知事議会提案説明(提案説明 平成30年第3回定例会)〔9月提案〕

掲載日:2018年9月14日

知事議会提案説明(提案説明 平成30年第3回定例会)〔9月提案〕

 本日、提案しました平成30年度補正予算案ならびにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。
 はじめに、防災対策についてです。
 今年の夏、全国各地で様々な自然災害が起こり、特に、西日本を中心に広い範囲で発生した「平成30年7月豪雨」などにより、大勢の方が亡くなられたほか、大切な住居が失われるなど、甚大な被害が生じました。
 また、今月上旬、徳島県に上陸した台風21号は、近畿地方をはじめ、各地で記録的な暴風や高波、高潮、大雨をもたらしました。さらに、昨日未明に北海道・胆振地方中東部を震源とする、最大震度7の地震が発生し、家屋の倒壊や土砂崩れなど、大きな被害が生じています。
 お亡くなりになられた方々に対して心より哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。
 被災地の一日も早い復旧を切に願っています。
 「平成30年7月豪雨」の直後から、県では、現地での捜索活動を行うため、県警察から延べ124名派遣しました。また、緊急消防援助隊を延べ8名派遣し、ヘリによる物資の搬送などを行いました。さらに、被災地自治体を支援する職員の派遣、被災地でボランティア活動を行う若者などを対象とした無料バスの運行などを行ったほか、特に大きな被害を受けた岡山県、広島県、愛媛県の各県に対し、災害見舞金をお渡ししました。
 今後も、国や全国知事会などから応援要請があれば、全庁を挙げて支援に取り組んでまいります。
 今回の災害で、私たちは、自然の脅威というものを改めて認識させられました。そして、防災対策の重要性について、多くの県民の皆様も感じられたことと思います。いつ起きるかわからない自然災害から「いのち」を守るためには、「自助」「共助」「公助」の連携が重要です。
 県においては、大規模災害の発生に備えた実践的訓練である「ビッグレスキュー」を実施し、また、災害発生時に県内すべての消防本部が一体となって消防活動を行う「かながわ消防」も整備しています。こうした取組みに加え、インターネットや緊急速報メールのほか、新聞やラジオなどの広報媒体を活用して、県民の皆様への防災情報の発信を強化していきます。
 今後とも、国や市町村、関係団体と連携し、防災対策の推進に一層力を注いでまいります。
 次に、障がい者雇用率についてです。
 このたび、本県の障がい者雇用率について、知事部局、教育委員会及び警察本部において、厚生労働省が定めるガイドラインに則った確認をしていないなど、算入対象とならないものも含めて国へ報告していたことがわかりました。
 障がい者雇用の旗振り役となるべき立場の県において、ガイドラインに厳密に則っていない事務処理などによって障がい者雇用率を計上したことは、大変申し訳なく思っております。
 このような状況を受け、県では、再発防止や障がい者の雇用促進に向けて、まず、知事部局と教育委員会、警察本部などが連携し、庁内の検討組織を立ち上げました。今後は、第三者により、その検討結果を検証していただきながら、適切な調査及び報告を徹底するとともに、障がい者雇用の更なる推進に努めてまいります。
 次に、7月17日から20日まで、本県と友好提携を締結してから今年で35周年を迎える中国・遼寧省との更なる交流の充実を図るため、同省を訪問しましたので、その概要を報告いたします。
 今回の訪問では、まず、中国で最も新しい経済開発地区である瀋撫新区を視察しました。瀋陽市と撫順市にまたがる広大な敷地を有する瀋撫新区は、日本企業向けの区画も用意されており、遼寧省側も、本県の企業の進出を強く望んでいました。この瀋撫新区は、かつての遼寧省のトップであった、李克強首相の提案により進められてきた事業であり、中国の中央政府が東北地方の発展に力を入れていることを肌で感じました。
 また、遼寧省が力を入れているロボット産業の状況を視察するため、リーディング企業である、瀋陽新松ロボット社を訪問しました。同社との意見交換を通じ、さがみロボット産業特区の取組みを推進する本県との交流や協力に対する、同社の関心の高さを実感いたしました。
 そして、唐一軍遼寧省省長と会談をいたしました。この会談では、ロボットなどの産業分野における経済交流のほか、人的交流を積極的に進め、両地域の更なる交流を促進していくことを改めて確認する「共同声明」を発表しました。この会談には、ほぼ全ての省政府幹部が同席していたことから、本県との交流に対する遼寧省の期待の大きさを実感しました。
 さらに、120名を超える方々が参加した「神奈川投資セミナー」では、本県の投資環境や企業誘致施策「セレクト神奈川100」の取組みなどを紹介しました。
 また、日本への進出を検討している遼寧省のロボット関連企業のトップとも直接面談したところ、本県の政策に共感をお示しいただき、本県への誘致に強い手応えを感じました。
 今回の訪問を通じて、両地域が直面する課題、そしてその解決のために相互に補完できる部分が多いと感じ、より一層の交流・協力を進めていくことが重要であると認識しました。
 今後は、今回の訪問の成果を基礎として、本県と遼寧省との交流を更に広げることで、両地域の発展につなげたいと考えています。
 次に、ベトナムとの交流についてです。
 日本とベトナムが外交関係を樹立して今年で45周年になります。この節目の年に、今年で4回目となる「ベトナムフェスタin神奈川」を本日9月7日から9日にかけて横浜で開催します。また、新たな取組みとして、11月16日から18日にかけてベトナム・ハノイ市で「KANAGAWAFESTIVAL in HANOI」を開催します。
