知事議会提案説明(提案説明 平成30年第3回定例会)〔11月提案〕

掲載日:2018年11月29日

知事議会提案説明(提案説明 平成30年第3回定例会)〔11月提案〕

 本日、提案しました平成30年度補正予算案ならびにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
 はじめに、11月15日から20日まで、日本と外交関係を樹立して今年で45周年を迎えるベトナムと、最先端医療の産業化が進展するシンガポールを訪問しましたので、その概要を報告いたします。
 今回のベトナム訪問では、ティン国家副主席、ズン副首相など政府要人と相次いで会談をしました。
 これらの会談の中で各政府要人からは、「ベトナムフェスタin神奈川」の開催など、これまでのベトナムとの経済・観光・文化交流の取組みに対し感謝の意が示されるとともに、今後も更なる神奈川県とベトナムとの友好・交流関係の進展を期待する熱い想いが語られるなど、本県の取組みが高く評価され、ベトナム政府との信頼関係が一層深まったと実感しました。
 また、昨年度から今年度にかけて、県の企業誘致施策「セレクト神奈川100」の活用により、ICT関連企業など6社のベトナム企業の県内進出が実現しており、更なる誘致に向け、「神奈川投資セミナー」を開催しました。会場には、神奈川への進出意欲を持ったICT関連企業など、ほぼ満員となる120名の方にご参加いただき、今後の県内への誘致に強い手応えを感じました。
 さらに、県企業庁はランソン省と水道分野における技術協力に関する覚書を締結しました。今後、県企業庁が培ってきた技術・経験・知識などを活用して、ランソン省との協力関係の強化に取り組んでまいります。
 そして、17日と18日の2日間、ハノイのリー・タイ・トー公園において、日本の地方自治体としては初めてとなる「KANAGAWA FESTIVAL in HANOI」を開催しました。
 会場では、小田原ゆかりの風魔忍者ショーや、神奈川の名所を背景に記念撮影を楽しむブースなどが賑わいを見せていました。さらに、スーパースターのヌー・フック・ティン氏がパフォーマンスを披露し、会場の熱気が最高潮となる中で、今年、自ら訪問した神奈川の観光地の写真を紹介しながら、その魅力を強力にアピールしてくれました。
 また、連携イベントとして「交通安全ベトナム「絆」駅伝2018inハノイ」が開催されました。私も、ロンドンオリンピック代表の尾崎好美さんや、フン国家交通安全委員会副委員長などとチームを組んで参加し、友好交流を深めてまいりました。
 今回の訪問では、これまで本県とベトナムとの間で進めてきた友好・交流関係の構築に向けた取組みが、目に見える形で実を結んできたと実感でき、さらにハノイでのイベントを通じて、本県の魅力を強く発信できたと確信しています。
 こうしたイベントの開催や企業進出などにより、本県とベトナムとの関係も新たな段階を迎えてきたと感じましたので、交流・連携による成果を最大限、本県の施策に活かしていきたいと考えています。
 続いて訪問したシンガポールでは、平成25年に県関係団体であったライフイノベーション国際協働センター、GCCとの間で、ライフサイエンス分野に関する覚書を締結した科学技術研究庁を訪問し、ヘルスケア・ニューフロンティアの取組みを説明しました。その後、県に同行していた再生・細胞医療関連の企業訪問団とともに、同国のバイオメディカル分野の研究開発拠点であるバイオポリスを視察いたしました。
 また、初めて訪問した保健省では、ガン・キムヨン保健大臣と会談し、WHOとの連携を始めとする未病の改善に向けた県の取組みを説明しました。最先端医療産業が集積するシンガポールですが、本県と同様に急速な高齢化への対応を模索しており、県の先進性を同国に取り入れたいという思いを肌で感じ取りました。
 今後は、今回の訪問の成果を基礎として、本県とシンガポールとの交流をさらに深めることで、更なる連携強化につなげてまいります。
 次に、SDGsの推進についてです。
 SDGsの取組みを進めていくためには、SDGsをわかりやすく広く普及させることが必要です。
 そこで、包括的であるSDGsを「自分事」としていただくため、「かながわプラごみゼロ宣言」を9月に発表し、海洋汚染、特にマイクロプラスチック問題に取り組むこととしました。
 それ以来、企業や自治体等と連携したシンポジウム、ビーチクリーン等のイベントを開催し、参加された皆様との間で、プラごみゼロ、そして、SDGsの推進に向けた意識が広まったと考えています。
 今後もこうした、具体的で分かりやすい取組みを通じた普及・啓発を進めることで、より多くの皆様にSDGsを「自分事」としていただき、SDGsの推進に向けた行動を促進していきます。
 さらに、SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業の両方に、都道府県として唯一選定された本県は、同時に選定された横浜市、鎌倉市とも連携し、「神奈川から『自治体主導のSDGsへの取組』を全国に発信する」ことを目的に、来年1月「SDGs全国フォーラム2019」を横浜で開催します。
 SDGs先進県として、このフォーラムの開催を通じて、日本全体でSDGsに取り組む機運を盛り上げてまいります。
 次に、太陽光発電の普及推進についてです。
 今年は全国各地で自然災害が発生し、大規模な停電が起こりました。9月の北海道胆振東部地震では、道内全体で295万戸が停電し、また、県内でも台風24号の影響により、約18万戸が停電しました。
 こうした中、新聞で「自分の家は1日停電したが、明かりが灯っている家を見てうらやましくなった」という声が紹介されていました。この報道は、災害の時こそ、太陽光発電と蓄電池によるエネルギー自立型の家が真価を発揮するということを表しています。
 災害時でも、太陽光発電があれば電気が確保でき、テレビからの情報収集やスマートフォンの充電も可能になります。さらに、蓄電池があれば昼間に太陽光で発電した電気を溜めることで、夜間でも電気を確保することが可能になります。
 そこで、大規模停電に住民の関心が高まったこの機会に、「災害時も停電のない暮らし~今こそ太陽光発電~」というコピーをすぐに作成して全県展開しました。そして、太陽光発電と併せて、新たに蓄電池システムを導入する場合の補助を拡大しました。また、創エネと省エネでエネルギー消費量が実質ゼロになる「ZEH」の普及にも全力で取り組んでいます。
 今後も、より一層のエネルギーの地産地消を進め、災害時も停電のない、エネルギー自立型の住宅・ビル、街の実現を目指していきます。
 次に、ロボットと共生する社会の実現に向けた取組みについてです。
 県では、「さがみロボット産業特区」を中心に、ロボットの実用化や普及・活用を進めることで、ロボットが社会に溶け込み、いのちや生活を支えるパートナーとして活躍する「ロボットと共生する社会」の実現に向けた取組みを推進しています。
 このロボットと共生する未来の姿を皆様に実感していただくショーケースが辻堂駅北口周辺の「かながわロボタウン」です。ここでは、様々なロボットが活躍している様子を見て、体験することができるモデル空間づくりを進めています。今月23日から25日まで開催したキックオフイベントでは、「さがみロボット産業特区」で支援してきたロボットや、お子様にも楽しんでいただけるロボットなど、多種多様なロボットの体験や展示を行い、ロボットと共に生きる社会を実感していただきました。
 今後も人生100歳時代に向けて、高齢者を支援するロボットや、あらゆる分野での人手不足に対応するロボットなどの実用化や普及に取り組み、ロボットと共生する新しい社会の姿を神奈川から発信していきます。
 次に、風しんの撲滅に向けた取組みについてです。
 今年の8月後半から首都圏を中心に風しんが流行し、患者数が急増しています。本県においても、昨年1年間で10名だった患者数が、今年は11月22日までの累計で、既に250名を超えています。こうした状況を危惧し、米国の疾病予防管理センターでは、予防接種や感染歴がない妊婦の日本への渡航自粛を勧告しています。
 風しんは飛沫感染し、その感染力はインフルエンザの2倍から4倍も高いと言われています。特に、妊娠初期の女性が風しんにかかると、お腹の中の赤ちゃんに感染する可能性があり、その場合、難聴や心疾患など、先天性の疾患を引き起こすおそれがあります。
 感染を防ぐためには予防接種が極めて重要です。予防接種を受けることができない妊婦への感染を防止するためにも、抗体を持つ割合が低い30代から50代の男性をはじめ、可能な限り、全ての皆様に抗体を持っていただくことが大切です。
 そこで県では、平成26年度から風しん撲滅作戦として、妊娠を希望する女性等への無料抗体検査の実施や、市町村が実施する予防接種への補助、動画を活用した普及啓発など、様々な手段を講じてきました。今後は、さらなる工夫を重ね、これ以上流行を拡大させないよう、企業への働きかけなど、取組みを徹底してまいります。
 次に、企業経営の未病改善に向けた取組みについてです。
 県では、中小企業・小規模企業の経営者の皆様に、経営状況が下降する前からその兆しに気づいていただき、必要な対策、企業経営の未病改善を講じてもらえるよう、企業経営の未病を見える化するチェックシートの作成に取り組んできました。まず、今年の8月から10月まで、関係団体や県内中小企業・小規模企業約250社のご協力のもとチェックシートを試行し、貴重なご意見をいただきながら改良を加えました。
 そして、今月22日から、チェックシートを配布し、企業経営の未病改善の取組みを開始しました。中小企業・小規模企業の経営者が、このシートを活用して自分の企業の未病状態にいち早く気づき、商工会や商工会議所等の助言や指導を受けながら、早期に必要な対策を講じられるよう、しっかりと支援してまいります。
 次に、新たな観光の核づくりに向けた取組みについてです。
 県では、横浜、鎌倉、箱根といった国際観光地に続く「新たな観光の核づくり」について、地元の主体的な取組みを支援することで、地域の魅力を磨き上げてきました。
 こうした中、核づくりの認定地域である3地域において、魅力を高める動きが進展しています。
 まず、「城ケ島・三崎地域」では、地元関係団体や民間事業者により、宿泊施設のリニューアルを含めた周辺地域の一体的な再整備方針が決定されたことが契機となり、核づくりの機運が一気に高まっています。
 また、「大山地域」では、日本を訪れる外国人観光客向けのガイドブックとして世界的に影響力のある「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に「大山阿夫利神社からの眺望」が2つ星として紹介されたほか、江戸時代の庶民文化である「大山詣り」が日本遺産に認定され、魅力向上に向けた機運醸成につながっています。
 さらに、「大磯地域」では、県が率先し、大磯町や民間団体と連携しながら、邸園文化の再生に取り組んできました。そして、今年は、明治改元から150年にあたることから、国も乗り出し、旧伊藤博文邸、いわゆる滄浪閣を中心に、歴史的遺産を保存・活用する「明治記念大磯邸園」の整備を進めており、先月23日から明治150年を記念して一部区域を公開しています。加えて、県立大磯城山公園の「旧吉田茂邸サンルーム」などが国の登録有形文化財に登録される見込みです。
 今後も、地域の魅力を磨き上げる取組みを進めながら、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などの機会に国内外から多くの方々にお越しいただける、そして、海外にも強力に発信できる魅力的な観光地の創出を目指し、関係自治体などと連携して、しっかりと取り組んでまいります。
 それでは、このたび提案いたしました補正予算案につきまして、ご説明申し上げます。
 今回の11月補正予算案では、9月補正予算編成後の状況の変化により、早急に対応する必要があるものについて措置することといたしました。
 まず、台風24号による被害への対応として、被災した農業者の速やかな経営再建のため、農業用ハウス等の再建や修繕等に対して、市町村を通じて補助するとともに、県の農業用取水施設の復旧工事を行います。
 次に、前川國男氏が設計した横浜市西区紅葉ケ丘地域の県有施設の魅力を引き出し、賑わいの創出につなげるため、ラグビーワールドカップ2019までに、同地域の景観改善に向けた工事を行います。
 また、東京2020パラリンピック競技大会の事前キャンプ受入れに向けて、学校法人国際学園が行う星槎大学箱根キャンパスにおける施設整備に対して、国の交付金を活用して補助します。
 さらに、来年4月の県議会議員及び知事選挙の執行に伴う本年度分の経費を措置したほか、県営水道の寒川第3浄水場における設備の更新工事や、県が管理する施設の指定管理について、債務負担行為の設定をお願いしています。
 以上が補正予算案の概要ですが、補正予算の総額は、一般会計で18億2,000余万円となり、財源につきましては、国庫支出金や繰越金などを充当し、収支の均衡を図っています。
 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の改正5件、工事請負契約の締結3件など、全体で38件のご審議をお願いしています。
 まず、条例の制定ですが、神奈川県がん情報等の提供に係る手数料条例は、がん登録等の推進に関する法律に基づく全国がん登録及び神奈川県がん克服条例に基づく地域がん登録の情報の提供に係る手数料に関し、所要の定めをするものです。
 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 神奈川県文化財保護条例の一部を改正する条例は、文化財保護法の一部改正等を踏まえ、県指定重要文化財を損壊し、毀棄し、又は隠匿した者等に対する罰金の額を引き上げるなど、所要の改正を行うものです。
 条例の改正については、このほか地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例など、4件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の主な案件ですが、工事請負契約の締結は、県営万騎ケ原団地公営住宅新築工事請負契約など3件を、工事請負契約の変更は、仮称ですが、横浜北部方面特別支援学校校舎棟新築工事・体育館改修工事の請負金額の変更など2件をお願いするものです。
 また、指定管理者の指定の変更は、平成31年度末に指定期間が満了する県立都市公園及び県立都市公園と一体管理している県立スポーツ施設の指定、23件について、都市公園法に基づく公募設置管理制度の導入を検討するため、2年間の指定管理期間の延長をお願いするものです。
 このほか、当せん金付証票の発売など4件を提案しています。
 なお、職員の給与等勤務条件につきましては、現在関係条例の改正等について準備を進めています。今後、本定例会に提案し、ご審議いただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上をもちまして、私の説明を終わります。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa