています。

 また、一般会計の財源としては、県税1兆2,131億円、地方交付税1,050億円、臨時財政対策債を含む県債1,834億円などを計上し、更に各種財源対策を講じながら、収支の均衡を図った次第です。

 以上が令和2年度当初予算の説明です。

 今回の予算は、先ほど申し上げたように、例年以上に厳しい財政状況の中で編成したものですが、こうした状況にあっても、予防接種再接種への支援や、児童虐待防止に向けた児童相談所の体制強化、私立高校授業料等の実質無償化の拡充、特別支援学校のスクールバスの利用拡大、交通安全施設整備の更なる推進など、県民生活に密着した取組みには、しっかりと対応しています。

 令和2年度は、気候変動問題への対応や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などを通じて、本県の施策が新たなステージに入ります。こうした新たなステージにおいても、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けて全庁一丸となって挑戦していく、そういう強い想いを、予算に反映することができたと考えています。

 次に、予算案以外の案件についてご説明します。

 令和2年度関係としましては、条例の制定2件、条例の廃止1件、条例の改正16件など、全体で24件を提案しています。

 まず、条例の制定ですが、神奈川県気候変動対策基金条例は、先ほど申し上げました「アクア de パワーかながわ」の活用により、企業庁の水力発電で得られる電気料金収入のうち、環境価値分の相当額を気候変動対策の推進に必要な資金として積み立てるため、所要の定めをするものです。

 また、神奈川県県営住宅事業基金条例は、県営住宅の建替え及び維持管理を計画的に進めることを目的に、建替えで生じた余剰地売却収入等を積み立てるため、所要の定めをするものです。

 次に、条例の廃止ですが、魚介類行商等に関する条例を廃止する等の条例は、食品衛生法の一部改正等により、魚介類行商等が法による許可又は届出業種となったことに伴い、条例の廃止等をするものです。

 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。

 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例ほか定数関連2条例は、県職員、市町村立学校職員、地方警察職員の定数について、それぞれ改正するものです。

 条例については、このほか事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例など、13件の改正をお願いしています。

 次に、条例以外の案件ですが、建設事業等に対する市町負担金や境川の改修工事に伴う相模原市と町田市の境界変更など、5件を提案しています。

 次に、令和元年度関係の諸議案です。

 まず、一般会計補正予算案ですが、給与改定に対応するとともに、地方消費税の減収に伴う税交付金等の減額、公共事業の内示減や各種基金の事業費の減に伴う減額など、所要の措置を講じております。

 なお、歳入面では、県税・地方譲与税の減収を計上するほか、法人事業税の減収等を踏まえ減収補填債等を発行し、これにより確保した財源を令和元年度と2年度の2か年で活用することとし、県債管理基金の取崩しを一部中止しました。

 その結果、一般会計補正予算額は284億円の減額となっており、財源面では、地方交付税等の追加と、国庫支出金や繰入金の減額などを調整し、収支の均衡を図っております。

 また、特別会計についても、所要の措置を講じたところです。

 今回併せて提案しました令和元年度2月補正予算(その2)については、国の補正予算第1号が1月30日に成立したことを受け、補正予算措置を講じるものです。

 まず、公共事業の追加ですが、台風15号・19号による被害等を踏まえ、河川、砂防、道路などにおいて、水防災戦略に基づく風水害対策等を行います。

 また、台風19号により被災した箱根登山鉄道の復旧に対して補助を行うとともに、原子力災害発生時に応急対策拠点となるオフサイトセンターの浸水対策工事を行います。

 このほか、児童生徒1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する国の「GIGAスクール構想」を受けて、県立高校、中等教育学校及び特別支援学校における通信ネットワークの整備等を行います。

 以上が主な内容ですが、2月補正予算(その2)の規模は、一般会計で110億6,200余万円となっており、財源としては国庫支出金や県債等を計上し、収支の均衡を図っております。

 最後に、今後の財政運営について申し上げます。

 私は、これまでも、中期財政見通しを策定し、持続可能な財政運営に努めてきました。そうした中で、臨時財政対策債の減少や、県債管理目標に沿った県債残高の着実な減少といった成果も上がってきていますが、一方で、財政需要に比して不十分な歳入や、義務的経費の比率が高いことによる硬直した歳出といった財政構造の根本的な改善には至っていません。

 平成28年の中期財政見通しの策定後、国の大きな制度改正が行われるなど、県財政を取り巻く環境が大きく変化しています。また、今回、台風15号・19号による被害等を踏まえて策定した水防災戦略の推進を図るために県債を活用するとともに、財源不足解消のために減収補填債等を発行するなど、県債を取り巻く状況もまた、変化してきています。

 こうしたことから、より現状に即して、中期的な展望のもとに財政運営を行うべく、新たな中期財政見通しの策定作業を進めており、今定例会の常任委員会において、お示ししたいと考えています。

 次に、予算案以外の案件につきましては、条例の改正10件、工事請負契約の締結1件、特定事業契約の変更2件など、全体で16件を提案しています。

 条例の改正については、地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例などをお願いしています。

 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結は、緑警察署新築工事請負契約をお願いするものです。

 また、特定事業契約の変更は、物価変動による改定等に伴い、体育センター等及び自動車運転免許試験場の特定事業契約の変更をお願いするものです。

 このほか、建設事業等に対する市町負担金など3件を提案しています。

 以上をもちまして、私の説明を終わります。

 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。

 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

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