 ベトナムフェスタは平成27年から4年連続での開催となり、今では、同国ではよく知られるイベントになっています。フック首相をはじめとするベトナム要人の方々との会談では、必ずと言っていいほど、先方からこのイベントの話が出されます。また、昨年から今年にかけて、ベトナムからICT企業など6社が県内に進出しましたが、いずれの企業もベトナムフェスタの開催など、県がベトナムに対して友好的であるという点が進出の後押しになったと伺っています。
 このようにベトナムとは、大変いい関係を築けており、今後も、双方が協力して実施するイベントなどを通じて、国際社会の中でも存在感を増しつつあるベトナムと本県との太いパイプを更に強固なものにしていきたいと考えています。
 次に、SDGsの推進についてです。
 国際連合が掲げる「持続的な開発目標」、いわゆる「SDGs」については、去る6月15日に、本県の先導的な取組みが国に評価され、「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」の両方に選定された全国10自治体のうち、本県は、都道府県としては唯一選定されました。また、本県とともに、横浜市と鎌倉市も選定されており、10のうち3つが神奈川県勢ということで大変誇らしい思いでいます。
 今後は、国や市町村、企業、大学、NPOとも連携しながら、自治体SDGsモデル事業として、普及啓発やSDGsの取組みを行う企業等への社会的投資の促進に向けて、社会的効果の見える化に取り組むことなどにより、「いのち輝く神奈川」の実現に向けて、SDGs先進県として、先頭を走ってまいります。
 次に、SNSを活用した県政の推進についてです。
 県ではこれまで、県民の皆様から寄せられる様々な相談に対し、電話を中心とした体制で取り組んできました。しかしながら、最近は、若い世代を中心に電話の利用は減少し、また、2000年代に登場したスマートフォンの爆発的普及により、SNSの利用が大幅に増加しています。
 そこで、中学生及び高校生を対象とする「いじめ相談」について、これまでの電話に加え、国内での利用率が最も高いLINEを活用した取組みを始めます。さらに、児童虐待や子どもの貧困などの相談にもLINEを活用することを考えています。
 このほか、今月4日にLINE株式会社と締結した包括協定をベースに、同社と連携した取組みを進めていきます。既に、企業庁では、8月から同社の提供するサービスを活用して、上下水道料金の支払いのキャッシュレス化を先駆的に実施していますが、今後は、LINEから容易にマイME-BYOカルテに登録できるようにするなど、未病改善の普及啓発にも取り組みたいと考えています。そして、こうした実績を積み重ねて神奈川モデルを構築し、時代に即した新たな行政サービスとして全国に発信していくことを目指します。
 次に、ラグビーワールドカップ2019と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みについてです。
 ラグビーワールドカップ2019の開催が来年に迫る中、4月に公募が開始された大会公式ボランティアは募集人数1万人以上に対し、全国で3万8千人を超す応募があり、大会への関心が高まっていることを実感しています。県としても横浜市と連携し、横浜駅などへのカウントダウンボードの設置や、国際試合の誘致などを通じ、より多くの県民の皆様に関心を持っていただき、県民総ぐるみで盛り上げることができるよう準備を進めます。
 また、東京2020大会も開催まで残すところ2年を切りました。そして、オリンピックのテストを兼ねた初めての大会であるセーリングワールドカップが、いよいよ今月9日から16日にかけて江の島で開催されます。先月、デンマーク・オーフスの世界選手権で、日本女子選手として初の金メダルに輝いた吉田・吉岡ペアも出場する予定であり、2020年に向けて大いに盛り上がることが期待されます。県としては、大会の成功に向けて、日本選手はもとより各国の選手の皆さんが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、全力をあげて取り組んでまいります。
 また、自転車競技ロードレースのコースが決定し、本県内では、相模原市と山北町が含まれることになりました。男子は200km、女子は100kmを超える、起伏の激しい難易度が高いコースになりますが、関係する都県や市町と連携して、準備を進めていきます。
 いずれの大会も開催までの残された期間で、大会の成功に向けた準備をしっかりと行うとともに、機運醸成にまい進してまいります。
 さらに、セーリングワールドカップ江の島大会の開催に合わせて、民間事業者と連携し、自動運転バスの実証実験も行います。江の島が世界から注目されるこの機をとらえて、自動運転を活用した公共交通の可能性を示すとともに、ロボットと共生する新しい社会の姿を神奈川から発信していきます。
 次に、決算関係資料の誤り防止の取組みについてです。
 平成29年第3回県議会定例会で可決された、「決算特別委員会に係る資料の誤りについて猛省を求める決議」では、「再度、決算審査に関する調書に誤りがないよう、その原因究明をしっかりと行い、徹底した再発防止策を講じること」が求められ、県として重く受け止めました。
 そこで、全庁横断による「決算関係資料の誤りに対する再発防止会議」を設置し、誤りの原因究明とともに、決算関係資料の基礎となる公有財産等の台帳の総点検に取り組んできました。そうした取組の結果、今般、システムへの登録漏れなどによる新たな誤りが判明しました。新たに誤りが判明したことについては、大変申し訳なく思っております。
 誤りについては、台帳に必要な修正を行って正確な台帳にし、そのうえで、段階別チェックリストの作成を行うとともに、各局に新たに経理支援担当者を配置するなど、再発防止策に取り組んでいます。
 今後は、県有財産の適正な管理など、再発防止の取組みを更に徹底してまいります。
 さて、ここで、本県の財政状況について、ご報告申し上げます。
 まず、本年度の見通しですが、県税収入については、これまでの税収実績などを踏まえますと、予算計上した額を若干上回る見込みです。一方、歳出面では、年度後半の追加財政需要に対応する必要がありますので、引き続き慎重な財政運営を行っていかなければなりません。
 次に、平成31年度の財政見通しです。
 歳入面では、県税収入については、企業収益の改善や地方消費税の税率引上げなどにより増収を見込んでいますが、それに伴い、地方交付税及び臨時財政対策債は減額となる見込みです。また、30年度当初予算編成時の減収補塡債の発行等による臨時的な財源は、特例的な対応であったため、これを除きますと、歳入全体としては減額となる見通しです。
 一方、歳出面では、急速な高齢化や幼児教育の無償化などに伴い、確実に増加が見込まれる介護・医療・児童関係費に加え、教育施設等の公共施設の更新などに多額の費用が見込まれます。
 こうしたことから、31年度は、現段階で概ね600億円の財源不足が見込まれています。これまで行ってきた財政健全化の取組みなどにより、財源不足額は前年度より縮小したものの、本県財政は、引き続き厳しい状況にあります。
 このような厳しい財政状況にあっても、県政が直面する諸課題に対しては、的確に、かつ、スピード感を持って対応する必要があります。そのためには、施策・事業について、これまで以上にスクラップ・アンド・ビルドを徹底するとともに、「証拠に基づく政策立案」、いわゆるEBPMの考え方に基づき、成果を重視した予算編成を行う必要があると考えています。
 それでは、この度提案いたしました補正予算案につきまして、ご説明申し上げます。
 今回の9月補正予算案では、6月補正予算編成後の状況の変化により、早急に対応する必要があるものについて措置することといたしました。
 まず、県有施設のコンクリートブロック塀について、去る6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震による倒壊事故を踏まえ、建替え等の安全対策を行います。
 また、平成30年7月豪雨及び台風12号により全国各地で甚大な被害が発生したことを踏まえ、本県における大規模風水害による被害を未然に防止するため、監視カメラの増設や災害情報管理システムの改修等を行うとともに、台風12号により被災した県管理の港湾施設の復旧を行います。
 なお、既決予算により対応可能なものについては、速やかに工事等を行っており、県民の皆様の安全・安心を確保するため、スピード感をもってしっかりと取り組んでまいります。
 次に、児童虐待や子どもの貧困、女性の様々な悩みについて、県民が相談しやすい環境を整備するため、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用した相談を試行的に実施します。
 また、本県が国の「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定されたことを受けて、SDGsの普及啓発を行うとともに、SDGsの取組みを行う企業等への社会的投資の促進に向けて、社会的効果を「見える化」する実証事業を行います。
 さらに、県議会議員の選挙区の区割り変更に伴い、選挙投開票システムの改修を行うほか、大磯町が行う大磯港の水産物荷捌き施設の整備に対する補助金について、計画の前倒しに伴い増額します。
 また、総合リハビリテーションセンターの整備工事について、アスベスト除去処理量の増加に伴う工事費の不足に対応するため、現在設定している継続費の変更を行うほか、横浜北部方面特別支援学校の新築工事について、公共工事設計労務単価の改定に伴う特例措置により契約を変更するため、債務負担行為を設定します。
 以上が補正予算案の概要ですが、補正予算の総額は、一般会計で5億5,500余万円となり、財源につきましては、国庫支出金及び繰越金を充当しています。
 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の改正11件、工事請負契約の締結2件、工事請負契約等の変更2件など、全体で18件のご審議をお願いしています。
 まず、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。
 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用範囲及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例は、県が独自にマイナンバーを利用する事務に、私立高等学校等の学費補助金の交付事務を追加するなど、所要の改正を行うものです。
 条例については、このほか地方税法第37条の2第1項第4号の規定により控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人を指定するための基準、手続等を定める条例の一部を改正する条例など、10件の改正をお願いしています。
 次に、条例以外の主な案件ですが、工事請負契約の締結は、津久井合同庁舎新築工事など2件を、工事請負契約等の変更は、体育センター陸上競技場等整備工事など2件の請負金額等の変更をお願いするものです。
 このほか、平成29年度神奈川県公営企業決算の認定につきましては、監査委員の審査が終了しましたので、ご審議をお願いするものです。
 以上を持ちまして、私の説明を終わります。
 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。
 よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa